ほぼ日刊日々是映画

[ほぼ日刊日々是映画] vol.2220 ★ かつて、ノルマンディーで

=================================================2008/2/9==
                        -vol.2220--
  ほぼ日刊 日々是映画         発行:cinema-today
                http://www.cinema-today.net/
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2220号です。

今日は今日から公開『かつて、ノルマンディーで』です。
何本か取り上げてきたニコラ・フィリベールの新作。

しかし、ノルマンディーってどこ?
フランスの地名っていろいろと聞くのですが、よく考えるとフラ
ンスのどのあたりなのかよく知りません。
ノルマンディーとブルターニュは近かったような、ブルゴーニュは
また別で…
と思って調べたら、ノルマンディーとブルターニュは隣のようです。
ブルターニュのほうが西でイギリスに近い半島。どちらもシードル
が名産です。
ブルゴーニュは内陸パリからややドイツよりでした。
知っている人には当たり前の情報ですが、そうだったんだね。

ということで、今日はシードルを紹介しておきます。何がいいか
わからないのですが、やはりオーガニックがいいですね。
http://tinyurl.com/2s9uv7
http://tinyurl.com/34qjtq
あと気になるのは、ロングヴィル社というところのものかな。
本格的っぽいですが、安いです。
http://tinyurl.com/2w7dnu

というわけで、シードルに思いを馳せつつ
『かつて、ノルマンディーで』を。


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-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 かつて、ノルマンディーで

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − かつて、ノルマンディーで


--cinema2250------------

 かつて、ノルマンディーで

 Retour en Normandie
 2007年,フランス,113分

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<キャスト&クルー>

監督 ニコラ・フィリベール
撮影 カテル・ジアン
音楽 アンドレ・ヴェイユ
   ジャン=フィリップ・ヴィレ

キャスト 


<評価>

☆☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 ノルマンディーの小さな村、そこに住む人々は30年前に映画に出
演したことがあった。19世紀に実際にこの土地で起きた家族殺しを
題材にした映画に助監督として参加したニコラ・フィリベールが30
年ぶりにこの地を訪れ、当時の映画に出演した人たちから話を聞く。
 フィリベール監督は自分のキャリアの出発点を見直し、そこで暮
らしてきた普通の人々の物語も紡ぎ出す。


<レビュー>

 この映画はとても地味だ。ドキュメンタリーというのはドラマ
ティックな演出が無いだけにとかく単調になりがちだけれど、多く
はテーマ性や映像的な工夫でそれを回避しようとする。しかし、こ
の作品(の特に序盤)は単調になることを恐れずに、地味にノルマ
ンディーの片田舎に住む人々の生活を淡々と映し、彼らに30年前の
映画についてインタビューをする。
 このかなりマイナーなこの映画(もちろん日本未公開)を見てい
る人が観客の中にほとんどいないであろうことはフィリベール監督
も想定しているのはずで、しかしその作品の説明を最初からしよう
とはせず、まず人々の話によって映画を組み立てていく。そこで語
られている映画の全貌も見えないから、それぞれの人が自分の映画
に対する思い出を語ってもそれが理解できず、はっきり行って退屈
だ。
 しかし、30年前の映画『私ピエール・リヴィエールは母と妹と弟
を殺害した』の映像がはさまれながら、ここにいる人々の姿が30年
前と重ね合わせれられ、そこからそれぞれの人の30年の歳月が紐解
かれていくと、映画はぐんぐんと魅力を増していく。

 ここに登場する人たちは本当に普通の人たちだ。30年前にミシェ
ル・フーコーに触発された映画監督がその土地で起こった事件を題
材に、そこに住む人々を役者として映画を撮ろうと考えたために、
たまたま映画に出ることになった人たち。その人たちの人生を、そ
の映画の助監督としてロケハンや出演交渉を行ったニコラ・フィリ
ベールが30年後に振り返る。彼らに共通するのは映画に出たことは
いい思い出だけれども、それで何か人生に大きな変化があったわけ
ではないということだ。彼らは短い撮影の間だけ役者となり、すぐ
にもとの生活に戻って30年間を過ごした。しかし、彼らのその30年
の話を聞くと、その歳月は決して平穏ではなく紆余曲折があり、波
乱万丈があり、どの人の30年も1本の映画にでもなりそうなドラマ
を孕んでいる。
 そして彼らは30年前の出来事をその波乱万丈の人生の中のいい思
い出のひとつとして抱え続ける。それによって彼らはひそやかにフィ
リベール監督とつながり続け、30年という歳月を容易に飛び越えて
再び結びつく。兄弟であったり、近所に住んでいたりする人々でも
30年の間には疎遠になったりもするが、フィリベール監督が再訪す
ることで彼らの人生はそこで再び交差し、複数の30年間がひとつの
時間として撚り合わされていく。

 ごく普通の人たちがごく普通の生活の中で経験していくドラマに
はすごくリアリティがあるし、そのドラマは私達にすごく近いもの
に感じられる。そのドラマを丁寧に描いていっているところがこの
映画の非常に優れている点だ。途中、行方知れずの主人公を演じた
青年を探すというエピソードが盛り込まれ、少し映画の展開がしま
りはするが、それでも最後まで普通の人たちのそれぞれのドラマに
よって映画を組み立てるという姿勢は変わらず、ある意味では退屈
なまま映画は終わる。しかし、その平均化してしまえば平凡で退屈
な普通の人の人生もひとりひとりに注目してみれば、それはドラマ
ティックで退屈とは対極にあるということもわかる。
 この映画を見ていると、ここに登場する人たちの一人一人がみな
哲学者であるかのようにも見えてくる。それぞれが自分の人生に対
して哲学を持ち、それをしっかりと抱えている。フランス映画には
哲学的な会話がよく出てくるが、それは作られたものではなく、非
常に日常的なことなのだということがよくわかる。
 ニコラ・フィリベールは人々の手から離れてしまいそうになって
いる映画を私達の元に留めようとしてこのような映画を作っている
のではないかとふと思った。ハリウッドの娯楽大作か、大言壮語の
社会派ドラマばかりが作られる昨今、映画はどこか私たちのいると
ころから離れた世界のものになってしまっているような気がする。
しかしニコラ・フィリベールの作品はそのような映画と私たちの間
にあいた間隙を埋める、そんな映画なのではないだろうか。



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□ ヒビコレリンク

 『かつて、ノルマンディーで』公式サイト
  http://www.nicolas-movie.jp/normandie/index.html


□ DVD今日の買い!

<今日の作品:かつて、ノルマンディーで>

 DVDはそのうち出ると思われます。


<今日のお勧め>

 ノルマンディといえばやはり上陸作戦。ということで

 『史上最大の作戦』
  http://tinyurl.com/362zyd

 『プライベート・ライアン』
  http://tinyurl.com/35ha8x

 『36時間 ノルマンディ緊急指令』
  http://tinyurl.com/2t7vx6

 『バンド・オブ・ブラザーズ』
  http://tinyurl.com/2rmsvt



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