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カテゴリー: 2011年06月29日
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☆☆ PSコラム ☆☆

   「工作の授業をもっと充実させたらどうか」

   先日、自分の描いた水彩画を入れる額縁を作ろうとした。4本
   の板きれの両端を45度の角度に切り、それらをつなぎ合わ
   せれば良いと考えた。ノコギリで板を切るのは慣れている積
   もりだったが、いざ作ってみると、45度の角度に正確に切
   ることができず、額縁の4隅にちょっと隙間が空いてしまう。
   どうやったら正確に45度に切ることができるか、試行錯誤
   を繰り返し、たどり着いた答えはちょっとした隙間は糊で埋
   めてしまうという安易な方法だった。
 
   こうした木工作業をしながら、思い出したことがある。小学
   校の6年生のときに、工作の時間で椅子を作ったことだ。春
   から1年生になる後輩のために、ひとり1脚づつ作るのが、目
   標だったのだ。数時間の苦闘の結果、思いがけず立派な椅子
   ができあがり、嬉しかったことを今も忘れない。私の子供の
   ころ、小学校を卒業して大学まで行く人は全生徒数の10%
   程度にすぎず、こういう工作の授業はみんなが熱中できる楽
   しい時間だった。私よりさらに昔の時代には、小学校を出て
   からすぐに社会に出て行く子供も多かった。それを反映して
   か、明治から大正の時代にかけては、小学校における工作の
   時間は充実していた。子供たちは、読み書きそろばんの他に、
   手に職をつけるための技術を学ばなければならなかったので
   ある。

   手元に、明治41年に発行され、大正11年にいたるまで出版
   されつづけた、手工教科書という本がある。手工とは、今の
   言葉の工作で、小学校の図工という意味に相当する。著者は
   上原六四郎という有名な建築家、工芸家で、小学校における
   手工科の重要性を説いた人である。この本の第26節に「額
   縁(工夫製作、用材欅(けやき))」という節があった。早
   速読んでみると、板を直角に接合する様々な方法について書
   いてあった。木片の両端を45度に切らずに接合する方法も
   説明してあった。こちらの方が、鋸の精度が悪くても直角に
   なりやすいように思われる。その後に、木片同士を接着する
   糊の作り方(飯粒を押しつぶす方法で、昔は誰でもそれを知
   っていた)、膠の作り方なども説明してある。もちろん、定
   規、曲尺、鋸、かんな、板の見分け方なども順をおって説明
   されており、これを読んで実習すれば、大工さんの弟子にで
   も成れそうな教程である。こんなことを教わった小学生は、
   きっとその後の人生で徳をしただろうなぁと思う。

   明治から大正の教程にくらべ、今の小学校の図工の時間では、
   どうも創造性、芸術性を尊重しすぎているように思われる。
   たとえば文科省で出している図工の指導要領における小学校
   三,四年生の項には「豊かな発想や創造的な技能などを働か
   せ,その体験を深めることに関心をもつとともに,進んで表
   現する態度を育てるようにする。」と書かれている。他の学
   年の項も大同小異である。これは足し算、引き算が出来る前
   に、かけ算、割り算を教えるようなものではないか。創造性
   を育てるのは勿論重要だが、その基礎となる技術、技量を教
   えることこそ、小学校の教育の要ではないのか、と私は思う。
   どんな仕事でも、かならず基礎を固めたうえではじめて、そ
   の先の成果が上げられる。数学を知らないでは物理学は分か
   らないし、鋸の使い方をしらないと創造的な工作は出来ない。
   小学校で英語を教えるよりも、こういった小刀や鋸や鉋の使
   い方などを教えるほうが、子供の将来の人生にとってはるか
   に大切なのではなかろうか。

   時代は変わっても、根本的な考え方は変わらないものだ。年
   をとるにつれ、小学校の教育の重要性が身にしみて分かるよ
   うな心持ちがする。これからの子供たちが、将来の人生のな
   かで、何かしら楽しい芽をつかめるような教育になって欲し
   いと切に思う。
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☆☆ YMコラム ☆☆  

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☆☆ ホットトピックス ☆☆

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