ほぼ日刊日々是映画

[ほぼ日刊日々是映画] vol.2586 ★ 越前竹人形

=================================================2009/8/4==
                        -vol.2586--
  ほぼ日刊 日々是映画         発行:cinema-today
                http://www.cinema-today.net/
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2586号です。

今日はビアガーデンの日だそうです。
銀座ライオンはビールが半額!
ぜひ行きたいですね。

ビールといえばモルツ・ザ・ビターってのがおいしかったんですが、
もはやどこにも売っていません。企画ものだったんでしょうか?
残念

仕方ないので、最近お気に入りのYUTAKAを飲むことにします。
http://tinyurl.com/n36hdf
最近はサントリーばかりだ。

今日も吉村公三郎監督『越前竹人形』です。
これも名作。

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-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 越前竹人形

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■ 今日の映画 - 越前竹人形

<1行コメント>
宮川一夫の映像の存在感、悲劇を切り取る研ぎ澄まされた眼に注目。


--cinema2481------------

 越前竹人形

 1963年,日本,102分

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<キャスト&クルー>

監督 吉村公三郎
原作 水上勉
脚本 笠原良三
撮影 宮川一夫
音楽 池野成

キャスト 若尾文子
     山下洵一郎
     中村玉緒
     西村晃
     殿山泰司
     中村鴈治郎

<評価>

☆☆☆☆(満点=5)


<プレビュー>

 昭和初期、越前の山村で竹細工を作る喜助、名人といわれた父親
が亡くなり、その弔いに美しい女が現れる。喜助はその女玉枝のこ
とが忘れられず彼女の残した手がかりを頼りに彼女を探し出す。遊
女だった玉枝を喜助は身請けして里に連れ帰ろうと考えるが…
 水上勉の小説を若尾文子主演で吉村公三郎が映画化、山村を舞台
にした緊張感あふれる物語。ドラマ化も3度されている。


<レビュー>

 物語としては非常にストイックだ。物語を構成する要素が非常に
少なく、語られる心理も非常に少ない。一目惚れした遊女を妻に迎
えるが、なかなか床をともにしようとしない職人とその妻となった
遊女、その間に横たわる張り詰めた空気をひたすらに描いていると
いうわけだ。

 この作品で一番印象的だったのは映像だ。モノクロの画面、緊張
感が常に漂う作品であるだけに、その張り詰めた空気を表現する映
像が記憶に残るのだろう。若尾文子を上からとらえたクロースアッ
プのショット、薄暗い竹林の静謐でありながらどこか胸騒がす雰囲
気、再会した喜助と玉枝を隔てる一枚の暖簾、それらの映像が持つ
意味がこの作品全体を意味づけていくようだ。

 作品を構成する要素が少ないだけに、さらにその映像の力が表に
出、それゆえに映像の質の良し悪しが作品の質にストレートに影響
する。そんな中、この作品の映像は本当に素晴らしい。宮川一夫が
名カメラマンであることはもはや議論の余地はないが、彼の作品の
中でもこの作品はかなり上位に位置するのではないか。もちろん宮
川一夫には『羅生門』『雨月物語』などといった代表作がいくつも
ある。この作品はそんな作品群に肩を並べるくらいに洗練されてい
ると思う。余分な要素をどんどんそぎ落としていった鋭敏な映像は
モノクロだからこそ可能なのかもしれない。宮川一夫はカラー映像
も独特の表情があるが、やはりモノクロの鋭さが私は好きだ。

 物語はいかようにも解釈できるが、基本的にはエディプス・コン
プレックスを基にした物語だろう。母親を知らずに育った喜助が父
が贔屓にしていた遊女を嫁にもらう。こんなにわかりやすい構図は
ない。喜助が玉枝に手を出さないのは彼が初心であるというのと、
玉枝をある部分で母親と見ている(実際に喜助は玉枝に母親のよう
な存在だと告げる)のとのふたつの要素によるものだろう。母親と
見ながらもそれを欲望する

 父親が作った竹人形を破壊するという行為はまさに父を殺し、母
を娶るというオイディプスの悲劇そのものをあらわしているだろう。
その物語の意味をどう解釈するかというのは心理学者が何百年にも
渡ってやってきていることなので、ここに簡単に書くことは難しい
が、この“エディプス”を基にした物語が常に私たちの心に何かを
投げかけることは確かだ。だからこそ心理学者の議論の対象になり
続けているいるわけだが。

 そしてこの物語のオイディプスからの「ずらし」をどう解釈する
か。「オイディプス」が外見と異なる現実に直面してオイディプス
が抱える内面の葛藤を描いた物語であるのに対し、この「越前竹人
形」は単純に喜助が抱える葛藤を乗り越えていくという物語だと私
は思う。その中で生じる一つ一つの悲劇や偶然や愛情の意味をどう
解釈するか、そこは見るもの一人一人の課題だと思うが、そこにど
こか日本的なものを感じるのは、この作品の持つ雰囲気のせいだけ
だろうか?



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 『羅生門』
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 『雨月物語』
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<今日の作品:越前竹人形>

 『越前竹人形』
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<今日のお勧め>

  宮川一夫×吉村公三郎

 『夜の蝶』
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 『夜の河』
  http://tinyurl.com/2kbgm4

 宮川一夫×若尾文子

 『刺青』
  http://tinyurl.com/nwq2qx

 『赤線地帯』
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                     日々是映画第2586号
                      2009年8月4日発行
                     発行:cinema-today
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