ほぼ日刊日々是映画

[ほぼ日刊日々是映画] vol.2599 ★ 水俣 患者さんとその世界

================================================2009/8/23==
                        -vol.2599--
  ほぼ日刊 日々是映画         発行:cinema-today
                http://www.cinema-today.net/
=======c===i===n===e===m===a===-===t===o===d===a===y=======

2599号です。

気づけばもう甲子園も準決勝、8月も終わろうとしていますねぇ
9月にはインフルエンザの流行が予想されているそうなので、
気をつけましょう。

新学期に備えて子供用のマスクをという方はコチラ↓
http://tinyurl.com/m8r6rp
潜伏期間があるので、かかってるかどうかわからないけれど
近くでかかった人がいたというような場合はマスクをしてお
いたほうがいいかもしれませんのでね。

今日も土本典昭特集『水俣 患者さんとその世界』です。
これは傑作。
8/30にもう一回上映があるので、ぜひ行ってください。
DVDも発売されています。


ワンクリック投票実施中!

ほぼ日刊日々是映画 ブログ版
 http://www.eigablog.com/
携帯の方もコチラにどうぞ。
 http://www.eigablog.com/


-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 水俣 患者さんとその世界

□ ワンクリック投票

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

------------------------ 


■ 今日の映画 - 水俣 患者さんとその世界

<1行コメント>
水俣病の患者さんの世界をリアルに冷静に見つめた傑作。


--cinema2494------------

 水俣 患者さんとその世界

 1971年,日本,167分

-----------------------

<キャスト&クルー>

監督 土本典昭
撮影 大津幸四郎
音楽 中世教会音楽より

キャスト ドキュメンタリー


<評価>

☆☆☆☆1/2(満点=5)


<プレビュー>

 水俣病が発生してから十数年、チッソはその責任を認めず、患者
に見舞金を出すにとどまり、政府の対応も鈍い。そんな中、患者た
ちはチッソと政府を相手取り訴訟を開始する。同時にチッソの株券
を買い株主総会に出席して意見を述べようという“一株運動”も開
始。さまざまな利害が渦巻く中、苦しむ患者達を追った。
 土本典昭のライフワークとなる“水俣シリーズ”の第1作。患者
さんたちの心情に肉薄するドキュメンタリスト渾身の傑作。


<レビュー>

 導入は水俣病という病についての叙述、猫に対して行った実験や
実際に亡くなった方々がどんな悲惨な状況でなくなっていったのか
が語られる。そして統計的な数字とともにお年寄りから小さな子供
までのなくなった患者たちの遺族にインタビューを行う。

 それに加えて訴訟、一株運動、胎児性水俣病、未認定患者と水俣
病に関わるあらゆるトピックを患者に寄り添うように伝えてゆく。
本当にこの時点での水俣病に関わるすべてを見るものに伝えようと
いう真摯な姿勢が伝わってくる作品だ。

 特に胎児性の患者に割かれた数十分は本当に圧倒的だ。原因がわ
からない中で首の据わらない軟体症と俗に言われる子供たちが生ま
れてくる。その対応の仕方は様々だ。自由奔放に育てる家、スパル
タとも思えるようなやり方で座り、歩けるようになった家、赤ん坊
のように甘やかし続ける家。症状も対応の仕方も様々だが、子供へ
の愛情は共通している。どんな子供であっても愛情を注ぐ、その愛
情のまなざしをカメラはしっかりと捉える。

 この子供たちに対してはリハビリテーションセンターというもの
も設けられ、子供たちが座ったり、立ったりできるように練習した
り、算数の勉強をしたりということをする。しかし脳にも障害を持
つ彼らの学習は思うように進まない。水俣病は本当にひどい病気だ
ということを実感し、その病理にも興味がわく。

 水俣病というのは本当にひどい災害だ。時代が生み出した人災、
人々の無知と企業や政府の考え方、それがまだ公害というものに対
応できていないところに生まれた悲惨な出来事。初動が遅れたのは
仕方がないとしても、その後の対応に誠意がないということには言
いようのない憤りを感じる。それに風穴を開けたのがこの作品に登
場するような患者さんたち自身であり、彼らに協力する土本典昭の
ような人物だった。彼らのことは尊敬してもし切れない。彼らの行
動によって水俣病にとどまらず、日本のさまざまな公害の救済に道
が開かれたのだから。

 土本典昭のすごさは、彼らの心情を本当に見事に映像に載せてい
ることだ。しかも彼らの内側に入り込みすぎることもなく、かといっ
て外部から見るというわけでもない絶妙の立ち居地で。

 病気に苦しむ人々への眼は温かいが、時に激しい感情を表出させ
る患者には違和感を感じることもあるし、彼らの行動の仕方に疑問
を抱かせることもある。水俣病の映画だからといって患者たちに一
方的に味方するのではなく、そのさまざまな側面に光を当てるのだ。
もちろん彼らは被害者だ。しかし見る側としては被害者がかわいそ
うという気持ちだけでなく、この人災が社会にもたらす影響やその
意義についても知りたいと思うし、汚染されていた海で今も続く漁
業のシーンには不安を覚えたりもする。それらすべてをひっくるめ
て水俣病なのだ。それは単に患者さんたちをかわいそうな人で味方
をしなければならない人として描くよりはるかに強いインパクトを
与える。それを可能にするのはこの作品の伝え方なのだ。

 そして、そのクライマックスは最後の株主総会のシーンにやって
くる。この異様な雰囲気を見事に切り取り、一切の説明なしにそこ
に立ち会った人々のそれぞれの心情を浮かび上がらせてゆく。その
混沌ともいえる会場の空気がとにかく圧倒的で、強い余韻を残した
まま終わる。



□ ワンクリック投票

 今日のメルマガは?

 面白かった! http://clap.mag2.com/giobeclous?good2598
 つまらなかった http://clap.mag2.com/giobeclous?bad2598
 普通 http://clap.mag2.com/giobeclous?ave2598



□ DVD今日の買い!

<今日の作品:水俣-患者さんとその世界->

 『水俣-患者さんとその世界-』
  http://tinyurl.com/n3gyb7



<今日のお勧め>

 関連作品

 『不知火海』
  http://tinyurl.com/ny3kjr

 『わが街わが青春-石川さゆり水俣熱唱-』
  http://tinyurl.com/neafkb

 『水俣一揆-一生を問う人々-』
  http://tinyurl.com/kj4wuk



*購読解除や、アドレス変更の際はお手数ですが、まぐまぐまたは
 下記アドレスで手続きをしてください。こちらでは対処しきれな
 い場合もございますので。
 まぐまぐ http://www.mag2.co.jp マガジンID:0000032940
 メルマガページ http://cinema-today.net/magazine.html




          ========================================
                     日々是映画第2599号
                      2009年8月23日発行
                     発行:cinema-today
                   マガジンID:0000032940
             Mail to: webmaster@cinema-today.net
          ========================================
                    購読解除はこちらから
            http://cinema-today.net/magazine.html
          ========================================

▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲

このメルマガは現在休刊中です

このメルマガは
現在休刊中です

ついでに読みたい

このメルマガは
現在休刊中です

他のメルマガを読む