Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.966]~『一命』

★☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆★☆
★☆
☆   「Cinemaの王国」  vol.966(2011.10.20)
★☆
☆★☆             http://homepage1.nifty.com/pochie/
★☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
=======================================================================
このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観る(ぽち)が、映画館
で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。
=======================================================================
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ─『一命』─
◆2.メールちょうだいッ!!
◆3.映画情報
◆4.ぽちのひとりごと
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆1.今週のこの1本! ~『一命』~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●『一命』
(2011年 日本)(上映時間2時間6分)
監督:三池崇史
出演:市川海老蔵、瑛太、満島ひかり、竹中直人、青木崇高、新井浩文、波岡
一喜、天野義久、大門伍朗、平岳大、笹野高史、中村梅雀、役所広司
*丸の内ピカデリーほかにて全国公開中
ホームページ http://www.ichimei.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
<ストーリー>
江戸時代初頭。天下太平の世の中ながら、幕府による御家取り潰しが相次ぎ、
困窮した浪人があふれていた。そうした浪人たちが裕福な大名屋敷に押しかけ、
"切腹のために庭先を拝借"と願い出て、困惑する屋敷側から金銭を巻き上げる
「狂言切腹」が横行する。そんな中、ある日、名門・井伊家の前に津雲半四郎
(市川海老蔵)という浪人が現われ、切腹を願い出る。家老の斎藤勘解由(役
所広司)は、数ヶ月前にも同じように訪ねてきた若浪人がいたことを告げるの
だが……。

<レビュー>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
三池監督が正攻法で描く武士社会の不条理さ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
滝口康彦の小説『異聞浪人記』の映画化。同じ原作としては、名作といわれる
小林正樹監督の『切腹』(1962年)がありますが、そのリメイクではなく、あ
くまでも再映画化とのこと。

江戸時代の初め、幕府が権力を掌握し、太平の世で戦なし。幕府はあちこちの
御家を取り潰し、浪人があふれるようになる。彼らの間では、「狂言切腹」と
呼ばれる方法で、大名屋敷から金品を巻き上げることが流行。そんなある日、
名門・井伊家の前に津雲半四郎という浪人が現われ、切腹を願い出る。狂言切
腹だと考えた家老・斎藤勘解由は、数ヶ月前にも同じように狂言切腹目当ての
若浪人がいて、悲惨な最期を遂げたことを告げる。だが、半四郎の切腹の決意
は変わらなかった……。

三池崇史監督の時代劇といえば『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』『十三人
の刺客』など、ド派手でけれん味タップリの映画がお得意。ところが、この映
画ではそれを封印して、正攻法かつ重厚なドラマを展開しています。

ドラマの大部分は、主人公の浪人・津雲半四郎が、なぜ井伊家にやってきて切
腹を申し出たのか。その背景に何があるのかを明らかにする回想シーンです。

幕府によって御家を取り潰され浪人となった半四郎が、貧しいながらも男手一
つで娘を育て、やがて娘は幼なじみで、かつての半四郎の上司の息子である若
い浪人と結婚。子供も生まれて小さな幸せをつかむものの……というお話。

三池監督らしい映像美が満載。特に色彩のコントラストが美しく、半四郎たち
の貧しいながらも情愛に満ちた暮らし、それがどんどん悪いほうに転がり出し
て、ついに悲劇に至るようすが説得力を持って語られます。

しかし、あまりにも長い!!! .それほど驚くような話ではないし、描き方も
オーソドックス。市川海老蔵、瑛太、満島ひかりの芝居をじっくり見せる意図
は成功しているものの、さすがに最後のほうは飽きてきました。

その後、ドラマは現在進行形に戻り、行方不明になった井伊の3人の家臣がど
うなったかが明らかになります。そして、クライマックスはこの映画で唯一の
ド派手なチャンバラ。これはもう三池監督の得意分野で、迫力満点。竹光で数
十人と対峙するというリアリティのなさなど、すっかり忘れさせてくれる圧倒
的な迫力です。

この映画のテーマは、体面や建前ばかり重んじて、命を粗末にする武士に対す
る痛烈な批判。しかし、それが今の時代とつながらないのがもどかしいところ。
たとえば、現在の格差社会と通じるような部分を見せれば、もっとドラマに深
みが出たはず。

市川海老蔵の演技はかなりの仰々しさ。まあ歌舞伎の人だからしょうがないの
かなぁ。役所広司の自然な悪役ぶりにうまく合っていない感じでした。セリフ
で全部表現しようとする脚本にも問題がありますね。

ちなみに、この映画、3D版も公開されていますが私が観たのは2Dのほう。
内容的に、あんまり3Dにする意味がないと思うんですけど……。

≪ぽちの満足度≫
★★☆☆☆(+1/2★)

≪ぽちのオススメ度≫
★★☆☆☆(+1/2★)
                       (ぽち)

2011年10月17日(月)丸の内ピカデリーにて。午後1時25分の回

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆2.メールちょうだいッ!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。

みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆3.映画情報
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▲『ヘイヴン』独占放送及びDVDリリース 
スティーヴン・キング原作『コロラド・キッド』をドラマ化した大人気シリー
ズ。ユニバーサル チャンネルで、10月25日(火)より「ヘイヴン-謎の潜む町-」
シーズン2日本独占初放送開始。
角川書店より、2012年1月13日(金)「ヘイヴン DVDBOX-1」発売決定!。
→ http://www.kadokawa-pictures.co.jp/official/haven/index.shtml

*このコーナーに掲載した情報は、配給・宣伝会社さんなどより掲載依頼メー
ルのあった情報をそのまま載せたもので、少しでも映画界が盛り上がればとい
う気持ちで掲載しました。広告料等は一切もらっていませんので。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆4.ぽちのひとりごと
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*『一命』を観に行ったら、あまりの観客の年齢層の高さにビックリ。もはや
時代劇はそういう世界になったのね。

*ツイッターやってます。よかったらフォローしてね。
→ http://twitter.com/Wordrocks
                         (ぽち)

~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~
☆このメールマガジンは
■『まぐまぐ』  http://www.mag2.com/  ID:0000021508
の配信システムを利用して発行しています。
====================================================================
■週刊「Cinemaの王国」  vol.966(2011.10.20)
●編集発行人:ぽち
●登録・解除はこちらからお願いします。
   http://homepage1.nifty.com/pochie/mailmaga/moushikomi.html
 (発行者自身による解除、アドレスの変更等は一切行っておりません。ご面
  倒でもホームページまたは上記メルマガサイトからお願いします。)
☆本誌に掲載されている評価、感想等はあくまでも個人のものであり、特定の
団体、個人等を中傷する意図はありません。掲載された内容に起因するトラブ
ルには一切関知いたしません。また、記事の無断転載はお断りします。
●Copyright(c)1999-2011  ぽち  fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
====================================================================

Cinemaの王国

発行周期: 週刊(毎週金曜+不定期の水曜) 最新号:  2019/02/14 部数:  1,008部

ついでに読みたい

Cinemaの王国

発行周期:  週刊(毎週金曜+不定期の水曜) 最新号:  2019/02/14 部数:  1,008部

他のメルマガを読む