縦横無尽の知的冒険

縦横無尽の知的冒険 2019/01/28  太陽活動の変動はどのような影響を及ぼすのか

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            縦横無尽の知的冒険   2019/01/28  発行者:永井俊哉

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☆ 太陽活動の変動はどのような影響を及ぼすのか


太陽に、太陽黒点数の増減によって計測される活動の変動があることはよく知られて
いる。しかし、太陽活動の変動が地球の気候や人類社会にどのような影響を及ぼすの
かはまだよくわかっていない。本稿では、太陽物理学、地球科学、生気象学、経済学
などの研究成果をふまえ、太陽活動の変動が私たちにどのような影響を与えているか
を考えたい。

https://www.nagaitoshiya.com/ja/2019/solar-activity-influence-climate-economy-civilization/


☆ マクタガートの「時間の非実在性」に対する反駁


マクタガートは「時間の非実在性」で、各時点が過去、現在、未来のどれかであるA
系列と各時点が他の時点に対して前か後で順序付けられているB系列と時間的ではな
いたんなる順序のC系列を区別し、A系列は、ある時点の出来事が過去、現在、未来と
なることから矛盾していると言って否定し、A系列、すなわち本質的な時間系列に基
づかないB系列では変化が無意味になるとして、非時間的な順序のC系列しか残らない
と主張しています。

過去、現在、未来という区別は、認識時間に依存する時間認識で、主観と客観の相対
的な関係によって決まるという意味で主観的な区別ですが、主観的な区別だからとい
って、それが客観的な実在にとって無意味であることにはなりません。右と左という
区別も、認識主体と認識対象の空間的な相対的位置によって決まる主観的な区別です
が、有機物質の右旋性と左旋性はこの区別に基づいており、両者の化学的な性質の違
いは、私たちがいなくても実在するでしょう。同様に、私たちの時間意識が主観的で
あっても、熱力学第二法則のような時間を前提にした物理法則は、私たちがいなくて
も成り立つでしょう。だから時間自体は実在するということです。

時間が実在しないというマクタガートの論証は、背理法に基づいているように思えま
す。時間が実在すると仮定して、そこから矛盾を導き出すことに成功するなら、背理
法により、時間が実在しないことを証明することができます。しかし、私が見るとこ
ろ、彼はこの証明に失敗しています。

未来に予定されていた出来事が、現在起きて、やがて過去の出来事になることはあり
ます。しかし、ここから同じ出来事が、未来、かつ現在、かつ過去というように、背
反的な性質を所有する矛盾が帰結すると言えるでしょうか。未来だった認識時間と現
在である認識時間と過去になる認識時間が異なる以上、これらの認識時間の違いを条
件法導入することで、矛盾を回避することができます。要するに、≪認識される時間
≫と≪認識する時間≫とを区別し、後者の時間差で三つの性質を分離させるというこ
とです。

時間の実在を証明するために、時間の実在を前提することは、論点先取だと思うかも
しれません。≪認識する時間≫が存在するなら、たしかに、同じ出来事が、未来、か
つ現在、かつ過去という矛盾が生じます。しかし、時間の実在を背理法で証明する場
合、時間が実在するという前提で議論しているのですから、≪認識する時間≫を前提
しても、論点先取にはなりません。むしろ、≪認識される時間≫は認めても、≪認識
する時間≫は認めない方が、論点先取になってしまいます。つまり、背理法で証明し
ていないなら、マクタガードは、たんに「もし時間が実在しないなら、時間は実在し
ない」という当たり前のことを言っているだけということになるのです。

マクタガードは、時間の実在性を否定しつつも、C系列の実在は肯定しています。し
かし、彼の論法を用いると、C系列の実在までが否定されてしまいます。今非時間的
な系列、甲、乙、丙があるとします。乙は、甲の右に位置し、丙の左に位置していま
す。同じ乙が右かつ左ということは矛盾であり、したがって、このC系列は実在しな
いということになります。もちろんこの「証明」は間違いです。甲を基準にするか、
乙を基準にするかで条件法導入し、矛盾を回避することができるからです。時間系列
の場合も、これと同じです。

参照文献:John Ellis McTaggart. “The Unreality of Time“. Published in Mind
 A Quarterly Review of Psychology and Philosophy 17 (1908): 457-474.

https://www.nagaitoshiya.com/ja/1997/luhmann03/#comment-4884


☆ 学力の高さは労働生産性の高さと無関係なのか


日本では、仕事に学力が本当に必要なのかどうかという議論がありますが、2007年に
発表されたメタアナリシスによると、知性と学歴、就職指数、収入との間には、正の
相関(相関係数はそれぞれ、0.56, 0.45, 0.23)があり、知性は社会経済的成功の強
力な予測因子であるという結論を出しています(Strenze, Tarmo. “Intelligence a
nd socioeconomic success: A meta-analytic review of longitudinal research.”
 Intelligence 35, no. 5 (2007): p. 415.)。同じ国の中では、学力が高くなると、
収入が増える傾向があるということです。

では国家間ではどうかというと、国の平均知能指数が高くなるにつれて、一人当たり
の国内総生産(平均的な国民所得と等置してよい)が指数関数的に上昇するという結
果が出ています。2006年に発表された、世界の主要81か国のデータを分析した研究に
よると、指数関数的相関の決定係数(相関係数の二乗)は、0.695で、指数関数的上
昇のモデルが良い近似になっていることがわかります(Dickerson, Richard E. “Ex
ponential correlation of IQ and the wealth of nations.” Intelligence 34, no.
 3 (May 2006). p. 293)。

日本人の平均知能指数は105で、香港(108)、シンガポール(108)、韓国(106)、
中国(105)、台湾(104)といった東アジアの国々とともに世界最高水準にあります。
こうした国々が、平均知能指数の高さから予想されるほど一人当たりの国内総生産が
高くないのは、中央政府が市場経済に過度に介入しているからであると私は考えてい
ます。

ビジネスに学力が必要かどうかを疑っている人でも、学術研究に学力が必要でないと
考える人はいないでしょう。日本人の学力は、国際的にみて、高い水準にあるにもか
かわらず、日本の研究費当たりの論文数は、2012年以降、主要九か国(中国や韓国を
含む)中で最下位という報道があります(産経新聞:日本、研究費当たりの論文数で
12年から連続最下位 主要9カ国調査 研究費の額は3位なのに…)。日本のアカ
デミズムの生産性の低さは、一般の産業の生産性の低さと同様に、人材の質の問題で
はなくて、日本の社会に共通する構造問題に起因していると考えることができます。

https://www.nagaitoshiya.com/ja/2015/japanese-labor-productivity-levels/#comment-4912


☆ 少子高齢化は悪なのか


いつの時代にも危機を煽る人はいるもので、私が子供の頃(たしか1970年代)、子供
向けの雑誌に「もしもこのまま日本の人口が増え続けるなら、将来日本列島は人間の
重みで沈没する」という予測記事を読んだ記憶があります。「もしもこのまま日本の
人口が減り続けるなら、将来日本列島の人口はゼロになる」という予測も、それと同
様、単純に今の傾向をそのまま延長しただけのナンセンスな予測で、心配するに及び
ません。一方で健康寿命が延び、他方で人間労働に対する需要が減ることが予測され
ている中、出生数を減らすことは健全な調節であり、日本の人口減少は、過剰な人口
が適正規模にまで調節されれば、終わりを迎えることでしょう。

https://www.nagaitoshiya.com/ja/2014/low-fertility-population-aging-japan/#comment-4751


☆ 高校生にどのように定積分を教えるべきか


高校生は、積分を学ぶ前に微分を学び、導関数を曲線の傾きを表す関数として教わり
ます。次に、積分は微分の逆演算だと学びます。その後に、定積分で面積が求められ
ると教わると、首をかしげます。「傾きを求める微分の逆演算で、なぜ面積が求めら
れるのか」というわけです。

今、y=f(x) という曲線があって、この曲線を下端(a)から上端(x)まで積分した
結果を F(x) としましょう。区分求積法からわかる通り、 F(x) は、曲線 f(x) と x
 軸とで囲まれた領域のうち、a から x までの面積を表します。F(x) を微分すると、
f(x) に戻りますが、微分の定義では、これは x における面積の変化率を表します。
x が微小量増えた時、どれだけ面積が増えるかということです。そして、この面積の
変化率をもう一度微分して、初めて曲線の傾きになります。

要するに、「傾きを求める方法」として教わる微分と「面積を求める方法」として教
わる積分は、逆演算の関係にはなく、面積を求める関数を二回微分して初めて接線の
傾きを表す関数になるということです。高校では、こうしたことは教えないし、だか
ら高校生たちは混乱してしまうのです。

数学とともに物理も勉強している高校生に対しては、面積、面積の変化率、面積の変
化率の変化率が、変位、速度、加速度に相当するということを、すなわち、v-t図
(縦軸が速度、横軸を時間とする平面グラフ)において、t0 から t まで積分すると、
t0 から t までの変位が求められ、それを t で微分すると、時点 t における速度が
求まり、それをさらに t で微分すると、時点 t における加速度が求まるということ
も教えると、理解が深まると思います。

日本の高校では、微分と積分を物理では使ってはいけないことになっています。それ
で、高校生は、変位と速度と加速度が微積分の関係にあることも知らずに、公式を学
びます。もしも文科省が「総合的な学習」を本気で推進する気持ちがあるなら、こう
した科目間にある不毛な壁を取り払ってもらいたいものです。

https://www.nagaitoshiya.com/ja/2012/indefinite-integral/#comment-4787


☆ Google+ の終了が2019年8月から4月に繰り上げ


Googleは、Google+の一般ユーザー向けサービスの終了時期を、当初発表した2019年8
月から2019年4月に繰り上げると発表しました。フォローワーの方には、他のソーシ
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発行周期:  不定期 最新号:  2019/01/28 部数:  3,213部

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