武道通信かわら版

武道通信かわら版 1月20日号 通算447号

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─────■─■─■■─────────【武道通信かわら版】
────■■■■■■■■────────1/20 2019 通算447号
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─────■─■■─■─────────インターネットで読む
─────■─■───■────────『武道通信』
────■■■■■■■─■───────サブマガジ
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  http://www.budotusin.net        東京都 国立市東3-4-8
 sugiyama@budotusin.net       杉山頴男(ひでお)事務所
                    042-580-6428 
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                  ♪千島の奥も 竹島 尖閣も♪
                   八洲の内の 護りなり 
              Russia Korea Chinaに 勲しく       
              ♪努めよ我が自衛隊 つつがなく♪

                  今春の卒業式 この杉山作詞の
            「蛍の光」の四番 
       津々浦々の学校で歌ってほしいものよ

         明治14年 小学唱歌集初編に載った
         曲はご存知 スコットランド民謡 
           作詞は稲垣千頴{ちかい}
                    同じ<頴>ゆえ 
                何かの縁と無礼を顧みず“変詞”した

                 紅白歌合戦の最後 毎年 大合唱
            新元号の今年こそ 
            一番二番は飛ばして
            三番 四番だけ歌おう

                      ♪筑紫の極み 陸の奥
                       海山遠く 隔つとも
                     その真心は 隔て無く
                     一つに尽くせ 国の為♪

                  ♪千島の奥も 竹島 尖閣も
                   八洲の内の 護りなり 
              Russia Korea Chinaに 勲しく       
                努めよ我が自衛隊 つつがなく♪



               …………………………………………

1 お知らせ
2 北朝鮮の弱点を狙え! ……加藤 健
   ◎北朝鮮生物兵器の脅威を米上院に訴えよう!
3  英米の罠から目を醒ませ、日本人よ!……鎖帷子剣士
   ◎日中泥沼戦争を煽り、日本を真珠湾に導いた者たち(その2))
4 忙中閑あり  ……杉山頴男
   ◎小学唱歌と武士
    ──日本列島固有種[武士]を考究する


■お知らせ───────────────────────────

一、「読書余論」電子書籍完結
   三巻<96~143>発売!  
   メールにて「読書余論 三巻希望」とご注文くだされ
     一巻<1~47>二巻<48~95>とも各2800円
   現代唯一の軍学者の足跡が刻まれている

     ★バックナンバー1~147まで「兵頭二十八私塾・読書余論から
   http://www.budotusin.net/yoron.html
   お読みになりたいナンバーがありましたらご注文ください。
   ナンバー単品でも可(各500円)

二、 かつての武道通信の論客/小川寛大さんの新刊
  『神社本庁とは何か ――「安部政権の黒幕」と呼ばれて』
   K&Kプレス 1,600円+税
 
三、現在の武道通信の論客/加藤 健さんの新刊
  『鮮総連に破産申立てを!: 血税1兆円以上が奪われた』
   展転社 1,836円

四、兵頭二十八 新刊
  『米中「AI大戦」──地球最後の覇権は、こうして決まる』
  並木書房 1,400円+税

  

■北朝鮮の弱点を狙え! ご協力の呼びかけ《202》─────────
                
                       加藤 健
2月末の米朝首脳会談でトランプ大統領がいい加減な妥協をしないよう、
アメリカ有力者にどんどん訴えていく必要があります。生物兵器は使え
るネタです。メール送付活動にご協力ください。


 ◎北朝鮮生物兵器の脅威を米上院に訴えよう!


★ ニューヨークタイムズが警告!

寒中お見舞い申し上げます。
寒い日が続きますが、拉致被害者が監禁されている北朝鮮はもっと寒い
です。今の時期、平壌はマイナス10度以下になる日もあります。私たち
の同胞はどんな思いで助けを待っているでしょうか?
救出のため、次から次へと手を打っていく必要があります。智恵の限り
を尽くして不可能を可能にしないといけません。今年も全世界に様々な
働きかけをしていきたいと思います。よろしくお願いします。

さて、ニューヨークタイムズが1月15日に「使える」記事を出しました。
「北朝鮮の知られざる軍事的脅威:生物兵器」というタイトルで、北の
生物兵器が核兵器以上に差し迫った脅威であることを縷々述べています。
具体的事実を多数挙げており、説得力がある記事です。
https://www.nytimes.com/2019/01/15/science/north-korea-biological-weapons.html

なぜ「使える」かというと、これを読んだアメリカ有力者は金王朝壊滅
の必要性を実感するからです。仮に米朝交渉で北朝鮮から「核もICB
Mも廃棄します」という約束を取り付けたとしても、生物・化学兵器の
脅威は無くならないのです。そもそも北朝鮮は決して約束を守りません
から、核・ミサイル関連の合意も無意味です。原因(金王朝)を除去し
ない限り問題の先送りでしかなく、後でより大きな脅威に直面するだけ
です。その間に生物兵器がイランやシリアに販売されたり、北朝鮮によ
って使われたりするかも知れません。賢明な人なら記事を一読するだけ
で分かるはずです。
拉致被害者全員救出と日本の安全確保のためにも、金王朝壊滅が欠かせ
ません。中途半端な合意は有害でしかありません。その意味でたいへん
有益な記事です。

記事は冒頭で「同じ重量で比較すると、史上最も致死性の高い兵器は核
兵器でなく生物兵器である。もし適切に散布されたなら1ガロン(3.8リ
ットル)の炭疽菌は地球上の人類を絶滅させる」と厳しく警告します。
そして核兵器より差し迫った脅威である生物兵器について、トランプ政
権がほとんど注意をはらっていないと非難します。オバマ政権下で米国
防省高官だったアンドリュー・ウェーバー氏は、「北朝鮮は核兵器より
生物兵器を使う確率が圧倒的に高い」「(北の生物兵器開発は)高度な
もので、過小評価されており、極めて危険だ」とコメントしています。
国防情報局(DIA)元職員のアンソニー・コーデスマン氏は、北朝鮮
が細菌兵器製造技術において「顕著な進歩を遂げた」と述べます。アン
プリファイ社という戦略情報提供会社によれば、3年前から北朝鮮によ
る「抗生物質への耐性」「未培養微生物」「Casタンパク質」といっ
た専門用語によるインターネット検索が激増していて、高度な遺伝子や
細菌研究への関心が高まっていることを示しているとのことです。その
ほか様々な事実が紹介されています。

ここで皆様にお願いがあります。ほんの少しだけお時間をください。メ
ール送付キャンペーンにご協力ください。
日本ではほとんど報道されていませんが、今月ジェームズ(ジム)・リ
ッシュ上院議員(共和党・アイダホ州選出)が上院外交委員会委員長に
就任しました。就任祝いとともに北朝鮮生物兵器の情報を送りましょう。
例文コピペなら1分で送ることができます。

生物兵器の脅威を訴える大量のメールが届いたら、リッシュ委員長本人
に報告がいく可能性が高いです。訴えはニューヨークタイムズの引用な
ので、委員長は記事本文を読んでみようという気になるでしょう。その
結果委員長が「金王朝を崩壊させる以外に解決策はない」と確信すれば、
国際政治が動くかも知れません。

やれることは何でもやりましょう。それでは皆様、よろしくお願いいた
します。


◆送り先(上院外交委員会のメールアドレス)
Web_inquiry@foreign.senate.gov

◆例文
件名: North Korea’s Biological Weapons など (タイトルは個々別々
のほうがいいので、できれば変更してください。From ・・・と自分の名
前を入れても構いません)
本文:
Dear Chairman Jim Risch,

I wish to congratulate you on your election to Chairman of the Senate 
Foreign Relations Committee.

There is no doubt that the biggest threat the world is facing now is North 
Korea’s weapons of mass destruction, including biological weapon, which 
they might sell it to Iran, Syria or terrorist organizations. The New York 
Times reported on January 15, citing a former Pentagon intelligence 
official, that North Korea “has made major strides” in all technical areas 
needed for the production of a major germ arsenal.
https://www.nytimes.com/2019/01/15/science/north-korea-biological-weapons.html

The report said that starting three years ago, Amplyfi, a strategic 
intelligence firm, detected a dramatic increase in North Korean web searches 
for “antibiotic resistance,” “microbial dark matter,” “cas protein” 
and similar esoteric terms, hinting at a growing interest in advanced gene 
and germ research.

Bruce Bennett, a defense researcher at the RAND Corporation, said defectors 
from the North have described witnessing the testing of biological agents on 
political prisoners.

It seems obvious that the only way to solve this issue is to neutralize the 
North Korean leadership by surprise attack.

Thank you for your consideration.

Yours truly,
(あなた様のお名前)


◆ 翻訳文
ジム・リッシュ委員長
上院外交委員長に選任されたことにお祝い申し上げます。
現在世界が直面する最大の脅威は、生物兵器を含む北朝鮮の大量破壊兵
器であることは疑いの余地がありません。北朝鮮は大量破壊兵器をイラ
ンやシリア、テロ組織に販売するかも知れないのです。ニューヨークタ
イムズは1月15日に元国防省情報担当者を引用して、北朝鮮が細菌兵器
の本格的製造に必要なすべての技術分野において「顕著な進歩を遂げた」
と報じました。
(NYT記事へのリンク)
アンプリファイ社という戦略情報提供会社によれば、3年前から北朝鮮
による「抗生物質への耐性」「未培養微生物」「Casタンパク質」と
いった専門用語によるインターネット検索が激増していて、高度な遺伝
子や細菌研究への関心が高まっていることを示しているとのことです。
ランド研究所の防衛問題研究者であるブルース・ベネット氏によれば、
政治犯への生物兵器人体実験について脱北者が目撃証言を行っています。
この問題を解決する唯一の方法は、奇襲攻撃による北朝鮮指導部の無力
化であることは明白です。
ご検討ありがとうございます。



■英米の罠から目を醒ませ、日本人よ! 《73》──────────
                               
                                              鎖帷子剣士

 ◎日中泥沼戦争を煽り、日本を真珠湾に導いた者たち(その2)

★戦後の一般論「日本は無謀な無計画な戦争に突入した」は本当か?


 前回、日中泥沼戦争を煽り、日本を真珠湾に導いた者たち(その1)
では、昭和12年6月の第一次近衛内閣から、日米開戦直前の昭和16年
10月までの第三次近衛内閣を支えた、主要なエスタブリッシュメント
たちの人間関係を網羅してみましたが、高位高官を含めたブレーン
たちの、思想傾向の共産主義思想へのかたよりに、今更ながら驚かざ
るを得ませんでした。戦前の日本は共産主義思想の、今日以上に各界
に浸透していた、西洋外来思想に席巻されていた時代だったのです。
 
 さらに、戦後伝えられてきたのは、日本は陸軍の政治的横暴により、
勝算もないまま、対米戦争に突入したと言われてきました。
 しかしそうではないのです。一部の専門家たち、例えば自衛隊の戦
史や戦術戦略担当者たちの間では、その存在が幾分知られていたよう
ですが、昭和14年秋に設立された、「陸軍省戦争経済研究班」、通
称「秋丸機関」による、論理性を究めた詳細な、「対英米戦争戦略」
が研究され、昭和16年11月15日に大日本帝國の戦争戦略、国家戦略
が正式に決定されているのです。陸海軍部のみならず、日本全体の具
体的な「国家戦略」です。正式名称を、『対米英蘭蒋戦争終末促進に
関する腹案』と言います。蘭はオランダ、蒋は蒋介石軍のことです。

「腹案」という言葉は、「あらかじめ心の中に持っている考えや計画」
を意味します。
 これは、当時陛下が「持久戦に成算無きものに対し戦争を始めるの
は如何か」との、昭和16年当時の御要望にも答えた、優れた研究内
容なのです。
 どう優れていたか? 当時すでに戦争と経済は一体であり、経済抗
戦力の比較抜きでは、対外戦争は考えられませんでした。そこで陸軍
の誇る俊秀、秋丸次郎主計中佐と東大経済学部助教授の有沢広己をリ
ーダーとして、人材約200名を集め、軍事・政治・法律・経済・社会
・文化・思想・科学技術等に関する内外の図書・雑誌・資料約九千種
を収集し考察した、「総力戦」の科学的シュミレーションを行ってい
るのです。

 英米やソ連を操る国際金融資本および国際石油資本の力などについ
ても十分な情報と知見を得ていました。数字と図表の集大成ですが、
これから「対英米蘭蒋戦争指導要綱」が策定され、昭和16年9月29
日、大本営陸海軍部にて正式決定となった、重要な指導要綱です。

 この、陸海軍部決定の「指導要綱」を継承、さらに編集したものが、
國家的最終決定である前記の『対英米蘭蒋戦争終末促進にする腹案』
です。東条英機首相も、杉山元(はじめ)参謀総長も、多大なリスク
を理解しつつ、この國家戦略をもって我が國が短期間限定ではあるが
戦い得ること、否、それ以外に進む道はないことを、厳しい思考過程
を経て、國家指導者として、しっかりと認識していたのです。

 なお、過去にテレビ放映された「総力戦研究所」とは、まったくレ
ベルも研究意図も、別格別次元の組織です。
 戦後70年以上、「日本陸軍が、無謀な戦争へと暴走した」とのレッ
テル貼りは、これもGHQの占領政策として企画され、ラジオ、新聞、
映画、テレビ、そして教科書などで洗脳し、日本人の常識としての近
現代史の記憶を作り替え、今も洗脳は続いています。「日露戦争は開
戦から終戦まで、きちんと企画されていたが、太平洋戦争は中国大陸
や東南アジアへ、侵略的意図のもと、勝算もないまま陸軍主導で、対
英米戦争に突入した」などと、各界の指導的立場にある、いい年配者
が本気でそう信じているのです。これはもう、国家的奇観ともいうべ
きです。

★大東亜戦争の開戦を決めた、帝國陸軍の科学性と合理性

「日本はドイツの勝利を盲信して、馬鹿な対英米戦争に突入した」と
いうのも戦後になって捏造された歴史と言えます。

 帝国陸軍首脳部は、英米と総力戦を戦うドイツにとって、生産力確
保のためにはソ連の占領が必須であったこと、しかしながらドイツの
対ソ連戦が膠着状態となる可能性があったこと、それがドイツに取り
大きなリスクであることが、「戦争経済研究班」によって昭和16年
7月時点で、すでに研究されていたのです。

 ならば、なぜ前年の9月に「日独伊三国同盟」を調印したのか?
 松岡洋右外相が就任したとき、日本の国論は朝野をあげてドイツに
傾倒し、ドイツとの提携はもはや押しとどめることのできない奔流と
なって、日本を覆いつくしていた時期です。
 松岡のドイツ嫌い(ドイツを信用していない)は知られていました
が、少壮軍人やテロリストまがいの右翼壮士たちをたきつけた「バス
に乗り遅れるな」の新聞大合唱、ナチスドイツから、政界、官界、メ
ディアへ流れたであろう、ふんだんな機密交際費。大新聞の論調が一
致するときには、必ず大きな力が背後に働いています。

 この作為された世論の流れは、とうてい抑えきれないと見た松岡外
相の三国同盟締結は、「アメリカの参戦防止」を目的とした、一時的
な手段であった可能性も推測されますが、これも後世の松岡研究が待
たれます。

 松岡が第二次近衛内閣の外相から意図的に降ろされた(昭和16年
6月・独ソ戦勃発、松岡は即対ソ戦開始を上奏、スターリンは激怒)
裏には、近衛内閣を利用した、将来の米国参戦をたくらんだ、大きな
国際秘密力が日本に働いていたようにも推察されます。

 松岡の役目は日独伊三国同盟という、米国の欧州戦線参戦の切符を
用意してやった所で終了です。松岡外相の大度胸、ソ連討つべしを聞
いた、近衛内閣以下に巣食うソ連を心の故郷に想う国際共産主義者た
ちは、さぞかしたまげたことでありましょうが、これは余談。

 この対英米開戦の国家戦略の詳細を明らかにして下さったのが、林 
千勝著『日米開戦陸軍の勝算・「秋丸機関」の最終報告書』祥伝社新
書 本体800円です。

 これは近現代史や戦史に興味のある方、現職幹部自衛官や国家官僚
にとっては、必読のSTUDYの書であると言っておきます。

 國家の百僚有司にとって、昭和16年の日米の破局に感情移入する
ことは、武士にとっても大事な心得です。
 詳しい内容は是非御購入いただき、お読み下さればいいのですが、
著者は、東大経済学部卒、銀行マンを経て不動産投資開発会社・専務
取締役の現役実業家の方ですが、非常に同意できる所見に満ちた、大
労作です。

 78年前、米国主導の経済封鎖に追い込まれた日本の、対米屈従の道、
米国への隷属の道を選ばなかった我が國の「開戦」の決断は、國が、民
族が、家族が、生き残るためのものであり、それゆえ、実際、きわめて
合理的な判断の下に行われました。この合理的な判断の主役は帝國陸軍
でした。開戦のおよそ二年前のことです。

★敗北を重ねる日本海軍、大東亜戦争指導の怪

 「陸軍省戦争経済研究班」の考察では、我が國の対米抗戦期間は最大
限1年半から2年です。最終報告を要約すると、以下のようになります。
『英米合作の本格的な戦争準備には、彼らは1年余かかり、一方、日本
は開戦後2か年は貯備戦力と総動員にて國力を高め抗戦可能である。

 この間、輸入依存率が高く経済的に脆弱な英国を、インド洋(及び大
西洋=ドイツが担当)における制海権の獲得、海上輸送遮断やアジア植
民地攻撃によりまず屈服させ、それにより米国の継戦意志を失わせしめ
て戦争終結を図る。同時に、生産力確保のため、現在英、蘭等の植民地
になっている南方圏(東南アジア)を自給自足圏として取り込み維持す
べし』というものです。

 正に時間との戦いであり、日本は脇目も振らずに南方圏そしてインド
洋やインドなどを抑えるべし、だったのです。真珠湾攻撃やミッドウェ
ー攻略など、どこにも書かれていません。

  海軍歌、「轟沈」に唄われた歌詞、

3、轟沈轟沈凱歌があがりゃ
つもる苦労も苦労にゃならぬ
嬉し涙に潜望鏡も
曇る夕日の 曇る夕日のインド洋

 
 このように輸送船攻撃に潜水艦を中心として使い、インド洋の制海権
制空権を日本機動部隊が獲得し、インドや豪州からの英国向けの原料・
食料を海没させ、またソ連・蒋介石支援の米国からのインド経由の物流
も遮断。いずれ参戦、出現するであろう米国艦隊を、中西部太平洋で迎
撃しての一大漸減海戦は、明治の建軍以来の海軍の伝統的な邀撃構想で
あり、太平洋の島々の奪取や、ましてや太平洋戦争など、どこにも書か
れていません。あくまでも東亜解放の「大東亜(東アジア)戦争」なの
です、ここが大事なところです。

 戦争目的はあくまでも自存自衛、進軍限界は総力戦における攻略範囲
を限定(不拡大)していたのですが、『対英米蘭蒋戦争終末促進に関す
る腹案』決定から僅か23日後、真珠湾攻撃が始まり(東条は激怒、話
が違うではないか!)主敵は米国、進は東方、支配するは太平洋で、は
るかに攻勢限界点を越え、ガダルカナル島を始め島嶼の奪還にこだわり、
自ら消耗して敗戦を迎えます。西行法師であるべき海軍は、東行法師に
なってしまったのです。

 海軍省軍務局・作戦部・航空艦隊参謀長らの大反対にもかかわらず、
山本五十六を司令官に任命した米内光政、真珠湾攻撃を裁可した永野
修身軍令部長、この人は海軍第二段作戦/昭和17年4月15日で山本の東
向き積極作戦(西向きではない)を承認していますが、永野元帥も巣
鴨収監中に謎の肺炎死、山本の撃墜死、米内の病死ですべてが謎のま
まです。終戦直後、近衛・山本・米内からの数多くの手紙を焼却する、
前回(その1)であげた、共産主義者・風見 章の姿が、彼の長男によ
って目撃されています。

 
★陸海軍統帥権の分裂と、東条首相の慟哭と遺言

最後に、東条英機の激怒に触れます。
東条英機が教誨師花山信勝氏に述べた死の直前の遺言があります。
全部で5項目ありますが、その最後の項は、

1、 最後に軍事問題について一言する。
我が國従来の統帥権独立の思想は間違っていた。
あれでは陸海軍一本の行動はとれない。

大事な国家戦略であった『対英米蘭蒋戦争終末促進に関する腹案』
を無視した海軍戦略の破綻は、遠く明治36年の12月21日に決した
陸海対等という統帥権の分裂に起因しています。

 民族の國家の死闘を担当するオールジャパンの左手と右手が、脳の
統括を無視して勝手に動いているのです。

 陸海軍の統帥権の平等を明記するよう、「戦時大本営条例」の改訂
を執拗に言い出したのは、海軍大臣山本権兵衛、この時阻止していた
のが、田村怡与造参謀次長でした。

 この田村次長が明治36年10月に急逝、日露間の風雲は急を告げて
いた折り、山本海軍大臣の強引により統帥権の二元分裂のまま、この
2か月後に日露はついに開戦となります。

 日清戦争を見事にになった川上操六参謀本部次長、「今信玄」と称
され、全陸軍の期待を一身に集めた田村怡与造参謀次長、この二人が
練り上げた戦略は満州決戦であり、それを支え補完するのが、海軍に
よる海上補給の確保であったのです。

 山本権兵衛は、「陸主海従」の道理に対して、「格下の海軍に護衛
を頼むくらいなら対馬から釜山に橋でもかけろ」と、今日まで伝わる
暴言を吐いています。いったいこれは、どうしたことなのか?

 それから38年後の対米戦争で、東条首相が真珠湾攻撃を知らされ
たのは、なんと12月1日、開戦を8日と決した御前会議の直前でした。
 開戦前夜、東条は暗夜の自室で慟哭している姿を、家族に目撃さ
れています。民族の興亡を前にして、山本権兵衛から米内光政、山本
五十六、海軍首脳の抱えた國家・國民に対する本心の動機は、いまだ
に謎のままなのです。

 
★歴史の真実を取り戻すことが、英霊への鎮魂

     ――今を生きる我々に求められる覚悟と警鐘――

 通称「秋丸機関」の報告書は、1988年の有沢広巳の死後に遺品から
発見されています。しかし、その報告内容に対して反日勢力は、徹底
した捏造でストーリーを固め、驚くような正反対の内容を、NHKの特
集番組(1991年8月15日・開戦50周年)も、日経新聞の記事(2011
年1月3日朝刊一面)も平然と報じています。

 経済学や歴史学関連の諸学会やマスコミなどは、秋丸機関に関する
事実が世に明らかになることを、今も、極度に恐れています。
 
 日本人は、家族を守るため、國を守るため、民族を守るため、そして、
アジア諸国の独立を勝ち取るため、清く正しく、英知を尽くして米国や
英国による侵略に立ち向かったのです。大義ある防衛戦であったからこ
そ、多くの国民が進んで勇敢に戦い、結果、二百数十万の兵士が戦場に
散ったのです。日本の輝ける未来を拓くためには、日本が真に復活する
ためには、父祖の時代に対する正しい認識が絶対に欠かせません。

 ひしひしと日本包囲網が迫ってくる中、帝國陸軍の責任感と執念が、
敵国に対するこれほどまでの調査分析を冷静に成し遂げさせたのです。
孫子曰く「敵を知り、己を知れば百戦あやうからず」

 帝國陸軍の科学性と合理性が、この戦争の開戦を決めたのです。
 この決断の過程を、後世の國民が少しでも知ることが、自存自衛の戦
い、大東亜戦争の成就を信じ、祖國の大義に殉じた二百数十万の英霊に
対して、いささかなりとも鎮魂のよすがと、必ずや相成りましょう。

 そしてこれは、鎮魂のみではないのです。このような古いことをほじ
くり出して何になるの? という声が聞こえてきます。

 私が書いたことは、今を生きる日本民族全体の、未来の命運にかかわ
る大事なのです。血みどろの宗教戦争と、虐殺の革命を経験してきた彼
らの世界は、悪意と謀略に満ちています。

 知らぬは、気付かぬは、我々日本人だけなのです。温和な列島で海に
守られ、同一言語、同一民族、同一文化で、先祖代々、他者に自らに、
誠実な生き方を最善として、歴史を紡ぎ上げてきたのです。

 昭和16年12月を発起とした民族的危機は、今も後も、あり得ること
として、そして今も何も変わらないことを前提に、覚悟せよ! という
警鐘なのです。




■忙中閑あり《392》───────────────────────

                         杉山頴男

 ◎小学唱歌と武士
  ──日本列島固有種[武士]を考究する


 小学唱歌(文部省唱歌)。明治12年(1879)、信濃国高遠藩士の子、
伊沢修二によって学校教育用に編纂された唱歌集。初の五線譜による音
楽教科書。
 西洋文明カブレの空騒ぎの鹿鳴館に先立つこと4年前。西洋文明の、
奴らの馴れた思想戦の大波が襲う前に、日ノ本の子らに<日本風土の美
しさ><日本の情>を歌わせた。日ノ本のプライドを持てと。

 おなじみの「蛍(蛍の光)」「鳩(鳩ぽっぽ)」「隅田川」などなど。
 「蛍の光」の稲垣千頴は陸奥国棚倉藩士の子。「鳩(鳩ぽっぽ)」の
作曲は瀧廉太郎。歌詞は東くめ。東は元新宮藩家老の女子。瀧 廉太郎は
豊後国日出藩家老職を代々つとめた家柄の子。

 「牛若丸」「かたつむり」「われは海の子」「海」「ゆき(雪)など
など小学唱歌のほとんどが<作詞者・作曲者ともに不詳>
 文部省は「国」が作った歌であるから作詞者・作曲者に名は伏せ、当
人も口外しないと契約を交わしたなどフェイクニュースである。

 <作詞者・作曲者ともに不詳>の作詞者・作曲者は、すべて元武士の
子ら、士族であった。士族であったゆえ音楽家で生きていこうとは考え
てい無かった作詞者・作曲者は名を出すことをためらった。
 武士のエートスを断ち切ろうと、廃刀令を出した明治政府に協力した
との自責の念と元武士の一族からの非難を避けた。

 突如襲った<近代五線譜>に、武士がすぐさま立ち向かえたのは武士
が元来、歌好きであったからだ。
 「♪人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり♪」は、室
町の世に流行った幸若舞{こうわかまい}の語りの部分。武士は能と幸
若舞を愛でた。舞って歌うのである。
 江戸の武士の素養であった謡曲{(ようきょく}は、この流れ。能の
台本、セリフの部分を自分なりの節回しで歌う。

 能は元来、自作自演であり、その台本ともいえる謡曲は約二千あった
そうだ。大部分が江戸時代以前に作られた。が、小学唱歌と同じく<作
詞者・作曲者ともに不詳>。
 作者の名が残っているのは観阿弥、世阿弥、金春禅竹ぐらい。要はプ
ロになった者だけ。謡曲の作者はほとんどはアマだった。

 幕末、武家に生まれた子らが明治の世になり、五線譜に立ち向かい名
曲、名歌詞を生み出したのがおわかりだろう。
 この血脈は いまの世にも流れている。敗戦後少年の子らのJ-POPも
そうなかのかも知れぬ。

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武道通信かわら版

発行周期: 月2回 最新号:  2019/02/05 部数:  945部

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