Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.1748]~『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』

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☆   「Cinemaの王国」  vol.1746(2018. 7.11)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観る(ぽち)が、映画館
で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。
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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ─『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』─
◆2.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! ~『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』~
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●『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(BATTLE OF THE SEXES)
(2017年 イギリス・アメリカ)(上映時間2時間2分)
監督:ヴァレリー・ファリス、ジョナサン・デイトン
出演:エマ・ストーン、スティーヴ・カレル、アンドレア・ライズブロー、サ
ラ・シルヴァーマン、ビル・プルマン、アラン・カミング、エリザベス・シ
ュー、オースティン・ストウェル、ナタリー・モラレス、ジェシカ・マクナ
ミー
*TOHOシネマズシャンテ、シネクイトほかにて公開中。全国順次公開予定
ホームページ http://www.foxmovies-jp.com/battleofthesexes/
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<ストーリー>
1973年、全米女子テニス・チャンピオンのビリー・ジーン・キング(エマ・ス
トーン)は、女子の優勝賞金が男子の8分の1であることに反発し、仲間たちと
もに「女子テニス協会」を立ち上げる。そんな中、55歳の元世界王者ボビー・
リッグス(スティーヴ・カレル)が男性至上主義の代表としてビリー・ジーン
に対戦を申し込んでくる。ギャンブル依存症で妻に愛想を尽かされたボビーは、
この試合に人生の一発逆転をかけていたのだ。そんなボビーの挑発に、一度は
対戦を拒否するビリー・ジーンだったが……。

<レビュー>
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性別を超えた世紀のテニス対決の裏にあった人間ドラマ
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1973年に世界的に注目されたテニスの試合が行われました。女子テニスの現役
世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングと、元男子チャンピオンのボ
ビー・リッグスによる性別を超えた戦いです。その舞台裏を描いた作品。

冒頭に事件の発端が描かれます。全米テニス協会が次期大会の優勝賞金を発表。
それによると、女子の賞金は男子8分の1。全米女子テニスチャンピオンのビ
リー・ジーン・キングはこれに怒り、協会幹部に直談判ものの、彼らは「男に
は養う家族がいる」「男子の試合のほうが面白い」などと言って相手にしませ
ん。

そこでビリー・ジーンは仲間の選手たちと"女子テニス協会"を立ち上げます。
著名なジャーナリストで友人のグラディス・ヘルドマンの協力でスポンサーを
見つけ、女子だけの大会を開く経緯が、まるでベンチャーの起業物語のように
テンポよくユーモラスに描かれます。

そんなビリー・ジーンに対して、55歳の元世界王者ボビー・リッグスが、「男
性至上主義のブタ対フェミニストの対決だ!」と対戦を申し込んできます。

いかにも男女差別との激しい戦いを予感させる滑り出し、ただし、その後はお
もにビリー・ジーンとボビーの人間ドラマが描かれます。ビリー・ジーンには
夫がいます。これが実に理解のある良い夫です。ところが、彼女は美容師のマ
リリンと出会い、惹かれていきます。夫を愛しているのに、マリリンと親密に
なる自分が止められないビリー・ジーン。その苦悩、葛藤、罪悪感などが繊細
に描かれます。

ボビーの人間ドラマも描かれます。彼は表舞台から姿を消し、資産家の妻に頭
が上がらずにいます。しかも、ギャンブルから足が洗えずに、ついには妻に愛
想を尽かされてしまいます。ビリー・ジーンとの対決は、再び脚光を浴びて、
妻の愛も取り戻したいという彼の一発逆転のシナリオだったのです。その反面、
彼はまるで道化師のようにおどけた言動を繰り返します。この二面性を通して、
その心の闇をあぶりだします。

ビリー・ジーンはボビーの提案を拒否。そこでボビーは、彼女の一番のライバ
ルであるマーガレット・コートに戦いを申し込みます。マーガレットは挑戦を
受けるが結果は完敗。ボビーは「やっぱり男が女より優秀だ」と言い放ちます。
それが許せないビリー・ジーンは、ついにボビーとの対戦を承諾します。

というわけで、そこから再びドラマは躍動。まず描かれるのは2人が試合の準備
を進める姿。ボビーは、奇抜な仮装をして練習するなど相変わらずの道化ぶり
です。それに対して、ビリー・ジーンは重圧に負けそうになりながらも、黙々
とトレーニングを続けます。

そして、いよいよ世紀の対決。その戦いを迫力たっぷりに描きます。たとえ結
果を知っていても、手に汗するようなスリリングな描き方で、ビリー・ジーン
とボビーの息遣いが聞こえてきそうです。

試合後の2人のシーンも印象深いところ。それぞれの胸の内がリアルに伝わって
きます。そして、その後のデザイナーのテッドの言葉が、この世紀の戦いが男
対女の戦いを越えて、すべての人が自分らしく自由に生きるための戦いだった
ことを明らかにします。

単純な面白さを追求するなら、「男性至上主義者VS男女平等のために戦う女
性」という図式を徹底して描いたほうがよかったでしょう。しかし、このラス
トのメッセージから考えれば、両者の私生活の部分を描き、LGBTなどにも目配
せした構成も間違いではなかったと思います。

ただの能天気な男になりそうなボビーを、厚みのある人物にしたスティーヴ・
カレルの演技が素晴らしい。そしてビリー・ジーンを演じたエマ・ストーンの
繊細な演技も印象的です。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)
(87点)

2018年7月8日(日)シネクイントにて。午後12時50分の回
                       (ぽち)

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◆2.ぽちのひとりごと
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*『菊とギロチン』上映中。ぴあ満足度ランキングで1位になるなど、各方面で
好評です。ぜひ!
                          (ぽち)

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