Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.1809]~『七つの会議』

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☆   「Cinemaの王国」  vol.1809(2019. 2.12)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観る(ぽち)が、映画館
で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。
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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ─『七つの会議』─
◆2.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! ~『七つの会議』~
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●『七つの会議』
(2018年 日本)(上映時間1時間59分)
監督:福澤克雄
出演:野村萬斎、香川照之、及川光博、片岡愛之助、音尾琢真、藤森慎吾、朝
倉あき、岡田浩暉、木下ほうか、吉田羊、土屋太鳳、小泉孝太郎、溝端淳平、
春風亭昇太、立川談春、勝村政信、世良公則、鹿賀丈史、橋爪功、北大路欣也
*TOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開中
ホームページ http://nanakai-movie.jp/
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<ストーリー>
都内にある中堅メーカーの東京建電。万年係長の八角民夫(野村萬斎)は、ぐ
うたら社員だった。定例の営業会議で、営業部長・北川(香川照之)の激しい
檄が飛ぶ中、のんきにイビキをかいて寝ていた。そんな八角を年下のエリート
課長・坂戸(片岡愛之助)は激しく叱責する。すると、八角は坂戸をパワハラ
で訴え、坂戸は意外にも左遷させられてしまう。そんな中、新たに課長に着任
した原島(及川光博)は、一連の人事の裏にある秘密を探り始める……。

<レビュー>
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エンターティメントに徹した企業ドラマだがメッセージ性も
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人気作家・池井戸潤の小説が原作です。監督は「半沢直樹」「下町ロケット」
など池井戸潤原作のヒット・ドラマを多数手がけている福澤克雄。キャストも、
過去の池井戸ドラマでおなじみの役者がたくさん揃っています。

映画の冒頭は、都内にある中堅メーカーの東京建電の定例の営業会議。そこで
営業部長の北川は、原島課長率いるノルマ未達の営業2課を厳しく叱責します。
その一方で、ノルマをクリアした坂戸課長率いる営業1課を称賛します。そして
全員に激しい檄を飛ばします。

そんな中、いびきが聞こえてきます。営業1課の万年係長・八角民夫です。彼は
いわゆる「ぐうたら社員」。それを見た北川部長は激怒する・・・かと思いき
や、そうはならなりません。実は、この行動の背景には、ある大きな秘密が存
在していたのです。

この映画、映像、演技、演出などすべてが仰々しくてマンガチック、そして勧
善懲悪の時代劇風でもあります。しかし、これは意図したものでしょう。そう
やって全体のタッチはエンターティメントに徹して、誰でも気軽に楽しめる映
画にしようというのが、作り手の狙いなのだと思います。ユーモアも随所に織
り込まれています。

もう一つ、特徴的なことがあります。この映画は中盤まで、モノローグによっ
てドラマが進行します。それも、次々に主要な人物が交代でモノローグを担当
するのです。それが視点の変化を促し、謎も増幅していきます。

まもなく、八角を年下のエリート課長・坂戸が激しく叱責します。すると、八
角は坂戸をパワハラで訴えます。その結果、坂戸は意外にも左遷させられてし
まうのです。

ここからドラマが動き始めます。同時に、親会社の横暴、社内の権力争いなど
も描かれます。全体のタッチにリアリティはなくても、ドラマの展開はリアリ
ティ充分。どこの会社でも起こりそうなことが、巧みに散りばめられています。
これが池井戸作品の魅力なのでしょう。

中盤以降は、左遷された坂戸に代わって、新たに営業1課長に着任した原島と、
不倫の果てに退社を決意した女子社員・浜本優衣の2人が、八角が抱えている秘
密を探る展開になります。そこには、不正、隠蔽など、現実の事件ともリンク
するリアリティのあるネタが用意されています。

さらに、八角の過去の人生をさりげなく描き、その心の傷を行動の源泉に据え
ます。それも含めて、様々な要素をテンコ盛につるめ込んでいるのに、オー
バーフローになっていません。

クライマックスの会議も大迫力。そして、エンドロールでの八角の言葉。不正
や隠ぺいに加担する日本人の心根をサムライにまでさかのぼって分析し、それ
でも少しは改善できるかも・・・という明確なメッセージを放っています。単
なるエンターティメントだけでなく、メッセージ性もある映画なのです。

超豪華なキャストも魅力。サービス精神満点の企業エンタメ映画であるのと同
時に、企業や組織、そこで働く人々のあり方などをさりげなく問うあたり、な
かなかの作品だと思います。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)
(86点)

2019年2月7日(木)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午前11時30分の回
                       (ぽち)

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◆2.ぽちのひとりごと
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*また『キネマ旬報』のベストテン発表号を買ってしまった。たいして読みも
しないのだが、習慣になってしまった。
                       (ぽち)

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発行周期: 週刊(毎週金曜+不定期の水曜) 最新号:  2019/03/20 部数:  1,005部

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