「第3の教育」メールマガジン

「第3の教育」第138号

カテゴリー: 2010年12月30日
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「第3の教育」メールマガジン
138号                        
2010年12月30日発行                         
発行: 炭谷 俊樹
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■ 今年一年を振り返って: 閉塞感の中で求められる人材育成


<イベント等のご案内>


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■ 今年一年を振り返って: 閉塞感の中で求められる人材育成
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 日本国内の経済や社会に閉塞感があると言われて久しいですが、今年は
その問題がまずます顕著となり、政治のリーダーシップの欠如が嘆かれた
年であったと思います。以下では今起こっていることと教育・人材育成
への意味合いを私なりに整理して考えてみたいと思います。
 
 日本の閉塞感の原因は以下の2つが同時に起こっていることです。
1)人類史上未曾有のレベルといわれる少子高齢化の進展
2)経済発展の中心が先進国からBRICSなどの新興国へシフトしていること

1)の少子高齢化により、高齢者の医療・福祉の負担が大きくなりますが
それを支えることが期待される産業や雇用が2)のために思うように
行かず、本来活躍すべき若者ですら、就業の機会が減っています。

 さらに私が危機感を感じるのは、若者のモチベーションの低下です。
海外と関係のある方の多くが指摘されているように、例えば中国、韓国、
インドなどの学生に比べて、日本の学生は学習意欲が低いと言われて
います。私自身も日本の10代の若者と直接話すと、何かに一生懸命
打ち込むというよりは、とりあえず今楽しいこと、例えばゲームや
テレビの娯楽番組などに時間を費やしてしまうことが増えています。

 だからといって、若者に「やる気をだせ」と言ってみても始まりません。
私の世代が若者だった頃は右肩上りの高度成長のさなかで、雇用の機会は
いくらでもあり、がんばれば自分の物質的な生活水準はどんどん上がる
というわかりやすい時代でした。それに対して今は上記のような閉塞感の中、
がんばって何が得られるのか、先の見えない時代です。見えないことに対して
努力することよりも、とりあえず今は困ってないのだから楽しいことをやれば
いいじゃないかというのは理解できなくもありません。
さらにいえばモチベーションの低下は若者だけではなく、日本全体の問題で
あり、若者の行動はその反映であるとも言えるでしょう。

1)と2)の変化は大きな構造的な変化ですから、簡単に覆すことは難しい。
例えば、「高校授業料の無償化」とか「高速道路の無料化」などの政策は、
大変お金がかかりますが、この二つの変化に対して何の効果もないばかりで
なく、低下しているモチベーションを高めることにつながるとも思えません。

 
 ではどうすればいいのでしょうか?
私は、基本的には、「人が活力を発揮して価値を生み出す行動をする」ことを
促す方向で考えるべきだと思います。
これを実現する方法は色々あると思いますが、以下では私が今年取り組んで
来た、また今後実現していきたいことに結び付けながら書いてみます。


◎「経済価値」だけでなく「社会価値」に注目し、社会を変える行動を起こす

 経済成長には限界があり、無理をしても将来への借金を作るなど、歪は
広がってしまいます。経済的な価値以外に「より良い社会を創る」という
「社会価値」に重点を置いた活動がもっと増え、そちらでモチベーションを
高めることができるはずです。
 これについてはメルマガ前号(137号)でご紹介した、
炭谷俊樹著「ゼロからはじめる社会起業」(日本能率協会マネジメントセンター)
http://bit.ly/zerose  の主題でした。
 本書を書くに当たって行った社会起業事例の取材で感じたのは、
活動に関わる方が、経済的に裕福であるかにどうかに関わらず、
生き生きと活動されているということでした。


◎国際的な視野を持ち、モチベーションを高める学習機会を創る

 グローバル化した時代で生き残りをかける企業が、外国人を含めた
国際的な視野と経験をもつ人材を求めるのは当然の流れである一方、
日本から海外に留学する留学生は減少しているという矛盾が起こっています。
留学するというのは経済的にも大変なことですが、国内であってもグローバルな
視野と経験を持ち、高いモチベーションで価値を生み出す人材の育成が求め
られています。国際教養大学や国際教養学部などが注目されているのも
当然の流れといえるでしょう。

 私が直接関わっているところでは、ITプロフェッショナルを育成する専門職
大学院「神戸情報大学院大学」のグローバル化を進めています。今でも留学生は
いるのですが、今後はさらに英語による授業の実施や、海外の大学・大学院との
提携・人材交流を進め、神戸にさらに多くの外国人留学生を増やし、
国内の学生さんも刺激を受け、グローバルな視野で学習を進める環境を作ります。

 また初等・中等教育では世界的に急成長している「国際バカロレア」のカリキュラム
や仕組みの研究を進め、国内の学校でもグローバルな視野で主体的な探究型学習
の環境を作るための活動を行っています。



ここで挙げた活動の一つ一つはまだまだ小さな「芽」に過ぎません。しかしながら、
これらの芽をどんどん植えて育てていかないといけないと感じています。
気持ちを新たにして新年を迎えたいと思います。




<イベント等ご案内>

【ラーンネット・グローバルスクール関連】

2011年1月16日(日) 13:00~15:00
「フルスクール学校説明会」
詳細・申込はこちら:
http://bit.ly/fullsetu

2011年1月22日(土)より4回シリーズ
「第12回 大人のためのモンテッソーリ教室」
大人がどのように接したら子どもの興味を引き出せるのか、
ということを実際のモンテッソーリ教具を使って体験するコースです。
詳細・申込はこちら:
http://www.l-net.com/2010/12/post_70.html


(予告)2011年4月9日(土)~10日(日)
第18回ナビゲーション講座基礎編を神戸にて実施する予定です。
正式な日程内容は決まり次第アップします。



【神戸情報大学院大学関連】

2011年1月8日(土)、20日(木)、29日(土)
神戸情報大学院大学 学校説明会
2011年度4月に大学院入学を希望する方への学校説明会を実施します:
http://bit.ly/bZlv2L



「編集後記」
今年も「第3の教育」メルマガのご愛読ありがとうございました。
皆様とともに良い年を創れますように。




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■「第3の教育」のホームページ               
http://bit.ly/sumi2020
メルマガのバックナンバーはこちら
http://bit.ly/3rdEduMMB
お問い合わせメール: mag@L-net.com
Twitter ID: sumi2020

■関連サイト
ラーンネット・グローバルスクール
http://L-net.com/
神戸情報大学院大学
http://www.kic.ac.jp/
知の探究社
http://tankyu.org/
東京コミュニティスクール(ラーンネットの提携校)
http://tokyocs.org/
ビジネス・ブレークスルー(経営大学院)
http://www.bbt757.com/

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発行周期: 原則月刊+不定期 最新号:  2018/06/21 部数:  1,321部

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