Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.960]~『家族X』

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☆   「Cinemaの王国」  vol.960(2011.10.5)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観る(ぽち)が、映画館
で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。
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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ─『家族X』─
◆2.メールちょうだいッ!!
◆3.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! ~『家族X』~
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●『家族X』
(2011年 日本)(上映時間1時間30分)
監督・脚本:吉田光希
出演:南果歩、田口トモロヲ、郭智博、筒井真理子、村上淳、森下能幸
*ユーロスペースほかにて公開中。順次全国公開予定
ホームページ http://kazoku-x.com/
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<ストーリー>
東京郊外の新興住宅地。主婦の橋本路子(南果歩)は几帳面に家事をこなす
日々を送っていた。だが、会社で窓際に押しやられている夫の健一(田口トモ
ロヲ)やフリーター生活を送る息子の宏明(郭智博)とは会話らしい会話もな
い。そんな中で、不安と孤独が募っていった路子は、次第に感情のバランスを
失っていく……。

<レビュー>
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PFF出身監督が崩壊寸前の家族の心理を日常描写から描く
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自主製作映画の権威ある賞、PFFアワード2008の審査員特別賞を『症例X』
で受賞した吉田光希監督による劇場デビュー作。PFFは、園子温、李相日、
荻上直子、石井裕也をはじめ現在第一線で活躍する多くの監督を輩出している
だけに、吉田監督も要注目の監督といえるでしょう。

東京郊外の新興住宅地で、経済的には不自由のない生活を送っているらしい橋
本家。主人公の主婦路子は、几帳面に家事をこなす。だが、会社でリストラの
危機に瀕している夫や、就職もせずバイト生活を送る長男とはほとんど会話が
ない……。

コミュニケーション不全に陥り、家庭崩壊寸前の3人の家族それぞれの姿をド
キュメンタリータッチで描いたドラマです。

手持ちカメラで、アップを多用し、登場人物の何気ない日常生活から複雑な心
理を表現する手腕が見事。特に路子の洗濯、掃除、料理といった家事の描写か
ら、彼女の孤独や無力感を描写したシーンが印象的。

路子を演じる南果歩の演技も賞賛に値します。彼女1人のシーンが多く、セリ
フも少ない中で、その心の奥底を繊細に表現しています。最近の彼女の演技の
充実ぶりは、ダンナさんの渡辺謙をしのぐほど。

ものの位置に神経質にこだわり、家に鍵をかけたかどうか心配でたまらず、過
食症に苦しみ……。どんどん精神のバランスを失っていく路子。終幕近くで、
彼女はついに耐え切れずに爆発します。その時に夫と長男が取った行動は?

かなり曖昧ではあるものの、人によってはかすかな希望の光を感じるかもしれ
ないラスト。ただし、あまりにもあっけなくて拍子抜け。リアルなのは確かだ
けれど、ここはもう少し何かあっても良かったのでは?

さらに、全体も一本調子で商業映画としては物足りません。別にド派手なシー
ンを出せ!とは言いませんが、もう少しメリハリがあったほうがいいのではな
いでしょうか。例えば、冒頭で登場する家族の写真。そこに写ったかつての幸
せな家族の姿を、ドラマの途中に挿入するなどして光と影のコントラストをつ
けるとか。

手持ちカメラも最初から最後までというのはどうなんでしょう。自主映画じゃ
ないんだから。登場人物の心理に合わせて使い分けるとか、そういう工夫があ
ってもよかった気がします。

それでも、吉田監督の才能を感じさせる作品なのは確かです。それがどう開花
するか、今後に注目したいと思います。

≪ぽちの満足度≫
★★☆☆☆(+1/2★)

≪ぽちのオススメ度≫
★★☆☆☆(+1/2★)
                       (ぽち)

2011年10月2日(日)ユーロスペースにて。午後3時の回

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◆2.メールちょうだいッ!!
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◆3.ぽちのひとりごと
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*先日、『ショーシャンクの空に』『グリーン・マイル』のフランク・ダラボ
ン監督によるテレビドラマ『ウォーキング・デッド』の特別披露試写会に行き、
第1話を大スクリーンで観ました。基本はゾンビ物のホラー物語ですが、凝りに
凝った作品で見応えタップリ。2話以降も観たくなりました。日本でも、こうい
う映画に負けないクオリティーのドラマができないかなぁ。ちなみに、この作
品は2012年2月セル&リリースだそうです。
→ www.kadokawa-d.jp/lineup/walkingdead/index.html

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                         (ぽち)

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