ある自然災害科学研究者の活動

[disaster-i News]2008/09/17 No.99

カテゴリー: 2008年09月17日
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 ●ある自然災害科学研究者の活動●          2008/09/17 No.99
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【目次】
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■ おおむね復旧
■ 中日新聞で報道されました
■ リアルタイム豪雨表示システムの一時停止
■ 朝日新聞などで報道されました
■ 自然災害学会
■ 8月末豪雨・降水量関係の図を追加

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2008年9月16日 (火)
■ おおむね復旧

 9/12から停電のため停止していた当方の「リアルタイム豪雨表示システム」
は,9/16 08時現在,おおむね復旧しました.

 72時間降水量については,あと1日程度エラー表示が残ります.

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2008年9月15日 (月)
■ 中日新聞で報道されました

 平成20年8月末豪雨に関する当方のコメントが,9月11日付中日新聞に掲載さ
れました.

<寸断された情報・下> 頼れぬ行政 地域に対応を丸投げ
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/ntok0065/list/CK2008091102000243.html

 関係箇所を引用します.

       結局、頼れるのは行政ではなく、自分と地域の力しかないのか。災害
      情報学が専門の岩手県立大の牛山素行准教授(40)は「住民側にも普
      段からの備えが必要」とした上で疑問を投げかける。「直接住民の安全
      にかかわるような被災状況の把握や対応などを『自助・共助』の名の下
      に、行政は都合よく丸投げしてはいないか」
       豪雨を教訓に、行政が河川改修や通信機器の整備などハード面に手を
      付けていったとしても、最後に鍵を握るのは人間でしかない。

 あまり真意が伝わらなさそうな表現になっていますが,仕方のないところで
しょうか.筆者は「丸投げしている行政機関」を批判する意図は全くありませ
ん.「行政は頼りにならないから自助,共助が大切」とは思いません.「防災
は行政の仕事」から「防災は地域で」といった,極端な方向転換に疑問を抱い
ているものです.

 「自助・共助とは,どこでも,誰でも,簡単にできて,効果の大きい防災対
策」といったイメージを持って,過去の特定の災害事例(阪神大震災など) 
「のみ」の教訓をもとに,現代の技術・情報や地域性を無視したマニュアル的
な「ぼうさいへのとりくみ」をすることに強い懸念を抱いています.

 ハード対策,ソフト対策,いずれも万能ではありません.しかし,ハード対
策に限界があるからといって,いきなり,「自助・共助」と称して,「だれで
も,簡単にできる対策」にばかり奔るのは,いかがなものでしょうか.

 現代は,整備された災害情報がいろいろとあります.災害情報といっても,
リアルタイム雨量のような動的情報ばかりでなく,ハザードマップに代表され
る「個々の地域の災害素因を表す情報」,いわば静的情報も重要です.すでに
ある情報を生かさずに,「自助,共助」ばかりを強調するのは,「竹槍戦術」
のようにおもえてなりません.

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2008年9月12日 (金)
■ リアルタイム豪雨表示システムの一時停止

当方にて管理しております,

リアルタイム豪雨表示システム
http://www.disaster-i.net/rain/

は,学内停電のため9/12 20時頃から,9/15午後くらいまでの間,運用を停止
します.9/16頃までは,表示にエラーが残ります.

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2008年9月 9日 (火)
■ 朝日新聞などで報道されました

 少し前の記事ですが,9月1日付朝日新聞(名古屋)の,「集中豪雨、愛知で急
増 時間50ミリ以上、この10年に49地点」という記事中で,8/28-29の
豪雨災害関係の当方のコメントが掲載されました.関係箇所を引用します.

      岩手県立大学の牛山素行准教授(災害情報学)は「自分がどのような場
      所に住んでいて、どのような危険があるのかを把握することが重要。危
      険がわかれば、浸水マップなどの情報を活用して備えることが必要だ」
      と話している。

 意味が通らないわけではないのですが,後半の語順がちょっと逆で,ハザー
ドマップ等のすでに整備されている災害素因に関する情報を生かして,「自分
がどのような場所に住んでいて、どのような危険があるのかを把握することが
重要」というのが私の考えです.

 もう1件,これはさらに前の記事ですが,8月9日付南日本新聞(本社:鹿児
島)に,「鹿県内首長ら、災害対応学ぶ/鹿児島市で研修会」というタイトル
で,当方が行った講演の紹介記事が載りました.関係箇所を引用しておきます.

      岩手県立大学の牛山素行准教授は「普段から雨量などの情報システムを
      理解しておかなければならない」とソフト対策の重要性を訴えた。

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2008年9月 8日 (月)
■ 自然災害学会

 9月25〜26日の間,九州大学を会場として,日本自然災害学会学術講演会が
開催されます.

第27回日本自然災害学会学術講演会およびオープン・フォーラムのご案内
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsnds/contents/20080924/index.html

 牛山自身は発表しませんが,当方の学生から,以下の2件の口頭発表が行わ
れます.講演予稿集原稿を公開いたします.

吉田亜里紗・牛山素行,津波経験地域における中高生および大人の災害意識の
違いについて
http://disaster-i.net/notes/2008JSNDS_yoshida.pdf

太田好乃・牛山素行,平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震による人的被害の
特徴
http://disaster-i.net/notes/2008JSNDS_ohta.pdf

 1件目は,昨年から取り組んできた岩手県陸前高田市気仙地区での住民対象
調査の結果を整理したものです.2件目は本年6月に発生した岩手・宮城内陸
地震の際の人的被害について,1984年長野県西部地震や2004年新潟県中越地震
と対比した結果です.

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2008年9月 6日 (土)
■ 8月末豪雨・降水量関係の図を追加

 「平成20(2008)年8月末豪雨による災害に関するメモ」に,降水量関係の分
布図,グラフを追加しました.

降水量基礎データ
http://disaster-i.net/disaster/20080829/pre1.html

 2000年東海豪雨時の分布図やハイエトグラフも合わせて示しています.2000
年東海豪雨のすごさをあらためて思い起こさせられました.

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ある自然災害科学研究者の活動
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発行人:
岩手県立大学総合政策学部 准教授 牛山素行
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