Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.1742]~『ブリグズビー・ベア』

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☆   「Cinemaの王国」  vol.1742(2018. 7. 2)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観る(ぽち)が、映画館
で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。
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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ─『ブリグズビー・ベア』─
◆2.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! ~『ブリグズビー・ベア』~
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●『ブリグズビー・ベア』(BRIGSBY BEAR)
(2017年 アメリカ)(上映時間1時間37分)
監督:デイヴ・マッカリー
出演:カイル・ムーニー、クレア・デインズ、マーク・ハミル、グレッグ・キ
ニア、アンディ・サムバーグ、マット・ウォルシュ、ミカエラ・ワトキンス、
ジェーン・アダムス、ライアン・シンプキンス、ホルヘ・レンデボルグ・Jr、
ベック・ベネット、ニック・ラザフォード
*ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかにて公開中
ホームページ http://www.brigsbybear.jp/
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<ストーリー>
父(マーク・ハミル)と母(ジェーン・アダムス)とシェルターの中で暮らし
てきた25歳の青年ジェームス(カイル・ムーニー)。彼の楽しみは、子どもの
頃から毎週届く教育ビデオ「ブリグズビー・ベア」を見ることだった。ところ
がある日、警察が来て両親を逮捕してしまう。2人は実は赤ん坊のジェームス
を誘拐した犯人だったのだ。生まれて初めて外の世界に連れ出され、本当の両
親と高校生の妹と一緒に暮らすことになったジェームスだが……。

<レビュー>
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25年監禁された「クマちゃん命」の青年の成長物語
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不思議なタイトルだと思ったら、「ブリグズビー・ベア」とは番組のタイトル
名でした。クマのヒーローが宇宙の平和を守るヒーローもの。同時に、そこに
数学などの知識も詰め込んだ教育番組でもあるようです。

主人公の25歳の青年ジェームスはこの番組が大好き。彼は両親と暮らしていま
すが、小さなシェルターに住み、外の世界に出ることはめったにありません。
父は外出時に防毒マスクをつけて出かけていきます。何なのだ? この一家は。

まもなく警察がやってきて、父と母を逮捕します。2人は実は赤ん坊のジェー
ムスを誘拐した犯人だったのです。ニセの両親は誘拐がバレるのを恐れて、
「外の世界は危険だから」と言い聞かせてジェームスを監禁状態に置いていま
した。彼にとって最大の楽しみだった「ブリグズビー・ベア」は、ニセの父親
がジェームスのためだけに作り上げた番組だったのです。

こうして生まれて初めて外の世界に連れ出されたジェームスは、本当の両親と
高校生の妹と対面。彼らと一緒に暮らすことになります。とはいえ、隔絶され
た世界で「ブリグズビー・ベア」だけを観て育ったジェームスだけに、完全に
世間とズレています。その言動のズレっぷりが笑いのネタになります。それに
加えて、何だかチープでちょっとオマヌケなブリグズビー・ベアのキャラク
ターも、笑いを生み出します。

ちなみに、この映画はアメリカの人気バラエティ番組「サタデー・ナイト・ラ
イブ」のチームが手がけたとのこと。

ただし、ただ笑えるだけではなく人間ドラマもきちんと描きます。いかにして
ジェームスは社会に適応していくかという成長物語。その成長の原動力に、
「ブリグズビー・ベア」の映画作りを据えたのがユニークなところ。ニセの父
親の逮捕によって、二度と「ブリグズビー・ベア」の新作が見られないと知っ
た彼は、「それなら自分で映画を作ってしまおう」と思い立つのです。

映像制作に興味のある高校生と知り合ったジェームスは、彼らとともに映画の
撮影に乗り出します。ニセの両親を逮捕した元演劇青年だった刑事も秘かにそ
れに協力します。

その映画製作の過程と、初めての友人との絆、女の子との際どい経験などをリ
ンクさせます。最初はギクシャクしていた妹との関係も、映画作りの中で良好
になっていきます。そこには青春ドラマにふさわしいきらめきとみずみずしさ
があふれています。これも、この映画の大きな魅力。

そんな中で、問題なのが本当の両親との関係。過去の忌まわしい記憶と結びつ
く「ブリグズビー・ベア」に対して両親は嫌悪感を持っています。それがある
事件をきっかけに露わになり、ジェームスは苦しい立場に追い込まれます。

終盤に待ち受けているのは、両親によるサプライズ。彼らはジェームスの過去
を無理に否定せず、ありのままの息子を受け入れようとします。そこからは素
直に感動できるシーンが続きます。

刑務所にニセの父親を訪ねるジェームス。これもまたジェームスの成長を物語
るシーン。そして最後のシーンで舞台に現れ、消えていくブリグズビー・ベア。
それは、ジェームスの新たな人生の一歩をしるすものに違いありません。

コメディーを基軸としつつも、ひたすら笑いに走るのではなく、特殊な環境で
育った若者の成長のドラマをきちんと描いたつくり手のバランス感覚の良さに
感心しました。多くの観客が温かな気持ちになって映画館を後にできるはず。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)
(88点)

2018年6月29日(金)新宿シネマカリテにて。午後12時の回
                       (ぽち)

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◆2.ぽちのひとりごと
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*ああ、暑い。やれやれ。
                          (ぽち)

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発行周期: 週刊(毎週金曜+不定期の水曜) 最新号:  2018/12/12 部数:  1,014部

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