武道通信かわら版

武道通信かわら版 5月5日号 通算338号

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─────■─■─■■─────────【武道通信かわら版】
────■■■■■■■■────────5/5 2016 通算338号
───────■─■──────────
─────■─■■─■─────────インターネットで読む
─────■─■───■────────『武道通信』
────■■■■■■■■────────サブマガジン
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 http://www.budotusin.net        東京都 国立市東3-4-8
 sugiyama@budotusin.net       杉山頴男(ひでお)事務所
                   042-580-6428 (fax は遮断)
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         教会と国家の分離は法の建前
          政治と宗教の分離はないと           
          イギリスを仮想敵国とした
        240年前のアメリカの独立宣言

                     自由・平等・幸福の
        Godからわかち与えられた人権
        WASPのためのWASPの人権
          “ジョーカー”現象は
                      先祖返りの結果の
         アンチ・グローバリゼーション
         

       ………………………………………………

1 お知らせ
2 北朝鮮の弱点を狙え! ……加藤 健
  ◎北朝鮮スパイ組織を国連に告発しよう!
3 英米の罠から目を醒ませ、日本人よ! …… 鎖帷子剣士
  ◎アメリカ資本主義こそ共産主義の味方
4 忙中閑あり  ……杉山頴男
  ◎サムライへの[郷愁](ノスタルジー)


■お知らせ───────────────────────────

一、 『「地政学」は殺傷力のある武器である』 兵頭二十八
      本体1700円 徳間書店

    ☆兵頭二十八ネット私塾「読書余論」
     5月期(119回)は5月25日配信 
     目次は告知版 http://p.tl/fy2P

二、 第40回全日本戸山流居合道連盟全国大会
 
    日時:5月22日(日)
    時間:午前9時から受付開始
    場所:東京都町田市旭町3丁目20番60号
    電話 042?720?0611

    交通:小田急線・JR横浜線町田駅の町田バスセンターから
    藤の台団地・鶴川団地行きバス、
    野津田車庫行きバスに乗車(約10分)、体育館前下車徒歩1分
    車の場合:東名横浜・町田インターから約20分


■北朝鮮の弱点を狙え! ご協力の呼びかけ《141》─────────


                                      加藤健 

政府が北朝鮮スパイと事実上認定した者が、核融合科学研究所(元・名
古屋大学プラズマ研究所)で働いていたことも分かっています。名前か
らして危険と分かる施設です。
本当に腹が立っています。「国民の命をなんだと思っているんだ!」と
政府に言いたいです。


 ◎北朝鮮スパイ組織を国連に告発しよう!


★ 産経新聞が一面トップで報じる!

在宅ロビー活動にご参加いただいている皆様、前回4月20日の呼びかけ
で、国立の原子力研究機関に北朝鮮スパイ組織関係者がいることをお伝
えしましたが、
http://kenkato.blog.jp/archives/58665004.html
5月2日に産経新聞が一面トップで報じました。「京都大学原子炉実験所
の准教授」とハッキリ出ています。准教授が北朝鮮と密接な関係がある
金万有科学振興会から、核技術研究で奨励金を得ていたことも明らかに
なりました。ネット版記事を引用します。

2016.5.2 06:26
京大准教授に対北制裁 核研究で総連系から奨励金受け取る 再入国禁
止措置の対象に
http://www.sankei.com/world/news/160502/wor1605020004-n1.html

 核実験や弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への独自制裁として、日
本政府が在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)幹部や、傘下の在日本朝鮮
人科学技術協会(科協)構成員を対象に実施している北朝鮮渡航後の再
入国禁止措置の対象に、京都大学・原子炉実験所の男性准教授が含まれ
ていることが1日、複数の関係者の話で分かった。准教授は過去、北朝
鮮の科学技術開発に貢献するための日本国内の団体から研究奨励金を受
けていた。北朝鮮が日本の国立大の核技術に触手を伸ばしている実態が
浮き彫りになった。

 准教授は原子力学が専門で、京大で博士号を取得し日米韓の関係学会
に所属。国際原子力機関(IAEA)の共同研究にも参加、論文引用回数が
最多だったとして受賞するなど中核的な研究者として知られている。一
方、北朝鮮や朝鮮総連との密接な関連がある「金万有科学振興会」から、
かつて核技術に関する研究で奨励金を得ていた。
 同会は平成17年に北朝鮮向けの医薬品不正輸出事件の関係先として、
科協とともに警視庁公安部の家宅捜索を受けた。科協は北朝鮮やイラン
向けの精密機器不正輸出事件で警視庁が14年に摘発した事件への関与が
判明している。
 今回、政府が准教授を「再入国禁止措置」の対象とした背景には、国
立大の「核の頭脳」が北へ流出することを阻止する狙いもあるとみられ
る。
 同実験所は先月、准教授から事情聴取。准教授は今年2月中旬に法務省
から「北朝鮮に渡航した場合は再入国できない」との通知を受けたこと
を認める一方、北朝鮮渡航は「一度もない」とし、今回の措置について
は「心当たりはない」と話した。同実験所が過去の公用渡航歴の提出を
求めたところ、韓国に多数回の出国歴があったほか中国、欧米への渡航
歴があった。
 実験所は、産経新聞の取材に当面応じないよう准教授に伝えた。
 京大は朝鮮大学校の校長ら有力科学者を輩出。公安当局は、京大の朝
鮮人科学者人脈が、大量破壊兵器などへの転用が可能な北朝鮮の科学技
術開発と密接な関連があるとみている。


★ 危険団体構成員を近寄らせるな!

国立の原子炉実験所に、北朝鮮スパイ組織構成員が働いているというの
は、本当にムチャクチャな話です。庶民感覚でいえば、「そんなバカな
話があるか! 日本人を殺す研究に税金を投入していいはずないだろ!」
です。

国際法の観点からも許されざる不作為です。2006年に採択された安保理
決議第1718号8(a)(ii)は、大量破壊兵器関連計画に資する技術の移転防
止を明文で定めています。十分な対策を講じていないのは、安保理決議
違反です。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/anpo1718.html

危険団体の構成員を、核・ミサイル技術に近寄らせないのは、決して差
別ではありません。義務であり、常識です。
例えば国家公務員法第38条は、「政府を暴力で破壊することを主張する
政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者」は官職につけない
と定めています。違法な活動を行っていなくても、加入しただけで国家
公務員になれないのです。
また暴力団員やオウム真理教信者で前科がない者は多数いますが、受け
入れる官庁はありません。
アルカイダやISの構成員が勤務を希望したとして、京大原子炉実験所
は働かせるでしょうか?

同じように、我が国を核兵器で威嚇する北朝鮮に忠誠を誓う者や、関連
団体に加入した者は、核研究施設から遠ざけられるべきです。北朝鮮の
危険性は、共産党・暴力団・オウムと比較になりません。核兵器使用の
予告までしているのです。

むろん民族差別は全く関係ありません。北朝鮮がいう「金日成民族」は、
民族の定義ではありません。そもそも在日朝鮮人の大部分は、韓国がル
ーツです。金正恩の母方の祖父のように、済州島ルーツが多いのです。
(金正恩の祖父・高京澤については、下記をご覧ください)
http://kenkato.blog.jp/archives/1867287.html

ひょっとしたら、もう手遅れかも知れません。それでも、ただちに科協
関係者を危険な施設から遠ざけるべきです。


★ 団体で規制するしかない

一部で誤解があるようですが、北朝鮮に核・ミサイル関連技術を持ち出
すのは犯罪です。外為法は、大量破壊兵器に関連するモノだけでなく、
公知でない技術やノウハウも、北朝鮮に移転することを禁じています。
リスト規制とキャッチオール規制がありますが、「キャッチオール」は
名前のとおり範囲が広いものです。容疑が明らかになれば、即逮捕され
ます。

問題は、「情報を渡した」という行為の立証が難しく、なかなか摘発に
至らないことです。例えば上記の京都大学原子炉実験所准教授は、2013
年にジュネーブの学会に出席しています。北朝鮮スパイが、ジュネーブ
の街角ですれ違った北朝鮮大使館員にUSBを渡したことを立証するの
は、日本の警察には事実上不可能です。
だからこそ指定暴力団のように、団体で規制する必要があるのです。

ここで皆様にお願いがあります。ほんの少しだけお時間をください。い
ま一度、安保理理事国の国連大使にメールを送って、科協を国連制裁対
象にするよう訴えていただきたいのです。

例文をコピーするだけなら1分でできます。それでは皆様、よろしくお
願いいたします。


送り先
press@russiaun.ru, france@franceonu.org, uk@un.int, 
USUNPolFax@state.gov, themission@angolaun.org, egypt@un.int, 
pr.egypt@un.int, p-m-j@dn.mofa.go.jp, japan.mission@dn.mofa.go.jp,
 mwnewyorkun@kln.gov.my, nzpmun@gmail.com, senegal.mission@yahoo.fr, 
Rep.nuevayorkonu@maec.es, uno_us@mfa.gov.ua, uruguay@urudeleg.org, 
uruguay@un.int, misionvenezuelaonu@gmail.com

例文
件名: North Korean spy organization in Japan
本文:
Your Excellency, 

I am writing to urge the Security Council to impose sanctions against 
an organization of North Korean scientists living in Japan called 
the Korean Association of Science and Technology in Japan (Kwahyop). 

The Japanese National Police Agency has made it clear in its official r
eport, Focus, that Kwahyop has been engaged in WMD proliferation 
activities. The English version of 273rd volume of Focus says: 
“In arrests related to the illegal export to Iran of materials usable 
in missiles by a machinery manufacturer in 2003, 
the MPD detected documentation indicating that 
the manufacturer had exported jet mills and related peripheral 
equipment to North Korea multiple times. Of these, 
in March 1994, one was exported to a North Korean paints 
manufacturer via Kwahyop, 
… In October 2005, the MPD arrested two executives of Kwahyop 
on suspicion of violating the Pharmaceutical Affairs Law, 
and searched related locations. During the searches, 
documentation related to the Japan Defense Agency was detected 
at a software firm operated by the executives. 
These documents were found to contain description that may fall 
under defense secret.” 
https://www.npa.go.jp/archive/keibi/syouten/syouten273/english/p02.html

Our petition to the Japanese government on this issue 
has been reported by the South China Morning Post. 
http://www.scmp.com/news/asia/east-asia/article/
1935730/north-koreas-defacto-embassy-japan-secretly-obtaining-missile

Thank you for your consideration. 

Yours truly, 
(あなた様のお名前)

訳文
閣下
国連安保理が、日本に住む北朝鮮系科学者の団体である在日本朝鮮人科
学技術協会(科協)に制裁措置を科すよう求めます。
日本の警察庁は広報誌『焦点』のなかで、科協が大量破壊兵器拡散に関
わっていると明記しています。焦点273号の英語版は次のように記して
います。「警視庁が2003年に検挙した機械メーカーによるイラン向けミ
サイル関連貨物不正輸出事件では、押収資料から、同メーカーが数回に
わたって、北朝鮮にジェット・ミル及び周辺機器の輸出を行っており、
このうち1994年3月には、科協を仲介させ、北朝鮮内の塗料会社あてに
輸出したことが明らかとなっています」「警視庁は2005年に、薬事法違
反の容疑で、科協の幹部2人を逮捕するとともに、関係箇所を捜索しまし
た。その際、当該幹部の経営するソフトウェア会社の事務所から、防衛
庁に関する資料が発見され、その一部に防衛上の秘密に当たる可能性の
ある記載が認められました」
(英語版へのリンク)
私どもが本件で日本政府に提出した要望書については、サウスチャイナ
・モーニング・ポスト紙が報じました。
(記事へのリンク)
ご検討ありがとうございます。
敬具


■英米の罠から目を醒ませ、日本人よ! 《29》─────────

                    鎖帷子剣士


  ◎アメリカ資本主義こそ共産主義の味方
    ――『第二次大戦に勝者なし』ウェデマイヤー回想録の衝撃

 小生、この4月から縁あって、某私立大学の非常勤講師として、週一
回の講義を担当しています。
 講義内容は、現役時代の経験をかわれて、「航空輸送の発展史」を話
していますが、航空の歴史は、軍事的発展と切り離して、語ることはで
きません。
 戦後教育の欠陥の一つに、軍事を一般教育で取り上げてはならないと
言う風潮があります。そのため、世界に対する理解が、大きく論理性に
欠けており、いい年をした男女から大学生に至るまで、エッ!と絶句す
るような、未熟な世界観を露呈します。マスメディアしかりです。

 今日の日本では、防衛大学、あるいは、初級幹部自衛官養成のための、
陸海空・幹部候補生学校でしか、一般教養としての、軍事的な知識は付
与されておりません。
 しかし、まがりなりにも学問として航空の歴史性を学ぶ以上、軍事的
発展史を避けて通るわけには行きません。

 今日の、民間航空における「航空管制」の発達も、「英国本土上空に
おける戦い」、即ち、イギリス側のレーダーシステムの構築と、ドイツ
軍爆撃機に対する迎撃体制の効率的な運用の確立が、起こりの一端とな
っています。
 そう言った航空史の概略を語る中で、戦後の「ベルリン空輸」は、大
量航空輸送による、大掛かりなロジステック(物流)の、歴史的経験と
言えます。

★「ベルリン空輸」とは

 第二次大戦は、米英ソ主導の連合国の勝利で終了しますが、戦後ドイ
ツに進駐した連合軍は、その領土を、アメリカ・イギリス・フランス・
ソ連の4ケ国で大きく分割統治します。
 その中で、ドイツ帝国の首都だったベルリンは、ソ連の占領地域内に、
飛び地的に孤立して、ドイツは東西に分割されたけれど、ベルリン市も
また、東西に分割されました。
 自由を求めるドイツ人達が、西ベルリンにばかり集い、経済的に復興
発展して行くのに対して、共産主義体制の優位性を確保する政治目的の
ため、1948年4月、ソ連は西ベルリンに通じる全ての陸路、水路を封鎖し
て、輸送手段を凍結してしまい、日干しにしようとします。
 しかし、協定上、空路のみは封鎖してはならず、この協定をソ連が軍
事力で破れば、ヨーロッパは第三次大戦が勃発するであろう、きわどい
外交関係の中で、西側陣営は孤立した西ベルリン市民250万人の生活物
資の、空からの供給を決意します。
「ベルリン空輸」の政治的発端は、ソ連の横暴として、「教科書的」に
は上記のように解説されています。

 西ベルリン市民の一日に必要な生活物資は、ロジスティック担当者達
の計算によって、一日当たり総計4,500トン。当時の常識としては、空
からの輸送量など、軍用トラックや輸送船に比べれば、たかが知れてい
ると思われ、いずれ諦めるだろうとのソ連の予想に反し、結局空輸開始
の1948年6月から、1949年9月までの1年以上の期間で、総飛行回数約278
万回、空輸物資約232万トンに達し、空輸作戦に従事した輸送機の飛行距
離は、地球から太陽までの距離にも匹敵し、空輸物資は食料医薬品のみ
ならず、暖房用石炭燃料にまで及び、空前絶後の輸送が実施されました。

 この航空機の運航は、主力機である4発のDC-4(軍用ではC-54の名)の
満載搭載量約4トンで、一日4,500トンを、西ベルリン市内3カ所の空港
に、24時間体制で、1~2分に1機の着陸で供給し続けます。
 単純計算で、一日に1,100機以上もの大型輸送機が、たった3カ所の飛
行場で着陸→貨物卸下げ→離陸を繰り返すことになります。
 効率を第一に考えた航空管制により、西ベルリンに向かう空路は2本、
帰路の空路は1本に区分けして、たとえ貨物が満載であっても、着陸復行
機はそのまま帰路につかねばならず、原則、やり直しはありません。
 搭載物の内容によっては、パラシュート投下も実施しています。
 この間の殉職者は米英独だけでも75人、ソ連戦闘機による妨害も行わ
れています。

★「マーシャル・プラン」のマーシャル将軍とは

 ここまでが大学での「講義内容」ですが、いったい「ベルリン空輸」
を含んだ、「東西冷戦の時代」とは何だったのか、たまたま現役時代に
買ったまま本箱の奥にあった、『マーシャル・プラン』-自由世界の命
綱―1990年版・中公新書をひもといてみました。
 〈『マーシャル・プラン』?自由世界の命綱?〉で検索すれば、内容は
おわかりでしょうから、ジョージ・マーシャルの人物像に触れます。

 この本の筆者も含め、マーシャル・プランこそ、単なる援助や対ソ政
策を越えて、アメリカによる欧州を中心とした、大々的な経済援助によ
って、戦後の世界秩序を構築した一大戦略であったと、今日でも一般的
には、非常に高く評価されています。

 その、マーシャルとはいかなる人なのか。
 国務省で1年8カ月、マーシャル・プランの取りまとめ役で、ドア一つ
おいて仕事をともにした、対ソ「封じ込め」論の提唱者、ジョージ・フ
ロスト・ケナン政策企画本部長は、マーシャルを、『彼のゆるぎない誠
実さ、彼の終始変わらぬ慇懃かつ端正な挙動、彼の厳正な業務観念、困
惑、圧迫、非難に出会ったときに示す沈着冷静さ?心にやましさのない
人の沈着さだ。物事を決定するときに示すあくまでの慎重さと良心性な
ど、比類のないものであった』と、評しています。
 そして、この本の日本人筆者も、『マーシャル援助はその寛大な点に
おいて西洋文明が連綿と新大陸に引き継いだ、“騎士道”の精神の発露
であり、キリスト教文明のチャリティ(慈善)の精神にも沿うものだっ
た』と、もう手放しで称賛しています。

★日本叩きのために利用された蒋介石

 さて、本題に入ります。
 1945年12月、既に大日本帝國は破れ、大陸から半島から、多数の在留
日本人と復員兵が、寒風吹きすさぶ玄界灘を渡り、着の身着のままで祖
国を目指している頃、マーシャル将軍は、アメリカ大統領トルーマンの
代理として、大使の資格で中国に赴任してきます。
 そして、中国戦線米軍総司令官・ウェデマイヤー将軍に大統領からの
訓令を示しますが、何と訓令には、『蒋介石の国民党と、共産主義者に
よる連立政権の樹立が要求されていた!』のです。

 ウェデマイヤーはその回想録、『第二次大戦に勝者なし』で、マーシ
ャル将軍に、共産主義者と国民党の間の妥協をはかることは不可能であ
ることを、理由と共に説明しますが、マーシャルは、憤然とした表情で
「自分としては、国民党と共産主義者との連立政権を樹立するという使
命を達成できるつもりだから、きみはぼくを援助すればよいのだ」と語
り、終日不機嫌で、夕食の席でさえ不快な表情を示し続けていた、と回
顧しています。
 
 従来、アメリカの資本主義は、共産主義と敵対するのが大多数の人々
の常識ですが、抗日戦線を戦った蒋介石に対する武器・弾薬の輸送を停
止し、中国共産党に政権を取らせたのは、実はアメリカなのです。
 ここが肝心な所であり、トルーマン大統領も、その一味にしかすぎま
せん。
 アメリカにとって、ソ連の南下と中国の共産化のためには、極東の日
本は非常に邪魔な、エンペラーを抱く異文化の帝國であり、絶対に倒さ
なければなりませんでした。
 西安事件でからめとられた蒋介石は、そのために利用されたに過ぎま
せん。
 ルーズベルトは、あくまでも日中戦争を望みました。

★アメリカが残した「極東カード」の不気味さ

 ウェデマイヤー将軍は当初、「赤狩り」で有名なマッカーシー上院議
員のマーシャル将軍弾劾に反対していたが、その後、マーシャル批判の
講演に転じ、米政府の誤りを批判し、中国と朝鮮に関する、忠心の意見
書『ウェデマイヤー報告書』を中央に送りますが、握りつぶされ、つい
に陸軍大将の身から退役を決意します。

 今さら、「ウェデマイヤー回想録」の何が衝撃なのか。
 「日本は中国を侵略した」などと、元来保守派と言われる総理大臣や
政治家までが、歴史左派とも言える発言を、平然と公言してはばからな
い今日、少しでも真面目に日中戦争を、種々の資料に当たった経験があ
れば、「援蒋ルート」を通じて、度重なる日本の抗議を無視して、蒋介
石を援助した米軍が、なぜ日本敗退後、蒋介石援助を突然打ち切ったの
か? 
 上海事変や盧溝橋事件以来、否、それ以前から暴虐極まるシナ軍にた
いして、多大な犠牲を払ってきた旧日本軍人達にとっても、終戦後も一
貫して長く大きな謎だったのです。

 ウェデマイヤー将軍も、まさか米政府が蒋介石援助を打ち切り、共産
中国に肩入れするなど、晴天の霹靂であり、特使・マーシャル将軍に対
する従来からの個人的信頼と尊敬を失う中、1947年9月25日付け・《ウ
ェデマイヤー報告の公表禁止について》・トルーマン大統領宛ての、マ
ーシャル将軍の覚書を知ることになります。蒋介石と共に戦ったウェデ
マイヤー将軍も、実は裏切られていたのです。
 
 マーシャル将軍は、今日でも「ノーベル平和賞受賞者」にして、共産
主義と対決した人として記憶されていますが、世間一般で了解されてい
る歴史と、真実は大きく異なる一例です。
 「欧州復興援助計画予算」は、戦禍で疲弊した欧州の、共産化を防ぐ
ためとの大義によって議会を通過していますが、ここにも共産主義を利
用した、アメリカの自作自演のマッチポンプが存在しています。
 第二次大戦後わずか5年で朝鮮戦争へ、そしてベトナム戦争へ、アメ
リカは負ける筈がないのに勝とうともしない、不可思議な共産主義との
戦いに進んで行きます。
 ロシア革命以来70年、ソ連は用済みとなって捨てられ、ウクライナカ
ード、中東カードに加え、中国と北朝鮮が、アメリカの極東カードとし
て残っています。38度線と尖閣列島は、「ドラゴンの牙」として意図的
に残されたのです。
(注・地中に埋められた、不吉な「ドラゴンの牙」からは、ある日、骸
骨の兵隊が地表に飛び出し、剣を抜いて戦い始めるの意です)
 
 とりわけ、自らをリベラル、あるいは左翼を自称する日本人達に強調
したい。
 アメリカの資本主義、米帝国主義こそが、共産主義の味方であり、古
くからの生みの親だということに、一日も早く気付いて欲しいのです。
 そんな馬鹿な!と思うのであれば、10年も要したベトナム戦争の真っ
最中、1966年に米国のジョンソン大統領は、ソ連に対して300億ドルを融
資している事実です。
 名目は自由圏諸国同様に、貿易の最恵国待遇を与えると称し、ソ連は
「非戦略物資」の輸入に当てていますが、航空機部品や、レーダーやト
ラック車両が何ゆえに非戦略物資なのか。それらの物資がなぜ北ベトナ
ムに平然と送られていたのか。興味のある人は、大学の現代史専門の教
授にでも訊ねてみて下さい。
 自らの学問にしっかりと正対している方なら、真摯に説明してくれる
でしょう。
 
 

■忙中閑あり《335》───────────────────────
  
                                            杉山頴男

 ◎サムライへの[郷愁](ノスタルジー)
 
 先祖返りの、結果のアンチ・グローバリゼーションに舵がきられたの
はアメリカだけではない。歐州、ロシア、支那、中近東……そして日本。

 グローバリゼーションは文明文化の風土である羊水の子守唄、[郷愁]
(ノスタルジー)を瓦解させるものだと気づいたからだ。
 歐州産の「近代」などと云うラベルは歐州自身が剥いでいく。
 これで明治産の歐州産擬似「近代」もおのずと剥がされていく。
 各々の文明圏が「近世」「中世」へ回帰する。回帰した文明が衝突す
る時代になる。

 いやいや、浅学寡聞の裏店の傘貼り浪人が大仰なことを云ってもせん
無い。己の領域、間合で述べる。
 
 前号、「サムライ・ジャパン」などとの下々の嬌声を唾棄せよ」と吐
いた。
 下々のサムライへの[郷愁]は、永久非戦闘員根性のソレである。いざ
となったらおサムライ、お武家さまが助けに来てくれる。
 いまある時代モノは下々のサムライへの[郷愁]。
 士族による士族のための[郷愁] サムライへの[郷愁]を求めよ。
 
 サムライへの[郷愁]が古流武術を求めたさせた。
 古流武術にカタチは残っていたが、武士に与えられた優越的な権利と
背中合わせの責務、危険(リスク)はなかった。

 サムライへの[郷愁]が日本刀を求めさせた。
 日本刀に武士の心は映ったが、武士に与えられた優越的な権利と背中
合わせの責務、危険(リスク)は見えなかった。

 せめて日本刀と対峙し、白刃の下をくぐるリスクを背負って武士の幻
影に浸り、サムライへの[郷愁]を満足させようとする。

 優越的な権利と背中合わせの責務、危険を持つ永田町、霞ヶ関の御仁
たちが、優越的な権利と背中合わせの責務、危険を自覚しているなら、
<公私分離>など求めてもせん無い。
 責務、危険に<公私>のけじめなどない。ゆえに武士は脇差を厠の中
にも持っていった。

 拙者、屋外では二刀、腰に差している幻影の中にいる。
 [武道通信]の公と[杉山頴男]の私の<公私一致>の中にいる。
 江戸の世の裏店の熊さん八さんも<公私一致>の中にいた。

 
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武道通信かわら版

発行周期: 月2回 最新号:  2019/03/20 部数:  945部

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