T-mode 遠山清彦の国会奮戦記

[T-mode]No.187 民主党代議士:これが「けじめ」とは

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   
■■■ T−mode  〜参議院議員・遠山清彦のメールマガジン〜 ■■■     
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    
                     【No.187】 2004年(平成16年)1月28日発行

===================================================================   
      【タイトル】 民主党代議士:これが「けじめ」とは
=================================================================== 
みなさん、こんにちは。

今日も、深夜に自宅のパソコン向かっています。長い1日のあとで、すぐ
寝たほうが良いと思いつつ、書きたい衝動を抑えられません。例の古賀
衆議院議員のことです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――   
1.あきれた街頭演説
――――――――――――――――――――――――――――――――――― 
今朝(というかすでに昨日の朝)、学歴詐称疑惑の渦中にある古賀議員は
渡米して調査した結果を地元福岡での街頭演説で報告するとともに、民主
党は離党するが議員職にはとどまること、次の総選挙まで歳費を受け取ら
ないこと、国会閉会中に米国の大学に通って卒業のために単位をとること、
などを表明しました。私は昨夜メルマガを書きながら「いやな予感」(=
議員辞職を拒むのではないかという直感)を抱いていましたが、本当に的
中してしまいました。

まったく、あきれた街頭演説としか言いようがありません。きっと彼に投
票した有権者の多くはやりきれない失望感を抱いているでしょう。そもそ
も泣いて話したことからして、公人としての自覚が足らず、国会議員とし
ての資質を欠いています。本人は感極まって泣いたのであって計算された
パフォーマンスだったとまでは思いませんが、しかし世間が注目している
のは憲法によって国民全体の代表者と規定された職責にある彼が、経歴を
詐称した疑いについてどのような「けじめ」をつけるのかという点であっ
て、涙ににじむ彼の誠意などは極論すれば何の関係もないのです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――   
2.発言に愕然
――――――――――――――――――――――――――――――――――― 
古賀議員の街頭演説を夕刊で読み、私は愕然としました。「この問題に私
自身どうけじめをつけるか考えた。民主党に迷惑をかけてはいけない。ま
ず一番に党籍を辞職させていただく」と彼は発言しています。自分を応援
してくれた有権者にではなく、民主党に迷惑をかけたくないから離党する、
と平然と言ってしまうこの感覚。民主党はどういう基準で彼を公認したの
でしょうか。

また、次の総選挙まで国会議員としての報酬を受け取らない、ということ
を言っていますが、理解に苦しむ発言です。国民は、別に彼の議員歳費を
問題にしているのではなく、彼が議員という立場に適しているかどうか、
今回の問題を通して疑念を抱いているのであって、「給料は国民の税金か
らもらいませんから、かんべんして、議員という身分を維持させてくださ
い」と言われても、筋違いも甚だしい主張です(ある評論家が、新聞で
「勘違いしている」と批判していたとおりです)。これは、解釈の仕方に
よっては、「私は国民の税金を使わせていただくにふさわしくない人間だ」
と自ら認めているのであって、それなのに「議員だけは続けさせてくれ」
というのは、全くの矛盾だと指摘したいと思います。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――   
3.国会議員をなめている?
――――――――――――――――――――――――――――――――――― 
それから、「国会閉会中に渡米してペパーダイン大学の単位を1つでも2
つでも取得したい」とも言ったようですが、もうここまでくると「なんだ、
そりゃ!」というしかないし、ちょっと考えてみると「国会議員の仕事を
なめているのか」と怒りさえわいてきます。

国会議員でも大学や大学院に通ってはいけないとは言いません。公務・政
務・党務をしっかりこなす合間に一生懸命勉強するのはいいことでしょう。
しかし、古賀氏の問題は、上の発言を選挙中には、全く有権者に言ってな
いことです。渡米して大学の授業に参加して単位を取るということは、知
る人ぞ知る、非常に時間と労力のかかる作業であり、彼はその間国民の代
表としての仕事をおろそかにするであろうことは明々白々です。これは、
選挙であれば有権者が当選者を選ぶ際の重要な判断材料になるものなのに、
彼は当選後に言い出しています。これは新たな欺瞞とさえいえます。

またある識者が新聞で指摘していましたが、民主党を離党して給料ももら
わないで、いったい何ができるのか、という問題もあります。国会議員と
してまともな仕事ができないことは明瞭であることを自覚しているのでし
ょうか。「仕事はできないけど、立場だけくれ」とは、都合のよすぎる話
です。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――   
4.「卒業」は思い込み?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
しかし、それにしても不可解なのは、彼は19単位も卒業するのに足りなか
ったのに、本当に「卒業した」と「思い込んでいた」のでしょうか?私も
6年海外留学し、他の日本人留学生も100人以上知っていますが、自分が卒
業にはるかに及ばない状態なのに「卒業した」と思いこんでいるおめでた
い人には会ったことがありません。彼はよっぼど○○なんでしょうか(○
○にどんな文字を入れるかは、読者にまかせます)。彼の顔を見る限り、
そんなに常識はずれでもなさそうです(というか、聡明な印象ですよね)
から、意図的に詐称したと推測するのが普通でしょう。

国会議員になるために、大学卒業という資格は要りません。しかし、それ
では格好悪いということで、もし卒業していないことをわかっていながら
足がつかないことを見越して詐称したとすれば、かなり悪質であり、これ
は公職選挙法に抵触する可能性があります。

公職選挙法第235条によると、当選する目的で職業・経歴等について虚偽の
事項を公にした場合、2年以下の禁固または30万円以下の罰金を科されます。
鈴木宗男氏問題の際に私はメルマガに書いた記憶がありますが、議員の身
分は自ら辞職しない場合、なかなかやめさせることはできません。しかし、
上記の罪で告発され確定した場合は、自動的に当選は無効となり、古賀議
員は失職します。この場合焦点は、大学卒業と公表したことが虚偽事項で
あることを本人が認識していたかどうか、つまり詐称の意図の有無になり
ます。もし、そういう意図があったと認定された場合、古賀氏は議員でと
どまりたくても失職する可能性が大きいのです。

それにしてもそんな情ない裁判で訴えられるのなら潔く辞職したほうが良
いのではないでしょうか。それとも、古賀氏もそして今日離党を受け入れ
た民主党執行部も、裁判で時間稼ぎをして補選をやらせず、対抗馬で今落
選中の山崎拓氏復活を阻もうという魂胆なんでしょうか。だとしたら、非
常に不遜で僭越な話です。誰を自分たちの代表として国会に送るかという
ことは、あくまでも有権者が決めることです。「政治活動を続けたい」と
いうのなら、再び選挙をして信を問うべきでしょう。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――   
5.問われる民主党の対応
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
古賀議員は、すでに民主党所属ではなくなっています。与党は、本人が辞
職しないのなら「議員辞職勧告決議案」を国会に提出することを検討して
います。与党の賛成多数で可決可能ですが、国民は民主党がどういう対応
を取るか注視するでしょう。これで決議に反対するようなら、民主党が望
む政権交代ははるかに遠のくのではないでしょうか。

ちなみにこの決議が可決されても、強制力はないので、あくまでも「やめ
たほうがいいぞ」と勧告するだけです。しかし、それでも議員職に固執し
た場合、すでに述べたような公職選挙法違反の疑いで告発される可能性が
大です。そして裁判。罪が確定すれば失職。

そこまでやるのでしょうか。私は今回の件で、国民の政治家全般に対する
不信が増大することを深く深く懸念しています。古賀さん、再考してくだ
さい。


(1月27日)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――
遠山清彦(とおやま きよひこ)    

参議院議員、平和学博士(Ph.D in Peace Studies, University of Bradford,    
UK,1998)    

参議院:厚生労働委員会、沖縄北方特別委員会理事、決算委員会委員    
公明党:参議院国会対策副委員長、青年局長、宣伝局長、国際局次長、
    遊説局次長、東京都本部副代表、沖縄県本部、山梨県本部顧問  

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
発行部数: 3479部(2004年1月28日現在)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――   
バックナンバー: http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000060924 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――   
登録・解除: http://www.mag2.com/m/0000060924.htm 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――   
ホームページ:  http://toyamakiyohiko.com 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――   
メール: kiyohiko_tooyama1@sangiin.go.jp   
――――――――――――――――――――――――――――――――――――


このメルマガは現在休刊中です

ついでに読みたい

このメルマガは
現在休刊中です

他のメルマガを読む