Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.1536]~『ガール・オン・ザ・トレイン』

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☆   「Cinemaの王国」  vol.1536(2016.11.30)
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☆★☆             http://cinemaking.movie.coocan.jp/
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観る(ぽち)が、映画館
で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。
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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ─『ガール・オン・ザ・トレイン』─
◆2.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! ~『ガール・オン・ザ・トレイン』~
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●『ガール・オン・ザ・トレイン』(THE GIRL ON THE TRAIN)
(2016年 アメリカ)(上映時間1時間53分)
監督:テイト・テイラー
出演:エミリー・ブラント、レベッカ・ファーガソン、ヘイリー・ベネット、
ジャスティン・セロー、ルーク・エヴァンス、アリソン・ジャネイ、エド
ガー・ラミレス、リサ・クドロー、ローラ・プリポン、ダーレン・ゴールドス
タイン
*TOHOシネマズ スカラ座ほかにて全国公開中
ホームページ http://girl-train-movie.jp/
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<ストーリー>
夫と離婚したレイチェル(エミリー・ブラント)は、通勤電車から見える家に
住む夫婦に"理想の夫婦"の姿を見出して自らの慰めにしていた。その家の近く
に彼女はかつて夫と住んでいたが、今そこには元夫トムと新たな妻アナが生ま
れたばかりの娘と住んでいた。そんなある日、レイチェルは"理想の夫婦"の妻
メガンの不倫現場を目撃する。ショックを受けて下車して夫婦の家に向かうが、
途中から記憶を失い、気づいた時には自分の部屋で血を流して倒れていた。そ
の後メガンは行方不明になり、まもなく遺体となって発見されてしまう……。

<レビュー>
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おどろおどろしい愛憎劇が緊張感を高めるミステリー
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失踪し、遺体で発見された女性をめぐるミステリー。ポーラ・ホーキンズの世
界的ベストセラー小説が原作だそうです(私は未読)。

主人公はレイチェルという女性。彼女は通勤電車で、沿線の住宅を眺めてスケ
ッチするのを日課にしています。そして、ある一軒の家に住む夫婦に「理想の
夫婦」の姿を勝手に見出して満足しています。しかし、ある時、「理想の夫
婦」のはずの妻メガンが不倫している現場を目撃します。ショックを受けたレ
イチェルは列車を降りて、その家に向かいますが、途中で記憶を失い、気づく
と自分の部屋に血だらけで寝ています。その後メガンは行方不明になり、やが
て死体で発見されます。

記憶をなくした人物が、その間に起きた事件の謎を追うというのは、よくある
ドラマです。しかし、この映画はいろいろな工夫をして、飽きさせない作品に
なっています。例えば時制をバラバラにしたり、怪しい人物を次々に登場させ
たりと、謎を高める工夫があちこちに施されています。独特の暗くて重たい雰
囲気や、緊張感漂う音楽も効果的です。

そして何よりも印象的なのが、主人公が背負った背景です。レイチェルは子供
ができなかったことをきっかけに、自らのアルコール依存症と夫の不倫によっ
て、離婚に追い込まれた過去を持ちます。元夫のトムは不倫相手のアナと結婚
し、その後生まれた娘とともに暮らしています。しかも、彼らはかつてレイチ
ェル夫婦が暮らした家に住んでいます。

そんな状況の下で、やり切れない思いを抱えたレイチェルは、いまだに夫に何
度も連絡し、一度は彼らの娘を誘拐しかかります。アルコール依存症もまだ癒
えていません。「理想の夫婦」の想像も、そんな彼女の心の闇から生まれたも
のなのです。

『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』でおなじみのテイト・テイラー監督は、
そんなレイチェルの心の闇と、多様に変化する表情をアップを多用してリアル
に切り取っていきます。それに応えたエミリー・ブラントの演技も見事です。
それが、このドラマをよりサスペンスフルで謎めいたものにしているわけです。

中盤では、殺されたメガンの心の闇も明らかになります。彼女は過去にある衝
撃的な事件に遭遇し、そのトラウマを今も引きずっています。彼女がレイチェ
ルの元夫トムの家で子守をしていたという事実も、事態をますます混乱させま
す。そこにメガンの夫や精神科医も絡んできて、様々な男女の愛憎劇が繰り広
げられます。

いったいメガンを殺したのは誰なのか。記憶をなくしたレイチェルは、その間
に何をしていたのか。クライマックスで明らかになる真相は、それほど奇抜な
ものではありませんが、そこには男女のどす黒い情念が塗りこめられています。

そして注目すべきはその後の展開。それまで夫の元妻に苦しめられるか弱い女
のように見えていたアナの取った壮絶な行動は、まさに情念の爆発。そこに至
って激しく対立していた2人の女性が、同じ次元に立ってしまうという皮肉な展
開です。

というわけで、ミステリーとしての謎解きの魅力以上に、おどろおどろしい情
念の渦に引きずり込まれてしまった作品でした。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)
(87点)

2016年11月29日(火)TOHOシネマズ スカラ座にて。午後1時55分の回
                            (ぽち)

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◆2.ぽちのひとりごと
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*もう12月か。
                     (ぽち)

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発行周期: 週刊(毎週金曜+不定期の水曜) 最新号:  2019/02/22 部数:  1,005部

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