ほぼ日刊日々是映画

[ほぼ日刊日々是映画] vol.2215 ★ 音のない世界で

=================================================2008/2/2==
                        -vol.2215--
  ほぼ日刊 日々是映画         発行:cinema-today
                http://www.cinema-today.net/
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2215号です。

冷凍餃子は大変なことになっていますね。
穴が開いていたということで、人為的なものかもしれないという
ことになっていますが、これだけ場所がばらけているということ
は人為的にしても輸入前になされているということですから、そ
れをチェックできなかったというのは…
さらには、その中国の工場では40歳以上の従業員が一律解雇され
ていたとか、JT株が事件公表の2日前に急落していたとか、い
ろいろな方向に波及しています。

原因はいろいろですが、地産地消のエコライフ、スローライフに
向かっているのでしょうね。グローバル化のさまざまな弊害が明
らかになって、世界は変わろうとしている。そんな気がします。
世界はグローバル企業ではなくもっと身近なところでつながって
いかなければならない。そんなことを思いました。

今日はフィリベールの『音のない世界で』です。


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-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 音のない世界で

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − 音のない世界で


--cinema2145------------

 音のない世界で

 Le Pays Des Sourds
 1992年,フランス,99分

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<キャスト&クルー>

監督 ニコラ・フィリベール
撮影 ニコラ・フィリベール
   フレデリック・ラブラックス
音楽 アンリ・メコフ

キャスト 

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 パリの聾学校、子供たちは手を口元に持っていって息がかかる感
覚で聞こえない音を出す練習をしている。聾の子供たちを持つ大人
たちのクラスでは、聾の男性が大きなゼスチャーで自分の経験を伝
える。
 聾の人たちがどのように感じ、どのように生活しているかを描い
たドキュメンタリー。


<レビュー>

 子供たちは繰り返し繰り返し聞こえることのない音を発する練習
をしている。補聴器をつければ、ある程度の音は聞こえるようなの
だが、それでもこれまで聞いたこともない音を、やったこともない
やり方で出そうということで、それがいったいどんな体験なのかは、
想像することすら難しい。彼らには自分が発している音がどう聞こ
えるか決してわからないのだ。新たな技術を身につけ、それを自分
の感覚で確認することができないまま実践していく。そのことの困
難さがまず気になる。
 しかし、子供たちも大人たちもそんなことを気に病む様子はあま
りなく、それぞれ生活を楽しみ、生き生きと暮らしている。もちろ
んその生活に苦労はあるだろうが、聾者同士の間では盛んに手話の
会話がなされ、音のない世界にある種の安心感を感じている。ある
若者はインタビューで始めて補聴器をつけたときの記憶を語り、家
に帰って補聴器をはずし、音のない世界に戻ると安心したと言う。
音のない世界が普通の彼らにとって音のある世界とは自分の感覚を
乱す、余計なものが多すぎる、煩雑な世界なのだろう。
 しかし、やはり社会とかかわらざるを得ないとき、そこには困難
が生じる。この作品の中で取り上げられているのは、若いカップル
が部屋を探しているシーンだ。ここでは若いカップルが何とか話が
できる友人と不動産業者と部屋を見に来ているのだが、なかなか話
が通じない。肝心の友人の発音ははっきりせず、唇を読むのも正確
にはできない。不動産業者の顔には明らかな戸惑いの表情が浮かぶ。
 ここで気づくのは、フランスの聾者に対する教育があくまでも自
立すること、健常者に混じっても普通に生活できることを目指して
いるようだということだ。手話や筆談を使って社会の中で困らない
ようになるのではなく、唇を読み聞こえない言葉をしゃべることで
うまくすれば聾と気づかれないくらいの生活を送れるようにする。
そこを目指しているような気がする。
 日本やアメリカを見ていると、そうではなくて社会も聾者のほう
に歩み寄り、妥協点というかどちらも多少の不便を感じながらも、
みなが生活できる環境を作ろうとしているように見えるのだが、フ
ランスの場合は聾者であっても一人の個人として社会に適応できる
ように努力しなければならないようになっている。ここにお国柄の
違いが感じられる。このあり方はどちらにもいい点もあれば、悪い
点もある。それはあくまで違いであってよしあしではない。

 とにかく、そのようなフランスの社会で生きる聾者たちの日常を
この作品はうまく切り取っている。その困難さを強調すると言うよ
りは、彼らも当たり前に生きているのだということを示している。
彼らと出会っても不動産業者のように戸惑うのではなく、一人の個
人として尊重し、対等に扱うこと、それが彼らにとって重要なこと
なのだ。もちろん耳が聞こえる人と聞こえない人の間に違いはある。
しかしそれは差異に過ぎない。耳が聞こえる人のほうが世の中には
多いから、社会が耳が聞こえる人に便利なようにできているという
だけで、耳が聞こえないことは必ずしも欠点ではないのではないか。
世の中が色々便利になったら、耳が聞こえる/聞こえないというの
は、右利き/左利きくらいの差異になってしまうかもしれない。
 そんなことをつらつらと考えてしまうくらいに彼らは生き生きと
していた。




□ DVD今日の買い!

<今日の作品:音のない世界で>

 『音のない世界で』のDVDは未発売です。
  ビデオはあります。


<今日のお勧め>

 数は少ないですが、ニコラ・フィリベールを。

 『ぼくの好きな先生』
  http://tinyurl.com/ytny6f

 『パリ・ルーヴル美術館の秘密』
  http://tinyurl.com/27yys4


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                     日々是映画第2215号
                      2007年2月2日発行
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