Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.179]

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 =週刊「Cinemaの王国」= vol.179(2003. 5.30)

                 http://homepage1.nifty.com/pochie/
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【INDEX】
■1.今週のこの1本!
  ―『アバウト・シュミット』―
■2.今週のニュースあれこれ
■3.メールちょうだいッ!!
■4.ぽちのひとりごと
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■1.今週のこの1本!■

真夏の到来も間近。夏にはやっぱりキレたオヤジが似合うぜ!(なんで?)と
いうことで、ジャック・ニコルソン主演の映画を取り上げました。
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●『アバウト・シュミット』(ABOUT SCHMIDT)
(2002年 アメリカ)(上映時間2時間5分)
監督・脚本:アレクサンダー・ペイン
出演:ジャック・ニコルソン、キャシー・ベイツ、ダーモット・マルロニー、
ホープ・デイヴィス、ハワード・ヘッセマン、レン・キャリオー
*みゆき座ほか東宝洋画系にて全国公開中
ホームページ http://www.about-s.jp/
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<ストーリー>
長年勤めた保険会社を定年退職したウォーレン・シュミット(ジャック・ニコ
ルソン)。時間を持て余し、テレビのCMで見たチャリティ団体に応募し、ア
フリカの恵まれない少年のスポンサーになる。そんな中、妻が急死。やがて、
娘の結婚式を手伝おうとデンバーへ向かうシュミットだったが、途中で娘にそ
の申し出を拒絶されてしまう……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ジャック・ニコルソンならではの映画。シュールな味わいが絶妙
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
定年を迎えて、な〜んにもすることがなくなって、どんどん老け込んでいくお
父さん。そんなお父さんの悲哀は、日本のドラマや映画などでもよく描かれて
きました。どうやらそんなお父さんの姿は、アメリカでも見られるようです。

一流保険会社でバリバリ働き、このほど定年退職を迎えたウォーレン・シュミ
ット。妻と愛する一人娘がいて、家庭も安泰。それなりに充実した人生を築い
てきたつもりだった。だが、退職して初めて、自分がいかに会社に依存してい
たかを知る。

そんなある日、突然妻が死んでしまう。悲しみに打ちひしがれた彼は、デンバ
ーにいる娘の結婚式の準備を手伝おうとキャンピングカーで旅立つが、途中で
娘に拒絶されてしまう。仕方なく、過去の思い出をたどる旅へと出かけるのだ
が……。

この映画はねぇ、ジャック・ニコルソンじゃないと、おもしろくも何ともない
ですね。
何しろ話は単純でまったく起伏がないんです。退職して妻まで亡くした男が「
何か」を探して旅に出る。ただ、それだけの話なんですから。

あまりにもヒネリがなくて眠くなりそうなこの話も、ニコルソンが演じると生
き生きと輝いて見えます。 (☆o☆)
何が良いかというと、やっぱりあのキレ方ですよ。やたらにキレるわけじゃな
くて、ふだんはごく普通なんです。それが何かの拍子にブチッとキレかかる。
でも、それを必死で抑えようとする。そのあたりの演技が絶妙で、思わずクス
クス笑ってしまうんですよねぇ。 (^。^/)

前半は退職して妻を失い、大好きな一人娘も大嫌いな男と結婚間近というシュ
ミットさんの、悲しくてツラい日々が描かれます。
オープニングの巨大なビルと、その中のガランとした一室で定年までの数秒を
待つシュミットさんの姿が印象的です。

そして、前半でいちばん笑ったのが、シュミットさんが手紙の中で悪態をつく
シーン。テレビCMで見たチャリティ団体に応募して、アフリカの恵まれない
少年のスポンサーになるんですが、その子に小切手と一緒に手紙を送るんです
。最初は穏やかなことを書いているんですが、やがてどんどん感情が高ぶって
、会社や妻への不満がボンボン出てくる。もうブチ切れッ!! いやぁ〜、あ
のキレ方はスゴかったですねぇ。

後半は、ある事件をきっかけに、シュミットさんがキャンピングカーで旅に出
るロードムービーになります。
かつての思い出の地を巡りながら、やがてある決意を胸に秘めて、娘の結婚式
の地へと向かう。

ここでもシュミットさんのキレ方はハンパじゃありません。行き場のない怒り
がグツグツと沸騰しながら、ギリギリのところでそれにフタをする。ここんと
ころのニコルソンの演技も見事です。 (^-^)//""パチパチ

こうしてすべてを失くしたシュミットさんの「何か」を見つける旅も終わり、
ラストはホロッとさせる涙のシーン。うーん、まさに心にしみる感動のドラマ
ですねぇ〜。

と言いたいところだが、そんな単純なものでもない。この映画、なんかヘンな
んです。基本はホッとするハートウォームな映画なのに、全体にシュールな感
じが漂っている。
それはやっぱりユニークな登場人物のせいでしょう。主人公をはじめ、旅の途
中で登場する夫婦、娘の婚約者、それにその家族もユニークな人たちばかり。
キャシー・ベイツ(おお! 一緒にご入浴ぅ〜〜〜)演じる婚約者の母親も、
これまた相当な変人です。

こういう人たちが生み出すシュールな笑いと虚無感が、この映画に大きな魅力
を与えています。脚本や演出もそうした独特の雰囲気を高めている。起伏のな
いダラッとしたドラマなのに、最後まで飽きずに観られるのはそのおかげ。
そういえば、途中で邦楽のようなBGMが流れるのもシュールだよなぁ〜。 
(~ヘ~;)

というわけで、この映画、普通のドラマとしては起伏がなくて、ちょっと物足
りない。でも、そこにジャック・ニコルソンやキャシー・ベイツらによるシュ
ールな笑いと、独特の虚無感が加わったことで、とてもユニークな映画になっ
ています。その独特の雰囲気になじめるかどうかが、この映画を好きになるか
どうかの分かれ目だと思います。

でも、まあジャック・ニコルソンの顔だけでも観る価値のある映画じゃない?
まったくキレたオヤジには要注意だぜ!!! (^_-)-☆

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)【かなりオススメ。観たほうがいいんじゃない?】
(もう少しドラマに起伏があってもよかったのでは? とも思うのですが、全
体としてはかなり楽しめる映画でした。ただし、ありがちな感動のドラマとは
だいぶタッチが違うのでご注意を。)
                             <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2003年5月26日(月)テアトル・ダイヤにて。午後4時20分の回。
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*参考
〔ジャック・ニコルソン Jack Nicholson〕
1937年4月22日、アメリカ・ニュージャージー州生まれ。 
17歳でカリフォルニアに渡り、MGMに入社。動画部門などで働く。やがて演
技の勉強を始め1958年、“Cry Baby Killer”で映画デビュー。その後、ロジ
ャー・コーマンの下で映画制作に参加。1969年、『イージー・ライダー』でア
カデミー助演男優賞にノミネートされる。1975年の『カッコーの巣の上で』と
1997年の『恋愛小説家』で主演男優賞受賞。1983年、『愛と追憶の日々』で助
演男優賞受賞。

私生活では、1961年にサンドラ・ナイトと結婚、一女をもうけるが5年後に離
婚。その後ドミニク・サンダやアンジェリカ・ヒューストンと交際。レベッカ
・ブルサールとの間に二児が生れるが破局。最近も8歳の隠し子の存在が明る
みに出るなど、まだまだ元気です。

その他の主な出演作は、
『ファイブ・イージー・ピーセス』(1970)、『さらば冬のかもめ』(1973)
、『チャイナタウン』(1974)、『シャイニング』(1980)、『レッズ』(19
81)、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(1981)、『女と男の名誉』(1985)
、『黄昏に燃えて』(1987)、『イーストウィックの魔女たち』(1987)、『
バットマン』(1989)、『ア・フュー・グッドメン』(1992)『クロッシング
・ガード』(1995)、『ブラッド&ワイン』(1996)、『マーズ・アタック!
』(1996)、『プレッジ』(2001)など。
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■2.今週のニュースあれこれ■

◎来日したキアヌ・リーブスが京料理を堪能。
◎ケネス・ブラナーが再婚!
◎『π』『レクイエム・フォー・ドリーム』のダーレン・アロノフスキー監督
が、劇画「子連れ狼」を映画化?
◎シャマラン監督最新作に、キルステン・ダンストが主演!
◎マーティン・スコセッシ監督が、ボブ・ディランのドキュメンタリー番組を
製作。
◎カンヌ映画祭でガス・ヴァン・サント監督作がパルムドール(最高賞)に。

てな感じの今週。
キアヌ・リーブスは恵比寿のラーメン屋にも出没したというウワサがあるので
すが、どなたかご存知ありませんでしょうか。(て、そんなこと知ってどーす
るの?)

シャマラン監督の新作は、1897年、不思議なクリーチャーが住んでいる森に囲
まれた、フィラデルフィアの小さな村を舞台にしたスーパーナチュラル・サス
ペンス『The Woods』。2004年夏全米公開予定だそうです。スーパー
ナチュラル・サスペンスってなに?

カンヌでパルムドールを取ったのは『グッド・ウィル・ハンティング』(1997
)などで知られるガス・ヴァン・サント監督の『エレファント』。マイケル・
ムーア監督の『ボウリング・フォー・コロンバイン』同様、コロンバイン高校
銃乱射事件をテーマにした映画。かなり骨がありそうな映画ですね。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■3.メールちょうだいッ!!■

「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。

◆今週は先週取り上げた『めぐりあう時間たち』と今週取り上げた『アバウト
・シュミット』の感想をいただいたので少しずつご紹介します。まず、(ふく
いのふじやん)さんからの『めぐりあう時間たち』の感想。

<3人の女主人公の存在感だけでも、すごいですね。映像もとてもきれいで、
3つの時代が入れ替わる流れがちっとも不自然でない。そのバランスというの
か、なんというのか、つくりのうまさに驚きました。
個人的に印象に残っているところは、ウァージニアと夫が、ロンドン行きの駅
で、いい争いをしていたあのシーンです。言いたいことをお互い言い合って、
「お腹すいたね」って2人が寄り添って家に帰っていったところなんか、、、
なんか良かったなぁ。>

◆あのシーン、ホントに良いシーンでしたね。ニコール・キッドマンもいいけ
れど、ダンナ役スティーヴン・ディレインもいいんですよねぇ。さて、続いて
は、(ユキヒト)さんからの同じく『めぐりあう時間たち』の感想。

<僕の友達も「久々いい意味でズーンとくる映画だった」と。また見たいと言
ってました。僕もまた絶対見ようと思ってます。
僕はあの映画音楽ですっかり映画に引き込まれました。ムードがサスペンス風
なのが心を掻き立てました。ぽちさんも言ってましたが、ジュリアン・ムーア
すごくよかったですよね!本当にあんなに上手い女優さんとは知りませんでし
た。彼女がオスカー取っても全然おかしくなかったですね。>

◆あれだけ繊細な演技ができるなんて、ジュリアン・ムーアは素晴らしい!
最後に(badboy)さんからの『アバウト・シュミット』の感想です。

<J・ニコルソンはさすがに渋くてたまりませんでしたが、私が感心したのは
キャシー・ベイツの体を張った演技です。アカデミー賞をとった女優が××た
××××を見せてしまうなんて日本では考えられない事で、やはり女優という
感じがしてすばらしいと感じました。ストーリーとしてはラストにもうワンシ
ーンあってエンディングを迎える感じが良かったと思いました。少し物足りな
かった感じが残念でなりません。>

◆これから観る方のお楽しみのために(?)文中伏字にさせていただきました
(笑)。キャシー・ベイツはかなりの演技派なので、女優魂もかなりのものな
んでしょう。登場シーンは多くないけれど、存在感はバツグンでした。

メールをくださったみなさん、ありがとうございました。 m(._.)m

みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや「こんな作品を取り上げて欲し
い」といったリクエスト、自分が観た映画の感想、映画に関する疑問・質問な
ど、気軽に下記までメールをくださいネ。できれば名前(ハンドルネーム可)
を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合もあります。載
せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
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■4.ぽちのひとりごと■

*今週は直前まで2本の映画を取り上げる予定だったのですが、月末でバタバ
タになったりしたため(零細自営業者なので、一応金策に走り回ったりする)
1本になってしまいました。まあ、今日は第五金曜日ということでお許しを(
なんの理由にもなっていませんが)。

*週末は台風がやって来そうです、影響を受けそうな地域の方は気をつけて下
さいね。では、また。
                           (ぽち)
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発行周期: 週刊(毎週金曜+不定期の水曜) 最新号:  2019/03/20 部数:  1,004部

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