安心!?食べ物情報

安心!?食べ物情報 Food Review 633


カテゴリー: 2011年12月25日
安心!?食べ物情報633号
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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------632号--2011.12.25------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「Q&A」「放射性物質の新基準値案」

-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 NHKの番組で、こんなミスがあったそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 NHKの朝の情報番組「あさイチ」が食事に含まれる放射性物質
量を誤って放送した問題で、NHKは15日、同番組内で改めてミ
スの経緯を取り上げ、「検出器の不具合で、放射性物質の種類と量
を示すグラフがずれて表示されため」と説明した。

 問題の放送は10月17日の「放射線大丈夫?日本列島・食卓ま
るごと調査」。全国各地の7家族から提供された食事サンプルを
「ゲルマニウム半導体検出器」で調べ、4家族分から1キログラム
当たり5・69~3・39ベクレルのセシウム134が検出された
とした。しかし、これは自然界に存在する別の放射性物質の数字で、
実際にはセシウム134は検出限界以下。NHKは11月24日の
放送で訂正、謝罪していた。

 調査を行った首都大学東京の福士政広教授は、グラフ表示がずれ
ていたことについて「値が小さかったため気づかなかった」と話し
ているという。

 NHKによると、この問題で視聴者から11月24日以降、約8
00件の意見が寄せられた。15日の放送で有働由美子アナウンサ
ーは7家族に対し「2カ月間、不安な思いをさせてしまい、ご迷惑
をおかけしました」と謝罪した。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111215/dst11121510240005-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この件については、以前にこう紹介していました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今回、NHKが行った調査は、全国7家族(福島2家族を含む)
の1日分の食事をミキサーにかけた7日分、合計49サンプルの放
射性セシウムを測定するもの。サンプルは9月中旬に集められ、測
定は首都大学東京の福士政広教授が、ゲルマニウム半導体検出器を
用いて高い精度で行っている。

 その結果、放射性セシウムが検出されたのは5サンプルで、7家
族中5家族のそれぞれ1日分だけが検出された。検出されたのは、
北海道、福島須賀川、東京江戸川と目黒、大阪で、数値は全て10Bq
/kg以下。福島郡山と広島では検出されなかった。

http://www.foocom.net/secretariat/media/5084/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ごくわずかしか検出されなかった、という報道と理解していまし
たが、実際にはすべて検出していなかったというわけです。

 話の大筋は変わりませんが、今となれば、あのとき、通常の食事
全体のサンプルからセシウム134が検出されるのはおかしい、と
気づかなければいけなかったですね。

 というのは、セシウム134が検出される食品もあるにはありま
すが、私たちの食べている食品のほとんどからは検出されていない
からです。

 農水省がキャンペーンをしている、食糧自給率の話を思い出して
も、大多数の食品がセシウム134とは関係ないのですから、北海
道や大阪で、検出されたということ自体、疑ってみるべきでした。

 NHK以外はこのような報道をしていませんので、報道の姿勢は
評価できると思いますが、如何せん計測を頼んだところがあまりに
レベルが低かったようです。

 計測機器から出てくる数値を読み間違ったということは、サルで
もできるレベルの計測しかしていなかったということです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 私はサルの撮った「写真」は写真ではないと考えている。

 昔,写真を撮ることは大変だった。露光時間,露出,被写体まで
の距離などを設定する必要があった。現在は一眼レフでもこれらを
自動的に設定してくれ,ピンぼけ写真を撮ることさえ困難になった。
いまなら,シャッターの押し方さえ教えればサルでも「写真」が撮
れる。しかし,如何に技術が進歩してもそれで優れた写真家が生ま
れる訳ではない。所詮,サルの撮った「写真」は写真とはいえない。

 最近,測定のできない新人社員が配属されることが多くなった。
機器に表示された数字を書き写すだけで,その数値の意味を理解し
ようという発想がないのである。それでは「測定した」とはいえな
い。

(略)

 建設省や環境庁がこのような杜撰(ずさん)な測定を大規模に実
施した責任は重い。分析化学者に依頼すべき測定をサルに委託した
のだから。

http://www.tv-naruto.ne.jp/gregarina/I1C.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q.生レバーの記事でふと不思議に思ったのですが、ユッケ、レバ
ーに放射線照射という手はないのですか?照射量は増えるでしょう
が、最近問題になっている馬肉やヒラメの寄生虫にも使えないもの
でしょうか。なによりヒラメの食中毒は衝撃的で、もし養殖魚全体
に広がれば、刺身や鮨も安心して食べられないわけです

------------------------------------------------------------

A.もちろん、そういう解決策はあると思います。というより、生
の肉を安全に食べようと思えば、ほとんど唯一の対策です。

 放射線照射は安全性の高い技術ですが、照射そのものは放射線源
を扱うため、どこでも、誰でもというわけにはいかない技術です。
そのために簡便なX線源を使う技術などがあればよいと思ったこと
もあります。

 今すぐ実現するのはいろんな意味で難しいと思いますが、いずれ
は現実のものとなる時代も来るのではないでしょうか。

 ただし、肉を生で食べることに、それほどの価値があるのかどう
かは疑問です。生のものを食べること自体、安全面からはやめてお
いた方がよいのは確かですし、伝統的な食文化とはあきらかに違う、
ある意味悪趣味に食文化だと考えています。

 そういう意味で、刺身も含めて、あまり生食文化が広がるのは賛
成ではありません。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「放射性物質の新基準値案」
------------------------------------------------------------

 新しい放射性物質の基準値が検討されています。念のため書いて
おきますが、以下の記事などで○ベクレルと書いているのは、食品
1kg中の、セシウム134によるベクレル数です。

 チェルノブイリの事故当時は、食品1グラム中のベクレル数で表
現していたと記憶していますが、当時からすると1000倍のイン
フレを起こしています。

 私は当時の理解に基づいて、1ベクレル/グラムくらいは問題な
しと思っていましたが、下に出てくる「100ベクレル」というの
は0.1ベクレル/グラムです。ものすごく低い値ですので、ご注
意ください。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

一般食品100ベクレル 飲料水10ベクレル 放射性物質の新基
準値案 2011.12.20

 食品に含まれる放射性物質の暫定基準値に代わる新たな基準値作
りを進めている厚生労働省は20日、「一般食品」は1キロ当たり
100ベクレル、新設の「乳児用食品」と「牛乳」が同50ベクレ
ル、「飲料水」は同10ベクレルとする新基準値案をまとめた。暫
定基準値より大幅に厳しい値となる。22日の薬事・食品衛生審議
会の部会で提示する。新基準値は来年4月から適用される見通し。

 厚労省は、新基準値設定にあたり、放射性セシウムによる年間被
曝(ひばく)の許容上限を暫定基準値の「5ミリシーベルト」から
「1ミリシーベルト」へ引き下げることを決定。「1歳未満(乳児)」
「1~6歳」「7~12歳」「13~18歳」「19歳以上」の年
齢区分でそれぞれ許容できる上限値を計算し、最も厳しい値を採用
するとしていた。

 厚労省によると、世界保健機関(WHO)の基準を踏まえ、年間
被曝許容上限1ミリシーベルトのうち0・1ミリシーベルトを「飲
料水」に振り分け、1キロ当たり10ベクレルと設定。その上で食
品中の放射性セシウムによる年間被曝を残る0・9ミリシーベルト
以内に抑えられるよう、平均食品摂取量などを考慮し、各年齢区分
や男女別の1キロ当たりの上限値を計算した。

 その結果、許容上限値が最も厳しかったのは、食べ盛りで食品摂
取量が多い13~18歳の男子で1キロ当たり120ベクレルだっ
たが、安全性を重視し「一般食品」は同100ベクレルとした。乳
幼児の年代も計算上の上限値は120ベクレルを超えているが、被
曝の影響を受けやすいとされることに配慮。「乳児用食品」と子供
の摂取量が多い「牛乳」は「一般食品」の半分の同50ベクレルと
した。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/111220/trd11122023060015-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この基準値は「4月から適用」されるのですね。計算の基準を、
「5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに」変更したということ
ですが、事故から1年を経過して、1ミリシーベルト以下になるこ
とを前提とした基準値を設定できるというのは、事故後の放射性物
質の管理がうまく行っていることを意味していると思います。

 あとは実際に4月以降、この基準値が現実的な数値であることを
期待したいです。つまり、ほとんどの食品から、この基準値以下の
放射性物質しか検出されないことが必要だということです。

 基準値を下げたために、それを超過する食品が多数出てしまった
のでは、基準値を下げたことは間違いだったということになります。

 そういう意味で、以下のような心配はあたっているところがあり
ます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

食品と放射能 厳し過ぎて混乱招かぬか

 厚生労働省がまとめた食品中の放射性物質についての基準値案が
22日、薬事・食品衛生審議会の部会で了承された。

 福島第1原子力発電所の事故後に定められた暫定基準値に比べる
と20分の1~4分の1という低い値になっている。この新基準値
案は、現状において厳し過ぎないか。

 原発からの新たな漏出は収まっているものの、環境中には事故直
後に飛散した放射性セシウムなどが存在している。

 この状況下で基準を大幅に厳しくすれば、出荷停止となる食品が
急増しかねない。風評被害が、震災からの農業などの復興を妨げた
りはしないか心配だ。

 新基準値案では、「飲料水」の上限が1キロ当たり10ベクレル
とされたのをはじめ「乳児用食品」と「牛乳」がそれぞれ50ベク
レル、野菜や穀類、魚肉類などの「一般食品」が100ベクレルに
改められた。

 現行の暫定基準値は、飲料水と牛乳・乳製品で各200ベクレル、
野菜などで500ベクレルとされている。乳児用食品は、新基準で
設置された区分である。

 放射線の被曝(ひばく)と健康について考えるとき、目安として
忘れてはならないのが、事故とは関係なく、もともと自然界に存在
している放射性カリウムなどの存在だ。

 それを飲食物を通じて摂取している結果、人体は約6000ベク
レルの放射能を帯びている。体重60キロの人なら1キロ当たり1
00ベクレルという計算だ。健康人の体内の放射能の方が、新基準
値案の飲料水や牛乳のレベルを上回っているわけである。ここにも
基準値案の厳しさの一端が、顔をのぞかせる結果となっている。

 新基準値案は、安全よりも安心志向の規格といえる。平常時なら
厳しい基準が適用されて当然だが、今の被災地などの生活環境は、
いまだ非常時に近い。そこに平常時に準じた数値を導入すれば、測
定値のわずかな超過によって、不安や混乱をあおり立てることにな
りかねない。

 厚労省は来年4月からの新基準導入を目指しているが、急ぎ過ぎ
だ。適用を数年延ばしたり、基準を段階的に厳しくしたりする措置
を講じることが望ましい。

 それと同時に基準値の持つ意味を国民に分かりやすく説明する努
力が必要だ。消費者や生産者、販売者の理解がなければ、食の安全
の真の目安にはなり得ない。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111223/plc11122303030010-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最近の検査結果が以下のところにあります。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001yvf2-att/2r9852000001yvje.pdf

 これによると、福島県近海の魚類は100ベクレルを越えるもの
が多いです。肉類はほとんど検出されず、野菜ではごく一部で越え
ているものがあります。

 実態からすると、まだ少し不安があるようですが、4月までにこ
れが終息していると予想してのことなのか、少し疑問ですね。

 この基準値案を考えた人たちが、その現実との対応を考えている
のかどうかが問題です。上の意見は、考えずに机上の空論に走って
いるのではないか、という内容です。

 もう一つ、心配なことがあります。それはこの基準値が守られる
かどうかということです。

 基準値を守るというのは、基準値を越えたものは食用としない、
という意味の他に、基準値以下なら安全とみなす、という意味もあ
ります。

 この基準値では、乳児用食品は50ベクレル以下であることを求
められています。

 先日問題になった粉ミルクは最大30ベクレルという値でした。
この基準値の施行下では、安全と見なす必要があり、回収は間違っ
た判断として阻止しなければいけないのです。

 前にも書きましたが、基準値以下でも回収ということがまかり通
るなら、基準値などない方がましです。

 また、以前から問題になっていた、乾燥食品などに対する考え方
は、新基準値では大きく変更になるようです。

 まず、乾燥食品のうち、食べるときに水戻しをしてから使うもの、
干しいたけ、海藻類、乾燥野菜などは水戻しをした状態で計測しま
す。ただし、海苔などのように乾燥状態でそのまま食べるものは、
乾燥状態で計測します。

 油脂原料は原料での計測ではなく、油脂になった状態での計測、
お茶などは飲むときの状態での計測で、「飲料水」の基準が適用さ
れます。

 これでお茶が基準値を越える可能性はなくなりました。というよ
り、来年のお茶から検出されるはずもないのですが。

 あとは食べる量が違う食品に、一律で同じ基準というのは問題あ
りと思います。ご飯と海苔で同じ濃度を求めても、意味はないと思
います。

 チェルノブイリの事故当時も、問題となったのは香辛料などが多
く、一回に1グラムも食べないようなものは、計測する必要すらな
いのではないかと思ったものです。

 また、加工食品などには移行期間が設定されています。4月から
の施行ですので、3月までに作られた加工食品はそれまでの暫定基
準値が適用され、4月以降に製造される分からの新基準値適用とな
ります。

 米、牛肉、は2012年10月から、大豆は2013年1月からの適用にな
ります。このあたりの経過措置を見ていると、先ほど書いた現実と
の整合性は考えていないこともないのかもしれません。

 このあたりの話は報道にはほとんど出てきていません。厚生労働
省のサイトの資料に断片的に出ていますので、ごらんください。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001yw1j.html

 本格的な広報はこれから4月にかけて行われるのでしょうが、も
う少し発表方法を工夫してほしいものです。

 今回の記事については、FOOCOM.NETの会員向けメールマガジンか
らの受け売りです。特に経過措置などについては、その紹介がなけ
れば気づきませんでした。

 経過措置について、NHKは以下のように報道しています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 厚生労働省がまとめた食品に含まれる放射性物質の新しい基準の
案について、災害時のリスク心理学などが専門の東京女子大学の広
瀬弘忠名誉教授は、「これまでの暫定基準値よりかなり厳しい基準
になっており、乳児用食品の基準がほかの食品と分けて示された点
も消費者に分かりやすく、よかったと思う」と、一定の評価をしま
した。一方で、基準の適用に経過措置の期間が設けられることにつ
いては、「経過措置を取っている間は一部の食品はこれまでの暫定
基準値で流通するので、消費者の理解を得られるか疑問だ。経過措
置はできるだけ取らないほうがいい」と話し、速やかに新たな基準
を適用していくべきだと指摘しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111220/k10014781311000.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 計測値を間違えて報道していた機関に言われるのも何ですが、こ
の教授の頭の中では、具体的にどうして計測し、どうして管理して
いくのか、考えたこともないのでしょうね。

 経過措置をとらなくて、過去に遡って調べられると思っているの
でしょうか。

 事故後の放射性物質管理としては、少し急ぎ過ぎとも思える新基
準です。経過措置をなくしてしまえば、4月からの実施ではなく、
即日実施と同じ意味になってしまいます。それはいくら何でも無理
があるでしょう。

 こういう人は、規制値を下げれば現実もついてくるように思って
いるのでしょうが、残念ながらそうはいきません。

 とはいえ、冒頭の誤報問題でも明らかなように、別に現在でも、
放射性物質による危険があるわけではないのですが。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 23日は大阪のホテルで岩崎宏美ディナーショーに行ってきまし
た。そのままホテルに泊まり、珍しくクリスマスしてきました。こ
のところずっと、クラシックも中国語もやめて岩崎宏美の歌ばかり
聞いていましたので、本物が聞けて満足でした。握手までしてもら
いました…。

 それで中国語の方は検定2級に落ちてしまいました。前回ダメだ
ったリスニングは合格点でしたが、今度は筆記の方がダメでした。
やはりちゃんと勉強していかないからですね。

 次回はもう1月1日なので、今年最後の配信となります。今年も
一年、ご講読ありがとうございました。

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