Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.1743]~『パンク侍、斬られて候』

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☆   「Cinemaの王国」  vol.1743(2018. 7. 3)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観る(ぽち)が、映画館
で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。
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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ─『パンク侍、斬られて候』─
◆2.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! ~『パンク侍、斬られて候』~
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●『パンク侍、斬られて候』
(2018年 日本)(上映時間2時間11分)
監督:石井岳龍
出演:綾野剛、北川景子、東出昌大、染谷将太、浅野忠信、永瀬正敏、村上淳、
若葉竜也、近藤公園、渋川清彦、國村隼、豊川悦司
*新宿バルト9ほかにて全国公開中
ホームページ http://www.punksamurai.jp/
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<ストーリー>
「超人的剣客」を自称する浪人・掛十之進(綾野剛)は、街道で物乞いの老人
を斬り捨てる。居合わせた黒和藩の藩士に"腹ふり党"なる新興宗教団体の脅威
が迫っていると説き、重臣の内藤帯刀(豊川悦司)に取り入って仕官を果たす。
だが、すでに"腹ふり党"は解散していることが判明する。内藤は自らの立場を
守るべく"腹ふり党"の元幹部・茶山半郎(浅野忠信)をたきつけて、藩内で騒
動を起こさせようと画策するのだが……。

<レビュー>
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何でもアリのパンク精神あふれる暴走時代劇
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『狂い咲きサンダーロード』『爆裂都市 Burst City』などでカルト的な人気を
持つ映画監督・石井岳龍(旧名:石井聰亙)が、元パンク歌手の芥川賞作家・
町田康の小説を映画化しました。しかも、それを脚色したのは宮藤官九郎。と
くれば、これはもうぶっ飛んだ映画になるのは間違いのないところ。

「超人的剣客」を自称する浪人・掛十之進が街道に現れて、物乞いの老人をい
きなり斬り捨てます。居合わせた地元の黒和(くろあえ)藩の藩士に十之進が
語ったところでは、その老人は"腹ふり党"なる新興宗教団体のメンバー。十之
進は腹ふり党から藩を救うために、自分を仕官させろと説きます。おりしも黒
和藩では、内藤帯刀と大浦主膳の両家老が権力闘争を繰り広げていました。帯
刀は十之進がハッタリをかましていると見抜きながら、大浦を追い落とすため
に彼を抱き込みます。

冒頭こそオーソドックスな時代劇風。だが、すぐにあらぬ方向へ暴走し始めま
す。登場人物が話すのは、言い回しこそ時代劇風ではあるものの、基本的には
現代の言葉。ナレーションも、いかにも大仰で冗舌すぎます。

しかも登場するのは、お調子者のフリーターの十之進をはじめ、いずれも強烈
かつ奇妙奇天烈な人物ばかり。ドラマの鍵を握る"腹ふり党"の教義が「世界は
巨大なサナダムシの腹の中だ!」だったりして、悪ふざけとしか言いようのな
い設定が次々に飛び出します。

社会風刺的な要素もあります。今の権力者たちや世間のありようをチクリと皮
肉ります。特に終盤、腹ふり党の伸長に重ねて、自分でものを考えずにひたす
ら流行に付き従う庶民を揶揄するあたり、なかなかの反骨心。

とはいえ、もちろん基本は破天荒な暴走エンターティメントです。内藤によっ
て左遷させられた大浦は、なぜか藩のはずれの村で猿回しを手がけることにな
ります。

一方、すでに腹ふり党は解散していることが判明すると、内藤は自らの立場を
守るべく「腹ふり党」元幹部・茶山半郎をたきつけてネオ腹ふり党を組織し、
藩内で騒動を起こさせようと画策します。

そこで登場する茶山半郎の顔を見て、笑わない人はいないでしょう。まるで天
才バカボンのようなメイクで浅野忠信が怪演を見せます。どこからどう見ても
悪ふざけですが、ここまで堂々とやられたらアッパレとしか言いようがありま
せん。

茶山半郎の身の回りの世話をする、北川景子演じるろんという女性の珍妙なダ
ンスをはじめ、ミュージカル的なところもあるし、人形劇も飛び出すし、ド派
手なCGも飛び出すしで、まさに何でもあり状態。もちろんチャンバラも。そ
して終盤はド迫力の合戦絵巻が繰り広げられます。

ただし、それはただの合戦ではありません。活躍するのはサル!? 超能力ま
で飛び出し、花火まで上がる始末。CG全開で描かれる黙示録的でSFチック
なカオスの世界です。そして最後に訪れる復讐劇。

しかし、まあスゴイ映画です。ジャンルレスでやりたい放題、暴走しまくり、
破天荒、悪ふざけ。いろんな形容詞がありそうですが、やっぱり「パンク」と
いう言葉が一番ピッタリかも。何しろエンドロールで流れるのはセックス・ピ
ストルズの『アナーキー・イン・ザ・U.K.』なのだから。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)
(88点)

2018年7月1日(日)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午前10時45分の回
                       (ぽち)

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◆2.ぽちのひとりごと
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*渋谷のシネクイントが復活するとか。ミニシアターの復活は嬉しいニュース
です。
                          (ぽち)

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発行周期: 週刊(毎週金曜+不定期の水曜) 最新号:  2019/03/13 部数:  1,005部

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