Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.1745]~『正しい日 間違えた日』

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☆   「Cinemaの王国」  vol.1745(2018. 7. 7)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観る(ぽち)が、映画館
で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。
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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ─『正しい日 間違えた日』─
◆2.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! ~『正しい日 間違えた日』~
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●『正しい日 間違えた日』(RIGHT NOW, WRONG THEN)
(2015年 韓国)(上映時間2時間1分)
監督・脚本:ホン・サンス
出演:チョン・ジェヨン、キム・ミニ、コ・アソン、ユン・ヨジョン、キ・ジ
ュボン、チェ・ファジョン、ユ・ジュンサン、ソ・ヨンファ
*ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて
公開中
ホームページ http://crest-inter.co.jp/tadashiihi/
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<ストーリー>
映画監督ハム・チュンス(チョン・ジェヨン)は、自身の作品の上映と特別講
義のために水原(スウォン)を訪れる。だが、手違いで1日早く着いてしまい、
時間を潰すために立ち寄った観光名所で、魅力的な女性ヒジョン(キム・ミ
ニ)に出会う。一緒にコーヒーを飲んだり、絵を描いているという彼女のアト
リエに立ち寄ったり、お酒を飲んだりしてヒジョンと親密になるチュンスだっ
たが……。

<レビュー>
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2つの展開の違うドラマから見える恋と人生の不可思議さ
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韓国の名匠ホン・サンス監督の2015年の作品。スクリーンに現れるのは相変わ
らずのホン・サンス監督ならではの世界。大きなことは何も起きません。長回
しで登場人物の日常会話を延々と映し出します。退屈といえば退屈ですが、そ
れが妙に癖になって、また観に行ってしまうのです。

今回の舞台は韓国の水原(スウォン)という都市。映画監督のハム・チュンス
が、自身の作品の上映と特別講義のためにやってきます。しかし、手違いで1
日早く着いてしまい、時間を潰すために立ち寄った観光名所で、魅力的な女性
ヒジョンに出会います。

チュンスとヒジョンが、場所を移動しながら繰り広げる何気ない会話が映し出
されます。もちろん、いつものように長回しの映像です。最初はコーヒー店で。
続いて絵を描いて暮らしているというヒジョンのアトリエで。そして寿司屋で
酒を飲みながら。

ひたすらヒジョンを「かわいい」とほめるチュンス。彼女の絵もべた褒めです。
しかし、どこか底の浅さが見えてしまいます。その軽薄さのせいで、思わずく
すくす笑わせられる場面もあります。

一方、ヒジョンはまんざらでもない様子だ。しかし、先輩との飲み会の約束を
思い出したヒジョンは、チュンスを誘ってそこへ向かいます。それが大きな転
機になり、2人はケンカ別れしてしまいます。チュンスの講義もメチャクチャに
なります。

いやぁ~、男ってホントにアホだなぁ~。つくづくそう思わされるドラマです。
過去のホン・サンス作品とも共通するテーマですが、あまりにも愚かで、だか
らこそ憎めない人間の本性が見えてきます。

ただし、この作品はこれでは終わりません。なんと後半は前半と同じドラマを
もう一度展開するのです。チュンスはヒジョンに好意を持ち、親しくなろうと
します。前半と同様に、名所で出会い、コーヒー店で会話し、ヒジョンのアト
リエに行きます。ただし、細部は微妙に異なっています。

アトリエでチュンスはヒジョンの絵をズバリと批判します。前半のべた褒めと
はまったく違います。それによって2人はケンカをします。だが、それでも決定
的な亀裂には至りません。

2人は前半同様に寿司屋で酒を飲みます。チュンスはヒジョンを口説くのですが、
同時に自分の立場を正直に告白します。そのことがかえって2人を接近させたり
もします。

その後も前半同様に、2人はヒジョンの先輩の飲み会で酒を飲みます。しかも、
そこでしたたかに酔っぱらったチャンスは、突拍子もない行動に出ます。一歩
間違えば犯罪に問われてもおかしくはない醜態ですが、これも正直といえば正
直。

結末も前半とは異なります。チュンスとヒジョンは前半のようにケンカ別れす
ることもなく、かといってドロドロの関係に走るようなこともありません。

さーて、この似たようでいて相反する2つのドラマ。やっぱり後半のほうがある
べき姿ということでしょうか。正直に本音で生きろということなのか? とは
いえ、実際にはなかなかあんなふうにいかないのも事実。

いずれにしても、ちょっとしたボタンの掛け違いで、その後が大きく変わると
いう恋の行方と、人生の難しさ、面白さが伝わってきました。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)
(85点)

2018年7月5日(木)ヒューマントラストシネマ渋谷にて。午後1時35分の回
                       (ぽち)

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◆2.ぽちのひとりごと
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*本日は私も支援した『菊とギロチン』の公開日。テアトル新宿の舞台挨拶付
きの上映に行ってきます。
                          (ぽち)

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発行周期: 週刊(毎週金曜+不定期の水曜) 最新号:  2019/03/20 部数:  1,005部

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