Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.177]

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 =週刊「Cinemaの王国」= vol.177(2003. 5.16)

                 http://homepage1.nifty.com/pochie/
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 ◆ ストーリー・アナリシス (Story Analysis) ◆
 
 ストーリー工学の手法を用いて主に映画作品を紹介・批評します。最新のロード
 ショー作品から古い名作まで、さまざまな作品をとりあげます。
 なぜあの作品がヒットしたのか。なぜあの作品はヒットしなかったのか。
 ストーリーの構造という視点で映画作品を鑑賞してみませんか。
 http://www.mag2.com/m/0000091140.htm 
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【INDEX】
■1.今週のこの1本!
  ―『サラマンダー』―
■2.今週のもう1本!
  ―『Bモンキー』
■3.今週のニュースあれこれ
■4.メールちょうだいッ!!
■5.ホームページ情報
■6.ぽちのひとりごと
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■1.今週のこの1本!■

いつもは一般公開後の映画を取り上げることが多い当メルマガ。今週は久々に
公開前の映画を取り上げます。17日から公開の『サラマンダー』です。
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●『サラマンダー』(REIGN OF FIRE)
(2002年 アメリカ)(上映時間1時間43分)
監督:ロブ・ボウマン
出演:クリスチャン・ベイル、マシュー・マコノヒー、イザベラ・スコルプコ
、ジェラルド・バトラー
*日劇3ほか東宝洋画系にて全国公開(5月17日(土)より)
ホームページ http://www.salamander-jp.com/
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<ストーリー>
現代のロンドン。12歳のクインは地下の工事現場で、長い眠りから目覚めた巨
大竜サラマンダーを目撃。暴れ始めた竜から逃れ、わずかに生き残った人々と
ともに荒野の要塞に身を隠す。それから20年。成人したクイン(クリスチャン
・ベイル)のもとにアメリカ・ケンタッキーから義勇軍がやって来る……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
荒唐無稽なSFを、リアルなサバイバル活劇に変えた大胆さがユニーク
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
うーむ、なんかスゲエ邦題……。
B級ホラー映画かと思っちゃいましたぜ。 (^0^)

素材は確かにB級映画っぽい。
なんたって、火を吐く竜なんて現実離れした生き物が登場するんですから。
(一応、神話や伝説などには出てくるらしいんですけど……。)

現代のロンドンに「サラマンダー」なる竜が出現。世界各地を襲撃し、文明を
破壊する。
それから20年後、生き残った人々は、母親を竜に殺されたクインをリーダーに
、要塞でひっそりと隠れ住んでいた。
そんな中、アメリカから兵士たちがやってくる。彼らは竜と戦うことを主張す
るが、クインはそれに応じようとしない……。

さて、こういう現実離れした話を飽きずに見せるには、課客にいかにしてウソ
くさを感じさせずに、虚構の世界に引きずり込むかがポイント。
その点、この映画はかなりよくできています。

まず、オープニングから全編を包む不気味で妖しげなタッチの映像がいい感じ
。『X−ファイル・ザ・ムービー』(1998)のロブ・ボウマン監督の作品だけ
に、こういう見せ方はお手の物。

幻想世界の出来事なのに、それを徹底的にリアルに描いたところも見事です。
竜と人間との戦闘シーンは、ヘタな戦争映画もブッ飛ぶほどの大迫力。特に地
上に落下しながらの空中戦などは、息を飲むほどスリリング。
また、炎に追い詰められた人間が逃げ惑うさまは、まるでパニック映画のよう
な雰囲気です。
そして、クライマックスでは、荒廃した大地を舞台に激しい地上戦が展開され
ます。
これって、SFなんかじゃなくて、戦争アクション映画じゃないのか??? 

な〜んて思うほどのリアル感。
おかげで、よけいなことを考えずにどんどんスクリーンに引きずり込まれてし
まいました。 (゜O゜;)

よくよく考えたら、おかしなところがたくさんあるんですよね。この映画。
竜がたくさん増殖しているのに、なんで1匹だけと命がけで戦うんだ?
「残っている人を助けなきゃ」って、ただ死にに行っているだけじゃん。
主人公の心変わりもなんだか都合良すぎ!
戦闘の作戦がいい加減すぎるゾ〜〜〜〜!! (`ヘ´) 

てなツッコミどころは、観終わってから思い浮かんだもの。観ている最中は、
まったく気になりませんでした。
それだけ、つくり手の引き込み方が巧みなワケ。

人間ドラマをサラッと流したところも好感が持てます。
主人公と米軍リーダーとの対立と和解、主人公と女兵士のラブ・ロマンスなど
、いくらでもドラマになりそうな要素があるけれど、それをサラッと流して深
入りしない。あくまでもリアルな活劇で見せていく。この姿勢も成功だったと
思います。

主人公を演じたクリスチャン・ベイル(『アメリカン・サイコ』(2000))と
米軍リーダーを演じたマシュー・マコノヒー(『U−571』(2000))の演
技も見もの。
個性派のクリスチャンが、フツーのヒゲ面のタフネス男を演じるのは意外なお
もしろさがありました。でも、それ以上にスゴイのがマシュー。ツルツルのス
キンヘッドのマッチョ男はスゴミがタップリ。いやぁ〜、よくぞここまで思い
切ったものですなぁ〜。 (^。^/)

観てもな〜んにも残りませんが、楽しさはかなりのもの。
エンターティメント映画として、合格点は充分にゲットしていると思います。

ところで、映画の中の米軍兵士がやたらに好戦的なのは皮肉? おまけに、み
んなそれに引きずられていくというのは、まるで今の世界情勢みたい。
てのは考えすぎか!?

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
(エンターティメントとしてはまずまずの映画。冒険アクションが好きな人に
はオススメです。)
                             <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2003年5月15日(木)試写会(よみうりホール)にて。午後7時。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■2.今週のもう1本!■

「大作の陰に隠れて目立たない映画を探索するです隊」(誰がつくった?そん
なもの)が発見した映画を取り上げました。その名も『Bモンキー』。おサル
の映画じゃないよ〜ん。
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●『Bモンキー』(B MONKEY)
(1998年 イギリス)(上映時間1時間32分)
監督・脚本:マイケル・ラドフォード
出演:アーシア・アルジェント、ルパート・エヴェレット、ジョナサン・リー
ス・マイヤーズ、ジャレッド・ハリス
*シネ・リーブル池袋ほかにて全国公開中
ホームページ http://www.b-monkey.jp/
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<ストーリー>
ミステリアスな美少女ベアトリス(アーシア・アルジェント)は、昼間はロン
ドンのオフィスで働きながら、"Bモンキー"というコードネームを持つギャン
グ団の一員でもあった。ギャング仲間の少年ブルーノ(ジョナサン・リース・
マイヤーズ)と、彼の年上の"恋人"ポール(ルパート・エヴェレット)と家族
のように暮らすベアトリス。だが、ある日、誠実な小学校の教師と出会ってし
まい……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ムード漂う犯罪映画。ピュアな愛がイ・タ・イ……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『イル・ポスティーノ』(1996)が世界的にヒットしたマイケル・ラドフォー
ド監督の映画。
といっても、これはずいぶん違った内容の映画。簡単に言えば、犯罪と愛をめ
ぐる物語なんですが、これが心にズキズキくるんですよねぇ〜。 (>_<")

ロンドンのマジメな小学校教師で、夜は病院のDJ(イギリスの病院にはラジ
オ局があるらしい)もしているアランは、酒場である女にひとめぼれ。だが、
ベアトリスというその女は、実はギャング団の一味だった。
彼女にドンドンのめりこむアラン。ベアトリスも彼を好きになり、ギャング仲
間の少年と、その"恋人"(男性)との暮らしも捨てて、新しい生活を始めよう
とする……。

住む世界が違う男女が恋をするというのは、よくある話。そこにいろんな障害
が生まれて、ドラマが起きるわけです。
しかも、この映画の男女ときたら、学校の先生と強盗という両極端の2人。こ
れで波風が立たないはずがありません。

この映画でなんといっても良いのが映像と音楽。どちらもシブくキメてます。
暗めで独特のムードが漂う映像は、破滅的とはいえ2人の男と家族のような生
活を送りながら、ピュアな恋心からそれを振り捨てようとするベアトリスの複
雑な胸の内を表現しているようです。
音楽も、オープニングのムーディーなジャズをはじめ、どれも雰囲気づくりに
大きく貢献しています。

このテの男女の恋愛は、ついベタベタしたりするものですが、適度に乾いたタ
ッチで淡々と描写していくところも、ボク的には好感が持てました。
濃密な男女のラブシーンもたくさん登場するけど、あんまりイヤらしい感じは
しないんですよねぇ〜。

ただ、そうは言っても、前半はやや冗長な感じもしました。
ベアトリスとアランが親密になっていく様子を丹念に追っているのですが、丹
念すぎてちょっとカッタるい感じ。主演のアーシア・アルジェントの脱ぎっぷ
りの良さには脱帽ですが……。 (^0^)

しかし、中盤以降は断然おもしろくなってきます。
お互いに好き合っているのに、2人の間には微妙なスレ違いが生じてきます。
彼女との静かで平凡な暮らしを求めるアラン。過去を捨てようとするものの、
なかなか捨て切れないベアトリス。
2人のすれ違いが、新たなドラマを生み出し、息を飲む衝撃のクライマックス
へと突入していきます。 W(゜O゜)W

なーるほど! 前半であれだけ丹念に2人の恋愛を追ったのは、説得力を持た
せるためだったのか。どれだけ2人がピュアにお互いを求め合ったのか。それ
が理解できないと、このクライマックスはウソくさくなっちゃうもんねぇ〜。
うーむ、さすがラドフォード監督、とようやく納得。 (^-^)

一見、ハッピーエンドと思わせながらも、余韻を残したラストも素晴らしい。
はたして、あのあと、2人の生活はどうなっていくのか???

マイケル・ラドフォード監督の雰囲気づくりのうまさが発揮された映画だと思
います。脚本に詰めの甘さが見られるものの、独特の雰囲気で最後まで引っ張
っていってくれます。

でも、やっぱりこの映画の最大の見どころは、アーシア・アルジェントの演技
かも。『トリプルX』(2002)でヴィン・ディーゼルの相手役を務めてブレイ
クした彼女ですが、ここではハネっ返りのワルでありながら、ピュアな心を持
つ女性をしなやかに演じて見事。
ルパート・エヴェレット(『アナザー・カントリー』(1984)、『2番目に幸
せなこと』(2000))、ジョナサン・リース・マイヤーズ(『ベルベット・ゴ
ールドマイン』(1998)、『ベッカムに恋して』(2002))などとガップリ四
つに渡り合っていました。

しかし、まあ、それにしても刺激的でイ・タ・イ愛ですよ。これは。
それは単にギャングと教師の愛だからというんじゃなくて、普遍的なことなの
かもしれません。背負ってきたもののや、暮らしてきた環境が違う2人が愛し
合うのは、それだけ大変だってことですね。愛って難しい〜! ('-'*)

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
(好みによって違うでしょうが、ボク的には、けっこう好きな世界。アーシア
・アルジェントの魅力がよく出た犯罪映画だと思います。)
                           <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2003年5月14日(水)シネ・リーブル池袋にて。午後4時40分の回。
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■3.今週のニュースあれこれ■

◎第56回カンヌ国際映画祭が開幕!
◎『デアデビル』のジェニファー・ガーナーが裁判所に離婚を申請。
◎ジャック・ニコルソンが、バスケの試合で審判を罵倒し退場寸前に!
◎バズ・ラーマン監督、ディカブリオ主演『アレキサンダー大王』製作延期!
◎ジェーン・フォンダが女優としてカムバック?
◎サンドラ・ブロックとヒュー・グラントがプロモーション来日。

てな感じの今週。
ジャック・ニコルソンったら、相変わらずキレてますなぁ。『アバウト・シュ
ミット』の公開が楽しみ。
なお、カンヌ映画祭のコンペ部門には、日本から黒沢清監督『アカルイミライ
』と河瀬直美監督『沙羅双樹』が出品されています。
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■4.メールちょうだいッ!!■

「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。

◆今週はメールの紹介はお休みです。

メールをくださったみなさん、ありがとうございました。 m(._.)m
みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや「こんな作品を取り上げて欲し
い」といったリクエスト、自分が観た映画の感想、映画に関する疑問・質問な
ど、気軽に下記までメールをくださいネ。できれば名前(ハンドルネーム可)
を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合もあります。載
せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
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■5.ホームページ情報■

●先週はホームページにリクエストをいただき、ありがとうございました。今
後の映画選びの参考にさせてもらいます。引き続きリクエストのある方は、投
票をお願いします。
→ http://hpcgi1.nifty.com/pochie/msgenq/msgenq.cgi?

●『ボウリング・フォー・コロンバイン』と『ニュー・ガイ』のレビューをU
Pしました。よかったら読んでみてください。
・『ボウリング・フォー・コロンバイン』(公開中)
→ http://homepage1.nifty.com/pochie/review/bowlingfor.htm
・『ニュー・ガイ』(5月末よりキネカ大森にて公開)
→ http://homepage1.nifty.com/pochie/review/newguy.htm
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■6.ぽちのひとりごと■

*いつもはほぼ前日に原稿を書き終えているのですが、今号は昨夜観た映画を
取り上げた関係で本日朝に原稿作成。ハラハラの展開ですが、どうにか発行で
きてホッ。 (^。^;)

*先日、ユニークなサイトを見つけました。ハンドルネームを占ってくれる不
思議なサイト。(ぽち)を占ったら、そこそこフツーの運勢みたい。ちなみに、
改名候補は(ペペロンチーノぽち)(ぽち軍曹)(ぽち1号)(凄腕ぽち)(
ぽち半額処分)など。半額処分ってあんた……。 (T^T)
→ http://junkhunt.net/check/hn/
                             (ぽち)
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☆このメールマガジンは
・『まぐまぐ』  http://www.mag2.com/  ID:0000021508
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■週刊「Cinemaの王国」  vol.177  2003. 5.16
●編集発行人:ぽち
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 (発行者自身による解除、アドレスの変更等は一切行っておりません。ご面
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ルには一切関知いたしません。また、記事の無断転載はお断りします。
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発行周期: 週刊(毎週金曜+不定期の水曜) 最新号:  2019/03/13 部数:  1,005部

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