ほぼ日刊日々是映画

[ほぼ日刊日々是映画] vol.2235 ★ 鍵:市川崑監督特集

================================================2008/2/29==
                        -vol.2235--
  ほぼ日刊 日々是映画         発行:cinema-today
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2239号です。

今日は暖かいですが、まだそれほど花粉は飛んでいないようです。
ウェザーニュースでピンポイントの花粉観測情報というのが公開
されているのですが、大丈夫そうです。
http://tinyurl.com/2djthn

しかし、花粉対策はおこたりなく。
先日、マスク代わりに鼻に塗るってやつ↓を買ってみたんですが、
http://tinyurl.com/3c6mwg
聞いてるんだか胴なんだか良くわかりませんでした。鼻をかんだ
ら流れてしまうような…
やはり対症療法より、体質改善ですかね
http://tinyurl.com/yqwgl7

今日は市川崑監督特集『鍵』です。


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-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 鍵

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■ 今日の映画 − 鍵


--cinema2163------------

 鍵

 1959年,日本,107分

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<キャスト&クルー>

監督 市川崑
原作 谷崎潤一郎
脚本 市川崑
撮影 宮川一夫
音楽 芥川也寸志

キャスト 京マチ子
     叶順子
     仲代達矢
     中村鴈治郎
     北林谷栄
     潮万太郎
     山茶花究

<評価>

☆☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 大学病院のインターンである木村は知人の古美術鑑定士剣持にカ
ンフル剤を出している。剣持の若く美しい妻郁子はそのことを知る
が夫には秘密にしておいてくれと告げる。さらに娘で木村の婚約者
敏子もやってくる。その夜、剣持の家を訪ねた木村はぎこちない雰
囲気に居心地の悪さを感じるが、郁子が風呂場で気を失ってしまう。
 谷崎潤一郎の問題作『鍵』を市川崑が映画化。大映が力を入れた
作品で、撮影は宮川一夫、音楽は芥川也寸志、役者も一流どころが
そろって見所はたくさん。


<レビュー>

 谷崎の変態的な物語に、市川崑の演出、見所は色々あるけれど、
私が何よりも気になったのはメーキャップである。なかなか映画で
メーキャップが気になるということはないのだけれど、この作品は
特段にメーキャップが独特で、しかもそれが非常に効果的である。
映画の始まりは、中村鴈治郎演じる剣持と仲代達矢演じる木村とい
う男同士の会話のシーンなので、特別変わったことはないのだが、
京マチ子が登場すると、早くもその眉毛が強烈な印象を与える。も
ともとの眉毛を(おそらく)すべて剃って極端に細くつりあがるよ
うに描かれた眉毛、その印象は強烈で、しかしそれが決して異様で
はなく、京マチ子の美しさを強調している。
 それに対して、娘の敏子を演じる叶順子のほうは、太く短い眉毛
が強調され、ぼってりした唇に真っ赤な唇が塗られて、どうみても
化粧慣れしていない田舎の娘にしか見えない。この対照はあからさ
まにふたりを対比しているのだが、その叶順子は顔全体を薄く白く
メークしている場面もあり、その不健康そうな顔色は逆に魅力的で
もある。
 そして、その後は男たちのメークも極端になっていく。仲代達矢
も中村鴈治郎も顔の一部を白塗りされ、妙な顔色を作り上げられる。
これが見事なライティングによって浮き上がり、下手な恐怖映画よ
り恐ろしいものになっている。
 このメークの演出はいったい誰がやったのだろう。もちろん最終
的にそれを採用したのは監督の市川崑ということなのだろうが、撮
影は名手宮川一夫である。色彩にことのほか神経を使う彼が、あえ
てそのようなメイクによって映像を効果的なものにしようと考えた
ことは想像に難くない。肝心の「メイク」としてクレジットされて
いる野村吉毅はこの作品以外に名前が出てくることはなくまったく
の謎の人物。これだけ独創的だから他に仕事の仕様がなかったのか、
あるいは映画以外の世界では有名な人物なのか。それはわからない
が、とにかくこの作品はすごい。

 さて、もうひとつ目を引いたのは京マチ子の存在だ。京マチ子と
いえば押しも押されぬ大女優、日本人離れしたグラマラスな肉体で
日本版“ヴァンプ”女優として有名だが、1924年生まれだから、こ
の作品の時点で35歳、まさに女ざかりでありこの郁子というキャラ
クターにこれ以上ぴったりな女優はいなかっただろうと思う。仕草
の一つ一つが非常に丁寧で、指先にまで色っぽさを感じさせる演技
はさすがである。これにエロじじいを演じさせたら日本一の中村鴈
治郎の組み合わせだから変態の大御所谷崎潤一郎も溜飲を下げただ
ろう。
 市川崑はキャスティングで映画の8割が決まると言っている。そ
の意味ではこの作品は本当に巣晴らしいキャスティングでしかも撮
影は宮川一夫、監督としてもこれ以上はないという環境で作ること
ができ、仕上がりも最高というところだっただろう。さすがは映画
界の大立て者永田雅一が全力を傾けて作った作品だというだけはあ
る。

 これは市川崑監督の中期の代表作でもあるし、大映という映画会
社の代表作でもある。松竹や東宝と違い“大人”向けの娯楽作品を
数多く作った大映にとって艶めかしく妖しいこのような作品こそら
しい作品だったと思う。日本映画の黄金時代の一翼を担った大映の
底力を感じさせる作品だ。
 もちろん原作を大きく変えた物語も秀逸で、展開にも目を離せな
いが、なんとも後味の悪い終わり方からも映画は物語だけではない
というメッセージが伝わってくるようなので、あえて物語に触れる
ことはしない。


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□ DVD今日の買い!

<今日の作品:鍵>

 『鍵』
  http://tinyurl.com/yogtje


<今日のお勧め>

 市川崑×京マチ子

 『穴』
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 『あなたと私の合言葉 さようなら、今日は』
  http://tinyurl.com/ypva8s



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                     日々是映画第2235号
                      2007年2月29日発行
                     発行:cinema-today
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