Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.967]~『カメリア』

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☆   「Cinemaの王国」  vol.967(2011.10.21)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観る(ぽち)が、映画館
で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。
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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ─『カメリア』─
◆2.メールちょうだいッ!!
◆3.映画情報
◆4.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! ~『カメリア』~
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●『カメリア』(CAMELLIA)
(2010年 韓国)(上映時間2時間23分)
監督:ウィシット・サーサナティヤン、行定勲、チャン・ジュヌァン
出演:ミシェル・シャオワナサイ、キム・ミンジュン、ソル・ギョング、吉高
由里子、カン・ドンウォン、ソン・ヘギョ
*新宿バルト9ほかにて10月22日(土)より公開
ホームページ http://www.camellia-movie.net/
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<ストーリー>
・『アイアン・プッシー』~1970年代のタイから釜山にやってきたアイアン・
プッシー(ミシェル・シャオワナサイ)。ふだんはサエない板前のオヤジだが、
ひとたび指令が下れば妖艶かつ危険な女スパイに変身する。ある時、潜入調査
で知り合ったジオン(キム・ミンジュン)という男と恋に落ちたアイアン・プ
ッシーに、暗殺指令が下る。ターゲットはジオンだった……。

・『カモメ』~映画の撮影で釜山を訪れた撮影監督のパク・ヨンス(ソル・ギ
ョング)。ワガママ女優に振り回されていた彼は、ある晩、冬なのに裸足で歩
く不思議な少女と出会う。カモメ(吉高由里子)と名乗る彼女と釜山の夜の街
を歩き回るうちに、心を通わせるヨンス。だが、やがて衝撃の事実が明らかに
なる……。

・『ラブフォーセール』~脳から愛の感情と記憶を取り出すことが可能になり、
その記憶を売買するビジネスが大盛況となっている近未来の釜山。かつてその
ビジネスを牛耳る悪の組織に、愛するボラ(ソン・ヘギョ)との仲を引き裂か
れ、殺されかけたジェイ(カン・ドンウォン)は、ボラを助け出すために「大
宮殿」と呼ばれる一大組織へ潜入を果たすのだが……。

<レビュー>
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釜山を舞台にしたタイ、日本、韓国の監督によるユニークな愛のオムニバス
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韓国の釜山国際映画祭が企画し、タイのウィシット・サーサナティヤン、日本
の行定勲、韓国のチャン・ジュヌァンという同映画祭に縁のある3人の監督が、
釜山と愛をテーマに競作したオムニバス映画。

・『アイアン・プッシー』
まず1本目は、『快盗ブラックタイガー』で知られるタイのウィシット・サー
サナティヤン監督の作品。1970年代の釜山にやってきたタイの女スパイが、潜
入調査の家庭であるイケメン男と恋に落ちるが、その男を殺害するよう指令が
下る……という悲恋物語。

ただし、普通の悲恋物語ではありません。なにせ主人公の女スパイ。実は男。
それもふだんはサエない板前のオッサンです。それが、電話で指令を受けて、
たちまち美しく危険な女スパイに変身。とはいえ、冷静に見ればオッサンの女
装なのがミエミエ。そんな"彼女"がイケメン男と恋に落ちて、悲恋に身もだえ
するものだから、切ないというよりは笑ってしまいます。

もちろん、それは監督の意図通り、連絡用電話がタコの中などのヘンな場所か
ら出てきたりして、それ以外にも笑いどころがタップリ。途中でミュージカル
風に、歌で心情を披露する場面が出てくるなど、とにかくユニークすぎます。

なんでも、「アイアン・プッシー」というのはタイの人気テレビシリーズだと
か。そういう背景を知らないと、面白さが十分に伝わらないのが残念。

・『カモメ』
続く2本目は、日本の行定勲監督による『カモメ』。こちらは比較的オーソドッ
クスな映画。中年の撮影カメラマンが、裸足で歩く少女と知り合い、釜山の街
を一晩中あちこち歩くうちに、心を通わせるというラブストーリー。

繊細な心理描写を得意とする行定監督らしく、2人の交流が抑制的ながらみずみ
ずしく描かれます。中年のオヤジと少女とくれば下世話な話になりがちですが、
韓国の伝統的な歌と踊りなどもうまく使いながら、2人の交流を自然に描いてい
ます。

後半になって、幼くして別れた少女の父親が韓国人であることなどが明らかに
され、それが2人の絆をより深いものにします。

ところが、ラストで明らかにされる衝撃の事実。思いもよらぬ少女の正体が、
映画の撮影フィルムの上映によって明らかになるという展開。崖の上に残され
た靴、飛び去るカモメなども効果的に使われ、深い余韻が残ります。

・『ラブフォーセール』
最後の3本目は、韓国のチャン・ジュナン監督の作品。愛の記憶の売買がビジネ
スとして横行する未来都市・釜山で、恋人を取り戻そうとして悪の組織と対決
する男を描いた、SFアクションファンタジーです。

迫力のガンファイトなどもあり見せ場はタップリ。SFらしく「大宮殿」と呼
ばれる場所のユニークな光景など、凝りに凝った映像も見事。

後半になって、いよいよ恋人と出会う主人公。しかし、それは意外な形での再
会。そこから2人の愛の真実をめぐって二転三転し、あまりにも切なく哀しいラ
ストへと突入します。

残念なのは、記憶の売買に関する説明などがよくわかりにくいところ。なにせ
オムニバスで時間が短いため、仕方ないところではありますが。

というわけで、3本ともなかなかユニークな映画。「釜山を舞台にした愛の物
語」という以外、何の制約もなく作られたようで、監督たちに自由に映画を撮
らせると、これだけユニークな作品が揃うという見本のような映画です。3本の
中には1本ぐらい気に入った映画が見つかるかも……。

ちなみに個人的に1番好きなのは行定監督の『カモメ』です。これは単独の映画
にしてもいいような作品でした。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
                       (ぽち)

2011年10月14日(金)科学技術館サイエンスホール(試写会)にて

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◆2.メールちょうだいッ!!
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スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
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もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp

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◆3.映画情報
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▲今週末は、明日から本日紹介した『カメリア』に加え、『やがて来たる者
へ』『ウォーリアー&ウルフ』『エイリアン・ビキニの侵略』『カウボーイ&
エイリアン』『サウダーヂ』『シャッフル』『スマグラー おまえの未来を運
べ』『ランゴ』『魚介類 山岡マイコ』『人喰猪、公民館襲撃す!』『東京オ
アシス』などが公開です。

各映画の公式サイトは下記サイトあたりで探してみるとよいでしょう。
→ http://www.eiga-site.info/

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◆4.ぽちのひとりごと
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*いよいよ東京国際映画祭が始まります。コンペ作品などは、当日券でも入れ
そうなものもあるので、気が向いたら出かけてみてはいかがでしょうか。
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                         (ぽち)

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発行周期: 週刊(毎週金曜+不定期の水曜) 最新号:  2019/02/14 部数:  1,010部

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