T-mode 遠山清彦の国会奮戦記

遠山清彦のメールマガジン[T-mode]No.690 南北の国境

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             南北の国境
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                   【No.690】2010年9月24日

遠山清彦です。今週も激しく移動する日々です。21日には、私が
理事を務める沖縄北方特別委員会の視察で、北海道根室市を訪問し、
納沙布岬から北方領土をのぞみました。そして根室市と周辺自治体
の首長達や、北方領土の元島民の皆さん等と意見交換会をいたしま
した。

外務大臣政務官時代、ロシアの政治家とも交流のあった私も北方領
土の問題を勉強しましたが、実際に自分の目で北方領土を見たのは
初めての経験で、率直に衝撃を受けました。

とにかく、想像していた以上に北海道本島から近いところに国後島
などがあり、非常によく見えたのです。

いまさら申し上げるまでもなく、北方領土は、第2次世界大戦の最
末期に、当時のソ連軍が国際法を犯して奪取した日本固有の領土で
す。(日本人は、江戸時代からこの島々を開拓してきました。)

まさに戦争末期の混乱のどさくさにまぎれて奪われた日本の国土で
す。日本政府は、一貫してその一括返還を求めてきたわけですが、
積年の外交努力が実を結ばず、いまだに返還をされていないことは、
非常に遺憾なことであり、また同時に現在衆議院に席を持つ者とし
て改めてより強い外交努力を推進する決意をしました。

現地の元島民やその子息の方々との懇談で印象に残ったのは、返還
運動の担い手であった元島民自身が極めて高齢化していることと、
その子息の方々の独自の運動継承努力も財政的制約や歴史の風化の
中で非常に苦境に立たされている、ということです。

「日本の固有の領土を返還させるのに、元島民やその家族だけに運
動を任せてしまう政府の姿勢はおかしいのではないか」という趣旨
の意見が派遣委員の前で表明されましたが、全く正論だと思いまし
た。ロシアとの武力衝突を回避することは当然ですが、北方領土の
問題については、改めて国民全体の問題として再確認し、あらゆる
官民の外交努力を傾注すべきだと感じました。

翌22日、私は早朝に根室を発ち、飛行機を3便乗り継いで、沖縄
に入りました。23日には、日曜日に投票日を迎えるうるま市議選
の応援で、同市内を30か所くらい回らせていただきました。

沖縄県といえば、今、日中関係が急速に悪化している原因となった
衝突事故が発生した尖閣諸島があります。報道ベースでは、中国の
漁船が日本の海上保安庁の船に故意に衝突してきたとのことであり、
その証拠となるビデオも存在するようです。最終的な判断は、司法
当局の判断を待たねばなりませんが、法治国家として関連法に基づ
き公正な手続きを進めてもらいたいと思います。

それにしても、中国側の反応は想定外の強さです。中国政府は閣僚
級の交流を一方的に禁止しただけでなく、文化交流や青年交流、両
国間の経済活動にも大きなマイナス影響を及ぼす措置を矢継ぎ早に
実行に移しており、このまま事態が推移すると、多くの人々の仕事
や生活に甚大な影響を与えかねません。

尖閣諸島の領有権を主張する中国側が、オフィシャルな外交や政治
レベルで何らかの措置を取ることは、外交専門家の想定内だったと
思いますが、民間交流や経済活動への波及は想定外であり、私自身
「いったいこの背景には何があるのか」と首をかしげています。

ここはそれなりに責任のある日中両国政府の要人が、直接対話をし
て、問題解決の糸口をつかまなければならないのではないか、と私
は思います。今回の事態をいたずらに両国間の関係悪化材料に使う
のではなく、冷静に双方が満足できなくとも納得できる解決方法を
探る努力が必要だと思います。

英国の大学院で紛争解決の基礎を学んだ立場から言えば、オフィシ
ャルトラックでの交渉や対話が困難ならば、日中関係に明るく双方
に強い人脈を持つ経済人や有識者を活用する方法も模索すべきだと
思います。

民主党政権が「冷静に法に基づいて粛々と捜査を進める」姿勢を取
っていることは現時点で妥当だとは思いますが、外交は多様なチャ
ンネルを活かし、目に見えないところの努力で成果を出していくこ
とが必要な領域でもあるわけですから、是非柔軟かつ戦略的に問題
解決へ向けた行動を取ってもらいたいと思います。

中国政府には、外交・政治レベルはともかく、文化交流、青年交流、
民間経済活動等については、今回の問題にリンクさせた報復措置の
類は慎むよう、求めたいと思います。

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  遠山清彦(とおやまきよひこ)衆議院議員、平和学博士
(Ph.D in Peace Studies, University of Bradford,UK,1998)
公明党副幹事長、国際局長、沖縄方面副議長、九州方面青年局長
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