武道通信かわら版

武道通信かわら版 6月20日号

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―――――■―■―■■―――――――――【武道通信かわら版】
――――■■■■■■■■――――――――6/20 2008 vol.217
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                      042-580-6428 fax 042-580-6438
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                        217号 目次
  
1 お知らせ
2 武士・騎士・紳士《七十七》 ……山本伊左夫
  ◎トーナメントの美女たちとその他のベッピンさんたちについて
   (八)◆騎士物語の中の女性の役割
3 忙中閑あり《百八十三》 ……杉山頴男
  ◎新<選>組、新<撰>組 <試>衛館、<誠>衛館  どっち?
 
     
■お知らせ――――――――――――――――――――――――――――――

 
一、 軍学者(兵頭二十八)、待望の第二作目の原作劇画
  『やっぱりありえなかった南京大虐殺 (From Shanghai to Nanking)』
   7月4日発売 価格1000円 (マガジン・マガジン社)

   ★上記、劇画のオリジナル脚本「支那事変の風景」が6月「読書余論」
   (25日配信)に特別付録とし掲載。乞う、ご期待。
   
二、 幕末ロマン・新撰組の足跡を訪ねて 7月20日(日) 

   新撰組ゆかりの名所・旧跡を訪ねる1日バスツアー
        《先着40名》
   日時:年7月20日(日)
   費用:¥10,000−(含む昼食代、入場料等)
   <出発:午前8時 JR市ヶ谷駅>
    *試衛館跡(市ヶ谷柳町) 天然理心流の剣道場跡
   <三鷹>
    *龍源寺(近藤勇の墓)、近藤勇の生家・道場跡、産湯の井戸
     時間があれば禅林寺の森鴎外、太宰治の墓
   <日野>
    *井上源三郎資料館:源三郎の生家
    *宝泉寺:鳥羽伏見の戦いで戦死した新撰組6番隊組長・井上源三郎
     の墓と碑
    *八坂神社:安政5年(1858)佐藤道場・天然理心流剣士達の奉納額
     後の新撰組の近藤勇(島崎勇義武)、沖田総司(総次郎)、井上源三郎
     の名がある
     *大昌寺:新撰組育ての親で日野宿本陣の名主、佐藤彦五郎・のぶ
      (歳三姉)夫妻の墓
    *旧佐藤道場(日野宿本陣):東京で唯一残る本陣の建物
      文久3年(1863)建立の佐藤彦五郎の家、彦五郎が自宅長屋の一角を
     改造した道場で 近藤勇、土方歳三、沖田総司、井上源三郎らが稽古
     に励んだ。 
    *土方歳三資料館:新撰組副長・歳三の生家
     愛刀『和泉守兼定』、鉢金(額を守る鉄板)、手紙等縁の品々を展示。
    *石田寺(せきでんじ):明治2年5月11日松前街道で馬上指揮中に銃弾を
     受けて斃れた 土方歳三の墓と碑
    *高幡不動尊:近藤勇、土方歳三の顕彰碑『殉節両雄の碑』『土方歳三
     像』
    @京王線・高幡不動駅で下車希望の方々は当日お申し出下さい。
     <解散:午後5時30分頃 新宿駅> 

      @お申込:日本エアービジョン 担当:浅田
        電 話:03−3538−2071
        メール:hito-yoshi5@coffee.ocn.ne.jp

三、 「 魁! 武道通信TV」6月24日(火)PM7時〜8時
    6・19リアルジャパンプロレス3周年特別興行 録画放映 
                * 
    日本文化放送チャンネル桜 Sky Perfect <ハッピー241> 無料
     インターネット放送 http://www.ch-sakura.jp/topix/356.html 
     *映画「南京の真実」第一部「七人の『死刑囚』」 
      上映会・試写会の情報はこちらで
      http://www.nankinnoshinjitsu.com/blog/


四、 兵頭二十八・私塾「読書余論」毎月25日配信 
    <HPに入塾案内。「告知版」に各月の目次掲載>
     ★入塾希望、継続はメールにて。既刊も注文できます。
       (半年1200円 年間2400円)
   

 
■「武士・騎士・紳士」
 この違いを知ると洋の東西が見える《七十五》―――――――――――――

                            山本伊左夫
 ◎トーナメントの美女たちと
  その他のベッピンさんたちについて(八)

  ◆騎士物語の中の女性の役割
  中世の騎士道全盛期に向かうころの騎士道、騎士物語に登場する女性の役割
はかなりこれと違っている。この期の騎士物語には例によっておおざぱに括る
とある種のパターンがあって、その筋立ての骨子は多分にギリシア英雄伝説の
構成の断片と、北欧伝説の部分を取り集めて作られていると思はれる。

 物語に登場する騎士とは漂泊修行の旅をして、幾多の苦難や魔法や怪物を克
服し自分を高めて行く存在である。これはギリシア伝説に多いパターンである
が「騎士になるものはかくあらねばならぬ」としたローマ教会の(騎士になる
ための修行手順)を裏付ける意味でも好都合だっただろう。
 それにゲルマン族の(技能に秀でようと思うものは他人の飯を食って修行し
なければならぬ)と言う、現代のドイツでもその痕跡は法制化されて残ってお
り、かの民族のタフネスの一つの源でもあると思われるマイスター育成習慣に
もうまくマッチした話であっただろう。そして、その騎士にいくつかのデキゴ
トがおきる。苦難に打ち勝つ話はカッコいいがまずおいといて女性関係である。 
  
 そういうリッパで強くて由緒正しくて、カッコよくて、とにかくステキな我
輩そっくりの騎士様であるから女性にモテるのは当然中の当然である、そうあ
りたい。 ゼヒそうあるべきである。
 それで女性というのはどういう女性かというと、才知人に優れ天下の美貌。
ときどき魔法を使ったりするところなどもあってとにかくすばらしい。これが
また都合が悪く、と言うよりは実は都合よくしばしばもしくはほとんど親友や
上司の奥さんなのである。
 どうしてそういうのを(都合よく)と言うかというと、親友や上司よりも我
輩のほうがものすごく優れた騎士である証拠だからである。
 では、遠慮なくいただきます。当然結果はしっちゃかめっちゃかになる。騎
士道物語の草分け、アーサー王物語の騎士ナンバーワン、ランスロット卿と王
妃グイネビアがこの代表格である。これは筋書きだけはギリシャ悲劇のパクリ
であるが、書かれているエモーションは全く違うものである。 



■忙中閑あり《百八十三》―――――――――――――――――――――――
                         
                             杉山頴男

  ◎ 新<選>組、新<撰>組 <試>衛館、<誠>衛館  どっち?

 時代考証を悩ます曲者の一つが名称の呼び名。当時の文献で音読みは同じだ
が字が異なるものがある。こっちが正しい、いや、こっちだと、考証家の間で
もめる。

 歴史小説、時代考証モノで一番多く刊行されているのが新選組であろう。
 当世流行のWebサイトもしかり。しかし、この歴史上の大ヒーロー郡も、
その名称がいまだもって定まらない。新選組、新撰組かである。
 張本人の近藤勇も武州多摩への手紙に新選組と書いたり、新撰組と書いたり
しているのだ。しょせん、百姓あがりよ、と云ってしまえばそうだが、会津の
藩士の間でも、二つ使われている。
 
 「八月十八日 長州人引揚ノ節、当組南門前ヲ守ル。其節転奏ヨリの隊名ヲ
下サル。」――命名の由来は、島田魁の日記のお陰でわかっているが、さて、
島田魁は「新選組」と記しているが、「伝奏」を「転奏」と誤記している。つ
まり、新選組の「選」も実は「撰」ではなかったか? との疑いが残ってしま
う。
 禁門の変(文久3年8月18日)の折り、御所に出動した壬生浪士の一行五
十二人に、「浪士隊」では聞こえがよくないとのことで、武家伝奏(ぶけてん
そう=朝廷の連絡役)から命名されたのだが、武家伝奏の書面が、後世に残っ
ておれば問題なかったのだ。
 
 当時、知識階級の差はあるものの、大方の者は音(おん)さえあっていれば、
字づらはあまり気にしなかったようだ。まあ、「撰」「選」どちらでもよかった
というのが当時の人の<心情>だろう。

 古代支那から輸入した漢字は、しょせん、借り物、大事なのは<言霊>の大和
ことばだとは、当時の日本人の通念であった。
 このゲノムは幕末期まで連綿として流れていた。いや、その140年後の我ら
にも流れているはずである。
 ここをしっかり抑えないと、時代考証は化石の陳列でしかない。古文書だけ
でなく、その時代に暮らしていた者の心を推し量らねばならぬ。『武士の作法』
には、これが通奏低音として流れている。

 もう一つ。牛込柳町の天然理心流道場、試衛館(しえいかん)である。
 これも「誠衛館」との説もある。早乙女貢が新選組モノでこれを使っている。
新選組の<旗印>が「誠」なのは、誠衛館だったからだとする説である。ロマ
ンがある。

 当時、「誠衛館」と書かれた文献は残っていない。多摩の光寺村名主・富沢
の日記では「号は試衛」。小島鹿之助日記では「試衛場」。スポンサーたちの
証言は信憑性が高い。
 幕末の四大道場、神道無念流の練兵館 北辰一刀流の玄武館 鏡新明智流の
士学館、心形刀流の練武館などと、みな「館」があったので、試衛館と呼んだ
のであろう。これも道場の門の看板でも残っていたら異論が出ることはなかっ
た。

 前号で「中断している<新選組は幕府御庭番だった>は、若き歴史・時代小
説家志願者と組んで小説に書き上げようか。歳を重ねると根気が失せる。若者
の力を借りねばならうのかも知れぬ(笑)」と述べた。
 幸い、若い助っ人が見つかりそうである。そこで、また新選組にもリターン
する。

 さて、さて、この号の本題である。
 正しくは「新選組、試衛場」である。拙者がタイムカプセルに乗り、この目
で、耳で確かめてきたことであるからして事実である(笑)。

 付け加えれば、試衛の名づけ親は、かつての老中首座、松平定信。新選組の
旗印の「誠」は、15歳で試衛場に入門した宮川勇太(近藤勇)が、草書体で
書かれた看板の試が誠と思い込んでいたことが、後年、新選組の旗印が「誠」
になったのだ。間違いない。

 新選組のニュホームは江戸の戯作者が創作した赤穂浪士の討ち入りニュホー
ムを模している。先にも述べたが、時代考証は大事である。が、正しい時代考
証に人の心を揺さぶる力はない。そういうことだ。


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