ほぼ日刊日々是映画

[ほぼ日刊日々是映画] vol.2218 ★ ショートバス

=================================================2008/2/6==
                        -vol.2218--
  ほぼ日刊 日々是映画         発行:cinema-today
                http://www.cinema-today.net/
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2218号です。

今日は抹茶の日だそうですよ。
お茶で使う“風炉”からの語呂合わせで、お茶の名産地である
西尾市が創業120周年を記念して決めたそうです。相当無理が
ある気がしますが、まあいいでしょう。
東京もまた雪が降って寒いので、温かいお茶は飲みたいですが、
お茶を点てるってのは日常にありませんからね。でも点てたお
茶も飲むとおいしいですよね。
家庭で気軽に出来るセットをご紹介しておきます。
http://tinyurl.com/3ycj7y
あとは、おいしそうなインスタントの抹茶ラテを見つけたので
それも。
http://tinyurl.com/2negjy

抹茶のスウィーツといえば、神楽坂の紀の善の抹茶ババロアが
有名ですが、FAX注文でお取り寄せができるようです。
http://r.gnavi.co.jp/g236500/menu3.htm
お好きな方はぜひどうぞ。

今日は『ショートバス』です。


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-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 ショートバス

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − ショートバス


--cinema2148-----------

 ショートバス

 Shortbus
 2006年,アメリカ,101分

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<キャスト&クルー>

監督 ジョン・キャメロン・ミッチェル
脚本 ジョン・キャメロン・ミッチェル
撮影 フランク・G・デマルコ
音楽 ヨ・ラ・テンゴ

キャスト ポール・ドーソン
     スックイン・リー
     リンジー・ビーミッシュ
     PJ・デボーイ

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 ニューヨーク、ゲイの青年ジェイムズは自分のオナニーをビデオ
に録画する。向かいのビルにはそれを覗く男。SM女王のセヴェリ
ンは金持ちのぼんぼんを客に仕事をこなす。ジェイムズと恋人のジェ
レミーが相談に行った恋愛カウンセラーのソフィアは実はオーガズ
ムを経験したことがないことを告白し、ふたりに“ショートバス”
というクラブを紹介される…
 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のジョン・キャメロ
ン・ミッチェルが描く、過激でしかし真摯な愛のドラマ。



<レビュー>

 映画の始まりは、いわゆるハリウッド映画(特にラブコメ)の定
番である街の空撮をパロディ化したかのようなジオラマの空撮であ
る。よく見るとこれはCGで、この部分だけで相当金がかかってい
るように見える。このCGによるオープニングからいきなり部屋の
中で自分の陰部を撮影している男のシーンへと移ることで、作品の
世界を一気に表現するのだから、このCGの効果は絶大だ。そして、
最初のシークエンスはその自分の陰部を撮影する男とそれを覗く男、
セックスするカップルにSMの女王様とその客という3組のセック
スシーンからなる。
 このシークエンスはかなり強烈だ。セックスを描いているにもか
かわらず、そこにあるのは欲望ではなくなぜか悲しみと可笑しさだ。
自分の陰部を撮影した男ジェイムズは恋人が家に帰ってきて愛想笑
いを浮かべるが、その心には孤独が巣食っている。夫とセックスを
していた恋愛カウンセラーのソフィアは「いっているふりをしてい
る女がいるんだって」という話をして、それが自分のことだという
ことを言外に示す。SMの女王様セヴェリンは終始、鬱積したもの
を吐き出せないかのような表情で貸し倉庫にある我が家に帰る。

 この作品でまず目を引くのはやはりさまざまな性癖を持つ人々と
彼らの性行動を赤裸々に描いた描写だろう。「少し変わった人たち」
が集まるショートバスでは彼らは自分の性癖をさらけ出し、折り重
なるようにセックスする。服を着ている人よりも裸の人のほうが多
いのではないかという描写と、本当にセックスしているところを撮
影した映像は(映倫の“配慮”によりぼかされているにしても)か
なりショッキングではある。
 だから、まずいわゆる“良識”を持ったひとは目を背けたくなる
ような作品だと思う。セックスの具体的な描写に嫌悪感を持つ人は
もちろん、いわゆる“アブノーマル”な性を理解できない人も受け
入れることが出来ない作品だ。しかもジョン・キャメロン・ミッチェ
ルはあえてそれをやっている。それが端的に現れていたのはゲイの
3人がセックスをするシーンでお尻に口をつけてアメリカ国歌を歌
うシーンだ。保守派のキリスト教徒が見たら卒倒しそうなこのシー
ンに彼の意図が明確に表れている。彼はもはやそのような人々にこ
の作品を見てもらおうとはしていない。彼はこの作品に共感できる
ような人々しか相手にしていないのだ。
 では、この作品に共感できるような人々とはいったい誰か。ショー
トバスの中で誰かが「911が初めてのリアルだった」という話をす
る。この作品で描かれているのはそういった“リアル”を喪失した
人々だ。彼らはそのリアルを求めてショートバスへと集まる。同じ
ようにリアルを喪失した人々は彼らに自分の姿を重ね合わせる。こ
の作品に描かれている人々は確かに極端だ。しかし、彼らは私たち
の心の底にある欲求や悩みを局限化した存在なのだ。

 そして、そのリアルの喪失と探求に使われるのがセックスである。
オーガズムを感じたことがないソフィアがなぜオーガズムを感じな
いのか、そしてどうしたらオーガズムを感じることが出来るのかと
いう物語にそって描かれる人間とセックスとの関係によって“リア
ル”の問題を追及していく。
 オーガズムについてこの作品が語ることを簡単に言えば、オーガ
ズムというのは女性が外の世界や自分自身とどのように関わってい
るかを象徴的に示すものだということだろう。オーガズムを感じる
ことができないソフィアは外の世界に対しても自分自身に対しても
心を閉ざし、心の奥底にある何かを解放することを恐れている。ひ
とりでいるときにしかオーガズムを感じることが出来ないセヴェリ
ンは自分だけが抱え、外の世界には決して見せられない何かを抱え
ている。
 同じようにゲイのジェイムズやジェイミー、そしてそれを覗く男
のセックスに対する態度も彼らのあり方を表している。特にすべて
を撮影し、映像によってしか世界と関わることが出来ないジェイム
ズは決定的にリアルを喪失した存在だ。
 このソフィアとジェイムズを追ってゆくことで、リアルの所在は
少しずつ明らかになっていく。しかし最後まで決定的な答えは出な
い。セックスは人々にリアルを感じさせるものであると同時にそれ
を阻害するものでもある。
 しかし、いろいろ考えていくとただそれだけではないということ
もわかる。セックス抜きの親密な語らいも同じようにリアルなもの
だし、灯りがちらつくことで訪れる一瞬の静寂や最終的に訪れる停
電も文明とリアルということを考えさせる。
 この作品は決して手放しに面白いと賞賛できる作品ではないが、
ジョン・キャメロン・ミッチェルは本当にいろいろなことを考えて
いる人なのだということを感じる。『ヘドウィグ・アンド・アング
リーインチ』のほうがはるかに面白いが、この作品のほうがもしか
したら彼の考えをよく伝えているのかもしれない。



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□ ヒビコレリンク

 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』
  http://www.cinema-today.net/0207/06p.html


□ DVD今日の買い!

<今日の作品:ショートバス>

 『ショートバス スペシャル・エディション』
  http://tinyurl.com/2g4apz


<今日のお勧め>

 ジョン・キャメロン・ミッチェル関係

 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』
  http://tinyurl.com/2eppnf

 『ヴォイス・オブ・ヘドウィグ』(ドキュメンタリー)
  http://tinyurl.com/2zgogv

 『ターネーション』(製作総指揮)
  http://tinyurl.com/2ssm8j



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