ほぼ日刊日々是映画

[ほぼ日刊日々是映画] vol.2064 ★ ボルベール


カテゴリー: 2007年07月12日
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                        -vol.2064--
  ほぼ日刊 日々是映画         発行:cinema-today
                http://www.cinema-today.net/
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2064号です。

台風が近づいております。
今回の台風は沖縄本島を直撃し、日本列島の南側をかすめるという
感じのルートという予想が出ていますが、かなり強そうなので、ルー
ト上の方はお気をつけください。
まあ、沖縄の方は私が言うまでもなく、対処法はわかっていらっしゃ
るのでしょうが…
九州はすでにたくさん台風が降っているから心配です。などといっ
ていると東京も直撃!なんてことに…
とりあえず心の準備だけはしておきましょう。
沖縄のライブカメラはこちら↓
http://blogs.dion.ne.jp/uminchu/
明日の今頃はどうなっていることやら…

今日の映画は『ボルベール <帰郷>』です。
これはよかった。公開したばかりです。皆様ぜひどうぞ。
私は前に座りすぎて目が疲れたので、あまり前に座りすぎないこと
をお勧めします。


みんなの日々是映画(再開してます)
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-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 ボルベール <帰郷>

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − ボルベール <帰郷>


--cinema2006-----------

 ボルベール <帰郷>

 Volver
 2006年,スペイン,120分

-----------------------

<キャスト&クルー>

監督 ペドロ・アルモドバル
脚本 ペドロ・アルモドバル
撮影 ホセ・サルセド
音楽 アルベルト・イグレシアス

キャスト ペネロペ・クルス
     カルメン・マウラ
     ロラ・ドゥエニャス
     ブランカ・ポルティージョ
     ヨアンナ・コボ
     チェス・ランプレアベ

<評価>

☆☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 娘と姉とともに故郷へ墓参りにやってきたライムンダはボケてし
まった伯母のもとをたずねる。ライムンダたちの両親は火事でなく
なり、ライムンダはは隣に住む幼馴染のアグスティナに伯母のこと
を頼みバルセロナに戻る。その翌日、一日中働いて帰ったライムン
ダを待っていたのは、娘のパウラが襲ってきた父親を刺してしまう
という事件だった…
 アルモドバルが自身の故郷であるラ・マンチャを舞台にしながら
女たちの人生を描いた力作。ペネロペ・クルスはアカデミー主演女
優賞にノミネートされ、カンヌ映画祭では6人の女優たちが女優賞
に輝いた。



<レビュー>

 アルモドバルはやはりすごい映画作家だ。彼は『セクシリア』か
ら一貫して自分で脚本を書き、監督しているわけだけれど、その力
は作を重ねるごとに増している。
 この作品はまず脚本がすばらしい。スタートは強烈な風が吹き荒
れるラ・マンチャであり、そのさびしい雰囲気の中にボケた伯母が
住んでいる。彼女は目も見えないのに姪たちのためにお菓子を用意
したりして、ちょっとした不思議が用意されていたりする。そして、
隣家にはヒッピーの母親が失踪してしまった幼馴染がいる。この故
郷からバルセロナへの道には巨大な風車が林立する荒野が広がり、
それはアイムンダたちが住む都会と故郷との距離感を表現する。彼
女は伯母ともアグスティナとも親しいが、そこには無視できない距
離が存在するのである。
 そして、事件は故郷とバルセロナで別々に起きる。故郷では伯母
が死に、バルセロナではライムンダの娘パウラが父親のパコを殺し
てしまう。そこからライムンダは持ち主に内緒でレストランを開く
ことになり、それがうっかり繁盛してしまうのだが、このあたりの
展開力にアルモドバルのストーリーテラーとしての力を感じる。た
だ悲惨で重苦しい物語になることを避け、そこにさらりと希望をも
ぐりこませるのだ。どうなるんだろうと観客に思わせながら、その
そこに脈々と流れる“女性”というテーマを観客に問う。その構成
が見事なのだ。
 “女”とは何か、“母”とは何か、男に虐げられる存在でありな
がら、力いっぱい子どもを守る。そのためには強かさも必要であり、
時には男をだましてわが身を守る。その中で女同士も反目したり、
和解したりするが、最終的には女同士は協力し、男たちに対抗する
のだ。アルモドバルはそんな女たちに囲まれ、彼女たちと価値観を
共有するようにして生きてきたのではないか。この作品の冒頭のお
墓のシーン、たくさんの女たちが墓の掃除をする中、たった一人だ
けおじさんがいた(ように見えたが、実はおじさんに見えるおばさ
んかもしれない)が、そのおじさんこそがアルモドバル自身の姿な
のではないだろうかなどと考える。

 映像のほうはいかにもアルモドバルという感じであまり変わらな
い。特にペネロペ・クルスが登場しているシーンの赤を中心とした
色合いやものがやたらと押し込まれているよいな画面の印象はそれ
こそ『セクシリア』の頃から変わらないものだ。そしてそこに極端
なクロースアップを織り交ぜて生々しさを出し、ごくまれに真上か
らのショットなどをはさんで映像に変化をつける。この作品はそれ
にラ・マンチャの灰色の風景を付け加えることで対比を際立たせて
もいる。
 ペネロペ・クルスもハリウッドでちゃらちゃらした作品に出るよ
り、スペインでこのようなしっかりした作品に出たほうが力を発揮
できる年齢になってきたようだ。この作品でも彼女はいかにもな妖
艶さを発揮してはいるが、アルモドバルが執拗に映す後姿では大き
いお尻が少し垂れ、彼女の年齢とライムンダの疲れをそのお尻だけ
で表現しているのだ。もちろん彼女自身はハリウッドをあきらめた
わけではないだろうし、ハリウッドでもしっかりした作品に出れば
いつかはアカデミー賞だって取れるだろう。ただのトム・クルーズ
の元妻ではなく、トム・クルーズを利用してのし上がったくらいの
風評を得られるようになれば、アルモドバルっ子の面目躍如だろう。
ハリウッドではいまだにラテン系美女といえばただ妖艶さだけが注
目されるが、ペネロペ・クルスはその妖艶さに年齢が重なったとき
に出る甘ったるいような匂いを表現できる女優になれるのではない
か。アルモドバル作品に出ている彼女を見ていると、そんな過度の
期待をしたくなる。
 ボルベール(volver)はスペイン語で「帰る」という意味で、も
ちろんここでは故郷への帰還、死者の帰還を意味し、ライムンダが
歌う歌の歌詞でもあるわけだが、もしかしたらペネロペ・クルスの
スペインへの帰還もかけているのかもしれないなどとも考えてみた。



□ ヒビコレリンク

 『セクシリア』
  http://www.cinema-today.net/0507/14p.html

 『オール・アバウト・マイ・マザー』
  http://www.cinema-today.net/0102/26p.html

 『バッド・エデュケーション』
  http://www.cinema-today.net/0504/21p.html



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□ DVD今日の買い!

<今日の作品:ボルベール <帰郷>>

 『ボルベール <帰郷>』(発売時期未定)
  http://tinyurl.com/2clpff


<今日のお勧め>

 アルモドバル作品を

 『ペドロ・アルモドバル・セレクション DVD-BOX』
  http://tinyurl.com/2dkmkd
  『欲望の法則』と『ライブ・フレッシュ』の2本。

 『ペドロ・アルモドバル DVD-BOX』
  http://tinyurl.com/23f4gz
  『バチ当たり修道院の最期』『グロリアの憂鬱』『私の秘密の花』
  『トーク・トゥ・ハー リミテッド・エディション』の4本。

 『オール・アバウト・マイ・マザー』
  http://tinyurl.com/27txtn

 『トーク・トゥ・ハー』
  http://tinyurl.com/ysvhgl




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