T-mode 遠山清彦の国会奮戦記

[T-mode] No. 74 鈴木代議士逮捕・田中氏党員資格停止

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   
 ■■■ T−mode  〜参議院議員・遠山清彦のメールマガジン〜 ■■■     
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    
                     【No. 74】 2002年(平成14年)6月20日発行

=====================================================================   
      【タイトル】 鈴木代議士逮捕・田中氏党員資格停止
=====================================================================
―――――――――――――――――――――――――――――――――――   
1.来るべきものが来た
――――――――――――――――――――――――――――――――――― 
みなさん、こんにちは。国会はようやく正常化の兆しが衆議院で現れ、
来週からは各委員会の審議も再開されそうです。国会の延長も7月末ま
でと決まり、今度は明確な期限までの期間で責任ある議会運営が求めら
れます。

昨日のマスコミ報道は、鈴木宗男代議士の逮捕一色でした。私は主に国
会議事堂裏にある参議院議員会館の自分の部屋で仕事をしているので、
衆議院の方の様子はあまりわかりません。聞くところによれば、鈴木代
議士逮捕の前後は、すごい数の報道陣が衆議院関係施設の付近に詰めか
け、騒然としていたようです。しかし、マスコミの騒ぎとは裏腹に、参
議院だけでなく衆議院でもあまり衝撃を受けている雰囲気はなく、「来
るべきものが来た」という冷静な捉え方が一般的です。

議員には憲法上「会期中の不逮捕特権」なるものが保障されており、そ
の意味は文字通り「国会が開会中に逮捕されない特権」です。憲法50条
がその根拠規定ですが、「両議院の議員は、法律の定める場合を除いて
は、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の
要求があれば、会期中これを釈放しなければならない」と定められてい
ます。

なぜ議員は逮捕されないのか?、万引きの現行犯でも逮捕されないの?
などと疑問に思う方もいるかもしれませんので、少々説明します。

この不逮捕特権が議員に与えられている理由は、教科書的に言うと、
「行政府による逮捕権の濫用によって立法府の議員としての活動が妨げ
られることを防ぐこと」になります。ということは、逆に、ある議員に
対する検察・警察の逮捕請求が明らかにその権利の濫用でない場合は、
この特権は発動しないことになるのです。つまり、「議員は何をやって
も逮捕されない」わけではなく、例えば、万引きして捕まるのは当たり
前で、別に政府が議員の活動を妨害することにならない(=濫用にあた
らない)ので、捕まります。この特権の例外は、国会法という法律に定
められており、「院外における現行犯罪の場合」は特権を行使すること
ができないのです。

国会法では、「その院の許諾」がある場合も、特定の議員の逮捕を認め
ており、それが今回の鈴木代議士のケースに該当します。鈴木氏は現行
犯ではなく、過去のあっせん収賄行為に対して検察から逮捕請求が出て
いました。それに対し、逮捕を許諾する権限をもっている衆議院が検察・
法務省および鈴木氏本人からそれぞれ意見聴取した上で、昨日本会議で
逮捕許諾を議決したのです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――   
2.早期の辞職決断を
――――――――――――――――――――――――――――――――――― 
現在、鈴木代議士は東京拘置所に拘留されており、これから連日取調べ
を受けることになります。逮捕容疑は「やまりん」という会社関連のあっ
せん収賄罪です。報道によると、鈴木氏が官房副長官に就任した直後、
首相官邸で現金500万円をわいろとして受け取った(その後事務所に持っ
ていかれたらしいが)ということですが、いやー、本当ならひどい話で
す。日本政治の中枢の建物で、そんなことするんですから、にわかには
信じがたい。しかし、この件に関しては、ほとんどみんな信じてしまう
ところに、政治不信の「極み」が象徴されているように感じます。さら
に、「やまりん」関連容疑は、「突破口」に過ぎないと見る向きもあり
ます。検察が北方支援事業関連など、どこまで追及するのか、これはも
う司直の世界ですから、見守るしかありません。

ところで、「鈴木さんはもう逮捕されたのだから、議員はやめたんでしょ」
と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、まだやめていません。
拘置所で拘留されながら、身分は国会議員のままです。これは、だいぶ
前にここに書いたように、議員の辞職というのは、選挙で落ちるか選挙
で不正を働くか自ら辞めるかくらいしか方法がなく、それも憲法上そう
なっています。この問題については、色々な意見があって、「逮捕され
たら、強制的にでも議員をやめるべきだ」という主張もされてきました。
私も個人的には、逮捕されるような人間が議員の職にとどまるのは「い
かがなものか」と思います。

しかし、議員の身分がそう簡単に他からの強制で剥奪されないことには、
それなりの理由があることも知っておくべきでしょう。日本は現在、国
民主権主義をとっており、国の最高の主権者は国民です。その主権者た
る国民が選挙で選択した議員だからこそ、その身分は異常なまでに厚く
保護されているのです。そしてその主権者たる国民の代表として選ばれ
た議員は、それなりの見識と倫理観を持っているから選ばれるというこ
とが暗黙の前提としてありますから、まさか「逮捕されても辞職しない」
というような行動を取る人が選ばれることは制度上の想定になっていな
いと私は思います。ところが、現実は違っている−−ここに政治不信の
根っこがひとつあるわけです。

明日、鈴木代議士への辞職勧告決議案が自民党も賛成の上、衆議院本会
議で可決される予定です。これも勧告ですから、法的強制力はないので
すが、しかし、政治的には、みんなが「もうあんたは辞めなさい」と言っ
ているわけですから、いわゆる政治生命はなくなることになります。以
前参議院の方で、この決議を無視して議員を続けた人物がいましたが、
鈴木氏が同じ道をたどっても、さらに孤立するだけでしょう。早期の辞
職決断を望みます。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――   
3.田中氏の処分
――――――――――――――――――――――――――――――――――― 
今日は今日で、今度は田中真紀子前外務大臣に対する自民党の処分が発
表されました。「2年間の党員資格停止」ということで、「除名」、「離
党勧告」に続く3番目に厳しい処分なので、正直びっくりしました。田
中氏の疑惑は、週刊誌の記事が真実だとすれば、かなり問題があるので
すが、それを判断する資料も情報ももっていない私は何ともコメントし
ようがありません。党から厳しい処分が出ましたから、少なくとも政治
的には疑惑解明は進まなくなるような予感がしますが、どうなるでしょ
うか(自民党党紀委員会は、疑惑解消の時点で処分を取り消すと発表し
ています)。

真紀子新党? ないでしょう。彼女の人気にあやかって当選する人は出
るかもしれませんが、当選後の政治人生を考えたらこの挑戦(冒険か?)
をする人はあまりいないと思います。2年間の党員停止期間の間に次の選
挙が行なわれると、彼女は党の公認を得られないのでかなり厳しい選挙
戦を迫られるでしょうが、もともと無派閥ですし、まあ、今みたいな人
気が持続すれば(少なくとも選挙区で)当選するでしょうね。人気−こ
れは政治家にとっては大事なんですが、常に難しい要素ですね。人気=
実力、人気=貢献度、とは必ずしもならないのですが、人気がないとそ
もそも議員でいつづけられないという根本問題がありますから……。や
はり、人気があろうがなかろうが、国民に恥じない努力を継続すること
が一番大切なんだと思います。

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
遠山清彦(とおやま きよひこ)    

参議院議員、平和学博士(Ph.D in Peace Studies, University of Bradford,    
UK,1998)    
参議院外交防衛・決算・沖縄北方特別各委員会委員    
公明党国際局次長、公明党沖縄県本部顧問、公明党東京都本部副代表    

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
発行部数: 3116部(2002年6月20日現在)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――   
バックナンバー: http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000060924 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――   
登録・解除: http://www.mag2.com/m/0000060924.htm 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――   
ホームページ:  http://toyamakiyohiko.com 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――   
メール: kiyohiko_tooyama1@sangiin.go.jp   
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

このメルマガは現在休刊中です

ついでに読みたい

このメルマガは
現在休刊中です

他のメルマガを読む