T-mode 遠山清彦の国会奮戦記

遠山清彦のメールマガジン[T-mode]No.548 後期高齢者「長寿」医療制度について

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              【No.548】 2008年(平成20年)4月11日発行
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         後期高齢者「長寿」医療制度について
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遠山清彦です。平日は東京周辺、週末は沖縄、と最近連日あちこちで政局や政
策の話題について話をさせていただいています。(今週は、世田谷区、立川市、
台東区の会合に参加)その主要トピックの1つが、75歳以上の高齢者を対象
に4月からスタートした後期高齢者医療制度です(福田総理が最近、名前を長
寿医療制度に変えましたが、元の名前で書きます。)

野党議員たちは、この医療制度を「老人いじめの医療制度」とか「老人切り捨
てだ」「新たな負担増だ」などとさかんに批判しているようですが、その具体
的な論拠を示していないことが多く、私もテレビ報道などを見て驚いています。
その誤解を解くために、後期高齢者医療制度の主なポイントを5つだけ書きた
いと思います。

(1)高齢者切捨ての制度か?
75歳以上の方だけの医療制度というと、何か「高齢者の医療は高齢者自身で
面倒みてください」と言っているように聞こえますが、事実は全く違います。
それは、後期高齢者医療制度の財源内訳を見れば、一目瞭然です。5割は公費
(国と地方自治体負担=税金)、4割は現役世代の保険料、そして高齢者自身
の保険料負担は全体の1割に過ぎません。

(2)窓口負担や保険料は増えるのでは?
まず、窓口負担は、これまで通り1割で増えません。(従来どおり、現役並み
の所得の方は3割。低所得者への配慮は後述)保険料は、全国平均を見ると下
がるところが多く、具体的にはいままで国民健康保険では年額91,900円
(夫婦年収=201万円の場合)だったのが69,900円に下がります。た
だし、保険料が増える地域もあります。東京都23区の場合は、同じ夫婦年収
の場合、従来の43,600円から約1万円増えて53,800円になります。
増える理由は、今まで国民健康保険財政を支えるために地方自治体が多大な自
己負担をしてきた分を軽減したからですが、なぜこのような措置を取ったかと
いうと、今後老人医療費が増大しても医療保険制度が続くように自治体の負担
を軽くしたためです。ここは、国民皆保険制度を守るためにしかたなく取った
措置であり、増える地域と所得の方はご理解をいただきたいと思います。

(3)保険料を年金から天引きする理由は?
これも、よくテレビで批判されるポイントですが、要するに天引きした方がわ
ざわざ役所に高齢者が出向く必要がなく便利であること、保険料の未払い問題
がおきて、真面目に払っている人とそうでない人の間に不公平感が募らないよ
うに天引きをするのです。ただし、全ての高齢者、特に年金額が低い人から強
制的に天引きする制度にはなっていません。年金受給額が18万円未満(年額)
の人や、介護保険料と医療保険料を合わせた額が年金受給額の半分以上の人は、
天引きではなく納付書や口座振替での支払いが認められます。疑問のある方は、
地域の役所で確認してください。

(4)低所得者への配慮は?
後期高齢者医療制度の保険料は、加入者全員が払う「均等割額」と所得に応じ
て払う「所得割額」を合計した額になります。夫婦世帯を例にとると、まず年
収が153万円以下の夫婦は、所得割額がゼロになります。均等割額の方は、
年収が夫婦で168万円以下の世帯は7割引きの保険料となり、これは具体的
には1人毎月1000円の保険料ですから、夫婦で毎月2000円と低く抑え
られています。さらに、192.5万円以下は5割引き、238万円以下は2
割引き、となっています。この低所得世帯への配慮は公明党の主張によって設
けられたものであり、「弱者切り捨て」とは到底言えないと思います。

(5)75歳以上になると、それまで受けていた医療が受けられなくなるので
は?
受けられる医療は、これまでと変わりません。これは、繰り返し厚生労働大臣
が国会で表明している通りです。後期高齢者医療制度では、患者さんが「かか
りつけ医」を決めるシステムになっていますが、それ以外のお医者さんにかか
ることも認められていますし、医療機関の変更もできます。それに加え、長寿
を迎えた人ができるだけ自立した生活を送ることができるように、在宅医療を
充実させる「生活を支える医療」をめざす仕組みになっています。「かかりつ
け医」制度は、私が留学していた英国などではかなり普及しており、患者さん
の心身の特性に配慮したきめの細かい医療の実施を目的としているものです。

これで主な誤解は解けるのではないか、と思います。もちろん、日本の医療制
度は今、深刻な問題をかかえており、地方での医師不足や救急医療体制の不備
など、政府を挙げて解決・改善に取り組み続ける姿勢が重要なことは言うまで
もありません。また、長寿国日本では、今後50年の間に高齢化率が40%を
超えると言われています。10人に4人は65歳以上という社会、そしてその
方々を支える現役世代の数は今日の少子化の影響で少なく、1人ひとりの負担
は今の大人が負担している水準をかなり上回ると予想されています。

私たちは、子供や孫をはじめ、未来の日本を支える世代にも思いをはせなけれ
ばなりません。今生きている人を最大限大切にしながらも、だからと言ってそ
の負担のつけを全て未来世代に押し付けて良い、ということではないでしょう。
今の私たちに生活があるように、未来の人たちにも生活があります。野党の一
部のように改革をしないで放置したり、パフォーマンスで今の人たちだけに多
大な財政負担を伴う公共サービスを拡大すれば、一時的な人気を博することは
できても、未来の世代からは恨まれるだけです。そんな無責任な政治をしては
いけない、と公明党は考えています。

もう一つ、すでに高齢社会となった日本では、高齢者=弱者という考え方では
いけないと私は思っています。日本人の寿命が延び、昔の60代と今の60代
は、全然違います。今の60代は元気な人が大変多いです。彼らの悩みは「年
だからもっと守ってくれ」ではなく、「私は元気だから、もっと活躍の場を与
えてくれ」ではないでしょうか。だから、私は国会の審議において、定年制の
廃止とか雇用における年齢差別禁止を訴えてきたのです。元気な高齢者が自由
に働ける日本を作ることが大切なのです。そして働けば、年金以外の報酬があ
り、その報酬の一部で社会保障負担をすることは、さほど問題にならないはず
ですし、何しろ日本の未来を担う世代=子供や孫の負担を軽くすることができ
るのです。日本はまだそういう社会から遠いところにあります。
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遠山清彦(とおやま きよひこ)参議院議員、
平和学博士(Ph.D in Peace Studies, University of Bradford,UK,1998)   
参議院:法務委員会委員長
公明党:国際局長、東京都本部副代表
    沖縄県本部・山梨県本部・静岡県本部・神奈川県本部顧問    
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発行部数:4,750部(2008年4月11日現在)
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