武相荘だより ~白洲邸 折々の記~

武相荘だより ~白洲邸 折々の記~ 2019年3月5日 第208号

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

武相荘だより ~白洲邸 折々の記~ 2019年3月5日 第208号

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

★~ミュージアムより~
「武相荘―春展」開催 ~5月26日(日)
今年も3月いっぱいは、正子の「お雛様」を展示しています。
正子の実家である樺山家からもたらされた、京都・丸屋大木人形店製です。
「内裏雛」の圧倒的な存在感には、目を瞠ってしまいます。

★~ショップより~
◎キャンバス地トートバッグ(生成り)
武相荘のロゴ入りです。内側ポケット付きで、マチもあるので重宝します。
深295mm×幅280mm×マチ105mm / ¥1,620(税込)
◎吹きガラス「でく工房」中村一也・作「オモイロック (ロックグラス)」
グラスの下にずっしりと厚みをもたせた作り。地サイダーの瓶を使用した再生ガラスは、やんわりと緑がかっています。氷を入れ、ウイスキーを注いで、手に取れば、納得の重みが伝わります。是非、お確かめください。
φ89mm H92mm/¥2,484(税込)

★~レストランより~
季節のディナーコース、今月のメニューをお知らせしています。
https://www.buaiso.com/access_guide/restaurant_cafe.html?ver=20181207#dinner1
ご予約お待ちしています。

★~イベントより~
◎第8回「お能への誘いの会」4月20日(土)16時より
能楽師:友枝雄人氏、小鼓方:成田達志氏、青柳恵介氏をお迎えして学ぶ今回の演目は「山姥」。
6月の喜多能楽堂にての公演チケットも共にお求め頂けます。
お申込み等は、当館ホームページよりお願い致します。

◎上記以外にも、詳細が決まり次第にホームページでお知らせします。
5月は「陶芸教室」と「骨董市」を予定しています。
当館ホームページのチェックをお願い致します。


★展示スケジュール 
  
「武相荘―春」  開催中   ~ 5月26日(日)
 ※お雛様は3月31日(日)までの展示となります。
「武相荘―夏」5月28日(火) ~ 8月25日(日)
《 夏季休館 8月26日(月) ~ 9月2日(月) 》
「武相荘―秋」9月3日(火) ~ 11月24日(日)


б―――――――――
  武相荘 四季便り
  ―――――――――б
☆椿…昨年12月から始まった椿の開花がやっと、一番最後の遅咲きに到達。
いま、武相荘は正子の好きな色々な種類の椿が見頃です。

☆春蘭…葉をかき分けてみたところ、花芽が確認できました。ミュージアム奥の散策路、駐車場付近にひっそりとあります。

☆桜…染井吉野と山桜があります。散り際の花嵐の際には、雪の如く花びらが舞い落ちます。今年も楽しみです。


б――――――――――
  武相荘のひとりごと
――――――――――б 

 日本のトップアスリートである池江璃花子さんの白血病のニュースが発表されました。
彼女の事を思うと本当に残念で悲しくなります。今の世の中はこのような事があると、テレビのニュースショーのコメンテーターや司会者たちはこぞって報道する事が彼等の義務であるがごとく我先に当事者の気持ちも考えず連日報道します。
中にはしばしば世間のバッシングを受けてしまうようなコメントをする輩も現れます。勿論,悪意や嫉妬からの発言ではないと思いたいところですが、それらを疑われる発言をするという事は公の場でのプロではないような気がします。
不思議な事に同じような種類のコメントをしても、怖ろしいほどのバッシングを受ける人とそうでない人がいます。彼等の日頃の言動が影響しているような気がします。
 自分では何気なく言った事が、相手を不愉快にさせるという事があります。
個人同士なら、その相手と距離をおく事もできますが、マスコミ相手ではそうはいきません。
 せめて自分では相手を不愉快にさせる言動は慎みたいと思いますが、時々やってしまいます。


б―――――――――
   次郎の著作
 ―――――――――б

「 日曜日の食卓にて――日本人についての雑談 」より
※「文藝春秋」1951年 9月号に掲載。
新潮文庫『プリンシプルのない日本』に収録。
---------------------------------------------------------------------
 ~イギリスという国~

 僕は1927年から戦争が始まる前まで、2年に3回くらいの割合で外国へ行った。だから日本には、1年に4ヶ月位ずつ滞在したわけだ。続けて長く海外にいたといえば、1925年まで大学にいた期間だろう。
 その後、日本水産の仕事で毎年イギリスへ鯨の油を売りに行った。僕が鮭缶を売りに行ったとか、その鮭缶を英国の貴族社会が臭いから食べないというのを無理に食べさせて、販路を拡げたなどというゴシップがあるが、全部誤伝である。真相は鯨の油売りに行った時に、友達の家で酒を呑んで、何かの意地で鮭缶を開けて食わせた、というだけのことだ。但し僕は未だに鮭缶は絶対に食わない。
 一定の教育の過程を通ってきた英国人の英語というものには、一種のアフェクテイションがあって仲々味のあるものだ。アフェクテイションとは「恰好」とでも訳したらいいのかな。つまり弁舌爽やかにスラスラ喋る、ということの反対だ。
ちゃんとした英国人は、非常に澱みなく喋るような雄弁な人には、反射的に疑惑心をもつ傾向がある。シエイクスピアのハムレットの淡々とした名調子は評価(アプリシエート)するが、政治家などの余り演説のうま過ぎる、という人には警戒心をもつようだ。
普通に話していても、一語一語をさがしている、というような恰好を見せる、それがアフェクテイションということだ。だから普通のくだらない日常の会話をしていても、一つのセンテンスを終わりまでハッキリいわない人が多い。
 演説は雄弁でなくてはいけないことは英国でも同じだが、その雄弁のあり方が日本あたりと少し違うようだ。永井柳太郎式(※1)の名演説にはあまりうたれないらしい。今、英国で演説が非常にうまいといわれる人の一人はイーデン(※2)だが、この人は品よく図々しさのないような演説だ。大向うの拍手を強いるようなところがない。
 このアフェクテイションは、始終雨が降っている暗い、落ちついた英国の気候に由来するところが多いのではないかと思う。これが英国人の気質に、ひいては話し振りにも作用しているようだ。
 そこへいくとアメリカ人には、スラスラと澱みのない演説をする人が多いようだ。雄弁家でならしたヒットラーの演説を聞いたことがあるが、意味は大部分わからなかったが、さすがに演説がうまい、ということはわかった。しかし英国であんなに興奮してテーブルを叩いて演説をしたら、英国人は頭がどうかしてやしないか、とか、恥ずかしくないのか、とか思うに違いない。僕も僕なりにそう思ったのだが。
 この頃、英国を斜陽の国のようにいう人もあるけれども、昔のような大英帝国になることはともかくとして、いわゆる英国的な人間がいる間は、あの国は崩れないと思う。
気分的にも英国は変ったということを屡々聞くが、英国にいて一番気持が好いのは、身分に関係なくお互いに人間的な尊敬を払うことだ。
例えば、前には英国の貴族は田舎に大きな家を構えていて、その領地の中に村が一つ、二つあるのはよくあって、その田舎道を旧城主の子供が歩いている、向うからその領地内の小作人のおじいさんが歩いてくる、そういう場合の子供が年長者に対する態度は、実に立派なものだ。ちゃんとミスターづけで、「グッド・モーニング・ミスターだれそれ」とやる。片方も丁寧に「グッド・モーニング・ロード」と挨拶する。こうした、ほんとうの行儀のよさ、というものが英国人にはあって、見ていて気持のいいものだ。
 この意味で不愉快なのは、日本でなんとか名のある人の家へ行くと、そこの子供が女中や運転手に威張り散らしていることだ。銀行の頭取だの、社長だのの子供が、親父の主宰する所に働いている大人に対する態度も実に言語道断だ。これは第一に親が悪いと僕は思う。英国では会社の社長に給仕がお茶を持ってきたら、必ず「ありがとう」という。当たり前のことだが気持が好い。
日本でも子供に親がもっとこういうことを教えなければいけない。これがほんとうの民主教育というものだと、僕は思う。
---------------------------------------------------------------------
(※1)ながいりゅうたろう(1881~1944)雄弁で名を馳せた政治家。帝国議会で「階級専攻を主張するもの、西にレーニンあり、東に原敬あり」と、時の首相を痛烈に批判した。
(※2)Robert Anthony Eden(1897~1977)保守党政治家。チャーチル政権の外相として、第二次世界大戦期から戦後にかけての外交を指導。1955年、チャーチルの引退にさいし後継に指名され、首相に就任した。


б――――――――――
     来館者の声から
  ――――――――――б
 
----------------------------------------------------------------------

□今日で5回目です。いつ来ても心が落ち着きます。

□正子さんの書斎を拝見出来たことが嬉しかったです。素晴らしい空間。

□椿と梅がきれいな季節に来て良かった。

----------------------------------------------------------------------

■当館への御意見・御要望など、こちらまでお寄せ下さい。

     ⇒ mailto:info@buaiso.com


б―――――――――
   ご利用案内
 ―――――――――б
 
◆ミュージアム開館時間/10:00~17:00(入館は16:30まで)

レストラン営業時間
*ランチ 11:00~15:00ラストオーダー 
*カフェ 11:00~16:30(16:00ラストオーダー)
*ディナー 18:00~ラストオーダー20:00(完全予約制)
※イベント等の都合により、営業時間の変更が生じる場合があります。
※土日祝日のランチ予約はお受け出来ません。(人数等によって応相談)
※ご予約は前日までに。【 ご予約・問合せ:レストラン直通 042-708-8633 】
  
メニュー、画像
→ https://www.buaiso.com/access_guide/restaurant_cafe.html
           
----------------------------------------------------------------------

◆休館日/月曜日 ( ※祝日・振替休日と重なる場合は開館いたします。 ) 
※夏季・冬季臨時休館があります。日程は前述をご覧下さい。
 
---------------------------------------------------------------------- 
 
◆ミュージアム・エリアへのご入場/1,050円 (内消費税等77円) 
※小学生以下の入館は出来ません。※乳児は抱いた状態で可。
団体割引やシルバー割引等、割引の設定はございません。 
    
----------------------------------------------------------------------

◆カフェ&レストラン、イベント外での飲食、お持込みはご遠慮下さい。

----------------------------------------------------------------------

◆ミュージアムをご覧になる際は、靴を脱いでお入り頂いております。

---------------------------------------------------------------------- 

◆駐車場 /16台分のスペースをご用意しております。(無料)
満車の場合は、鶴川駅前の時間貸しをご利用下さい。
         
※地図はこちらへ⇒ http://www.buaiso.com/annai.html
※バスの駐車場はございません。
       
----------------------------------------------------------------------
 
◆本館は白洲次郎・正子夫妻が暮らした当時のままのしつらえで
公開しており、バリアフリーにはなっておりません。

----------------------------------------------------------------------

◆《メルマガ配信中止・アドレスの変更》
https://www.buaiso.com/mailmagazine/

----------------------------------------------------------------------


▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼
 
発行/旧白洲邸 武相荘 http://www.buaiso.com

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

ついでに読みたい

武相荘だより ~白洲邸 折々の記~

発行周期:  月刊 最新号:  2019/03/05 部数:  11,612部

他のメルマガを読む