僕らはみんな生きている!

【僕らはみんな生きている!】「恩讐は越えられるか」

カテゴリー: 2018年05月23日
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  杉山武子のコラム&エッセイメールマガジン◇◆◇2018年5月23日発行

     【僕らはみんな生きている!】     702回

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        「 恩讐は越えられるか 」

ことしは明治維新から150年の節目に当たることで、NHK大河ドラマでは
西郷隆盛を主人公とする「西郷どん」を放送している。わたしの住む鹿児島
では、チャンスとばかり官民あげて観光客誘致に湧いている。市営観光バス
の側面には「薩摩が近代日本を創った」の大文字が誇らしげだ。

それを見るたびに鹿児島市に移住して18年になるよそ者(県外出身)のわたし
は、「ほんまかいな」とツッコミを入れたくなる。引っ越す前に「鹿児島で
西郷さんの悪口を言ったらぶん殴られるよ」などと聞いていたが、来てみた
ら西郷さんの人気は想像以上に絶大だった。

確かに西郷さんは偉い人だ。しかし偉人や英雄と言われる人でも、ある一面
ばかり押し付けられては面白くない。別の顔もあるのではないかと、鹿児島
に来てから西郷さんに限らず興味のある人について、文芸同人誌やメルマガ
などに別の一面を書いたりしてきた。

そのせいもあってか、どうやらわたしは「西郷さんが嫌いな人」と嫌味を言
われるまでになった。別に嫌っているわけではないが、自分なりに調べたこ
とを書いているだけだ。そんな鹿児島で、最近「オヤッ?」と驚くことが地
元の新聞やテレビニュースで報じられた。

明治維新といえば「薩長土肥」は雄藩と呼ばれ、この四藩は明治新政府の主
要官職に多くの人材を送り出し、彼らが活躍したことはつとに知られている。
薩摩の場合、その筆頭は西郷隆盛と大久保利通の二人で、彼らは薩摩藩士が
多く住んだ加治屋町(かじやちょう)で育った仲だった。

協力して明治維新を成し遂げた二人は政府の要職に就くが、政策をめぐって
だんだん対立するようになる。詳しいことは省くが、1877年に西郷は薩軍を
率いて政府に反乱、西南戦争を起こす。これに対し大久保は政府軍(官軍)
を指揮して、薩軍を鎮圧。追い詰められた西郷は城山洞窟の近くで自刃。薩
摩の若者たちが敵味方になって戦い、多くの戦死者が出た。

7カ月の攻防の末、官軍の勝利で終わった西南戦争だったが、翌年、大久保
は不平士族数名により紀尾井坂で暗殺された。ともに悲劇的な最期となった
薩摩の英雄ともいえる二人だが、鹿児島に来て感じたのは、西郷さんの人気
に比べると、大久保さんはとんと人気が無かった。なんで? 

その疑問が最近解けた。西郷隆盛は鹿児島市内の南洲公園内の墓地に薩軍約
2,000人と共に葬られている。片や官軍の戦没者は1キロほど離れた祇園之
洲(ぎおんのす)公園に眠るそうだ。西南戦争140年の昨年、南洲公園内に
「西南之役官軍薩軍恩讐を越えての会」の手で両軍の戦没者を弔う慰霊塔が
建立された。

ことし5月、その慰霊塔前で大久保没後140年の法要が計画されると、西郷を
顕彰する市民グループが「大久保は西郷を死地に追いやった人物」と大反発。
法要名称から大久保の名を外したそうだ。「官軍側、薩軍側の分け隔てなく
平等に供養したい」という、法要を企画した住職の思いも届かなかったよう
だ。西南戦争をめぐる遺恨は、まだ根強く続いているのを知った。

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<あとがき>

 こんにちは。
いつもご愛読いただき、ありがとうございます。

鹿児島は梅雨前の蒸し暑い日が続く一方で、強風で急に気温が下がるなど、
目まぐるしいお天気です。さらにこの2年ほどおとなしかった桜島が、
ことしはすでに爆発回数が100回を超えました。

爆発すれば火山灰が大量に吐き出され、風に乗ってあっちへ飛んだり、
こっちへ降ったり。道路はそこかしこ白っぽくなり、車は灰で薄化粧。
風が吹けば灰が舞い上がり、目や口の中に入ってきます。
火山と共生するのも、なかなかに辛抱が必要です。

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 次回は6月13日(水)配信予定です。どうぞお元気で!
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発行周期: 週刊 最新号:  2019/01/09 部数:  155部

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