Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.1683]~『デトロイト』

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☆   「Cinemaの王国」  vol.1683(2018. 1.31)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観る(ぽち)が、映画館
で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。
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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ─『デトロイト』─
◆2.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! ~『デトロイト』~
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●『デトロイト』(DETROIT)
(2017年 アメリカ)(上映時間2時間22分)
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、アルジー・スミス、ジェイソ
ン・ミッチェル、ジャック・レイナー、ベン・オトゥール、オースティン・エ
ベール、ジェイコブ・ラティモア、ハンナ・マリー、ケイトリン・デヴァー、
ネイサン・デイヴィス・Jr、ペイトン・アレックス・スミス、マルコム・デ
ヴィッド・ケリー、ジョン・クラシンスキー、アンソニー・マッキー
*TOHOシネマズ新宿ほかにて全国公開中
ホームページ http://www.longride.jp/detroit/
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<ストーリー>
1967年7月、デトロイト。黒人たちの不満が爆発して暴動が起きる。鎮圧に乗り
出した軍や地元警察との衝突が続き、街は戦場のようになる。暴動発生から3日
目の夜、若い黒人客たちでにぎわうアルジェ・モーテルの一室から銃声が響く。
それは黒人宿泊客の一人が競技用ピストルをふざけて鳴らしたもので、空砲だ
った。だが、それを狙撃手による本物の銃声だと思った大勢の警察官がモーテ
ルになだれ込んでくる。やがて数人の白人警官が宿泊客たちに対しておぞまし
い尋問を始める……。

<レビュー>
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暴動の中で起きたおぞましい事件に叩き込まれる恐怖
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キャスリン・ビグロー監督の得意技はハンパでないリアルさにあります。イラ
ク戦争における爆弾処理班を描いた『ハート・ロッカー』、そしてオサマ・ビ
ンラディンを狙うCIAの女性分析官を描いた『ゼロ・ダーク・サーティ』ともに、
自分が映画の中の世界に叩き込まれたようなリアルさと緊張感に包まれていま
した。今回登場した『デトロイト』は、それがさらに加速しています。

1967年7月に起きたデトロイト暴動を描いた実話をもとにしたドラマです。暴動
の引き金になったのは、無許可バーに対する当局の手入れ。それをきっかけに、
黒人たちと軍や地元警察が衝突し、街は戦場のようになります。このあたりか
ら、ビグロー監督らしい世界が全開。今回もまた、まるで暴動のデトロイトの
街に叩き込まれたような破格の緊張感が伝わってきます。

だが、それはまだ序の口。まもなく。3人の人間がクローズアップされます。暴
動の中で、丸腰の黒人青年を射殺した若い白人警官クラウス。ある店で警備員
を務める黒人青年ディスミュークス。そしてモータウンとの契約を狙うボーカ
ルグループ「ザ・ドラマティックス」のリードシンガーだったラリー。この3人
がまもなく同じ現場で遭遇します。

暴動発生から3日目の夜、暴動で公演が中止になったラリーは、帰宅途中で混乱
に巻き込まれ、若い黒人客たちでにぎわうアルジェ・モーテルに泊まることに
なります。そんな中、黒人宿泊客の一人が競技用ピストルをふざけて鳴らしま
す。もちろん空砲。しかし、それを狙撃手による本物の銃声だと思った大勢の
警察官がモーテルになだれ込んできます。

ここからの緊張感と恐怖は、本当にヤバいものでした。ヒリヒリするようなギ
リギリの場面の連続です。

なだれこんできた警官は建物に突入し、逃げようとした青年を射殺。そして、
居合わせた若者たちを壁に後ろ向きに並べて、尋問を行います。それはただの
尋問ではありません。激しい暴力と脅迫をともなうおぞましいものでした。

警官の先頭に立つのはクラウス。人種差別主義者の彼の尋問はどんどんエスカ
レートしていきます。その対象となった宿泊客の中にラリーがいます。さらに、
近くの店にいた黒人警備員ディスミュークスも駆けつけてきます。

ありとあらゆる手口で銃のありかを吐かせようとするクラウス。それはもはや
人種差別主義者を越えて、サイコパスの領域に足を踏み入れているように思え
ます。演じるウィル・ポールターの演技がすごい。鬼気迫るという表現さえ陳
腐に聞こえる恐ろしさです。

そんな尋問を受ける宿泊客は、痛めつけられ、恐怖に震え、絶望的な気分にな
ります。それを見ているこちらも、彼らと同じような気持ちになって、息苦し
くさえなってきました。

終盤、ようやく緊張感が途切れたと思ったら、代わりに虚しさと怒りが沸き上
がってきました。無残に殺された黒人青年の家族、犯人にされそうになったデ
ィスミュークス、今までと違う選択をしたラリー。彼らの姿が胸を絞めつけま
す。

今もアメリカでは、人種差別が根強く、本作の事件と同じような構図の事件も
起きています。それだけに、なおさら観る価値のある作品だと思います。

≪ぽちの満足度≫
★★★★☆(+1/2★)
(93点)

2018年1月27日(土)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時25分の回
                          (ぽち)

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◆2.ぽちのひとりごと
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*明日1日は映画料金が安い日なのを忘れて、『スリー・ビルボード』のムビチ
ケを買ってしまった。
                           (ぽち)

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発行周期: 週刊(毎週金曜+不定期の水曜) 最新号:  2019/02/14 部数:  1,008部

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