Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.1779]~『日日是好日』

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☆   「Cinemaの王国」  vol.1779(2018.10.22)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観る(ぽち)が、映画館
で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。
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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ─『日日是好日』─
◆2.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! ~『日日是好日』~
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●『日日是好日』
(2018年 日本)(上映時間1時間40分)
監督・脚本:大森立嗣
出演:黒木華、樹木希林、多部未華子、原田麻由、川村紗也、滝沢恵、山下美
月、郡山冬果、岡本智礼、荒巻全紀、南一恵、鶴田真由、鶴見辰吾
*新宿ピカデリーほかにて全国公開中
ホームページ http://www.nichinichimovie.jp/
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<ストーリー>
真面目で、理屈っぽくて、おっちょこちょいの二十歳の大学生・典子(黒木
華)は、母から勧められて気乗りしないまま、同い年の従姉妹・美智子(多部
未華子)と一緒に茶道教室に通うことになる。"タダモノじゃない"と噂の武田
先生(樹木希林)の指導で稽古を始めるが、意味も理由も分からない所作の
数々に戸惑う。それから20数年にわたり武田先生の下に通う典子だったが……。

<レビュー>
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茶道を通して一人の女性の人生を描く。樹木希林の圧巻の演技!
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森下典子のエッセー『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』を大
森立嗣監督が映画化しました。大森監督は、『さよなら渓谷』『光』など、人
間の暗部をグリグリとえぐり出すような作品も多いのですが、今回はまったく
違うタイプの作品。

一人の女性の人生を茶道を通して描いたドラマです。主人公の二十歳の大学
生・典子が、母から勧められて気乗りしないまま、同い年の従姉妹・美智子と
一緒に茶道教室に通うことからドラマが始まります。

指導するのは武田先生。茶道には難しい所作がたくさんあります。武田先生が
言うには「お茶は形から入って、後から心がついてくる」もの。しかも、それ
ぞれの所作の意味や理由は、武田先生にもわかりません。そのため、典子たち
は戸惑ってしまいます。

しかし、意味や理由がわからなくても、繰り返すうちに自然に茶道が身につい
ていきます。この映画の冒頭では、10歳の頃の典子が両親とともに映画館でフ
ェリーニの『道』を鑑賞するものの、まったくつまらなかったと感じたエピ
ソードが語られます。だが、やがて彼女は成長して『道』が好きでたまらなく
なります。それと同じように、茶道の魅力もいつの間にか理解するのです。

そんな典子と茶道との関係と並行して、彼女の人生も描かれます。彼女は20数
年にわたって武田先生の下に通います。その間には様々な出来事が起きます、
就職に失敗したり、人生の先を行く美智子に複雑な思いを持ったり、婚約者に
裏切られたり。

そんな人生の節目には、いつも武田先生がそばにいました。特別なことをする
わけではありません。直接慰めたり、叱咤激励することもありません。ほんの
さりげない言葉をかける程度。しかし、それが実に温かで、ごく自然に典子に
寄り添うのです。

何しろ武田先生を演じるのは、本作の公開直前に亡くなった樹木希林です。こ
れまでに様々な役を演じてきた彼女ですが、この役はまさに重ねてきた年輪の
なせる業。すべてを包み込み、細かなことに一喜一憂せず、穏やかに相手に対
します。わずかなセリフと佇まいだけで、典子に心を寄せる。その絶妙の距離
感は、なまじの役者では表現できないでしょう。まさに圧巻の演技です。

特に素晴らしいのが、典子が大切な人の死に直面した時。自責の念と後悔を抱
えた彼女に対して、自らの過去の経験もふまえて、優しく寄り添うその姿には
ただ感動するばかりでした。

大森監督は、茶室を中心に四季の移ろいを丹念に捉え、典子たちの平凡な日常
を魅力的に映し出します。しかし、その平凡さの中にもささやかな変化があり
ます。人生、すべてが良いことばかりではありません。だからこそ、武田先生
の茶室にかけられた「日日是好日」の言葉が重要な意味を持つのです。

多くの年月を重ねて、典子がそのことを理解してドラマは終焉を迎えます。穏
やかで静かで心が洗われるような映画でした。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)
(88点)

2018年10月20日(土)シネ・リーブル池袋にて。午前11時40分の回
                       (ぽち)

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◆2.ぽちのひとりごと
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*東京国際映画祭、何とか10本ぐらい観たいなぁ~。
                          (ぽち)

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