T-mode 遠山清彦の国会奮戦記

[T-mode]No.188 イラク派遣問題、菅代表の最近の公明批判について

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■■■ T−mode  〜参議院議員・遠山清彦のメールマガジン〜 ■■■     
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                     【No.188】 2004年(平成16年)2月2日発行

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      【タイトル】イラク派遣問題、菅代表の最近の公明批判について
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みなさん、こんにちは。

寒いですね。しかも、最近は電車などでマスクをしている人を多くみか
けます。悪性のインフルエンザも流行しているようなので、お互い気を
つけましょう。

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1.イラク・自衛隊派遣問題の参院審議はどうなる
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先週金曜日、イラクへの自衛隊派遣承認をめぐる衆院審議は、野党側の
審議拒否で混乱し、結局補正予算案と承認案はともに与党だけの単独採
決となり、可決され参院に送付されました。今朝のNHKの日曜討論の中
身をみても、明日からの参院審議は簡単には開かれそうもありません。

野党側の態度は非常に残念です。確かに、政府側の答弁で撤回や訂正が
あり、外務省と防衛庁の連携ミスがあったことは政府の落ち度として厳
しく反省されるべきものです。しかし、イラクへ自衛隊を人道復興支援
目的で派遣することの意味は、サマワ市の評議会なる組織が解散したか
否かだけで判断できるものではなく、そのことだけに議論を集中させる
野党の戦術は参院選挙を控えた国会で「対決姿勢を示したい」という意
向だけが優先されたパフォーマンスのそしりを免れないものだと私は感
じています。

実際、野党側は一枚岩ではありません。民主党の中には自衛隊を活用し
ての国際貢献に賛成している人は少なからずいるわけで、社民や共産と
は根本的に立場を異にしています。今朝のテレ朝の番組に登場した鳩山
前民主党代表も、そのような立場であることを明示していました。ただ、
鳩山氏は「自衛隊を派遣するならば憲法改正をして、法的にすっきりし
た形で送るべきだ」(趣旨)と主張し、今次の派遣には反対をしていま
した。しかし、司会の田原氏が、憲法改正には時間がかかることを念頭
に、「それでは、民主党は今はイラクに対して何もしなくていいという
立場なのか?」と聞かれた際には、非常に歯切れの悪い答えしか返って
きませんでした。

自衛隊を国際貢献の一環で海外派遣することにかんする恒久法の制定や、
憲法改正の問題は、今後じっくり時間をかけて議論しなければならない
ことは私も認めます。しかし、だからといって議論している間は日本は
何もしなくていいというのでは、国際社会からの信頼と尊敬は得られな
いと私は思います。

それから、野党側は、「数の横暴で法案を可決した」などと目くじら立
てて批判していますが、そもそも議会制民主主義においては、選挙によ
って国民の信を得て多数を占めた与党側が政府を構成し行政権を行使す
ることが認められており、英国などでは野党の審議拒否によって政府の
政策実行が遅延したりストップすることはほとんどありません。野党は、
毎週の党首討論(クエスチョン・タイム)などの場で、政府・与党の政
策を批判しますが、実際の与党の政権運営に影響を与えることはなく、
いずれにしても次の選挙で勝つことに焦点を定めるわけです。

もちろん、日本の議会制度は英国のそれとは違った歴史をもっています
ので、同じようにする必要はないのですが、そもそも選挙で勝たない限
り与党の多数状態を変えることができないわけですから、国会審議にお
いて鋭い追及を行い国民の前で総理大臣や閣僚を立ち往生させることに
集中してもらいたいものです。そして次の選挙を期してもらいたいと思
います(ま、こちらもそう簡単に負けませんが)。

いずれにしても、明日からの参院審議、早期に開催すべきだと思います。
今の時点での審議拒否は、その後の来年度予算案の審議日程に大きな影
響をおよぼし、せっかく回復の兆しがでてきた日本経済に悪影響を与え
かねません。そうなれば、野党は、特に「政権獲得」に乗り出している
民主党は、国民の信頼を失いかねないということを警告したいと思いま
す。

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2.菅代表の公明党批判について
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ところで、民主党の菅代表は、今年に入ってから公明党およびその最大
支援団体である創価学会に対し、批判的なコメントを続けています。結
論から言うと、かなり「的外れ」な批判です。代表たるものが、「政教
分離」原則について、非常に勉強不足であることがよくわかり、私は個
人的にあきれています。

ちょうど、月刊誌『第三文明』3月号で、京都大学の大石眞教授が憲法の
政教分離原則について解説していたので、そこから以下重要なところを
引用しつつ、コメントしたいと思います。

「憲法20条が定める『政教分離』原則をめぐり、一部の学者や政治家
の中には、これを「政治と宗教の分離」ととらえ、宗教は政治に関与す
べきではないと主張する人がいる。しかし、およそ政治と宗教とは別個
のところにあるのもで、両者が関係をもってはいけないというのは憲法
の趣旨を見誤った主張である。」

(コメント)菅代表は、憲法をわかってないということです。

「日本では、無神論的な発想で政教分離が語られることもしばしばある。
しかし、およそ神仏はなくてもいいのだという発想から政教分離を議論
すれば、必然的にこの世の中から宗教をなくさなければならない方向に
いってしまう。そもそも憲法20条は信教の自由を定めるために規定され
たものであり、政教分離原則もそのためにある。つまり憲法20条は、宗
教は人間にとって必要で重要なものなのだという前提に立っている。そ
の前提から考えれば、日本においても政教分離とは、国家の側が宗教団
体に対して同じ距離を保ちなさいという意味になる。」

(コメント)菅さんは、日本から宗教をなくそうとしているのでしょう
か?

「仮に、宗教団体を支持母体とする政党の政権参加を禁止しようとすれば、
その前の段階、つまり立候補そのものを禁止する以外に方法はないだろう。
しかし、憲法で思想・信教の自由が保障された日本で、ある宗教団体に所
属しているからという理由で立候補を禁止することができないのは当たり
前の話である。」

(コメント)民主党では、候補になるためには、宗教をたもっていてはい
けないのでしょうか?でも、すでに民主党議員の中に、いろいろな宗教団
体に属している人がいるようなのですが、この人たちは菅流「政教分離」
原則に反しないのでしょうか。

「宗教者の立候補を認めている以上、当選した宗教者が政治活動を行うの
は民主政治では当然の話で、それを認めることこそ民主主義の理念にかな
うと考えるべきなのである。」

(コメント)民主党の代表が民主主義の理念を理解していないとなると、
ほとんどブラックユーモアに近いですね。最後に大石教授からとどめの引
用を。

「『政教分離』の『政』とは、政党ではなく、『政治権力』(=国)をさ
している。憲法上、政党も宗教団体も自由な活動が保障された任意の団体
である。その団体同士がどのような関係をもとうと、宗教者がどのような
政治活動を行おうと、それは個人や団体それぞれの自由意思に任されてい
る。」

菅代表、もっと憲法を勉強してから、発言してください。野党第一党の党
首として恥ずかしいですよ、今のままじゃ。


(2月1日)


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遠山清彦(とおやま きよひこ)    

参議院議員、平和学博士(Ph.D in Peace Studies, University of Bradford,    
UK,1998)    

参議院:厚生労働委員会、沖縄北方特別委員会理事、決算委員会委員    
公明党:参議院国会対策副委員長、青年局長、宣伝局長、国際局次長、
    遊説局次長、東京都本部副代表、沖縄県本部、山梨県本部顧問    

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発行部数: 3532部(2004年2月2日現在)
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