T-mode 遠山清彦の国会奮戦記

[T-mode]No.204 遠山清彦の国会論戦:へき地医療対策について

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■■■ T−mode  〜参議院議員・遠山清彦のメールマガジン〜 ■■■     
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                     【No. 204】 2004年(平成16年)4月7日発行

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    【タイトル】遠山清彦の国会論戦:へき地(離島や過疎地域等)
                            医療対策について
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みなさん、こんにちは。「花冷え」というのは、このことでしょうか。
一昨日から関東地方は大変冷え込みまして、さすがに私も風邪気味です。

東京ではだいぶ桜の花も散ってしまいました。でも、今年は発見があり
ました。実は国会議事堂の近所が桜の名所だということがわかったので
す。国会から半蔵門の方角、国立劇場のあたりまで歩くと(10分くらい)
千鳥が淵に出るのですが、そこの桜が見事な美しさで、大感動しました。
ちょうど英国大使館のはす向かいの土手の桜並木から国会議事堂を見る
と、見慣れたとはいえ、一種の威厳が感じられてよかったです。

ところで、みなさんは、漫画の『Dr.コトー診療所』を読んだことありま
すか。TVドラマ化もされたようですが、私は最近になって漫画の方だけ
読みました。きっかけは、以前沖縄の与那国島に行く際に、島でドラマ・
ロケをやった原作ということで、はじめて手にしました。医師の方々から
みれば、「ありえない話」ばかりだと思いますが、ヒューマンな視点で作
られた作品でとてもよかったです。そして、私自身、離島振興への思いも
ありましたから、その部分でも共感するところ大でした。

今日配信する私の国会論戦は、「へき地医療対策」、つまり離島や山間部・
過疎地域などの医療事情の悪さをどう改善するか、ということがテーマで
す。この質問の準備で色々調べたのですが、日本は今全国的には医師過剰
といわれているのに、地方、特にへき地では深刻な医師不足に直面してい
ることがよくわかりました。そしてこれは今日の決算委員会で私が取り上
げた「医師の名義貸し」問題の大きな背景にもなっているのです。いずれ、
今日の委員会の議事録も配信しますが、是非読み合わせていただきたいと
思います。Dr.コトーのような優秀で人間味が深い医者がもっと離島や山
間部で活躍できるよう行政の側の努力を促していきたいと思っています。

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 2004年3月24日  参議院厚生労働委員会
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○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 今日、私は主に厚生労働省のへき地医療対策について質問させていただ
きたいというふうに思います。
 まず最初に簡単な質問でございますが、厚生労働省のへき地の定義を教
えていただきたいと思います。

○政府参考人(岩尾總一郎君) へき地保健医療対策におきまして、へき
地とは、交通条件及び自然的、経済的、社会的条件に恵まれない山間地、
離島その他の地域のうち、医療の確保が困難であって、無医地区、お医者
さんがいない地区ですが、及び無医地区に準じる地区の要件に該当するも
のを私どもへき地というように定義しております。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 平成十六年度の予算案でも、このへき地保健医療対策の推進という項目
で二十五億四千二百万円が計上されております。沖縄、離島県でございま
すが、その振興を担当しております内閣府やほかの部局を合わせますと五
十六億七百万円というふうに伺っております。
 大臣、現在、平成十三年度から五か年の予定で開始された第九次へき地
保健医療計画が実施中ということで私理解をしておりますけれども、やは
り今定義の中にもありましたけれども、離島あるいは山間部などの自治体
は、人口の大幅な減少と高齢化に伴う深刻な諸問題に直面しているところ
が多いわけでございます。そういう意味で、是非とも坂口大臣のリーダー
シップで更なる支援拡充をお願いをさせていただきたいというふうに思っ
ております。
 先日の参議院の予算委員会でも我が党の渡辺議員が言及をしておりまし
たけれども、また大臣もよく御存じのテーマでありますが、今、日本全体
ではお医者さんが過剰であると、たくさんのお医者様がい過ぎるというこ
とが指摘されているわけでありますけれども、他方、地方、特にへき地の
医師不足は深刻でございます。そのために、この第九次のへき地の医療計
画の中でも、へき地で働く医師あるいは歯科医師、看護師も含まれると思
いますけれども、等の医療従事者の確保が最重要課題であるというふうに
位置付けられているわけでございます。
 そこで、厚生労働省にお伺いしますけれども、この第九次計画が平成十
三年度から始まってから、どの程度へき地での医療に従事する者の数、量
的な面での改善がされたのか、具体的な数字を挙げてお答えをいただきた
いと思います。

○政府参考人(岩尾總一郎君) 全国に勤務する医師の数ですが、平成十
四年の十二月三十一日現在二十六万二千六百八十七人でございます。
 お尋ねのへき地に勤務する医師の数でございますけれども、そのへき地
の範囲が、先ほど申しましたように島嶼、島、離島ですとある程度範囲が
限られるわけですが、それ以外の山の奥ですとかそういうところは、交通
網の整備とか人口の増減によりましてその時々の変動があるのでなかなか
実態の把握が難しいということがございます。
 ただ、私ども、自治医大の方から資料をいただきました。それで、自治
医大の卒業生の中では、現在勤務している方が卒業生全体で二千百十二名
と言われていますが、その中で九百二十一名がいわゆるへき地というとこ
ろに勤めているというふうに承知しております。
 それから、離島でございますが、ここはカウントできるということで、
十三年の四月一日現在ということで八百九十一人の医師が離島に勤務して
おります。これはその二年前の調査、平成十一年と比べますと、残念なが
ら二十七人減少しているという現状でございます。

○遠山清彦君 今、数字でお話ございましたが、私、厚生労働省から教え
てもらいまして、全国の医師の全体の数は平成十二年の十二月三十一日現
在で二十五万五千七百九十二名おりました。これが二年たった平成十四年
の末ですと、先ほど局長もおっしゃっていましたけれども、二十六万二千
六百八十七名と微増になっているわけでございます。しかし、この第九次
のへき地保健医療計画が平成十三年から始まっても、例えば今離島部だけ
でありますけれども二十七人減少しているとお答えがあったとおり、実は
改善されていないんですね。
 私も後ほどまた申し上げますけれども、離島を回りましても、医師の数
が、これ実際に数字で出ているより減っているわけですね、離島では。そ
して、山奥のへき地の医師の数についてはなかなか分からないということ
でありますが。
 私、これ若干苦言になってしまうかもしれませんけれども、山間部の自
治体の医師不足についても、厚労省こうやって計画をわざわざ作っている
わけですから、それで数を把握できませんというのであれば、これ何のた
めに量的確保を最重要課題に挙げているのかちょっとよく分からないわけ
ですので、是非、毎年が無理でも二年ごとぐらいに離島部とそれから山間
部のへき地のお医者さんの数をしっかり把握をしていただいて、まず、そ
の上でやっぱり増加をさせていくという努力をしていただかないといけな
いというふうに思っております。これは要望ですので御答弁は結構でござ
います。
 ところで、先ほど定義のところでお話も出ましたが、お医者様が全くい
ない、いわゆる無医地区もまだ日本で解消されていないというふうに理解
をしておりますが、厚生労働省が把握をしているこの無医地区の数は全国
でどれくらいでしょうか。

○政府参考人(岩尾總一郎君) 平成十一年の六月末、毎年、五年ごとの
調査でございますので、直近ではこの十一年六月末現在ですが、九百十四
地区でございます。

○遠山清彦君 ありがとうございます。全国で無医地区がまだ九百十四地
区もあるということでございます。
 先ほど来私ももう申しておりますけれども、へき地医療に従事する医師
等を量的に増やすためには、やはり大事なことは、医者になる前に、医師
になる前に、若い医学生の段階でへき地医療に対する関心を高めてもらう
必要が私は当然にあるというふうに思っております。
 今、若者の間ではやっている漫画の一つに「Drコトー診療所」という
ものがありましてテレビドラマにもなっているわけでありますけれども、
あれは架空の離島に若い医師が行きまして、いろんなドラマがあるという
漫画あるいはテレビドラマになっているわけですが、現実の離島医療とい
うのは漫画ほど簡単でもありませんし、ドラマチックでもないというふう
に私、思っております。
 しかし、他方で、へき地医療に自ら飛び込んで六年になるという人が、
あるインターネットのこのへき地医療の情報を交換する掲示板にいろんな
意見を書いておりました。そこの中で、この自ら飛び込んでへき地で頑張
っている医師が、離島に行って、顔と顔を突き合わせた医療ができるよう
になりましたと、また自然と人間のかかわりも実体験できますというふう
に書いておりました。また、この同じ医師が、この掲示板の中で、へき地
医療に関心がありますという若い学生が書き込みをしたことに対してアド
バイスを書いていたんですが、そこでは、是非、このへき地で医療をした
いという若い学生は、医学とは何か、医療とは何か、医療の倫理とは、包
括医療とは何かということを意識して学習をしてきてほしいということを
アドバイスをしておりました。
 これは是非坂口大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、若い医学生
あるいは医師になったばかりの人を強制的にへき地に送るということはこ
れは無理なわけでありますけれども、しかし他方で、地方、とりわけへき
地でお医者さんが足りないということはさっきの数字にも表れているわけ
です。そこで、大臣のお立場から、どういう教育あるいは研修をしていけ
ば、こういった若い、情熱と、能力もできればあるお医者さんがもっとへ
き地に行こうというふうになるとお考えか、お聞かせください。

○国務大臣(坂口力君) これはなかなか難しい話であることはもう御指
摘のとおりでありまして、へき地に対しまして医師がどう足を運んでくれ
るか、あるいはそこで医療を行ってくれるようになるかというのは、一に
掛かりまして、やはり医学教育の中で医師の使命とは何ぞやということを
やはりしっかりと身に付けていただく以外にないのではないかという気が
いたします。
 私も、若いときに、山間へき地の、まさしくこのへき地の医療に携わっ
たことがございますけれども、本当はやはり、少しいろいろの経験を積ん
だ人が行ってくれることが一番地域の人にとっては望ましいんですね。大
学を出たすぐの人間に来てもらっても本当は余り役に立たないと僕は思う
んです、すべてのことができなきゃならないわけでありますから。私は、
もう大学を出てすぐに行ったわけでありまして、自分が習ったことだけの
範囲は知っておりますけれども、それ以外の科のことはほとんど分からな
くて、まさしく困った、もう本当に暗中模索の日々であったというふうに
今振り返っているわけでございますが。
 やはりある程度の、初期の医療というものについて経験を積んだ医師の
中から何人かが三年なり五年なりそこに滞在をしてやるというようなこと
が、ある程度これを順送りにそれが続けてもらえるようなシステムができ
れば一番望ましいというふうに思っておりますが、これも、御指摘のよう
に、首に縄を付けて引っ張っていくわけにはなかなかいかないわけでござ
いますので、自然にそういうシステムができ上がるようにどう地域で作り
上げていくか。
 例えば、地域の公的な病院、そこの公的な病院の人の枠と申しますか、
医師の枠を少し多めに取って、そしてその中でできるだけその地域の、例
えば離島でありますとかあるいはへき地に対して交代交代でそこに派遣で
きるようにするとか、そうしたことが大事でありまして、へき地の中に行
っております医師にとりまして一番不安なのは、そこにじっとおりますと、
自分が日進月歩します医療の中から取り残されていくのではないかという
非常な心配、不安というものがあるわけでございますので、そうしたこと
にも注意をしながら、あるときには交代で勉強する機会も与えるといった
ようなことが大事ではないかというふうに思っております。
 そういうシステムを作るのには、公的な医療機関とそして無医地区とい
うものをセットで考えるということができれば私は一番望ましいのではな
いかというふうに私は思いますけれども、ここはいろいろの皆さんの御意
見聞いてこれから進めなきゃならぬと思いますが、今のままでやはり地域
の医療というものを置いておきますと、いつまでたちましても、集まると
ころにはたくさん集まり、ないところは依然としてないと、それは医師の
数をどれだけ増やしましても同じことを繰り返すという気がいたします。
そうした意味で、今回、研修制、医師の研修制度、これはもう山間へき地
でも受けていただけるようにするわけでございます。そうしたことも経験
をしていただくということが大変大事ではないかというふうに思っている
次第でございます。

○遠山清彦君 まさしく今大臣が御指摘になったとおり、このへき地医療
に携わることに伴うデメリットというものが非常に大きな医師確保への障
害になっております。
今、大臣御指摘したとおり、日進月歩の先端医療技術がへき地にいる間に
分からなくなってしまう、自分が取り残されてしまうという恐怖感もある
と言われておりますし、それ以外に、例えば報酬が低いということもある
でしょうし、また、へき地医療に家族を連れていった場合に子供の、自分
自身のことのみならず、子供の教育に対する不安や懸念なども指摘をされ
ているわけでございます。
 そこで、当然に出てこなければいけない発想は、厚生労働省として、こ
ういうデメリットが数多くある中で、恐らく使命感に基づいてへき地医療
に携わっている医師に対してやはり何らかのインセンティブを講じていか
なきゃいけないと思うんですが、これはある程度やられているようですけ
れども、現状どうなっているのかお答えいただきたいと思います。

○副大臣(森英介君) 今、委員御指摘のとおり、へき地の勤務には様々
なデメリットがあるということは確かに明らかでございまして、そういっ
たところに所在する医療機関につきましては、従来から、診療報酬におき
まして、医師ですとか歯科医師ですとかあるいは看護師の数が医療法で定
める基準に満たない場合に入院基本料が一般には減額されるという措置が
取られますけれども、その減額率を緩和するような特例が取られておりま
す。
 また、これはちょっといささかちまちました話ですけれども、酸素吸入
などに使用する酸素価格について、公定価格の一・五倍の価格で償還する
と、こういった措置を講じてきているということであります。
 また、平成十六年度の診療報酬改定におきましても、離島に所在する病
院や診療所に入院した場合について入院基本料の加算を設けるという措置
も取ることにいたしておりますし、また酸素価格の特例措置についても、
その対象となる地域の範囲を広げるとともに、特段の事情がある場合には
実際に購入した価格で償還するといった措置を講じているところでござい
ます。

○遠山清彦君 今、副大臣から御説明あったとおり、幾つかインセンティ
ブというか、優遇措置が取られていることは私も理解をしております。特
に、新しく離島における入院基本料に対して加算を、十八点ですか、する
ということで、これは本当に歓迎をしたいというふうに思っているんです
が、ただ、これ一般的に日本で私誤解があると思うんですけれども、田舎
に行くと結構物価が安いということを感じている人もいると思うんですけ
れども、実際に私も離島を十幾つ今まで回っておりますが、おしなべて離
島というのは物価が高うございます。先日行きました与那国島では、缶ジ
ュースが百五十円で自動販売機で売っておりました。これは考えればすぐ
分かることで、特に離島などの場合は、島の中で産業がそんなありません
ので全部輸入になるわけですから、物の値段に輸送コストが付加されてい
るわけでございまして、決して田舎だから安いだろうという、まあ魚とか
野菜は場合によってはただで手に入る地域もあるかと思いますけれども、
それ以外の商品等については非常に割高な面があるわけでございます。
 そこで、これは副大臣で結構なんですけれども、私は思い切って、やは
り離島の公立の診療所などに自発的に行かれる医師に対して、へき地手当
みたいなものも若干考えてもいいのではないかというふうに思うんですが、
御見解いかがでしょうか。

○副大臣(森英介君) 今、委員御指摘のとおり、離島医療の第一線を担
うへき地診療所は、その開設者のほとんどが自治体又は日赤等、公的な団
体立でございます。そういうことで、へき地手当を支給するかどうかはそ
の開設者の裁量によるものというふうに認識しております。

○遠山清彦君 分かりました。
 私は個人的にそれぐらい考えてもいいんではないかというふうに思って
おりまして、これは実は大臣、今、離島は市町村合併の問題と三位一体の
改革の問題といろんなことが複合的に同時に来まして、今離島に行きます
と、大臣も行かれたことあると思いますが、島民の中には、今、日本の中
央政府が取っている政策というのは、これは厚生労働省だけじゃないです
よ、政府全体として離島に対して取っている政策というのは、あたかも、
もうみんな離島住むのやめて近くの本土、あるいは沖縄なんかだと本島に
もう移り住みなさいと事実上言わんばかりの政策しているんじゃないかと
いうことを感じ始めております。私も、東京にいると分かりませんが、島
に行きましていろんな実情を見て話を聞きますと、確かにそうだなと。
 ところが、じゃ離島に住んでいる方々が、人数少ないかもしれないけれ
ども、みんな本土や本島に移り住んだら、これは日本は大変なことになる
わけですね。中にはほかの国の人たちが勝手に住んでしまう、無人島化す
ればですね、こともあるでしょうし、国境の問題に直接的に関係のあると
ころが離島だと。そういう意味から、また逆に戻ってきますと、やはり離
島で暮らしている方々、人数は少ないかもしれないけれども、やはりやや
特別というような措置も私は考えてもいいんではないかというふうに思っ
ておりますので、今、森副大臣がそれぞれの自治体の裁量の問題もあると
いうことでしたので、私もまた別途いろいろな方途を探っていきたいとい
うふうに思っております。
 次に、今度は体制の話ですが、へき地医療支援体制の拡充の進展状況に
ついて伺いたいと思いますけれども、先ほど申し上げた第九次の計画では、
各都道府県に一か所、へき地医療支援機構というものを設置することが定
められておりますけれども、これは全都道府県で実施済みなんでしょうか。

○政府参考人(岩尾總一郎君) へき地医療支援機構については、無医地
区を有する四十三の都道府県のうち、本年二月末現在で三十八の道府県で
設置されております。未設置の五つの都県、東京、山梨、長野、鳥取、佐
賀でございますが、については今後順次設置されるというふうに聞いてお
ります。

○遠山清彦君 是非残りの都道府県もやっていただきたいというふうに思
いますけれども、ところで、このへき地医療支援機構ですけれども、これ
一般的にまだ耳慣れない組織の名前でありますが、確かに、いろんな都道
府県の県庁のホームページ見ますと、去年設置したとか今年の四月設置し
ますとか、そういうのがありますので、これから機能していくと思うんで
すが、この支援機構は第九次計画によりますと、専任担当者、へき地医療
拠点病院群の代表、それから地域の医師会、歯科医師会の代表、それから
市町村の実務者等によって構成をされていると。各都道府県の直接の指導
の下にこのへき地医療対策の各種事業の実施について実質的な助言、調整
等を行うことになっているわけです。
 ただ、この機構の運営主体は、これは定められているわけですけれども、
へき地医療の中核を担う医療機関に任されていることになっているわけで
す。つまり、都道府県が直接的に指導しますけれども、実際に支援機構を
作った後はその中核となる医療機関に任されるわけですね。
 実は、私のところに、既に医療支援機構が設置されている県の関係者か
ら、やはり都道府県によって熱意とかまたその措置の支援の厚みにかなり
実態上格差があって、それどうして起こってくるかというと、結局、都道
府県が運営をすることになっている機関に事実上丸投げしちゃっていると
いうことがあるのかというふうに思うんです。
 やっぱり、何度も申し上げますけれども、へき地医療の支援で一番大事
なことは医師の確保なんですね。ところが、それを都道府県が一応やるこ
とになっていますけれども、実際にはへき地医療支援機構を運営する医療
機関に都道府県が丸投げしてしまうと、この医療機関が正に医師の確保で
きない。今、大臣御存じのとおり、名義貸しの問題とかで医局からもう学
生派遣するのはやめようとかいろんなことが出てきていますから、以前で
すと山間部とかから何か有名な大学病院の先生のところに来てお土産持っ
ていってどうかうちに少し送ってくださいとかいろんなことできたのかも
しれませんが、今それももうできないというかやるべきじゃないという話
にもなっていますし、そうなりますと、都道府県の責任だと言いながら実
際には一つの医療機関に丸投げをして、その医療機関が医師確保できなか
ったらやっぱり進まないということになる危険性がある。
 そうなると、やっぱり厚生労働省が中央からある程度全体を見て、県に
よってなかなかへき地医療支援が実態上進んでいないというところに関し
ては、やはりある程度介入して医師の確保等助けてあげなきゃいけないと
いうふうに私思うんですが、いかがでしょうか。じゃ大臣お願いします。

○国務大臣(坂口力君) これは一つは、都道府県の中でやるだけではや
っぱり追っ付かないという気がいたします。やはり都道府県の中での格差
というのが非常に大きいわけですね。都道府県によりましては、かなり足
りている県もありますし、また、そうした山間へき地あるいはまた離島と
いったものを余り持たないようなところもあるわけでありますので、これ
は県による格差がかなりありますから、県内だけで考えるだけでは解決な
かなかいかない面がある。県にももちろん頑張ってもらわなきゃいけない
というふうに思います。県が中心になって頑張ってもらわなきゃいけませ
んが、それだけでは解決できませんので、この都道府県間の大きな格差が
ありますときに、そうしたことに対して国の方が何ができるかということ
をやっぱり少し考えないといけないと私も思っております。
 この辺のところ、少し検討させていただいて、そして、東京なら東京に
おみえになる医師の皆さん方にも、こうしたところで医師が足りませんか
ら、是非参加できる方はお願いをしますといったようなことを呼び掛けを
するといったようなことを少し積極的にやって、そして都道府県間の医療、
医師のアンバランスを是正をしていくということは確かにやらなきゃいけ
ない。その中でどういうふうにまたやっていくかということは、都道府県
の中でまた考えていただくということにするといったようなことにしなけ
ればならないと思うんですね。
 それで、地方自治体もかなり財政的には無理をしながら医師に対する、
あるいはまた医療に対する財源というのは組んでいるところもあるわけな
んです。しかし、それでもなおかつないというのが現実ではないかという
ふうに思っております。
 先ほど申しましたように、公的な機関の中でどう考えるかということと、
それから都道府県間のアンバランスをどうするかといったことを国として
どう考えていくかといったようなことを併せてこれを考えていかないと、
この問題なかなか決着がしないのではないかというふうに私は思っており
ます。少し構想を練ってみたいというふうに思います。

○遠山清彦君 大変に心強いお言葉、大臣ありがとうございます。
 私もいろいろ調べておりましたら、今このへき地医療に関する情報ネッ
トワークというのを厚生労働省もちゃんと予算付けてインターネット上作
って情報交換してはいるんですね。ただ、実際に中のぞいてみますと、非
常に熱意のある使命感の強い少数の方がそこで情報交換をしておりまして、
大臣が先ほどおっしゃったように、例えば東京に医師が過剰であると、た
くさんのお医者さんが、経験のある方、若い方いらっしゃると。しかし、
もしかしたらその中にも、潜在的には、へき地医療に例えば一年あるいは
二年、三年かかわってもいいと、自分も経験してみたいという方いるかも
しれませんが、どうやって、受入先の問題もありますから、どこにどうす
ればそういうことができるのか、また、今働いている職場との関係もある
と思いますので、是非厚生労働省の方で少し設計を考えていただいて、離
島、山間部、そんなに人数多いところじゃありませんので、本当にちょっ
とでも工夫して今よりも改善していただければ非常に助かる方々もいるん
ではないかなというふうに思っております。
 最後の質問になってきますけれども、私、先ほど申し上げたとおり、沖
縄の与那国島につい先日行ってまいりました。ここは日本の最西南端であ
りまして、一番近い日本の島は石垣島等になるわけですが、そこまで百二
十六キロ離れておりますが、台湾からは百十一キロしか離れていないと。
本当に国境、辺境の島でございます。へき地の典型と言われるわけであり
ます。
 この島に行きまして、町長以下いろんな方々とお話をしたら、やはり医
療事情が悪い。特に心配されているのは救急医療の面であります。この島
では、緊急の患者が出て島で対応できない場合は、少なくとも百三十キロ
離れた石垣島、これは海を越えていくわけですが、で対応できない場合は
五百九キロ離れた沖縄本島に患者を搬送しなければいけないわけでありま
す。
 私は、これ地元の方は、ドクターヘリ、今厚生労働省がいろいろ整備を
進めているので、これが与那国島に来ないかというお話があったんですが、
これいかがでしょうか。

○政府参考人(岩尾總一郎君) ドクターヘリの事業でございますが、予
算の確保ということ、それから離島を有する地域は特に必要だということ
で、私ども、全国の所管の会議を通じまして、都道府県にその活用を働き
掛けているところでございます。
ドクターヘリの導入ということでは、地域ごとに、広域搬送にかかわる関
係者と十分な協議、調整が必要というふうに考えております。
 離島を有する県を始め、それぞれの県の導入意向を伺いつつ、先行して
いる県の事例なども紹介しながら、私どもとしては全国的な展開が図られ
るよう働き掛けてまいりたいというところを考えております。

○遠山清彦君 分かりました。
 それで、これは地元の自治体の姿勢も関係あると思いますので、なかな
か難しい面もあるとは思いますが、例えばドクターヘリの整備が難しい場
合は、やはり離島の場合、民間の航空機や船舶、あるいは場合によっては
自衛隊や海上保安庁の協力を得なければなりません。ただ、これは日ごろ
から、自治体と地元の医療機関とそれから自衛隊、海上保安庁等が日ごろ
から恒常的に協議をしていないといけないわけでありまして、実は第九次
のへき地医療計画でもそういった関係機関の恒常的な協議の場の設置に努
めるということが書かれているわけでありますけれども、実情はどうなの
か。
私としては、是非この全国の離島あるいは山間部のへき地に救急医療対応
についての恒常的な関係機関の協議体制を作っていただきたいと思います
が、いかがでしょうか。

○政府参考人(岩尾總一郎君) 御指摘のように、第九次のへき地保健医
療計画では、へき地における救急搬送が長距離にわたることを考慮して、
先生御指摘の救急医療協議会などを活用して広域搬送などお願いしようと
いうことでございます。
 私ども、そういう救急医療体制ということでは、特に一番大事だろうと
思うのが子供の救急ということでございまして、子供、小児の救急につき
ましては、四百六の医療圏のうち三百二十二の地域で特に子供の救急のた
めの協議会が設置されているというふうに聞いております。
 ドクターヘリを近隣の県との共同運航によって導入している県では、都
道府県、市町村、医師会、消防、警察など、関係官署に所属する者によっ
て協議組織を設けていて、こういった場は活用されていると聞いておりま
す。厚生労働省としては、搬送活動の展開される範囲の広い狭いという問
題ありますが、関係者の協議調整が整備されるよう、引き続き都道府県に
はお願いしております。
 ちなみに、沖縄県で、先生御指摘でございましたが、ヘリコプターの添
乗医師が昨年、平成十五年、十四年から十五年の十四年度でございますが、
百二件の搬送があって、これは海上保安庁のヘリが八重山、それから自衛
隊のヘリが本土からということで、いろいろな協議会の成果としてこのよ
うな実例があるというふうに承知しております。

○遠山清彦君 一言だけ。
 今日、総務省さん来ていただいたんですが、さっきちょっと自治医科大
学のもう人数出ましたので、今日はお聞きいたしません。
 ともあれ、これからも坂口大臣のリーダーシップの下、離島あるいは山
間部の過疎地域など、非常に大変な中で暮らしをしている方々の保健医療
に関して、でき得る支援は全部していくという姿勢で臨んでいただきたい
ということを強く要望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきま
す。

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遠山清彦(とおやま きよひこ)    

参議院議員、平和学博士(Ph.D in Peace Studies, University of Bradford,    
UK,1998)    

参議院:厚生労働委員会・沖縄北方特別委員会理事、決算委員会委員    
公明党:参議院国会対策副委員長、青年局長、宣伝局長、国際局次長、
    遊説局次長、東京都本部副代表、沖縄県本部・山梨県本部顧問    

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発行部数: 3642部(2004年4月7日現在)
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バックナンバー: http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000060924 
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