武道通信かわら版

武道通信かわら版 10月20日号 通算441号


カテゴリー: 2018年10月20日
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─────■─■─■■─────────【武道通信かわら版】
────■■■■■■■■────────10/20 2018 通算441号
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─────■─■■─■─────────インターネットで読む
─────■─■───■────────『武道通信』
────■■■■■■■─■───────サブマガジ
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 sugiyama@budotusin.net       杉山頴男(ひでお)事務所
                    042-580-6428 
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      教科書に書いてあることを すべて信じない
           と ノーベル賞受賞者
      フェイクニュースはフェイクだ 信じるな
             と 某大統領
           ネット情報の9割は嘘
        との ネット情報の嘘を信じない

         世の中 嘘 フェイクだらけ


        嘘から身を守る手立てはあるのか
      嘘をついてきた大人に説いてもせん無い
            自業自得
      無垢な子らを嘘から守る手立てはあるか

       自分の目で見えることだけを信じよ
               と
             そのひとつ
      キミは お父さんとお母さんから生まれてきた
             そのふたつ
       キミには 二人のジイジとバアバがいる

          …………………………………………


1 お知らせ
2 北朝鮮の弱点を狙え! ……加藤 健
   ◎ローマ法王が訪朝か?
3 英米の罠から目を醒ませ、日本人よ!……鎖帷子剣士
   ◎大正10年・部下指導にみる上原勇作元帥の見識
4 忙中閑あり  ……杉山頴男
   ◎『武士道』に書いてあることを すべて信じない
    ──日本列島固有種[武士]を考究する


■お知らせ───────────────────────────

           前号:再録

 一、「読書余論」ナンバー143回をもって終了

   兵頭二十八の放送形式」から転載
  ■お知らせ   2018年09月26日 07:04

「読書余論」の無料公開版を「武道通信」の「無銘刀」に毎月掲載して
参りましたが、長文になりますと「無銘刀」にかかる負荷が相当に大き
くて運用管理の作業も大変のようです。
それでいろいろと考えました結果、「読書余論」は今回の九月分をもち
まして、勝手乍ら終了致すことに決めました。
爾後はブログ等の場を借り、不定期的に資料備忘録の形で掲載すること
になろうかと思います。
あらためまして読者諸兄ならびに杉山穎男様のこれまでの御厚情に、深
く御礼を申し上げるものであります。

 兵頭二十八の放送形式」 2018年09月27日 07:50から末尾転載

 ※「読書余論」には集成版があります。わが国の古書には過去の智恵が
凝縮されているのに、現代人はその万分の一も活用ができていない。これ
が日本の未来への前進力を低迷させているひとつの原因です。集成版(合
本)にご関心のある方は、「武道通信」を覗いてみてください。



■北朝鮮の弱点を狙え! ご協力の呼びかけ《196》─────────

  
                                           加藤 健

 ◎ローマ法王が訪朝か?


★ 無知に付け込まれる

在宅ロビー活動にご参加いただいている皆様、またまた困った問題が起
きました。10月18日、ローマ法王が北朝鮮訪問に前向きな姿勢を見せま
した。金正恩の訪朝打診に対して「公式招待状が来れば必ず返答する」
と述べたのです。例によってメッセンジャーボーイ(パシリ)を務め
たのは文在寅大統領です。

ローマ法王の権威は絶大です。ローマ法王が訪朝すれば、北朝鮮は「ち
ょっと問題がある程度の国」という誤った認識が全世界に広まってしま
います。拉致被害者救出にも核・ミサイル問題解決にも決定的にマイナ
スです。北朝鮮の体感圧力が半減してしまいます。元アメリカ大統領特
別補佐官で、現在は戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長を務め
るマイケル・グリーン氏はCNNの取材に、「(法王が)北朝鮮を訪問
して金委員長と面会すれば、宗教の自由にとって世界最大の敵である指
導者を正当化することになりかねない」と述べています。

文大統領がパシリを務めたことを非難しても仕方ありません。金正恩の
手下だから指示に従ったまでのことです。なにをいっても無駄な相手で
す。
しかし法王を補佐するローマ法王庁の無知ぶりには正直呆れ果てました。
北朝鮮人道犯罪の実態を知っていれば、当たり前の話ですが前向きな姿
勢など決して見せません。後で責任追及されるからです。1970年代にポ
ルポトが大虐殺をやっていると知って、法王がカンボジアを訪問したか
考えればすぐ分かることです。

ローマ法王訪朝の話が最初に報道されたのは10月9日です。韓国・青瓦台
の報道官が、文大統領が訪欧した際にローマ法王と面会し、金正恩の訪
朝要請を伝えると発表しました。南北首脳会談時に、法王を招きたい意
向を金正恩が文大統領に伝えたとのことでした。
私のほうではさっそくローマ法王庁のピエトロ・パオリン国務長官(枢
機卿)にファックスと航空便で手紙を送り、北朝鮮人道犯罪を説明した
うえで厳しく糾弾するよう求めました。訪朝の是非については、常識的
すぎて書くまでもないと思い触れませんでした。さらにイギリスに本部
を置く人権団体クリスチャン・ソリダリティの東アジア責任者で、友人
のベン・ロジャーズ氏に連絡を取り、法王庁に申し入れてくれと頼みま
した。ロジャース氏は敬虔なカトリック信者で、すぐに動いてくれまし
た。RFA(自由アジア放送)のインタビューでも「法王庁が慎重に進
めるよう強く進言する」と述べています。残念ながらパオリン国務長官
に情報が届かなかったようです。

ここで皆様にお願いがあります。ほんの少しだけお時間をください。パ
オリン国務長官宛にファックスを送り「法王を行かせるな!」と訴えて
いただきたいのです。

外国宛ファックスは初めての方がおられるかも知れませんが、簡単です。
NTTコミュニケーションズを利用する場合であれば、番号の前に00
33-010とダイヤルするだけです。すぐ繋がります。

訴えが多数届けば、さすがの法王庁も重大さに気付くでしょう。説得す
るというより、事実を知らせるだけです。それではよろしくお願いいた
します。


★ 送り先
ローマ法王庁国務省ファックス番号 0033-010-39-06-6988-5255

★ 例文
His Eminence Cardinal Pietro Parolin
Secretary of State of the Holy See
Governatorato della Citta del Vaticano
00120 Citta del Vaticano

Your Eminence,

I strongly hope that the Pope will not visit North Korea. It will send the 
wrong message to the North Korean regime and worsen the human rights 
situation, causing more deaths in political prison camps.

On 18 October, former Special Assistant to the US President for National 
Security Affair, Dr Michael Green, told CNN: "North Korea is the worst 
oppressor of religion. … To physically travel to North Korea and meet with 
Kim, I fear, would legitimize a leader who is the greatest enemy to 
religious freedom on the face of the Earth."

The North Korean regime has been condemned by multiple UN General Assembly 
resolutions for committing crimes against humanity. There are hundreds of 
Japanese citizens, including a 13-year-old girl, abducted by the North 
Korean government and Japan is strongly demanding for their immediate 
return.

One of the most shocking crimes against humanity that the North Korean 
regime is committing right now is systematic killing of half-Chinese 
children on racist grounds. According to the UN Commission of Inquiry 
report, the North Korean authorities believe mixed race children contaminate 
the "pureness of Korean race" and a witness told the Commission: "guards put 
the baby in a bucket and took it away saying ‘the baby is not human’ and 
‘[it] does not deserve to live because it is impure.’" (Paragraph 426 of 
the Report of the detailed findings of the commission of inquiry on human 
rights in the Democratic People’s Republic of Korea)
Paragraph 432 stated: "In most cases, guards at the detention facilities in 
which repatriated persons are held force either the mother or a third person 
to kill the baby by drowning it in water or suffocating it by holding a 
cloth or other item against its face or putting the baby face down so that 
it cannot breathe."
The BBC reported North Korea’s slaughter of half-Chinese children back in 
2003. It has been going on for decades.

Thank you for your consideration.

Respectfully yours in Christ,
(あなた様の署名)


★ 翻訳文
枢機卿猊下
法王が北朝鮮を訪問されないよう強く希望します。訪問は北朝鮮政権に
誤ったメッセージを送り、人権状況を悪化させ、強制収容所で死ぬ人を
増やす結果を生みます。
10月18日、元アメリカ大統領特別補佐官のマイケル・グリーン博士はC
NNのインタビューに答え、「北朝鮮は最悪の宗教抑圧者である。(法
王が)北朝鮮を訪問して金委員長と面会すれば、宗教の自由にとって世
界最大の敵である指導者を正当化することになりかねない」と述べまし
た。
北朝鮮政権は数多くの国連決議で、人道犯罪を現に行っていると糾弾さ
れてきました。北朝鮮政府によって13歳の少女を含む数百人の日本人が
拉致されており、日本は即時帰国を強く要求しています。
北朝鮮がいま現在凶行に及んでいる数々の人道犯罪のうち最もショッキ
ングなものの一つは、民族差別に基づく中国人の血をひく子供の組織的
虐殺です。国連調査委員会報告書によれば北朝鮮当局は、混血児が「朝
鮮民族の純粋性」を汚すと考えています。ある目撃者は委員会に「看守
は『この赤ん坊は人間でない。汚れているから生きる資格がない』と言
いながらバケツに入れて持って行ってしまった」(パラグラフ426)と
証言しています。
報告書パラグラフ432は「ほとんどの場合、強制送還された女性が拘置
されている施設の看守は、赤ん坊を溺死させるか、顔に布などをかぶ
せて窒息死させるか、うつ伏せに寝させて息ができないようにして殺
すよう、母親か第三者に強要する」と述べています。
BBCは、北朝鮮による中国人の血をひく子供の虐殺を2003年時点で
報じています。何十年も続いているのです。
ご検討ありがとうございます。                 敬具




■英米の罠から目を醒ませ、日本人よ!  《70》──────────
                               
                                              鎖帷子剣士


 ◎大正10年・部下指導にみる上原勇作元帥の見識

 
★威名とどろく雷おやじ

 上原元帥は安政3年(1856年)薩摩の支藩である都城藩の生まれ。
東京帝国大学の前身、大学南校を中途でやめ、陸軍士官学校にはいり、
首席で卒業。間もなく、フランスに留学して5年にわたり工兵隊および
砲兵専門学校に学び、欧州の最新の軍事知識を吸収し、その後も数度海
外に行っており、列国の軍事事状には深い関心を寄せ、研究を続けてい
た老軍人であり、「日本工兵育ての親」とよばれていた功績の人です。

 ずっと中央の要職に当たっており、陸軍の三長官、すなわち陸軍大臣、
教育総監、参謀総長を歴任しています。ちなみに、三長官の歴任者は、
陸軍の歴史の上でも、昭和になっての杉山元元帥(終戦時自決)がいる
のみです。それでいて直情径行、他がどう思うかなどを、考慮すること
なしに所信を説く。自然、階級の進むに従い「雷おやじ」のあだ名がつ
き、周囲から煙たがられていた武人。写真で見ても容貌魁偉に近く、い
かにも癇癪おやじの印象が強い、近寄りがたい明治の軍人の雰囲気が伝
わってきます。

 碁、将棋その他、ほとんど趣味道楽をもたないが、唯一つの楽しみで
あり、癖というほどになっていたものは、列国の軍事書を主とした諸般
にわたる読書であり、「読書がなければ上原もない」とは、自身もよく
口にしていた学究的な軍人でしたが、勿論ただの読書の人ではなく、日
清戦争には少佐参謀として出征、日露戦争では第4軍の参謀長として、
実戦でも殊功を奏しています。
 

 自己の専門分野である工兵に関しては、現職の大工や左官やとび職を
訓練の場によび、彼等とともに、自らも実践してみせる実際家のため、
少壮工兵科士官たちも戦々恐々たる、実地、実物の学びの、真剣な場で
あった様子です。従来、工兵科というのは帝國陸軍の中でも最もリーズ
ナブルな思考をする兵科の一つであり、精神主義や仮想では役に立ちま
せん。思えば敗戦後の復興に、大土木工事に発破作業に、道路建設に鉄
路に港湾に、日本工兵の生き残りは、陰ながら大尽力を果たしたと聞き
及びます。

 上原元帥は、今日にも伝わる、このような合理的な精神土壌を工兵監
として軍内部に作為した、先達の一人であったのでしょう。
実際、元帥は闘志満々の智将で、その学識識見、智謀、力量は卓越し、
圧倒的に群を抜いていたようです。

 そもそも元帥というのは、「陸海軍大将中労功卓抜なる者」から選ば
れて元帥府に列する者に与えられる称号で、その役割は、天皇の「軍事
上に於いて最高顧問」たるべきもの、とのみ規定されています。

 
★英国駐在の本間雅治大尉

 本間大尉はこのとき35歳前後でしょう。新潟県佐渡の生まれ。地元
の中学校を卒業して陸軍士官学校に入ったのが、日露戦争の終わった明
治38年12月。陸士の第19期生であり、陸士及び陸大での同期生には
後の今村均陸軍大将がいます。両人は、共に英国駐在員を申し渡され、
大正7年4月、横浜出帆。途中ハワイを視、一月かけて米国横断、ニュ
ーヨークから、いまだ第一次大戦のドイツ潜水艦の跳梁する大西洋を横
断して、7月中旬にロンドンに到着しています。

 本間大尉は駐英大使館付武官として、ロンドンの生活が長く、ロンド
ン時代の本間に対するイギリス人たちの反応はすこぶる好意的だった様
子です。中学時代に文学少年的傾斜を示していたといわれる本間は、イ
ギリスの文化、イギリスの思考、イギリスの社交、イギリスのマナーを
ほとんど完璧に身につけており、まずは非の打ちどころのないジェント
ルマンだったようです。

 確かに、イギリス駐在武官時代の本間大尉の社交テーブルにおける姿
は、並み居る各国制服武官や正装の文官たちに交じり、まったく遜色の
ない、育ちのよい美丈夫ぶりを示しています。
後に第14軍司令官(フィリピン作戦)として、「バターン死の行進」
の、捏造ともいえる事件の汚名を着せられ、マニラ軍事法廷でマッカー
サ―の報復の執念を一身に受け、銃殺刑に処せられる運命など、いった
い誰が想像できようか……というほどの、上機嫌な若い命に輝いている
写真が残っています。

  以下は、マニラ軍事法廷に証人として立った、妻の富士子夫人の証言
です。
 「私は東京からこのマニラへ、夫のためにまいりました。夫は戦争犯
罪容疑で被告席についておりますが、私は今なお本間雅治の妻であるこ
とを誇りに思っております」

 夫人は、夫が残虐行為を命令するような人間でないことは勿論、断じ
てそういう行為を放置するような人物でもないことを主張し、さらに、
「私に娘が一人ございます。いつか娘が、私の夫のような男性とめぐり
合い、結婚することを心から望んでおります。本間雅治とはそのような
人でございます」と、決して高くない背丈の、和服の背を伸ばし、ここ
ろもち顎をあげた姿勢で、一滴の涙も流さず、凛として証言しています。

 被告席の本間中将は、ハンカチで顔を覆い、ついには肩をふるわせて
嗚咽しています。この一部始終の当時の記録映像を、ご覧になった方も
おられるでしょう。富士子夫人の証言は、法廷内の多くの人たちの心情
を揺るがせましたが、昭和21年4月3日、処刑場の本間中将は6発の銃弾を
胸に受け銃殺。ときに、59歳でした。

 
★本間大尉への上原元帥の質問

 35歳の本間大尉に戻ります。以下は、帰朝後間もなく元帥の自宅に
報告に呼ばれた本間大尉とのやり取りの一部ですが、大尉の“英軍戦車
隊運用“の報告に関して、元帥からの専門的な質疑応答・指導に続き、
『3年間の駐在で、英国の最も良い点と感じたところ、最も悪い点と感
じたところは、何だった』

 『良い点は、紳士道といいましょうか、実に礼儀の正しいことです。
悪いところと申せば、保守主義で、他国のことを学ぼうとしないことで
す』

 『君は3年もおって、まるで逆に見ている。英国の紳士道という礼儀
は、国内だけの話、国際間のことになると完全に非紳士的だ。
 目の前の香港をどうして手に入れたか。インドをどう統治しているか。
敗将ナポレオンをどう取りあつかったか。アフリカ土人をいかに奴隷と
して売りさばいたか。君はそれでも英国民を紳士的だというのか。

 また、英国の悪いところは保守だという。英国はそとに対しては、あ
のように、おおっぴらに無作法な利己主義を振舞いながら、国内では全
英人の団結保持のため、おおいに国粋と民族の優越性とを説いてやまな
い。この保守こそ、大英帝国を堅持している、唯一つの強みといえる。

 しかも保守の内容を検討して見給え。
 英国のような進歩的な民族がどこにある。蒸気機関の発明、鉄道の建
設、社会施設の改良、議会制度など、皆他国より、一歩も二歩もさきに
進んでいる。現に将来列国軍が、そうなるであろう軍の機械化(戦車隊)
などでさえ、英国が先鞭をつけてるではないか。君はもう一ペん、英国
の歴史や、英民族の性格を研究しなおさなけりゃいかん』

 と、散々のていたらくで本間大尉は鎌倉の元帥邸を退散しています。

 「折角の日曜休日を棒に振り、何の事だ“雷鳴りおやじめ”と思った。
 がそのあとから、“だが、今日はおれの敗けだ。どうだ、あのおやじ
の本を読んでることは“のおどろきと、おれの報告(戦車隊運用)を、
本当によく見ていてくれ、そして自身直接に、吾輩を陸大教官に指名
していることなどで、“やっぱりえらいおやじだ”と、そう思った」
と、同期生の今村大尉に語っています。

 本間大尉は35歳の少壮大尉で陸大教官に指名ですから、大変な俊秀
であったことが分かります。

★上原元帥の説く「将」への道

 さらには、上原元帥は本間大尉に将来のGENERAL(将)としての素
養を自ら磨くことを暗に教えています。GENERALとは図書館でいうジ
ェネラルのコーナーと同一であり、あれもこれもであり、見識を養えと
いうことです。戦争は政治の延長であるならば、高級軍人として、政治
すなわち世界を丸ごと理解しなければなりませんが、その中心は、勿論、
歴史の学びとなります。これは、全人格者としての武士の学びと同じで
す。福沢諭吉は資治通鑑を10回も読んだといいます。ナポレオンはプル
ターク英雄伝を何度も読み、パットン将軍も今村均大将も読書の人でし
た。マティス現米国防長官も並外れた読書家です。

 ただし、歴史にも裏と表があり、一般論として流布されている教科書
的な歴史理解だけでは、対象との係わりが浅薄すぎます。
特に敗戦国の歴史は多くの部分が捏造されていますし、戦勝国の歴史
は手前勝手の都合のよいことしか記述されていません。よって自ら学ぶ
以外ないのです。この作業を怠った政治家を選出することは、国民にと
って百害あって一利なしと覚悟すべきです。

 35歳の、若い本間大尉の英国に対する批評は、我々にもよく解ります。
 米国で長年訓練を経験した後、欧州に飛ぶと、米国に比し、はるかに文
明の香りがするものです。それでも現地での休日を使い、大英博物館、古
城めぐり、民族博物館、歴史博物館、交通博物館、海洋海事博物館、戦争
博物館、航空博物館、ポーツマス軍港へ、有名教会へと、何度も同じもの
を繰り返し数年見学し、展示されている古代から近代への武具、甲冑、拷
問具、戦闘絵画や政治犯の幽閉塔、偉人たちの墓所、彫刻、宗教絵画など
を見るうちに、だんだん、こりゃあ我々とは異質の文明だなあ……歴史と
宗教と銀行と王室、議会に貴族に商人に、全てに軍事と戦争と経済が、宗
教が、密接にかかわっていることに気付きはじめます。 

 貧しいヨーロッパ古大陸での血塗られた人類史に気付くと、米国のそれ
との繋がりにも思考が及んできます。彼らは歴史的、宗教的に深く繋がっ
ていることが、あらためて認識されます。
上原元帥の明察は、まったく正しいことにも気付きはじめます。それが、
37~8歳位から、固まったのは40代前半だった頃と今思い返しています。
戦後生まれの人間にとって、メディアを通して刷り込まれたことを払拭す
るには、やはりそれなりの時間がかかっています。

★三角貿易・国家ぐるみの奴隷売買

 上原元帥の指摘する、奴隷売買に焦点をあててみましょう。
16世紀から18世紀にわたる奴隷貿易は、欧州、アフリカ、新大陸の3
大陸にまたがる三角貿易によってがっちりと組み立てられ、欧州に莫大な
利益をもたらしています。

 参加した国は、ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリス、フランス
の5カ国です。奴隷商人たちは、ヨーロッパから安物のビー玉、粗悪銃、
木綿などの工業製品を積載して大西洋を南下、アフリカ・ギニア湾にいた
り、黒人奴隷と交換し、次に大西洋を西航、アフリカからの奴隷を南米ブ
ラジルや西インド諸島で売り飛ばします。

そこで得た金で、土地の砂糖、綿花、タバコ、コーヒーなど亜熱帯農産
物を仕入れて満載、ヨーロッパに帰港します。

 これが三角貿易といわれるからくりで、この貿易は一航海で三重の利益
が得られるシステムになっています。この中で、最も巨万の富を得たのが
イギリスとフランスでした。

 奴隷貿易の最盛期を迎えるのは、18世紀であり、推計では、16世紀
は90万人、17世紀は300万人、18世紀は700万人、19世紀は
400万人が奴隷として売買されたといわれています。

 概算で1,500万人になりますが、1人の黒人奴隷を新大陸に連れて来る
までに、天上の低い暗い船倉に鎖でつながれ、汗まみれ、糞尿まみれの劣
悪な環境で、5人の黒人奴隷が航海途中で死んだという恐るべき推計があ
ることから、アフリカ大陸から働き盛りの黒人が数千万人から一億人近く
連れ出された計算になります。死体は無造作に海中投棄されました。
人間が人間にすることではありません、黒人は人間とは思われていない
のです。

 黒人奴隷を一番多く移入したのが、カリブ諸島で約40パーセントを占
め、次に砂糖のプランテーション労働などのためブラジルへ38パーセン
トが運ばれた。残りはアメリカ南部の綿花のプランテーションです。

 アフリカは大きな大陸でありながら、現在世界一過疎の大陸になったの
は、働き盛りの男子を大量に新大陸に奪い去られたからだと言われていま
す。その後、19世紀におけるヨーロッパ列強のアフリカ分割と植民地支
配を受けて、現在のアフリカの貧困、民族紛争も、全て白人の勝手な収奪、
不合理な民族分割の結果です。彼等の常套手段は、常に民族を階級的対立、
宗教的対立という、巧妙に「分割対立させての統治」が特徴です。
 

★白人の神から与えられた責務、「マニフェストデステニィー」の傲慢

 特に人身売買、奴隷貿易などの人類史上の大犯罪は、イギリス、フラ
ンスなど国家自らが組織的に犯したものであることです。

 この後遺症は今でも大きく、せっかく国連に加盟しても部族国家の彼
らには国家観など確立されておらず、金融工学も解からず、簡単に騙さ
れ、汚職に手を染め、借金だらけのまま資源や国富を担保のかたに外国
に取られ、貧困は深まるばかりであり、また内乱を誘発する繰り返しと
なってしまいます。これを秘かに助けられるのは、日本の誠意と知恵と
技術だけでしょう。

 なお16~17世紀に新大陸から大量の金銀がヨーロッパに奪い去られ
ていきましたが、その過酷な鉱山労働に、インディオと黒人奴隷が酷使さ
れています。ヨーロッパにもたらされた金銀は、やがてヨーロッパの産業
革命、そして資本主義の原資となっていきます。

 我々日本人は明治維新以来、西洋文明の輝きに目を奪われ、また、日本
が最初に学んだ西洋史が、ヨーロッパ白人の手で書かれたものであったこ
とから、近代西欧の繁栄を支えた植民地支配の暗黒面に目を塞がれてきた
のですが、ヨーロッパ文化に羨望と憧れを持つ人々からは、今日でもこの
ような事実を述べるだけで、悪口として白眼視される傾向は存在していま
す。彼らは憧れを汚されたと思うのでしょう、暗黒面には無関心です。

  どころか、日本にも奴隷は存在してたじゃないか、と言い張ります。
 日本には、人間ではなく、家畜として扱われる奴隷の歴史は存在してい
ません。たしかに、奈良時代には奴婢と称された人たちがいましたが、こ
れは西洋流の奴隷ではなく、当時、社会の最下層に位置した賤民のことで
あり、あくまでも人間です。

 なお、この賤民は、明治維新まで存在しており、その後も、また現在で
も差別の対象になっていますが、この存在は関東よりも、近畿、九州の人
たちがよく知っています。

「マニフェストデステニィー」と称し、植民地主義は白人に与えられた神
からの崇高な使命であり、彼らに文明と神を教えてやったのは、われわれ
白人の偉大な労苦であった、と述べる傲慢な白人が今でも存在します。

 しかし、自らの残虐行為や殺戮行為は決して簡単に許されることはない
でしょう。聖書には、自らがまいた種は、自らが刈り取らねばならないと
あります。あの世では、何人も、必ず行為の動機が問われるのです。

「因果律」は宇宙の摂理として、未来永劫に不変に働くと、我々日本人
は心のどこかで感じているのです。



■忙中閑あり《387》───────────────────────

                         杉山頴男


  ◎『武士道』に書いてあることを すべて信じない
            ──日本列島固有種[武士]を考究する


 拙著『使ってみたい武士の作法』には「切り取り強盗は武士の習い」
の“野蛮”な武士像の類はない。封印した。

 平将門は云う。「我弓箭の道に足れり。今の世には討ち勝つを以て君
とす」(『今昔物語集』)

 意味はこうだ。
 俺は、弓矢の道を極めている。今の世にあって、よりどころたりうる
のは、神でも仏でもない。ただ俺の実力で勝ち取ることがすべてだ。

 武士のスタートラインとも云える。もし、これが平将門の言葉ではな
いとしても、当時の庶民が見ていた武士の像だ。

 時代が下って戦国の世。武田信玄の二十四将の一人は云う。
 「国持ち給ふ大将たちの、人の国を取りなさるる、是は、よその国に
さのみとがはなけれども、押し破り、手柄しだいに取るといへども、昔
が今にいたるまで、切り取り、強盗、盗人とは申しがたし。(『甲陽軍
鑑』)
 意味はこうだ。

 他人の領地に押し入り、実力次第でそれを奪い取っても、人殺し、盗
人とは呼ばれはしない。強ければ奪い、弱ければ奪われる。それが武士
の世界の当然のルールだ。それが本来の稼業とするのが武士なのだ。

 赤穂浪士討ち入りの五年前に生まれた賀茂真淵が『国意考』で、こう
云う。
 「国意」とは国の精神。この国のかたちである。仏教。儒教の外来思
想を排し、日本固有の精神への回帰を説いた。荷田春満、本居宣長、平
田篤胤とともに「国学の四大人{しうし}」の一人とされる。

 現代訳はこうだ。
 いまの世より前の世は、乱世、合戦で殺しあってばかりいた。そのと
き一人も殺さなかった者は庶民となり、少し殺せば旗本となり、いま少
し殺せば大名となり、さらに多く殺せば一国一城の主となり、際限なく
殺した方が将軍となった。そして代々、栄えている。
 余談:この著、学者間では大論争になったが、幕府は発禁本にしなか
った。幕府の懐は意外と深い。

 「乱世ストップ!」と、際限なく人を殺して将軍家となった徳川家は、
儒教(朱子学)を国学とし、武士元来の闘争心を封印した。
 が、武士は一皮むけば「切り取り強盗は武士の習い」と非武士は知っ
ていた。
 非武士からみた武士像は、江戸の世でも今昔物語からさして変わって
はいなかった。

 武士像が本筋から外れたのは英語で書かれた『Bushido: The Soul of
 Japan』からだ。
 『葉隠』の武士道には「切り取り強盗は武士の習い」が脈々と流れてい
る。と云っても、常朝が祖父、父が残した言葉を若造(田代陣基)にイキ
がって話して聞かせた箇所だけだが。

 
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