T-mode 遠山清彦の国会奮戦記

遠山清彦のメールマガジン[T-mode]No.549 高齢者向け新医療制度、再考

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■■■ T−mode  〜参議院議員・遠山清彦のメールマガジン〜 ■■■  
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              【No.549】 2008年(平成20年)4月21日発行
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           高齢者向け新医療制度、再考
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遠山清彦です。先週も、沖縄で活動しました。金曜・土曜で沖縄市・浦添市の
会合に参加し、企業訪問等を行いました。色々な話題をテーマに講演したり、
意見交換をしたりしていますが、やはり良く出るのは75歳以上の方対象の新
医療制度です。

前回のメルマガとの重複は避けますが、4月15日以降年金からの天引きが始
まり、全国各地で誤徴収トラブルの発生や高齢者自身が自分の保険料を知らさ
れていないなど行政の説明不足などがあることは事実であり、これは非常に問
題だと私自身も思います。公明党の国・地方の全議員が行政当局を督励し、ま
たわかりやすく説明を繰り返し、新制度が円滑に運営されるよう努力すべきだ
と考えています。

しかし、このような技術的問題と新医療制度の必要性や制度設計そのものの是
非は別次元で議論すべきです。この点で注目すべき社説を石川県の『北国新聞』
(4月16日付け)が掲載していたので、ご紹介します。社説では、冒頭、ト
ラブルが続発していることに対する政府の責任を指摘した上で、「ただ、『う
ば捨て山よりひどい』といった野党の批判には、ポピュリズム(大衆迎合)の
危険なにおいがする。天引きは支払いの手間を省き、納付漏れを減らして徴収
コストを下げるメリットがあり、天引きをやめれば、高齢者が自分で支払いを
しなければならず、徴収率も下がる。保険証が届かないなどのトラブルはいず
れ解消されるものであり、混乱に乗じて制度そのものを廃止せよと主張するの
は、いかがなものか。」と述べています。

さらに、「制度の複雑さ、年金からの天引きという徴収方法も不安を増幅させ
た要因だろう。だが、そうした不安につけこんで『高齢者を早く死なせようと
している』などと批判するのは、やり過ぎではないか。」と野党の姿勢を痛烈
に批判しています。

日本の今後の医療制度のあり方を考えるにあたり、日本人の寿命の伸びと少子
化、そして人口構成という3つの要素を冷静に分析することが大前提です。日
本人女性の平均寿命は現在85歳前後で世界1位ですが、あと20年もすると
90歳前後になると予測されています。(男性も85歳に近づくといわれてい
る。)現在1300万人いる75歳以上の高齢者の数もそのころには、倍の2
600万人ほどになる可能性があります。その一方で少子化の影響で現役世代
の人口割合は確実に減っていきます。1300万人の高齢者は日本の全人口の
約1割ですが、国民全体の医療費約33兆円の3割を毎年使っています。今後
の少子高齢化社会では、さらに高齢者の人口が増えるので、現役世代への財政
的圧力が強くなります。この圧力が強すぎると、医療保険制度全体が崩壊する
可能性がある、こういう危機感を背景に今回の新医療制度は導入されました。

さらに、高齢者の割合が多い市町村と現役世代がある程度いる市町村の間では、
保険料と受けられる医療の格差が拡大してきていました。(高齢者ばかりが多
い前者の自治体ほど、保険料が高い。)今回の長寿医療制度の導入によって、
市町村単位から都道府県単位での医療保険制度に切り替わったため、市町村間
の格差が少なくとも同じ県の中では縮小し、同じ年齢で同じ所得であれば、県
内どこの市町村に住んでもさほど保険料に差がないということが初めて実現し
たわけです。1300万人のうちいままで保険料支払いを免除になってきた2
00万人の方々にとっては、負担増になりますが、それでも所得の低い方々へ
の配慮はされています。(所得に応じ、7割引、5割引、2割引の制度設計。)

先の社説は、「高齢者の負担は、できるだけ少ない方が良いに決まっているが、
負担を減らそうとすれば、そのシワ寄せは現役世代にいくのである。」とも主
張しています。現在、年金も医療も現役世代4人で1人の高齢者を支える仕組
みになっていますが、あと20年でこれが現役世代2人で1人の高齢者を支え
なければならない人口構成になります。もし現在必要な改革をしなければ、2
0年後の現役世代は、(社会保障の財源となる)税金も保険料も今のほぼ倍を
支払わなければならないことになりますが、そうなると戦後日本が誇ってきた
国民皆年金や国民皆保険という制度自体を維持することが困難になることが予
測されます。

公明党議員は、できる限り負担を少なくする、税金の無駄遣いをなくす、とい
った努力に今後も全力で取り組まなければなりません。それを前提に、しかし、
大切な日本の社会保障制度の維持と未来の世代の生活のことも、考えねばなり
ません。国民の皆様の行政の不備についてのご批判に真摯に声を傾けながらも、
冷静に未来をみつめながら必要な改革も進めなければならないのです。党員・
支持者をはじめ、国民の皆様のご理解を心からお願い申し上げます。
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遠山清彦(とおやま きよひこ)参議院議員、
平和学博士(Ph.D in Peace Studies, University of Bradford,UK,1998)   
参議院:法務委員会委員長
公明党:国際局長、東京都本部副代表
    沖縄県本部・山梨県本部・静岡県本部・神奈川県本部顧問    
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発行部数:4,756部(2008年4月21日現在)
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