Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.1794]~『おかえり、ブルゴーニュへ』

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☆   「Cinemaの王国」  vol.1794(2018.12.18)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観る(ぽち)が、映画館
で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。
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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ─『おかえり、ブルゴーニュへ』─
◆2.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! ~『おかえり、ブルゴーニュへ』~
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●『おかえり、ブルゴーニュへ』(CE QUI NOUS LIE/BACK TO BURGUNDY)
(2017年 フランス)(上映時間1時間53分)
監督:セドリック・クラピッシュ
出演:ピオ・マルマイ、アナ・ジラルド、フランソワ・シヴィル、ジャン=マ
ルク・ルロ、マリア・バルベルデ、ヤメ・クチュール、カリジャ・トゥーレ、
フロランス・ペルネル、エリック・カラヴァカ、ジャン=マリー・ヴァンラン、
テウフィク・ジャラ
*ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開中。全国順次公開予定
ホームページ http://burgundy-movie.jp/
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<ストーリー>
フランスのブルゴーニュ地方でワイン生産業を営む一家の長男ジャン(ピオ・
マルマイ)は、家業を嫌って世界を旅するために故郷を飛び出した。家族とは
音信不通だったが、父の病状が思わしくないと知り10年ぶりに帰郷する。妹の
ジュリエット(アナ・ジラルド)、弟のジェレミー(フランソワ・シビル)と
再会するが、父はまもなく死んでしまう。残されたブドウ畑や自宅の相続問題
が浮上する中で、葡萄の収穫時期を迎え、兄弟たちは協力し合う。その一方で、
3人はそれぞれ大きな悩みを抱えていた……。

<レビュー>
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四季の移ろいの中でのワインのような味わいを持つ家族ドラマ
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タイトル通り、ワインの産地として名高いフランスのブルゴーニュ地方を舞台
にした家族のドラマです。

ブルゴーニュにあるドメーヌ(ワイン生産者)の長男ジャンが帰ってきます。
彼は10年前に、このまま家業を継ぐことを嫌い、世界を旅するために故郷を飛
び出しました。その間、家族とは音信不通でしたが、父の病状が思わしくない
と知って10年ぶりに帰郷したのです。

ジャンは、家業を継ぐ妹のジュリエットと、別のドメーヌの婿養子となった弟
のジェレミーと再会。しかし、まもなく父が死んでしまいます。このままでは
相続税が払えない3人は、残されたブドウ畑や自宅の相続をめぐってあれこれと
思い悩みます。

3人は、それぞれに悩みを抱えています。長男のジャンは家を出てからある女性
と結婚し、子供が生まれ、オーストラリアでワインを造っていました。しかし、
その女性との関係がギクシャクして破局寸前。父についてワイン造りを続けて
いた長女のジュリエットは、醸造家としての自分に自信が持てずにいます。そ
して、次男のジェレミーは、何かと干渉してくる義父や義母との関係に頭を悩
ませています。

ドラマのスタート当初、彼らは一様に暗い顔をしています。それが様々な出来
事を通して変化していくところが、このドラマの肝です。

3人の変化を促すのはワイン造り。苦悩を抱え、そこに相続という難問まで浮上
する中でも、ワイン造りは止められません。葡萄の収穫時期を迎え、兄、妹、
弟は協力し合うことにします。

『猫が行方不明』『スパニッシュ・アパートメント』などで知られるセドリッ
ク・クラピッシュ監督が、ブドウ畑をはじめとするブルゴーニュの四季の移ろ
いをていねいに追いかけた映像が、この映画の最大の魅力。それを背景に、そ
れぞれの悩みと向き合い、迷いながらも前に進もうとするジャン、ジュリエッ
ト、ジェレミーの悲喜こもごもを描き出します。

そこでは、現在のジャンと少年時代のジャンが同じシーンに登場したり、死ん
だ父がジャンの前に現れるといったファンタジックなシーンも飛び出します。
ジャンが自らの心情をセリフや独白で饒舌に語ってしまうのはやや興ざめです
が、それでも彼らの心の変化は自然に受け止めることができました。

最後は、3人の成長をきっちりと見せます。それぞれの抱えた問題に決着をつけ、
さらに相続問題にも結論を出します。

この映画から伝わってくるのは、ワイン造りは人生そのものだということ。ワ
インは繊細なもので、ちょっとした違いで個性が生まれます。ジャン、ジュリ
エット、ジェレミーも個性があるからこそぶつかり合い、理解し合う。そして、
人生も、ワインも、時間とともに熟成していく。

人生の喜怒哀楽をワイン造りと結びつけたのがこの映画の見事なところ。派手
さはないものの、ワインのように味わい深い家族ドラマです。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)
(86点)

2018年12月12日(水)ヒューマントラストシネマ有楽町にて。午後6時45分の回
                       (ぽち)

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◆2.ぽちのひとりごと
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*新宿K's cinemaで2010年の瀬々敬久監督の「ヘヴンズストーリー」の8年目の
アンコール上映を観てきました。4時間38分の長尺ですが、素晴らしい映画です。
21日までの上映なので未見の方はぜひ!!
                          (ぽち)

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発行周期: 週刊(毎週金曜+不定期の水曜) 最新号:  2019/02/14 部数:  1,010部

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