T-mode 遠山清彦の国会奮戦記

[T-mode] No. 69 難民問題に関する国会論戦記録

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■■■ T−mode  〜参議院議員・遠山清彦のメールマガジン〜 ■■■     
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                    【No. 69】 2002年(平成14年)6月5日発行

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         【タイトル】難民問題に関する国会論戦記録
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去る5月30日に開かれた参院・外交防衛委員会で、難民問題に関して政
府側と論議しました。その議事録はHPにもUPされていますが、個人的に
多くの人に知っていただきたいので難民関連質疑の部分だけメルマガで
配信させていただきます。少々長文ですが、ご容赦ください。

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■2002年05月30日 外交防衛委員会

○遠山清彦君

公明党の遠山清彦でございます。
 私、持ち時間が十五分しかございませんので、是非、答弁される方、
簡潔にお答えをいただきたいと思いますが、まず京都議定書の関連の質
問をさせていただく前に、私、難民問題について幾つかお伺いをいたし
たいと思います。
 じゃ、官房副長官、よろしくお願いいたします。
 今、政府内では瀋陽の事件を受けまして、難民あるいは亡命者の対応
についての見直しの検討が始まっていると報道されているわけでありま
す。川口外務大臣も、先日、この質問を受けて、法務省の中で今度難民
に関する部会ができることを念頭に置かれて、法務省での検討を見守り
たいという発言をされていたわけですが、私、個人的には余り釈然とし
ておりません。なぜかと申しますと、難民対策というのは、それは難民
認定という問題に限って言えば法務省の所管でありますが、実は今問わ
れているのは、私は政府全体の難民支援策あるいは難民対応策ではない
かというふうに思っているわけです。
 例えば、法務省は難民認定、外務省は在外公館での対応、あるいは難
民認定申請者に対する援助事業は外務省所管の財団法人がやっておりま
す。文部科学省、文化庁は日本語教育、それから厚生労働省は医療、保
健、住居、就労のあっせん等の定住支援をやっていると。また、総務省
も地方自治体での認定された難民の外国人登録や行政サービス等にかか
わるということでございます。
 ですから、この難民問題というのは一般的にもちょっと誤解されてい
て、全部法務省というようなイメージがあるんですが、難民をどこでど
う受け入れて、またどういう基準で認定をして、また認定作業中の申請
者をどう処遇して、また認定された難民の方々をどう処遇していくのか
と、定住支援していくのかというプロセス全体の問題であると。
 ところが、今の国会での議論を聞いていると、難民とか亡命者をどれ
ぐらい受け入れるかという量の話ばかりで、その難民申請を日本でして
いる人、あるいは認定された人の庇護の在り方という質の問題、量の問
題じゃなくて質の問題についての話が全然されていないと。人道的な観
点からいえば、それは日本が受け入れている難民の絶対数が少ないとい
う問題も国際社会で指摘されているわけですが、私は受け入れられた難
民の方々が日本でどういう処遇を受けているのか、あるいは亡命したい、
あるいは難民として申請を、認定していただきたいということで申請を
している方々が日本に滞在しているときにどういう扱いを受けているの
かと、この点についてのやはり議論がなければ、政府内でなければいけ
ないと。
 これは省庁横断の話ですから、ですから今日わざわざ官房副長官にお
いでいただいて、総合的に政府として対応を検討すべきであると思いま
すが、いかがでしょうか。

○内閣官房副長官(上野公成君)
 
 お答えいたしますけれども、今、委員御指摘のとおり、この問題は我
が国社会の在り方全般にかかわる、深くかかわる問題でございますので、
御指摘のとおり、法務省だけの問題ではなくて、政府全体で検討してい
かなければいけない問題だというふうに考えております。
 ただ、非常に難しいいろんな扱い方につきましては、人道、人権に関
する意識の動向でありますとか、国際社会における日本の役割や関係国
との関係、更に国内労働に及ぼす影響、それから国内治安に及ぼす影響、
いろいろございますので、そういうことを勘案して検討していく必要が
あるんじゃないかなと思っております。

○遠山清彦君

 ありがとうございます。
 それで、私、一つ今日提案があるんですが、昨年の三月、国連の人種
差別撤廃委員会は、日本において、インドシナ難民と、難民条約に基づ
いて認定された一般的に条約難民と言われる方々に対する待遇が異なっ
ていることを指摘をして、改善するように勧告をいたしました。
 インドシナ難民に関しては、閣議了解に基づいて条約難民とは別の日
本定住支援スキームがあります。これは内閣官房に事務局を置いており
ますインドシナ難民対策連絡調整会議という正に省庁横断の機構によっ
て運営されておりまして、このインドシナ難民の方々に限っては様々な
手厚いプログラムがあるわけですね。ベトナムの本国から家族の呼び寄
せができたりとか、呼び寄せた家族に対して生活適応指導であるとか日
本語教育とか、品川にある国際救援センターなどを通じて、これは外務
省の所管ですが、外務大臣、しっかりやっております。
 他方、条約難民に関しては、同じレベルの定住支援スキームがほとん
ど未整備です。この点をこの人種差別撤廃委員会でも指摘されましたし、
また最近、昨年の九月になりますけれども、その難民事業本部から委託
を受けて調査をした、日本で暮らしている百人の難民申請者及び認定難
民の暮らしの状況に関するレポートが昨年の九月に出ました。
 これなどを読みますと、非常に困難な生活を強いられている条約難民、
これは日本が認定した方々ですよ、認定した方々でもインドシナ難民と
比べると非常に困難な生活を強いられているということがあるので、私
は是非、政府としてこのインドシナ難民に対してやっているスキームの
対象を拡大して、条約難民として法務省からしっかり認定された方は、
少なくとも同じようなレベルの保護をしていくようなことを検討すべき
ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○内閣官房副長官(上野公成君)

 今、御指摘のとおり、国連の人種差別撤廃委員会で指摘されているこ
とも事実でございます。
 そこで、ちょっと経緯を申し上げますと、インドシナ難民の方は、昭
和五十三年に閣議了解でそういうことを受け入れているわけであります。
一方、条約難民ですね、いわゆる、この条約難民につきましては、五十
七年に発効したいわゆる難民条約と、それから国内法では出入国管理及
び難民認定法に基づきそれぞれ対応を行っているわけでございますけれ
ども、委員御指摘のように、インドシナ難民につきましては、五十四年
の閣議了解で、今お話がありましたように、定住促進施設で日本語教育
をしたり、職業あっせんをしたり、定住支援策を実施している
ところでございます。
 それに対しまして、条約難民の方は、希望者についてはそういった同
じ措置をやっているわけでございますけれども、しかしこの希望、全体
の受け入れた難民に対して実際に入所している人の数は非常に少ないの
も事実でございますので、先ほど政府全体で検討していくということを
申し上げましたけれども、こういう点につきましても、関係省庁と協議
しながら、幅広い視点から検討をしていく必要があるというふうに考え
ております。

○遠山清彦君

 副長官、今、希望者に、条約難民の希望者について同じようなことを
しているとおっしゃいましたが、私が調べた限りでは、今まで条約難民
でインドシナ難民に対する定住支援スキームを利用できたのは五例、五
人だけで、これも弁護士さんたちが物すごい頑張っていろんな政治判断
で入れたというのが実情であって、過去二十年間で日本が受け入れた二
百八十四名の認定難民から見たら非常に少ない、まれなケースであると
いうことで、私、それは例外だと思います。
 それで、法務省さんの方にちょっとこの難民について一つだけ聞きた
いんですが、この難民認定を受けた条約難民の話が先ほどの話なんです
けれども、この難民認定の申請をして日本で待っている方、これは正確
な数字、政府は発表しておりませんが、私、三百人程度と現在見込んで
おりますけれども、この方々は在留就労許可がないために様々な困難に
直面して生活をしていて、その在留許可がないということは不法入国者
という、法的に見れば、側面もありますので、いつ強制送還されるかと
いう精神的におびえている。しかも、認定の結果が出るまで一年、二年
と掛かることが一般的でありまして、その間ずっと日本に滞在している
んですが、不法入国者、在留資格がない。ですから、仕事もできない、
生活保護も受けられない、医療保険も受けられない。病気になって病院
に行ったら、一回のその医療費が一万円以上掛かると。
 こういう状況で、確かにまだ認定されていない難民ではありますが、
申請して日本に滞在していることを政府も認知している方々でありまし
て、その人たちに対してこのような非人道的な状況に置いているのは、
私は恥ずかしくて日本が人道大国なんということを国際社会に言うこと
ができません。
 そこで、法務省さんに、この難民認定申請をして待っている人たちに
対しても、一定の条件付でも結構ですから限定的に、その結果が出るま
では在留・就労許可を付与することを検討すべきではないかと思います
が、いかがでしょうか。

○政府参考人(中尾巧君)

 委員御指摘の難民認定申請者につきましては、我が国に適法に入国し
て何らかの在留資格を付与されている者と全く在留資格のない不法滞在
者と、こういう二通りがございます。したがいまして、委員の御指摘の
場合といいますのは、在留資格のない状態で難民認定申請中の者につい
て何らかの法的地位の安定化を図る必要があると、こういう御指摘だろ
うと思います。これも一つの卓見だろうとは思います。
 ところが、この点に関しましては、我が国には約二十五万人という、
推定でございますけれども、不法滞在者が現にいるわけです。こういう
現状を考えますと、難民申請を乱用して在留を画策しようとする不法就
労者等を排除するための措置は必ず必要だろうと思います。ですから、
そういう措置を何らかの、それが多分、先生、委員御指摘の条件だろう
と思いますが、そういう措置を講じないまま、難民認定申請中であるこ
とのみをもって一律に不法滞在者に在留資格を付与するということはや
はり適当ではない、かと、こういうふうに考えております。特に最近は
……

○遠山清彦君

 分かりました。オーケーです。
 一点指摘しておきますが、難民申請を乱用する不法入国者がいるとい
うことは私も認めますけれども、その事実をもって、真正な、つまり純
粋に条約上難民と認められ得る人たちも、そういう乱用者がいるからと
いって、乱用していない人たちも巻き添えにしてこういう扱いをしてい
ることは私はどうなのかなと。
 ですから、そこはしっかり法務省さんの方で、乱用している人がじゃ
一体申請してくる人の何割なのか、データを出してそれは反論していた
だかないと私は納得できないということをちょっと申し上げたいと思い
ます。済みません、ちょっと時間ないので。

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遠山清彦(とおやま きよひこ)    

参議院議員、平和学博士(Ph.D in Peace Studies, University of Bradford,    
UK,1998)    
参議院外交防衛・決算・沖縄北方特別各委員会委員    
公明党国際局次長、公明党沖縄県本部顧問、公明党東京都本部副代表    

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発行部数: 3094部(2002年6月4日現在)
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