Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.1675]~『嘘八百』

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☆   「Cinemaの王国」  vol.1675(2018. 1.10)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観る(ぽち)が、映画館
で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。
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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ─『嘘八百』─
◆2.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! ~『嘘八百』~
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●『嘘八百』
(2017年 日本)(上映時間1時間45分)
監督:武正晴
出演:中井貴一、佐々木蔵之介、友近、森川葵、前野朋哉、堀内敬子、坂田利
夫、木下ほうか、塚地武雅、桂雀々、宇野祥平、ブレイク・クロフォード、寺
田農、芦屋小雁、近藤正臣
*TOHOシネマズ 新宿ほかにて全国公開中
ホームページ http://gaga.ne.jp/uso800/
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<ストーリー>
空振り続きの古物商・小池則夫(中井貴一)は、娘のいまり(森川葵)を連れ
て千利休を生んだ茶の湯の聖地、大阪・堺へやってくる。そこで落ちぶれた陶
芸家・野田佐輔(佐々木蔵之介)に一杯食わされた則夫だったが、自分の目を
惑わせた佐輔の腕を見込み、彼に一世一代の計画を持ちかける。それは、かつ
て2人が煮え湯を飲まされた古美術店店主・樋渡(芦屋小雁)と大御所鑑定
士・棚橋(近藤正臣)への仕返しするため、「幻の利休の茶器」を仕立てて一
攫千金を狙うというものだった……。

<レビュー>
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骨董の世界を舞台に負け組中年男が挑む大勝負を軽妙に
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素人にはよくわからない骨董の世界を舞台に、冴えない2人の中年男がコンビを
組み、一世一代の大勝負に挑むコメディドラマ。

2人の中年男とは、空振り続きの古物商・小池則夫と落ちぶれた陶芸家・野田佐
輔。則夫は、娘のいまりを連れて千利休を生んだ茶の湯の聖地、大阪・堺へや
ってきます。そこで佐輔と知り合うのですが、その出会いがユニーク。

則夫が「西に吉あり」というラジオの占いに従って車を走らせていると、蔵の
ある屋敷にたどり着きます。そこにいたのが家主らしき男・佐輔。彼に掛け合
って、蔵の中を調べさせてもらったことをきっかけに、則夫は利休形見の茶器
を発見し、則夫をだまして安い値段で引き取ります。しかし、実はそれは贋物。
おまけに、佐輔は家主でもなんでもなかったのです。

というわけで、騙したはずの則夫が佐輔の大芝居に騙されるという展開。いか
にも騙し騙されの骨董の世界らしい話です。当然、則夫は激怒しますが、同時
に自分の目を狂わせた佐輔の腕には感服せざるを得ません。しかも、2人には人
生の負け組という共通項があります。2人とも古美術店主と大御所鑑定士に一杯
食わされたのをきっかけに、転落していったのです。

とくれば、則夫が起死回生の大勝負を挑もうとするのも、無理からぬこと。則
夫は佐輔を誘って、古美術店主と大御所鑑定士をターゲットに「幻の利休の茶
器」を仕立てて一攫千金を狙おうとします。

このドラマは、2人のダメ男によるバディムービーであり、人生のやり直しのド
ラマです。2人は詐欺まがいの大勝負に挑みますが、敵はさらなる悪党というわ
かりやすい構図になっています。そして、人生負け組の2人からは、そこはかと
ない哀愁が漂ってきます。だから、観客は素直に感情移入しやすいのです。

『百円の恋』の武正晴監督が、そんな2人の姿を軽妙に描き出します。中井貴一
と佐々木蔵之介の丁々発止のやり取りに加え、脇役たちの存在も絶妙のスパイ
スになっています。特に佐輔の贋作仲間たちが、いかにも大阪風の笑いを振り
まきます。大物鑑定士を演じる近藤正臣と、古美術店主を演じる芦屋小雁の大
阪商人らしい振る舞いもユーモラスです。

映画の中盤では、佐輔による贋物の茶器づくりのようすが描かれます。贋物と
はいえ、それは真剣かつ高度なもの。躍動感にあふれた展開で自然に引き込ま
れます。

クライマックスでは贋物の茶器を前に、文化庁までも巻き込む騒動。そこでの
中井貴一の迫力ある口上が見事です。

その後に描かれる後日談では、意外などんでん返しが用意され、思わぬ人物に
利益がもたらされます。まあ、このあたりは正直なところ荒唐無稽なドタバタ
喜劇風で、個人的にはちょっと引いてしまったのですが、難しいことを抜きに
して楽しめる点ではこういう展開もありなのでしょう。

そつのない脚本と演出、そして芸達者なベテラン俳優たちの演技が見事なウエ
ルメイドな大人のコメディドラマ。気軽に楽しめます。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)
(83点)

2018年1月8日(月・祝)TOHOシネマズ シャンテにて。午前11時30分の回
                          (ぽち)

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◆2.ぽちのひとりごと
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*遅ればせながらあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いい
たします。
                           (ぽち)

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発行周期: 週刊(毎週金曜+不定期の水曜) 最新号:  2019/02/14 部数:  1,008部

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