T-mode 遠山清彦の国会奮戦記

[T-mode] No. 73 難民問題に関する国会論戦記録(2)

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 ■■■ T−mode  〜参議院議員・遠山清彦のメールマガジン〜 ■■■     
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                     【No. 73】 2002年(平成14年)6月17日発行

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      【タイトル】 難民問題に関する国会論戦記録(2)
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みなさん、こんにちは。梅雨に入って、東京は雨も降りますが、涼しく
なって過ごしやすくなっています。汗かきの私としては個人的に嬉しい
です。

さて、先日、6月11日に参院外交防衛委員会で質疑時間を頂いたときに、
難民問題について継続して政府と議論しましたので、その記録を以下、
転載させていただきたいと思います。実は、これに関して昨日の読売新
聞1面に、内閣官房を中心に難民政策の見直しをしているとの報道があり、
具体的内容を見ると、私が前回、難民問題で内閣官房に質問した方向性
と合致している印象を受けました。これから報道の真偽を確認しますが、
もし正式発表されれば、歓迎したいと思います。が、まだ検討段階です
から、様々な施策が実現するまで仕事の手はゆるめないつもりです。

今日は、これから午後、品川にある国際救援センターという「インドシ
ナ難民」(条約難民とは別)のための定住支援施設を視察する予定です。
とにかく、現場第一主義でがんばります。

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参院・外交防衛委員会(平成14年6月11日:該当部分、抜粋)


●遠山清彦君 
 ありがとうございました。
 それでは、まだ時間がちょっとありますので、先日もちょっとお伺い
させていただきましたけれども、難民問題について幾つか質問をさせて
いただきたいと思います。
 まず、法務省の方にお伺いをいたしますが、先日、報道でもされてお
りますけれども、法務大臣の私的懇談会による難民問題の検討のための
専門部会が作られまして、私こちらにプレスリリースを持っております
が、八名、九名ですか、九名のメンバーが選ばれまして、中央大学の横
田洋三教授を中心に、部会長にこれから議論をされるということなんで
すけれども、これについてお聞きしたい点が二つございまして、一つは、
議題としてこのペーパーに挙げられているのは三点ございまして、一つ
はいわゆる六十日ルールという六十日以内に難民認定の申請を行わなけ
ればいけないという期限の問題、それから二番目には難民認定申請中の
者の法的地位の問題、三番目には不服申立ての仕組みについての問題、
この三点が議題となっているわけですが、私は、例えば今回の瀋陽の事
件でも問題になりました、在外公館において亡命希望者あるいは庇護希
望者に対してどういう対応をするのかというような点であるとか、ある
いは難民認定を受けた人に対する、特に条約難民に対する定住支援の問
題、こういった論点もあると思うんですけれども、そういったここに書
かれていない議題については議論されないのかどうかということが一点。
 それからもう一つは、これは法務大臣の私的懇談会の中の専門部会の
議論ということですけれども、この結果がその後の、年内に法務大臣に
対して報告をするということにここに書かれておりますけれども、この
報告が出た後にこれをどういうふうに政府として、法務省として生かし
ていかれるおつもりなのか、お聞きしたいと思います。

●政府参考人(中尾巧君) 
 委員御質問の専門部会の関係でございますけれども、これはもう法務
大臣の私的懇談会ということの性格上、法務大臣に対しまして専門部会
で議論していただいた結果を法務大臣に年内に御報告いただくと、こう
いうことでスタートしたものでございます。
 したがいまして、この議題として、三つの議題ということで、六十日
ルールの問題とか、先ほど御紹介いただいた三つの議題で御議論いただ
く予定にしておりますので、そういう年内に御報告いただくという日程
上の都合等々ございまして、この三つの議題以外に広げる予定は今のと
ころございません。

●遠山清彦君 
 外務大臣、今お聞きになったと思いますけれども、法務省の専門部会
の議論を見守りたいということを外務大臣おっしゃっていましたが、こ
の三つの議題しかやらないわけですから、これは私、今日時間があれば
後ほどお聞きしますけれども、ここだけで政府全体として難民政策の見
直しをやるような土台ができるとは到底思えませんので、これは内閣官
房、外務省を含めてほかにも関係省庁、実はありますけれども、法務省
だけで難民政策の見直しをやるというような姿勢では私はいけないとい
う点をちょっと喚起しておきたいと思います。
 そこで、続けて法務省にお伺いいたしますが、私、先日も難民認定を
申請している最中、まだ結果が出ていない人たちに対して一定の条件付
で在留資格を与えるべきではないかという主張をさせていただきました。
これに対して、法務省の一貫した姿勢というものは、難民認定、まだ認
定されていない、申請をしただけの人に在留資格を与えるようなことを
してしまうとその制度を乱用、悪用をして不法残留者が滞在しようとし
てしまう、そういう人が増えてしまうというような反論がございました。
 しかし、例えば不法残留者というのは今、法務省のデータによります
と二十二万四千六十七人日本にいることになっておりますけれども、そ
れに対して、じゃ、難民申請してくる人は何人かというと、昨年でいい
ますと新規で三百五十三名でございます。この三百五十三名全員が乱用
しているわけでないことは明らかでありまして、不法残留者全体の中か
ら考えたら、仮にこの去年申請した三百五十三名の中で乱用者がいたと
してもその割合は非常に少ないというふうに私は思うわけですし、また、
もし法務省さんが乱用者が増えるというようなことをおっしゃるんであ
れば、今まで申請されてきた、二千何百人だったと思いますけれども、
中でどれぐらい乱用したと思われる人がいるのか、これは法務省さん、
不認定の場合の結果を開示していませんので、本人も含めて、判断しよ
うがないんですけれども、これは乱用者が増えるという推測の下にこの
意見をずっと言われても、何の具体的なデータもなければ、私、説得力
ないと思うんですが、いかがでしょうか。

●政府参考人(中尾巧君) 
 御指摘のとおり、不法滞在者は、不法残留者が約二十二万数千人で、
それ以外に不法入国等の関係者もおりますので、我が国には約二十五、
六万ぐらいの不法滞在者がいるわけでありまして、そのうち推計で八割
以上は不法就労しているというのが、これは検挙した関係者からの実態
から見て間違いないわけであります。そういうことを踏まえますと、一
律に難民申請中の者に在留資格を付与するということは、これ必ずしも
適切ではないということは前から申し上げているとおりでございます。
 委員御指摘の、その乱用というのは具体的にどうだというお話なんで
すが、これにつきましては、もちろん個別的な案件についてどこまでが
乱用かどうかというものは極めて難しいところだと思いますが、私ども
の方で承知する範囲で申し上げれば、申請者自らが虚偽の申請を行いま
したということを具体的に認めたケース、それから難民申請を取り下げ
て日本から母国に帰国あるいは出国をしたという事例、あるいは最近あ
るケースでございますが、パキスタン人であるのにアフガニスタン人で
あると国籍すら偽って難民申請したケース、さらには難民認定申請後、
私どもの難民調査官等によるインタビューの呼出しに応じないでいずれ
かに所在不明になったケース、これなどは明らかに制度の乱用と評価さ
れるものだろうと考えます。
 データの関係で申し上げますと、昨年、十三年度に私どもで処理した
案件は合計三百七十件ございます。このうち、明らかに制度を乱用した
と考えられるものが九十一件、全体の約二四・六%でございますので、
四件に一件は乱用ケースだというふうに私どもの方は承知しております。
 九十一件の内訳を参考までに申し上げますと、調査中などに所在不明
になったケースが六十八件、申請を取り下げて母国等に出国したケース
が十七件、国籍を全く偽ったケースが五件、氏名を偽って二重申請した
ものが一件というふうになっております。
 こういった実態を踏まえて、私どもも、適切な難民認定をしなきゃな
らないと同時に、今、委員御指摘の点につきましても今後検討を重ねて
いきたいというふうに考えておるところでございます。

●遠山清彦君 
 分かりました。
 昨年の数字を、初めて私も具体的な数字聞きましたので、私の予想よ
りも若干多めに、二四・六%の乱用のケースがあったというようなお話
ですが、ただ、残りの七〇%以上の人たちの中で在留資格を持たないが
ために苦しんでいる人に対してどうするかという点は残ると思いますの
で、今後、これはまた私もちょっと研究させていただきたいと思います
し、政府内でも検討していただきたいというふうに思います。
 次に、再び法務省ですが、日本での難民認定に関して難民支援活動に
従事している弁護士さんとかいろんな団体から長年寄せられている一つ
の批判は、難民認定の基礎調査に当たっている方々、法務省の役人の方
々、難民調査官と言われている人が、実は日ごろは入管業務に基本的に
従事をしていて、兼務で難民申請があったときだけ難民調査を行うと。
こういった難民調査官は全国に四十三名いるそうですが、報道では七名
とか言われておりますけれども、数人を除けば日ごろは入管業務に従事
をしていて兼任であると。
 問題は、入管業務というのは、やはり不法に、違法に日本に入ってこ
ようという外国人を厳しくチェックをして、それを入口で防ぐというこ
とが重要な任務になってくるわけですけれども、逆に、難民認定の場合
は、難民条約上の義務を日本は負っているわけでございまして、真正に
難民性が高い、難民としての要件をそろえている者に関してはある意味
しっかりと受け入れなきゃいけないと。ですから、入管業務とそれから
難民認定というのはちょっと方向性が違う業務だと思うんですね。
 それに対して、日ごろ、入ってくる人を、不法に入ってくる人をどう
防ごうかという業務ばかりやっている人が、たまたま、たまに今度難民
として来た人をどう、受け入れる可能性のある人たちを調査するという
ことはやはり問題が発生する可能性があるのではないかということなん
ですけれども、これに関して我が党の草川昭三議員が、当時衆議院です
が、衆議院の法務、外務、社会労働連合審査会で質問しておりまして、
要は独立の審査機関を作って、そこで難民認定審査できないのかと。こ
れに対して法務省の答弁、当時の答弁はすごくぶっきらぼうでして、読
みますと、難民認定手続は難民条約上の定義に沿うか否かの事実確認行
為であって、だれがやっても結論は同じであると。だから、別に法務省
の入管がやろうが独立審査機関がやろうが結果は同じだからいいじゃな
いかという答弁なんですが、これ、今日でも同じ考えですか。

●政府参考人(中尾巧君) 
 まず、入管業務について若干補足説明させていただきたいんですが、
入管業務というのはかなり幅広いわけでありまして、不法入国者の摘発、
不法残留者の摘発という場面ももちろんございますが、正規の在留する
人の在留資格の変更等の手続、年間百二十万前後ございます。あるいは、
我が国に入国する外国人の出入国をきっちりやる業務も私どもの業務で
ありまして、入れないことを基本的にやっているわけではございません。
いろんな業務の中の一環として難民認定業務というのはあるわけでござ
います。
 難民条約に加入するに当たりまして、一つの機関で統一的に難民認定
を行うということは当時閣議了解をされた事項でございます。法務省に
おいて難民認定に関する事務を担当することが、その閣議の際に妥当で
あるという結論に達したのは昭和五十六年の三月のお話でございます。
 難民条約がその対象としているのは当該国における難民であり、難民
というのもやはりこれ外国人であるという観点から、難民認定の申請は
出入国管理行政上の他の諸手続と有機的に関連をしていると、外国人の
入国、在留を担当する入管の担当組織において難民認定に関する業務を
行うことが合理的だと、そういう判断でなされたわけであります。私ど
もの方も、この関係で申し上げれば、難民認定室というところが所管し
ていると、こういうことになっております。
 先ほど難民認定の関係で、難民認定の業務に従事している者の体制の
問題を御批判いただきました。この点につきましても、私どもの方も、
十分、これでいいのかという点については問題意識を持っているところ
でございます。
 正確に申し上げますと、難民認定の当該業務に専従している人間は本
年度は八名でございます。去年が七名で、これも一名を限られた定員の
中で増やしておりまして、八名が専従しております。先ほど委員お話あ
りました四十数名というお話は、これは難民調査官として一定の、これ
全国レベルで指定をしなきゃならぬという範囲で申し上げたわけでござ
います。主として難民申請というのは東京、大阪で行われることが多い
ものですから、そのところに専従員を置いていると、こういう形で対応
しているところでございます。
 つきましては、草川先生が昭和五十六年の委員会で御質問いただいて、
私どもの政府委員が答弁している案件につきまして、私も質問通告いた
だきまして議事録を拝見いたしました。その議事録は、なるほど委員説
明のとおりの答弁になっておるわけでありますが、やはりこれは若干説
明が不足だったという印象は否めないと思います。基本的には、当時の
政府委員の言いたかったことは、難民の定義に該当する、難民、条約難
民に該当するかどうかということは規則的な判断事項だということを言
いたいがためにそういうことを、ややその辺のところの説明がそごして
いたんじゃないかというふうに思います。
 結局のところ、難民の認定というのは条約難民に当たるかどうかと、
そういうことの事実確認行為だと、こういうふうに言われております。
ただ、事実確認行為でありますので、確認した上で条約難民であるかど
うかに当てはめると、そういう作業であることは間違いないわけであり
ますので、その点につきましても、私どもの今の段階では過去の政府委
員の答弁とは変わらないものであります。しかしながら、難民の前提と
なる事実そのものの認定については、これは非常に難しい問題だと思い
ます。その点については、委員御指摘のような点も踏まえて、これはか
なり専門性を有する、そういう専門性の調査官の育成というものが大事
だというふうには考えているところでございます。

●遠山清彦君 
 もう時間がなくなりましたので、厚生労働省の方は、済みませんが、
今回聞けませんけれども、今のお話で、説明不足だったということなん
ですが、確かに、二十一年前の質問に対してまだ難民認定の実績がない
状態での御答弁だったとは思うんですね。二十年間、日本はこの条約難
民、あるいはインドシナ難民も含めて難民認定、難民支援ということを
やってきたわけですけれども、その経験から申し上げれば、私も、例え
ば難民の認定を受けた方々に直接私、話を伺ったことありますけれども、
やはり個々人のケースで非常に、調査官の資質によって左右されたりと
か、通訳の質がすごく悪かったり良かったりということでそれぞれの受
けている印象がまず違うという問題がありますので、難民調査を担当す
る役人に対するどういう研修をしていくかということが一つすごく重要
なんじゃないかというふうに思っております。
 それから、難民認定を一回受けて却下されて、もう一回異議申立て、
二次申請、三次申請した人たちに対して、例えば八年間も掛けて結果を
通知しないとか、そういうようなケースが見られておりまして、ですか
ら、どちらかというと一次審査というのはだんだん今期間も短くなって
いるようですから、二次審査、三次審査の方々に対してのケアがちょっ
と今不十分ではないかと思いますので、これらについて今後とも検討し
ていただきたいと思いますし、また私もこれからもちょっと委員会で質
問させていただきたいと思います。
 以上です。

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遠山清彦(とおやま きよひこ)    

参議院議員、平和学博士(Ph.D in Peace Studies, University of Bradford,    
UK,1998)    
参議院外交防衛・決算・沖縄北方特別各委員会委員    
公明党国際局次長、公明党沖縄県本部顧問、公明党東京都本部副代表    

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発行部数: 3126部(2002年6月17日現在)
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