「第3の教育」メールマガジン

「第3の教育」第140号

カテゴリー: 2011年03月06日
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「第3の教育」メールマガジン
140号                        
2011年3月6日発行                         
発行: 炭谷 俊樹
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■ 学習意欲を高める接し方は? ~ナビゲーションの考え方~


<イベント等のご案内>


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■ 学習意欲を高める接し方は? ~ナビゲーションの考え方~
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「自分の子ども(あるいは部下)にやる気を出して成長してもらいたい、
そのためにはどのように接すればいいのだろうか?」という課題は多く
の方にとって身近なものだと思います。

 皆さんは例えばお子さんに勉強して欲しい(あるいは部下に仕事に
意欲的に取り組んでもらいたい)、と思ったときにどのような接して
いますか?(以下では主として子どもを例として書きますが、ほとんど
大人でも当てはまりますので適宜読み替えてください。)
 「勉強しなさい」と言った命令口調で言う、「勉強したら○○を
買ってあげる」と物でつってみる、やるまで放っておく、一緒に手伝って
あげる。など色々な接し方があると思います。ここではどの接し方が良く、
どの接し方が悪いといった評価はしませんし、こうやったら必ずうまく
行くという正解があるわけでもありません。
 ただ一度ご自身で問い直してみていただきたいのは、「自分の接し方
は効果があるのだろうか? 子どもの意欲を高めているだろうか? 
もしかすると逆に意欲を下げるようなことをしていないだろうか?」と
いうことです。

 私が色々な方の接し方を見ていて気づくのは、「効果のない接し方を
何度も繰り返している」方が結構多いということです。最も良く聞くのは
「うちの子は放っておくとゲームばっかりしていて、私が何度
『勉強しなさい』と言っても、なかなか聞かないのです」というものです。
「何度言っても聞かない」ということは明らかに効果がないと言うこと
なので、違った接し方を試みるべきでしょう。実際、「勉強しなさい」と
繰り返し言うことは、子どもの学習意欲を低めることが多いものです。

 成長を妨げてしまう他の例としては、「手伝いすぎ」があります。
本当は子どもが自分でやり遂げる力を持っているのに親が代わりにやって
しまう。例えば幼児なら自分の服を着るとか靴を履くとか。小学生なら
家事の手伝いとかがこれに当たります。親としては「急いでいるから
子どもが出来るのを待てない」とか、「かわいくて面倒を見てあげたいから」
とか「勉強に集中して欲しいから」とかいろいろ理由はあるのでしょうが、
結果的に子どもの成長の機会を奪ってしまっているかもしれないのです。

 では「勉強しなさい」と命令せずに子どもが勉強するような接し方など
あるのだろうか?あるいは手伝いすぎずに本人が成長するようなやり方が
あるのだろうか?という疑問が湧きます。「こうすればよい」という一つの
正解があるわけではありません。私たちは「ラーンネット・グローバル
スクール」で、一人一人の子どもたちをつぶさに観察し、彼らの学習意欲を
高める接し方について長年実践してきました。接し方の一つの正解はない
ものの、接し方をどう考えればよいかという方法論が次第に見えてきて、
それを「ナビゲーション」と呼んでいます。以下その一端をご紹介し、
皆さんが新しい接し方を試みるヒントになれば幸いです。

「ナビゲーション」には3つの要素があります。
(1)知る・感じる:一人一人の子どもの特徴を観察や関わる中で
 知り、感じる。
(2)ゴールイメージをもつ:どのような能力や態度・価値観を
 持って欲しいかというイメージを持ち、必要に応じ子どもと共有する
(3)ナビゲートする:子どもが自分でできるようになるために
 様々な接し方を試みる

 まずは子どもに何かしてもらおうと思う前に、その子の特徴を
出来るだけ理解し、受けいれることが必要です。これが「(1)知る・感じる」
の部分です。例えば、
・何が好きか、得意か
・どういう表現の仕方をするか
・どのように人と関わるか
・どういうときにやる気が出る、あるいはなくすか、等
を観察することや直接関わる中で知り、感じます。ここで大事なことは、
「できる子/できない子」、「良い子/悪い子」「理系/文系」などと
いった分類をするのではなく、一人一人の特徴を具体的に把握することです。
「○○君は算数が苦手」などといった言い方をしてしまう方を良く
見受けるのですが、それは決め付けすぎであり、ほとんどの場合は、
「たまたま今出来ていない」だけであって、その理由も、「あまりやった
ことがない」からか「自信を失っていて取り組む意欲が湧かない」ので
あって、能力がないわけでななく、条件が整えば出来るようになる場合が
ほとんどです。
子どもには無限の可能性があります。その可能性を信じるのが第一歩であり、
その可能性を引き出すために接し方を工夫することが必要です。

次の「(2)ゴールイメージを持つ」 では、子どもにどうなってほしいかを
考えます。これは出来るようになって欲しいことや、身につけてほしい
態度や価値観などです。前者の「出来るようになって欲しいこと」は、
例えば「計算が出来るようになってほしい」、「本が読めるようになって
ほしい」などは具体的でわかりやすいので、学校でもご家庭でも明確に
意識されていることが多いでしょう。一方、後者の態度や価値観などは
実はとても重要なのですが、結果的には軽視されていることになっている
ことが多いようです。例えば同じ「本が読める」にしても、「先生や
親に言われたから」、あるいは「宿題だからやる」、と言うレベルと、
「言われなくても自ら興味を持って本を読む」というのでは態度の
レベルが違うわけです。この主体的・意欲的に取り組むレベルになって
ほしいとイメージすると、接し方が変わって来るでしょう。少なくとも
子どもが興味や意欲を失うような接し方は避けるはずです。

次の「(3)ナビゲートする」では(2)のゴールイメージを達成するための
接し方を考えて実施しますが、「どうすればうまく行く」という正解は
ありません。子どもの特徴を理解した上で、様々な接し方を試み、
うまく行ったり行かなかったりの試行錯誤です。
接し方の考え方は大きく3つに分類できます:
「第1の教育」的接し方:権威を利用してゴールを達成させる方法
 -強制・命令・指示・序列化・報酬・罰則などを用いる
「第2の教育」的接し方:ほうっておく、権威に従わないことを奨励する。
 できないことは手伝ってあげる
「第3の教育」的接し方:子どもが主体的に出来るようになる可能性を
信じ、それを引き出すような接し方。これは様々な接し方がありますが、
例えば、自分がやってみせる、一緒に取り組む、興味が高まるような場
(人との出会い、対話、教材など)を準備する、興味や指向が深まる
ような質問をする、子どもの行動に対してフィードバックする、などです。
どんな場合でも「第3の教育」的接し方が良い、と言うわけではなく、
いろいろな接し方を知り、子どもの特徴とゴールイメージに応じて
様々な接し方を試み、どのような場合に意欲や能力が高まるのかを
確かめていきます。とくに最初に述べたようにうまく行かない接し方の
繰り返しに陥っている場合は、他の可能性を考えることが有効です。


 以上考え方の骨子をご紹介したのですが、いかがでしょうか? 
「よし、やってみよう」と思われた方もいるかもしれませんし、
「なんとなくわかるけど、具体的にはどうすればよいか?」という方も
いらっしゃるでしょう。これまでもこのメルマガでお知らせしている
「ナビゲーション講座」は、この「ナビゲーション」の考え方を
体験的に学んでいただく講座です。もう7年以上実施して来ており、
多数の方にご参加いただきました。宿泊して実施する密度の濃い講座
で多くの気づきがあり、参加された方の満足度は100%です。
参加された方同士のその後のつながりも広がっています。
「学習意欲を高める接し方」について問題意識をお持ちの方には是非
ご参加いただきたいお勧めの講座です。よろしくご検討下さい。




<イベント等ご案内>

【ラーンネット・グローバルスクール関連】
2011年4月9日(土)~10日(日)
第18回ナビゲーション講座基礎編、神戸・六甲山にて開催。
参加者募集中です。申込はお早めに。
http://www.l-net.com/2011/01/navigation_course.html


2011年 5月 22日(日)
フルスクール説明会
小学生向けのフルスクールに入学を検討される方向けの説明会です。
一般の方も参加可能です。詳細・お申込は以下より:
http://www.l-net.com/2011/02/post_55.html


【神戸情報大学院大学関連】

2011年3月26日(土)、4月9日(土)、23日(土)
神戸情報大学院大学 学校説明会
2012年4月に大学院入学を希望する方への学校説明会を実施します:
http://bit.ly/bZlv2L



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ラーンネット・グローバルスクール
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神戸情報大学院大学
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知の探究社
http://tankyu.org/
東京コミュニティスクール(ラーンネットの提携校)
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ビジネス・ブレークスルー(経営大学院)
http://www.bbt757.com/
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