「第3の教育」メールマガジン

「第3の教育」第134号

カテゴリー: 2010年07月04日
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「第3の教育」メールマガジン
134号                        
2010年7月4日発行                         
発行: 炭谷 俊樹
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■ 探究型の学習評価基準


<イベント等のご案内>
 ラーンネット関連
 神戸情報大学院大学関連


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■	探究型の学習評価基準
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 これまで、日本の「偏差値型の教育」に対する新しい教育の選択肢
として「探究型学習」が必要であると唱えて来ました。今の時代、
どんどん新しい知識や情報、あるいは技術が生み出され、社会での
仕事の内容もどんどん変化しています。子どもたちが学校で一生懸命
学んだ知識は社会に出るころには役立たないということが、今後
ますます増えることでしょう。そんな中で、教育はいかにあるべきか?
もちろん知識は必要ですが、それを知っているだけではだめで、
意味を持って自分の生活の中で使いこなせるか、また必要に応じて
新しい情報や知識を主体的に獲得し、加工し、発信し、コミュニケー
ションすることが重要と思われます。

 参考まで、変化がいかに急速に起こっているかについては、
“Did you know?” というビデオを見ていてだくことによっても
イメージしていただけると思います。
 “Did you know?” ビデオ(YouTube): http://bit.ly/aye15x

 では教育の何を変えていけばよいのでしょうか?もっとも端的には
生徒が学んだ学習をどう評価するかという学習評価基準を変えること
でしょう。偏差値型の教育では、ご存知のようにペーパーテストを行い、
その点数が評価に直結するというものでした。探究型学習では、
ペーパーテストはなくならないとしてもその中身が変わりますし、
プロジェクト学習の研究レポートや発表など、新しい形の評価形態が
増えてくるでしょう。

 こういったことをしっかりと体系的に実現しているのが今世界の
小中学校高校で急速に広まりつつある、「国際バカロレア=IB」の
カリキュラムです。参考になる例としてIBのMYP(日本の小6~
高1向けのカリキュラム)の理科(科学)の評価基準を以下簡単に
ご紹介します。IBのMYPについてはメルマガ126号(2月7日
発行)でもご紹介していますのであわせてご覧下さい:
http://bit.ly/MMMM126


MYP科学(理科)では以下の6つの評価基準で、生徒に期待されて
いることを表しています。

1.一つの世界
 科学がどのように社会課題解決に応用されているか、またその効用
 や限界を説明する。科学とその応用が社会、経済、政治、環境、文化
 及び倫理などとどう関わっているかを議論する。

2.科学におけるコミュニケーション
 科学用語を正確に用い、効果的に科学情報を伝える。課題に
 よって記号やグラフなどの表現を的確に用いる。等

3.科学の知識と理解
 科学的考えや概念を説明し、問題解決に科学的理解を応用する。
 考えやデータの有効性を科学的に検証する。等

4.科学的探究
 探究の目的を定義し、仮説を作成し、仮説を検証するための方法を考え、
 説明する。検証方法の有効性を検討し、必要に応じ、方法への改善点や
 あらたな探究課題を提案する。等

5.データ処理
 数値や図表でデータを体系的に整理し、適切なコミュニケーション方法
 で論理的かつ明確に提示する。データから読み取れる傾向やパターンに
 ついて論説し、データの信頼性について言及し、データの正確な解釈に
 基づいて明確な結論を導く。等

6.科学に対する態度
 実験などの作業を自立的に行う。装置を正しく使える;安全に配慮し
 生物や物を責任感を持って扱う。チームの一員として他者と協働し、
 他者の見方を尊重する。 等

 このように、ペーパーテストで測れるものだけでない、多くの要素が
評価基準に含まれていることがわかります。科学を妄信するのではなく、
その限界を理解することも求められていますし、与えられた課題の実験を
行うというよりは、自ら仮説や実験を設計して、実施し、その結果を
科学的に評価することまで求められています。コミュニケーションも
重視されています。
 
 中高生にとっては少し難しいのでは?と思われるものも含まれていますが、
これらの要素は大学や大学院、あるいは実社会での応用という点でとても
役に立つものばかりです。中高での学びを単に学校の中や受験のため、
で終わらせてしまうのではなく、本当に意味のある学習につなげていこう
という意志がこの評価基準に現れています。

 学校の先生が一人一人の生徒をこの評価基準に従っていかに評価するか、
ということが現実的な課題としてあります。実際にIB(MYP)を
実施されている先生に聞いたところ、この評価基準に沿ったレポート課題
などを作成し、生徒にこの基準でこのように評価するというところまで明示
して進められているとのことです。ただ人数が多くなると評価が大変に
なります。日本では40人以上のクラスも多いですが、IBでは1クラス
25人を標準としています。これは探究型に変えていくときの現実的な
課題として残りますが、少なくとも欧米ではこの人数が標準であるのです。
 
 新しい探究型の学習評価基準を用いた教育を行う学校が増えることを
望んでいますし、知の探究社でもそのお手伝いをしていきたいと思います。
またご興味のある学校の先生方とともに、MYPを研究して日本の学校に
いかに生かせるかを検討する勉強会を神戸で開催したいと考えていますので、
ご興味のある方は下記のメールでご連絡下さい。



<イベント等ご案内>
 
【ラーンネット関連】

7月19日(木)~8月1日(日)
毎年恒例、小中学生向けの「サマースクール」の開催迫る!
「手作りカヌーで海遊び! from 六甲山 to 淡路島」
http://bit.ly/bd6YCq

8月21日(土)
モンテッソーリ教育に興味のある方が、幼児のお子様と一緒に
参加できる、六甲山上での体験型の一日講座
「子どもと一緒に、おうちで出来るモンテッソーリ教育」:
http://bit.ly/ckP4Sv

10月16日(土)~17日(日) 
ラーンネットでの子どもへの接し方を体験的に学ぶ
「ナビゲーション講座」第17回基礎編山中湖にて開催!:
http://bit.ly/du2hBA


【神戸情報大学院大学関連】

7月24日(土)
第16回特別講演会 「クラウド時代に求められる人材について」
レッドハット株式会社 平 初 氏
http://bit.ly/dnOHGA


7月15日(土)、24日(土)
神戸情報大学院大学 学校説明会
2011年度4月に大学院入学を希望者に対する
学校説明会を実施します:
http://bit.ly/bZlv2L




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■「第3の教育」のホームページ               
http://bit.ly/sumi2020
メルマガのバックナンバーはこちら
http://bit.ly/3rdEduMMB
お問い合わせメール: mag@L-net.com
Twitter ID: sumi2020

■関連サイト
ラーンネット・グローバルスクール
http://L-net.com/
神戸情報大学院大学
http://www.kic.ac.jp/
知の探究社
http://tankyu.org/
東京コミュニティスクール(ラーンネットの提携校)
http://tokyocs.org/
ビジネス・ブレークスルー(経営大学院)
http://www.bbt757.com/

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発行周期: 原則月刊+不定期 最新号:  2018/06/21 部数:  1,321部

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