文章×表現《秘伝スクール》

第11号(通算286号)「物語と小説の違い」

カテゴリー: 2018年11月03日
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 ┃文章×表現《秘伝スクール》 第11号(通算286号)
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 ┃  「物語と小説の違い」
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今月の目次

1■しばらくメルマガを出しませんでした。

2■64歳になっても

3■そんなわけで

4■出演映画『脱皮』渋谷ユーロスペースで公開。

5■句会参加者募集

6■遠隔創作クラス

7■前回のお返事とその返事「物語と小説の違い」

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 文章×表現《秘伝スクール》スクールにようこそ。
 2001年7月創刊、2014年から4年間の休刊を経て、2018年から復刊しました。
 このスクールにはカリキュラムに沿ったレクチャーはありません。
 皆さんから寄せられた質問にお答えする、問答式のスクールです。
 すべてをオープンに語っていますが、その深い内容は閉じられています。
 あなたがそれをきちんと読んで理解し、また実践してくれるまでは…。
 ただ読むだけでなく、この内容を貪欲に盗み、奪い取ろうとした人だけが、
 《秘伝》の意味を知るでしょう。
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■しばらくメルマガを出しませんでした。

材料はあったのに、なんか気が向かなかったのです。

近頃、思うところあって、ビジネス系や治療系の無料メルマガ登録してみたり
するのです。
そうすると、ああいうのは毎日来ますね。
あることないこと。いいこと言っているのか微妙なヤツが毎日。
もちろん玉石混淆で「なるほど」と思う内容もあるからとるのですが、薄い内
容のもの多いです。
それでも毎日出すほうが読者を囲い込むビジネスには効果的なのでしょう。

あれは文章に特別な思いがないからできるのです。
物書きは、文を洗練させたり、中身を濃くしたり、深くしたりという点に意識
がいってしまうのです。
それから自分が興味があることを書きたい。
ビジネスの人は、広く、わかりやすく、興味を引いて、しかも自分の思うこと
ではなく、人が望むことを書いて自分のビジネスに誘導するわけです。
あらゆる点で力点が違いますね。

僕には真似ができません。
それで気分次第でこんなに間隔が空いてしまうのです。

こんなにダラダラぽつぽつと出しているメルマガを相変わらず読んでくれてい
る読者には感謝しかありません。


■64歳になっても

先日、僕は64歳になったのですが、その誕生日にいろいろな思いがあったので
す。
FBにお祝いのメッセージを受けて、次のように書きました。

「みなさま、お誕生日のメッセージありがとうございます。
64歳になりました。
おかげさまで、たいへん健康で日々FBに書ききれないほど、楽しく暮らしてい
ます。
ただ64は、僕にとって特別な年齢で、いつもの誕生日より人生全体を見渡して、
いろいろなことを考えました。
還暦より効いたなー。
というのは、ビートルズに「64歳になっても」という曲があるからです。
この曲が入っている『サージェント・ペッパーズ』は、僕が初めて買ったビー
トルズのLP で、真っ赤なジャケット裏に歌詞が書いてあって、目がチカチカ
したのです。
それが中学2年のときだから、ちょうど50年経っているわけです。
ポール・マッカートニーも12歳上のようなので、作曲当時、20代半ばです。想
像で老年のことを歌っているのです。
一種のユーモア、コミックソング的なニュアンスが強かったのです。

それが現実になってしまったのですから、玉手箱を開けた浦島太郎のような気
分になりました。
半世紀ですからね。

今は気を取り直して、この一年の目標を絞りモチベーション上がっています」

*

このあと、When I'm 64の訳詞を入れたのですが、省略します。この曲を知ら
ない方もたくさんいると思います。もし興味があれば、聞いてみてください。
たいへん愛らしい佳曲です。
みなさんも「自分はまだ若い」と思っていても、すぐですからねー♪
「少年老い易く学成り難し」という言葉のままです。


■そんなわけで
誕生日を機に一年がかりくらいのちょっとした仕事の計画を立てました。
怠け者のくせに趣味やら仕事やら、あれこれ手を出してあらゆるものが手薄に
なっていました。少し集中する芯を作る予定です。

それをみなさんにお知らせするのは、もう少し先になります。
その前にあれこれお知らせ、お誘いがあります。


■出演映画『脱皮』渋谷ユーロスペースで公開。
これは本格的な劇映画です。1時間46分かな。2枚目の線は人にとられまして、
なかなか変なやつの役です。だけど出演場面はけっこうあります。堪能できま
す。
次の公開は決まっていません。
ユーロスペースで12月1日、2日の朝9時45分から舞台挨拶に続いて上映の2回だ
けです。
ぜひ見てください。
詳細は、近くなったらユーロスペースの上映予定を見るか、僕にお問い合わせ
ください。


■句会参加者募集
11月17日土曜日夕方から、お台場で秋の夕陽を眺めて興が乗ったところで、句
を詠むという吟行企画です。
興味ある方は、簡単な自己紹介とともにメールをください。
どなたでも、初心者でも参加できます(句はヘタクソでも句会は楽しいです)。

俳句興味あるけど、作り方がわからないという方、
『30日のドリル式 初心者にやさしい俳句の練習帖』神野紗希著という本をお
勧めします。
俳句の基本に例として句が挙げられているのですが、選句が洗練されていてそ
れだけで満足感高し。モチベーションが上がります。僕も勉強になりました。
ぜひこれを読んで参加してください。
https://goo.gl/nEZjHS

*

新作を一句。

柿の実の無駄にたわわを通り過ぐ

             逢助


■遠隔創作クラス
創作クラス、目白クラスは終了し、遠隔だけになりました。
月に一度、2800字の作品を講評します。
6000円。興味のある方はお尋ねください。

 ・第10回創作遠隔クラス 課題 「くさび」 

 ・2,800字以内/参加費 6,000円
  <申込締切>11月23日
  <投稿締切>11月25日
 ・参加申し込みフォーム↓
 http://www.hiden.jp/entry


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●ホントに遅くなりました。
前回のメルマガを出してから、すぐにお返事をもらっていたのに、ダラダラし
てしまいました。
今回は前回質問いただいた永井さんへのお返事です。
何の話だったか、前号を読み返していただければ幸いです。

■前回のお返事とその返事

「物語と小説の違い」

永井圭です。

この度は、質問に答えをいただきましたこと、
厚く御礼申し上げます。

何度も、何度も咀嚼しながら拝読しております。

「啓蒙」という言葉が、
光となって私の意識を広げてくれた、
というか、滞っていたものが、
すーっと流れが良くなったように
感じています。

村松さまがいつも考えていらっしゃる、
「 言葉を含めた人工物の影響によるエネルギーの淀みを発見して流していく
こと 」
を身をもって体験したような感じがしております。
私の中の、止まっていた時計が、動き出したような、
詰まっていた血管が、かたまりが取れて、正常に流れ出したような、
そんな感覚です。

啓蒙という様な意味であれば、
今回質問させていただいたことだけでなく、
これまでも「詩」的な形でやってきたことで、
これからも文章として表現していくことを、
ずっと続けていく。
それが、私の人生の一部です。

ですから、モチベーションは変わっておりません。
どう表現していくか、どう伝えていくかを
考えております。

啓蒙は、理性や知性であり、
物語の本質は言葉にならないもの、なのですね。

以前、私の描く理想の世界には人がいない、
と、ある方に言われたのを思い出しました。
私に、人物が登場する物語が書けるのだろうか?
ということを考えております。

文字数についての、具体的なご提示がありました。
約20万字ということですので、計算してみました。
私は趣味で、ほぼ毎日、テープ起こしのような形で、
例えば、約5分の音声を約40分、
1953文字ですから、約2千文字で入力しております。

創作という形では予測がしにくいですが、
全て準備がそろっている文章を入力するとしたら、
一日40分、2千字を入力するのに、最低でも100日かかる
ということになるのだと思います。

物語となると、そんな、単純なものではないですよね。
確かに、長いと最後まで読んでいただける様なものが
私に書けるかどうか、読者さんが受け取りたい形であるかどうか、
そういうことが、大切なのですね。

会話体、という形は、
出来事を書くときに使いますが、
何か、こう、今回のことを伝えたい形ではない感じがします。

> 「物語として伝えたい」とは言ったけれども、そういう本体と糖衣という
発想ではなく、アイデアと物語が渾然として1つの小説となるものを書きたい
のかどうかです。

ここが、キモの部分ですよね。
私がどう表現したいのか。
言葉にならないものが物語の本質…

> 「……といったようなことを、物語として伝えたいのです」
とあります。言いたいことは言葉で論理的に言えるわけです。
論理的には言えるけれども、それでは読みにくいし、引きつけないから物語に
しよう、という意図だろうと思います。 

最初は、10才の子供にもわかるように伝えたいので、
物語という形がいいと考えました。
でも、子どもはそもそも自由で、
その自由を制約しているのは大人だから、
大人の意識に働きかけたほうがいいかもしれない。
今は、コアな一部の方だけでなく、
一般的にわかりやすく伝える形にしたいと思っております。

まだ整理がついていなくて、
駄文・長文で大変失礼しております。

でも、どうしても、
なるべく早くお礼を申し上げたくて、
メールを書いております。

村松さまの「秘伝」を読んで、
この方は、カバラ生命の樹や、
火、風、水、地といった元素のことを
充分にご存知で、
その元素的なところから発信されていらっしゃる。
そんな風に感じて、何度も拝読しております。
その「秘伝」から、
人生は、「生きることは書くこと」なんだ、
村松さまは、書くことを通じて、
「生きること」を教えてくださっている。
そう、勝手に解釈しています。

今回の質問を通じて、
直接アドバイスをいただけたこと、
大変うれしく、また、感謝しております。

物語や、小説の形で伝えていくのか…

> つまり、言いたいことがはっきりあるときに、それを物語にするのがいち
ばんいいかどうかをよく考えないといけません。 

私の伝えたいことが、読者さんの受け取りやすい形であるかどうか、
小説や物語がいちばんいいのかどうか。

決めました。

小説や物語という形でなく、
カルピスの原液を薄めるように、
読者さんの受け取りやすい形で
新しくブログを立ち上げて
少しずつ、薄味で発信してきます。

尊敬する村松さまと
このように交流することができ、
大変幸せです。

この度は、愚問にお付き合いくださり、
誠にありがとうございました。

これからも、ますますのご活躍、ご発展ををお祈り申し上げます。
村松さまの幸せの波動が多くの方に届きますように。

永井圭


●村松コメント 物語と小説の違いの話

気持ちがいい加減さめた頃のお返事かもしれません。ごめんなさい。

久しぶりにこの話題に戻ってきて、ふと物語について考えました。

物語と聞いて、僕が最初にイメージするのは、日本の昔話やグリム童話なので
す。

この場合の物語は、伝承です。グリムにしても民話を採話、再話しています。

昔話には作者がいません。
誰が作ったともわからない物語には、無意識が大きく関わっています。

昔話がおとぎ話、夢のような話なのに我々がリアリティを感じるのは、無意識
がみんな同じように刺激されるからですね。

物語を話したい衝動、聞きたい衝動が重なって、親が子どもにする話、仲間た
ちが無聊を慰めるためにする話が生まれたでしょう。

小説はそれに比べると、より意識領域の操作が多くなるでしょう。

念のため、「物語と小説の違い」というの検索してみたのですが、いくつか見
た限りでは、ロクな説明がなかった。
なんとか物語と小説をくっきり分けようとしているんだけど。
大切なことを外している。

小説というのは、ほとんどが物語なのです。よほど実験的でない限り、物語で
ない小説を書くことはできない。
一方で、物語は必ずしも小説であるとは限らない。

グリム童話は小説とは呼べません。

したがって、物語はほぼ小説を包摂しているのです。
小説は物語の1ジャンル、1形式なのです。
それは現在とても支配的であり、原型である物語は変形・衰弱してしまったと
も言えます。

でも、今に至るも、小説を書くには「物語衝動」みたいなものが必要だと思う
のです。
ミルンはたしか「くまのプーさん」を最初、子どものために語りきかせていた
でしょう。
小説はそういうところから始まるのが構造的エネルギー的に強いと思うのです。
小説らしい小説を書こうとするより、誰に何の話をしてあげたいのか?
もしメルマガ読者で小説家志望の方がいたら、そういうことを考えてみてくだ
さい。

さて、別の話。

「村松さまの「秘伝」を読んで、
この方は、カバラ生命の樹や、
火、風、水、地といった元素のことを
充分にご存知で、
その元素的なところから発信されていらっしゃる。
そんな風に感じて、何度も拝読しております」

と書いていただきました。
たしかにそういう書籍を何冊も読んだし、発想の構造をベースにして考えるこ
とがあります。

しかし、「充分にご存知」かどうかはわかりません。
研究するといくらでも深みがありますからね。
そういうふうにハマったことはありません。
強力なツールだと思いますが、全てを解決はしないだろう、と考えています。

諸星大二郎のマンガに、易の研究に没頭しているうちに、大切な人を失ってし
まい、易の道具を宙になげうって虚しいことに失った歳月を嘆く老人がでてき
ます。

僕の感覚もそれに近いです。
深遠なるものに没頭してもいつか自分の生活・価値観に還って来なければ意味
がないのです。
僕は生来、勉強が嫌いで記憶力も悪いので、マニアックな傾倒に向いていませ
ん。
その代わり、視野を広く持ち、自分の経験や生き方と結びつけて、ものを考え
ようとしてきました。

そう考えると、[大人の成長塾]は、僕の「生命の樹」かもしれません。
「生命の樹」は抽象的な宇宙観ですが、[大人の成長塾]は、生命や個人のほ
うから眺めた宇宙です。
自分の意志が宇宙に働きかけると何が起きるのか、何ができるのか、というこ
とを平易に説いた(難解なところがある、という人もいます)ものです。

尻馬に乗って、少し宣伝したところで、お返事を終わりにします。
ありがとうございました。

      
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