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609studio No.743 ◆現代時評《天皇国家の危険はらむ憲法第1条》:井上脩身

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【609 Studio】メール・マガジン 2016・1・26 No.743
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   フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身氏
の現代時評、ロシアやサハリンの話題、編集長のコラムなど多彩な話題満載! 
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◆現代時評《天皇国家の危険はらむ憲法第1条》:井上脩身
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 今年は憲法が公布されて70年の節目の年である。安倍晋三首相は橋下徹・前
大阪市長が事実上のリーダーであるおおさか維新の会と連携し、「改憲」を参院
選の争点とすることを明らかにしており、憲法の行方を左右する年になりそうだ。
憲法が1946年11月3日に公布されて以来、論議の的は9条であった。それ
に劣らず、憲法の根本精神の「国民主権」が規定されている第1条を私は論議に
上げたい。同条は天皇を中心とし、主権者である国民が後ろに引きさがった形の
記述となっている。70年がたっても「国民主権」が十分に根付かなかった原因
はこの第1条にある、といっても過言ではない。独裁政治に進みかねない危うい
政治状況の今、第1条はこれでいいのかを国民がこぞって考えねばならない。

 憲法第1条は、「天皇の地位、国民主権」の条項だ。「天皇は、日本国の象徴
であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意
に基づく」と規定している。
 法律の第1条は、その法律の根本原理を表わすことが少なくない。「私権ハ公
共ノ福祉に遵フ」(民法1条)、「この法律は、日本国内において罪を犯したす
べての者に適用する」(刑法1条)、「労働条件は、労働者が人たるに値する生
活を営むための必要を充たすものでなければならない」(労働基準法1条)など
の規定は、当該法律の目的を示しており、2条以下の解釈の基準にもなっている。

 こうした観点から憲法第1条をみると、「象徴天皇制」がまず定められていて、
「主権ある国民の意思」はその条件になっていることがわかる。文法的にいえば、
「国民主権」あっての「象徴天皇」であるが、普通に読めば、「象徴天皇の国」
であることを憲法はまず示した、と判断できるだろう。主権者である国民の影が
何とも薄いのである。

 憲法はGHQ案に基に、肉付けや修正が行われて帝国議会を通過、成立した。
その制定過程で、GHQ案が「国民の、あるいは人民の主権的意思」と表現した
のに対し、外務省は「人民の主権的意思」を訳した。幣原喜重郎首相(当時)の
意思で「日本国民至高の総意」と変更したが、議会で疑義が出され「国民主権」
に落ち着いた(古関彰一『平和憲法の深層』ちくま新書)、といういきさつがあ
る。

 「国民主権」は「平和主義」「基本的人権の保障」とともに憲法の三大原則を
成している。だが憲法制定の経緯をみると、「国民主権」は、実ははじめから心
もとない存在だったのだ。その理由の一つとして、現憲法を作成するに際して、
条項の順序を明治憲法にならったことが挙げられる。

 明治憲法(大日本帝国憲法)は第1章に「天皇」を置き、第1条は「大日本帝
国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」と規定した。天皇主権国家であることを宣言し
たうえで、「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」(3条)、「天皇ハ国ノ元首ニシ
テ統治権ヲ総攬シ此のノ憲法ノ規定ニ依リ之を行フ」(4条)と、「現人神」で
ある天皇に全ての権能があることを示した。

 現憲法が明治憲法を下敷きにしたため、第1章を「天皇」とし、第1条で真っ
先に天皇を登場させたのである。
 第1章を「主権」とし、第1条で「日本国の主権は国民に存する」とうたいあ
げてあれば、わが国が「国民主権の国」であることは誰の目にも明白になったで
あろう。前文で「主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」と述
べているが、第1条で改めて表明していれば、天皇主権国家に戻したい者ですら
主権が国民にあることに異論を挟めない。国民にとっても、自らが主権者である
ことの自覚が格段に強まるはずである。

 残念ながら、第1条の主役は天皇である。天皇誕生日や新年の年賀では、大勢
の人たちが天皇や皇族の前で日の丸の小旗を振って「天皇陛下万歳」と叫ぶ。テ
レビでその模様を見ると、私は「天皇中心国家」に戻る危険性を覚える。右傾化
が進む中、「国民主権の国」であることを否定し、「国家のための国民」である
ことを求める国家主義政治家が近年急速に頭をもたげてきた。安倍首相がその最
たる一人であることはいうまでもない。首相は改憲して軍国主義独裁の道の入り
口に立ちたいのである。

 重ねて述べる。憲法第1条は「日本国の主権は国民に存する」であるべきだっ
た。
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◆不条理ショートストーリー
          “幸福幹細胞”における背理的機能の検証:白石 阿光                                               
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 幸せは、不幸なときに感じる
不幸わせは、幸福なときに感じる
それはなぜ?
 
それは、
小さな幸福と小さな不幸は、双子の子どもだから。
 
現実に感謝すれば、小さな幸福が芽生え、
現実を嘆けば、小さな不幸が育つ
 
小さな不幸は、大きな幸福の中で気にかかり、
小さな幸福は、大きな不幸の中でよく見える
 
そして、大きくなる
 
それを“幸せ・不幸せの幹細胞”と呼ぶ。
 
「大きな幸福の中では、小さな幸福は見えない
大きな不幸の中では、小さな不幸は見えない」
 
だから
 
「大きな幸福の中では、小さな幸福を大切にしなければならない
大きな不幸の中では、小さな不幸を気にかけなければならない」
 
だが...、それは、いいことかどうか
誰も保証はしない。
 
わかっていることは
幸福も、不幸も
もとは同じ、一つの幹細胞だということ――。
 
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「若者が結婚もせず、結婚しても子どもを産まない。困ったもんだ」
「苦労して働いても年寄りを支えるだけ。自分たちは年金を貰えるかどうかわか
らない。今の生活も苦しいから、結婚や子育てなんか考えられないのさ」
「それじゃあ家庭ができないじゃあないか。しつけも常識も教えられない。道徳
は地に落ちる」
「少子化は進むばかり。社会は衰退するばかりだ」
「そこを外国がつけこみ、国境の島を奪い取る。我が国の領海内で魚は採り放題、
珊瑚は荒らし放題だ」
「軍事力で対抗しようとしても若者がいないしね」
「そうさ。だから若者には結婚して子どもを産んでもらわないと。社会の秩序を
維持するのも国家防衛においても、家庭は社会の基本単位なんだよ」
「戦争で若者が死んでいっても補充できるようにしないといけない」
「産めよ増やせよ! お国のためだ」
 
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「あなたのことを一番わかってくれるのは家族です。家庭を大事にしましょう」
「子どもは社会の宝ですから子どもは社会が育てます。安心して子どもを産んで
ください」
 「家庭倫理を育て、社会秩序を守る会」は、全国の家庭、学校にチラシを撒い
た。そこには新聞の政府広報にも似た文言が踊っていた。
 政府は保育園、保育所をすべて国営にし、育児経験がある人をすべて保育士に
任命した。地域には国営の「出産支援所(通称ハローベイビー)」が全国あまね
く設立された。看護師よりもお産婆さんが優遇され、給料も高かった。
 しかし、地域で赤ちゃんの泣き声を聞くことはなかった。
ハローベイビーの横に隣接して建てられた国民防衛隊出征所(通称サムライジパ
ング)からは毎日のように屈強な若者がトラックで運ばれていく光景が見られた。
 その中には女性も含まれていた。半数は女性が占めているはずだが、見た目に
は男女の別はわからなかった。産まれるベイビーは男女半々だが、男女防衛防災
平等参画法により表面上、男女の区別はつかなくなっていたからである。
 
 一方、高齢者向けの介護施設は倒産が相次ぎ、次々と消えていった。高齢者、
障害者には自立が促され、福祉施設や病院から追い出された。彼らは、難民とな
り、暖かい南太平洋の島々を目指して粗末な船に乗り、海に出た。
 南の島は母系社会で、弱い者を排除することはなかった。難民はボートピープ
ルとなって、南の楽園を目指し、荒波にのまれて消えた。

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 南の島の家庭は女が仕切っていた。子どもは多かったが、ある家の5人の子ど
もはそれぞれに父親が違っていた。女は「前の旦那は風呂敷一つで出て行った」
と笑った。財産は女に属し、男はいつも無一文だ。男たちは海に出て魚や海鳥を
採ることに精を出した。
 
 南の島の慣習では、弱い者こそ守られた。もし、子どもから老人まで乗った船
が遭難したとすれば、屈強な若者が先に死ぬだろう。それは食料が残っていれば
まずは子どもや老人に分けられ、魚が採れれば男よりも女に与えられることにな
るからだ。
 
 ある時期から南の島の海岸に老人と障害者ばかりが乗った船が打ち上げられる
ようになった。それは南の島の住人にとって大きな事件だった。しかし、海での
遭難は多くはなかったが、珍しいことではなかった。
老人と障害者を前に島の長老が言った。
「この国の人たちはよほど立派な人たちなのだろう。若者は食べるものをこの人
たちにやって死んだのだろうから」
「せっかく私たちのところに来てくれたのだから大切に迎えましょう」
 老人と障害者たちは、島のそれぞれの家庭に引き取られ、家族として暮らすよ
うになった。
 
 その後も船は次々に打ち上げられた。遭難が続くのは珍しいことだった。
「どこかでなにかあったんだ」
「何が起きたのだろう」
 人々は不安がった。何か大きな不幸に見舞われる気がしてならなかった。
 
「心配するな。心配が不幸を招く。私たちの島のことではないことで不幸になる
ことはないのだ」
 しかし、その島にも異変はすでに起きていた。真珠のネックレスのように連な
っていた珊瑚礁の島々のいくつかはすでに海上から姿を消していた。
「島が沈んでいく。椰子の木が波にさらわれ、島が小さくなっていく。何かが起
きている」
「心配するな。私たちは土の上に立っている」
「根がむき出しになっている木もある。波が島を乗り越えてラグーンまで入り込
むことも多くなった」
「人間が増えすぎたから島が沈んだんじゃないのか」
 島の最高点は島と島の間にかかった太鼓橋の中央で、海抜2メートルしかなか
った。
「島が沈んだら、椰子の木にハンモックのように家を作ってヤシガニのように生
きていこう」
「椰子の木が流されたらどうするんだ」
「どうしよう」
 人々にとって何もかにもが心配の種になってきていた。
「心配するな。本土に留学している島の若者たちが、島が沈んでも私たちが生き
ていける方法を研究している。もうすぐそれが完成するだろう」

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 ある都市で「世界連邦温暖化地球対策会議」が開かれていた。
 南の島の代表が叫んだ。
「地球は温暖になり、私たちの島はまもなく海の中に沈む!」
「私たちは、 かつての領海の範囲の領空権を要求する!」
 大国の代表が反論した。
「空は南極や宇宙と同様、連邦の直轄統治エリアである。自治国、地域に権利は
ない」
 南の島の代表は必死だった。
「それでは世界連邦を作った意味がない。我々の国がなくなってしまう」
 大国の代表も引き下がらなかった。
「島国でも先進国からごみ援助を受けて陸地を拡大したところもあるではないか。
努力が足りなかったのではないか」
 南の島の代表は訴えた。
「我々は流れ着いた人々を受け入れた。先進国を終われた人々も幸せに暮らして
いる。しかし、先進国は連邦樹立後も彼らが帰ることを未だに拒否している。あ
なたたちは自分の都合で老人や障害者を追い出し、今度は我々も彼らと一緒に宇
宙にでも流れていけというのか」
 大国の代表は開き直ったかのような態度で言った。
「そうだ。島国には船はたくさんあるだろう。それぞれ流れ着いた所で幸せに暮
らせばよい。幸いなことに、昔と違って今は難民自動認定システムによって、海
に漕ぎ出した瞬間に認定ができ、どこで受け入れれば幸せに暮らすことができる
か、瞬時にシミュレートできる」
 南の島の代表は明らかにいらだってきた。
「我々は今いる島で幸せに暮らしたいのだ」
 先進国の代表は、さとすように言った。
「温暖化する前と事情が違うのだ。先進国と言われていた地域ではマラリアに加
えて新型熱帯病が流行り、産めよ増やせよでせっかく増やした若者世代も死んで
いった。砂漠化で食糧生産が減り、近隣諸国同士で略奪戦争が起きて兵士も民間
人も死んだ。大きな犠牲があって世界連邦ができたが、どこの自治国も余裕はな
いのだ」

 かつての先進国では、武器庫にも空港、軍港にも兵器や軍艦、軍用機はたくさ
んあった。そのほとんどは無人操作で動くものばかりだった。しかし、戦いに使
われることはなく、実際には山を崩して平地をかさ上げしたり、海の埋め立て工
事に使われることが多かった。これを軍事の平和利用と呼んだが、設計時の想定
をはるかに超える高温のため故障することも多かった。
 世界連邦温暖化地球対策会議の議論はいつまでも続いた。それはどこまでも
“コップの中の嵐”でしかなかった。


 南の島の空高く、アドバルーンが上がった。豆粒のように小さく見えるが、そ
れは拡大した成層圏のぎりぎりの高さにあったので、実際には珊瑚礁の大きさよ
りもはるかに広い面積の生活空間を確保していた。そこには真珠のネックレスと
呼ばれた珊瑚礁の島々があり、ラグーンには魚が跳ね、鮫がそれをねらっていた。
古ぼけたカヌーが並んでいる中に、ピカピカに光る双胴のカヌーも用意されてい
た。
 アドバルーンには地上から高速エレベーターがつながっていた。よく見ると、
アドバルーンから四方に何かが伸びている。それは釣竿のように見えた。いや、
それは確かに釣竿に違いなかった。
 
 そこから垂れて来るのははたして幸せであろうか、はたまた不幸せであろうか。
 あるいは、何かを釣り上げるのか。
 

 やがて、島は海中に没し、高速エレベーターも消えて、アドバルーンは小さな
雲となった。
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◆「ふろむ京都山麓」抜粋抄:みなみうら・くにひと                                                
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 今週は休載いたします。

「ふろむ京都山麓」 http://blog.goo.ne.jp/0000cdw
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◆「スプートニク」 >>> 引用元    http://jp.sputniknews.com/
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◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME)
 http://jp.sputniknews.com/

◆日本関連
 http://jp.sputniknews.com/japan/

◆国際───────────────
 http://jp.sputniknews.com/world/

◆ロシア国内───────────────
 http://jp.sputniknews.com/russia/
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◆一口メモ 【あっせん収賄罪】            
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 公務員が請託を受け、他の公務員に不正な職務行為の遂行や、するべき職務を
しないよう斡旋し、見返りとして賄賂を収受・要求・約束する罪。刑法第197
条の4が禁じ、5年以下の懲役に処せられる。 
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◆編集長から: 片山通夫
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 「司直の手できちんと捜査すべき類いの問題」だ。甘利経済再生相の件。
鬼の特捜の出番ですよ! しかしなかなか出ないのだな。これが…
 それにしても週刊誌の特ダネ!内閣などの記者クラブに籍を置くマスコミの出
番はないのか?

 「甘利氏側、国交省局長に問い合わせ数回」、「甘利氏の進退、来週に判断…
与党内に辞任論も」とは、あの読売新聞!政府の宣伝機関となり下がった読売が
ここまで書くということは…。安倍首相を守るためのトカゲのしっぽきり!

 寒波到来!日本列島が震えあがる! だれだ?暖冬だなんて…。

 寒波と言えば雪、防衛省幹部3人が国会に遅刻。雪のためだと?!これじゃと
てもまさかの時には間に合わないぞ。平和ボケニッポンの高額の軍隊遊び!?だ。
 
 札幌雪祭りの雪が足りないと8日には悲鳴。このところ「悲鳴」は聞こえず。
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  発行     2016年1月26日  No.743
  発行     毎週火曜日  購読料無料
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           ◇禁・無断転載◇
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発行周期: 週刊 最新号:  2019/03/19 部数:  210部

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