EJJ(JET会報)

[EJJ-070304] e-JET Journal #405

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Caving, Outdoor, Adventure, etc.

                        EJJ(JET会報)

  洞窟探検・ケイビング活動をするJETのメールマガジンです
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 [EJJ] e-JET Journal     2007/3/4号       読者:194名
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なんだか、冬が来ないうちに春が来た感じ。
今日はずっと溜ってた、年末年始の報告の数々を掲載しました。
どれもなかなか興味深い内容ですよぉ。ぜひ読んでください!

余談ですが、最近見た映画、「DREAM GIRLS」が最高でした。60〜70年代の煌びやかな
ショービジネスの世界を満喫できました。ビヨンセの美しさが素晴らしく、
エディー・マーフィーはいい演技してました。
(チカノ)

=== HEAD LINE =============================================================
★穴探し 02/12 の報告      by #0601 吉本 亜裕美(キャシー)
★僕の年末年始 遠ざかる霧穴          by #0604 小粥 康正(GF)
★06’12/9 熊石洞の感想        by #9702 阿部 勇治(骨担当)
★JETの活動予定                                        by JET事務局
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このメールマガジンは、ケイビング・洞窟探検に興味のある方、やってみたい方
東海地区で活躍するJET(ジェット)の活動に興味がある方へのメールマガジンです
活動の報告が主な内容で、不定期に発行します。
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★穴探し 02/12 の報告      by #0601 吉本 亜裕美(キャシー)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JET
午前:多賀にて
 学期末のレポートを全部提出してホッとしていたころ、MASAさんから新洞探査のご提案。
翌日朝8時半気温暖か天気快晴、河瀬駅にて藤森さんと合流する。
1. MASAさん未確認の穴探し
2. MASAさん確認済みの穴を詳細調査 
3. どこかで大穴狙い の案が出た。
 まずは多賀町に三つある川筋の最南の谷へ。橋の手前側から対岸にあるという穴を探す。
1,2箇所石灰岩の塊は見えるけれど、穴は見受けられない。次は対岸の方面に渡り
車で少し山に入ったところ、MASAさん確認済みの穴である。
確認できたのは30センチくらいの空間で、その先に暗く小さいため確認できないが
空間は続いているようだ。穴の定義に興味のある人にとっては見る価値がある…。
三つめ、少し北にのぼり集会所前に車をとめ、川に降りて対岸にある穴(MASAさん確認済み)。
さっきの穴と比べると洞窟っぽさがよく伝わる大きさだ。現場に行くには
川を渡らなければならないのだけど、ひざまで水面がきてしまうし、
冷たくて足がじんじんするし。結局、「今日行っても測量道具はない」と正当化し、
引き返した。
 あとは霧がのぼっているのが見えるという穴に行ってみることも考えたが、
高度があるため準備をしていないと洞口までは行けない。
どうせなら伊吹山周辺まで行ってみようという提案に、低調になりつつあったやる気は
がぜん回復してくる。伊吹山は多賀町から車で4,50分ほど移動したところにある。
昨年いろんな団体の合同探査でひとつ竪穴が見つかったらしいが、まだ
あまり探されていないらしい。
午後:伊吹にて
 まずは「神社湧水こちらへ○m」という看板のほうに行ってみた。
量の豊富な水汲み場の周りにペットボトルなどを抱えた人たちと
野菜を売っている地元のおばちゃんがいる。洞窟について尋ねると、
「うちのじいちゃんが詳しいよ」という嬉しい返事をもらった。野菜も買えて
ほくほくしながらじいちゃんの家へ行ってみるが、いないようだ。
今度は通りがかりのおじさんが案内してくれることになった。神社北の山へあがり、
眺望のよい池の北端に車を停める。池のあぜ道東、残念ながら落ち葉で埋まっているが、
確かに陥没型の穴ができていた。奥に小さな空間が続き水が流れこんでいる。
さらに少し東にも似たような穴が見られた。掘るとすればこっちのほうが有望だろう。
さらに情報を集めるべく、集落に戻っておじさんに詳しい人を教えてもらう。
お寺さんを兼ねているそのじいちゃんはその辺りの歴史や地理に詳しく、
展示室も作っておられた。じいちゃんの先導で、先ほどの穴二つのほか、
さらに山をあがっていくつか似たような穴を案内してくださった。
立った人が隠れる大きさのものもあったのだが、残念ながらどれも落ち葉で
埋まってしまっていた。乾いた谷沿いに並んでできていることが多く、雨天時には
下に水が流れ込んでいるらしかった。他にも探せばあるんじゃないかと期待させる山であった。
 次に、古い資料に竪穴があると記載されている山へ向かう途中で
「円空の彫像南へ○m」という看板に出会う。たどり着いたのは伊吹地方の資料館。
廃校を利用しているというこの資料館の館員さんが山などに詳しい人に連絡してくれた。
そして、「伊吹山8合目に100mほどの竪穴がある、昔ケーブルとロープをもって入った、
危ないからそれ以上は行ってないが横にのびる支洞部分もあるかもしれない」という
情報を得た!教えてくれた電器屋さんのほか、伊吹山頂の山小屋の管理者さんも
詳しいとのことで、その方の連絡先も教えていただいた。
 続いて元々のめあての山付近で聞き取りを開始。しいたけの植えつけ作業中のおじさんが
詳しい人の家まで案内してくれるが不在であった。さらに湧き水の流れ口に
祠のようなものがあるというお宅を紹介してもらう。裏庭におじゃますると、
湧き水の流れ口は分からないとのことだったが、確かにその庭の後ろの山から
小川が流れてきていた。山と庭の境には洞窟もあった。海食洞に近い、
がけがえぐれたような形をしている。もろい岩質で、おじさんは人工じゃないかと
思っていたようだが、手を加えたにしてもある程度自然のものであることは明らかだった。
天井からは水が滴ってきており、床には小さなくぼみがいくつもできている。
梅雨時には小川から水が庭にまで溢れたり、洞窟の下から水が噴出することがあるらしい。
家の人は大変な思いだろうが、思わず興奮してしまった。
 ここで集落をあとにし、おじさんの教えてくれた「小泉にあるダム手前、
カーブ手前の穴」に行ってみる。伊吹山に向かう道路を北へ、教えられた通り
水門手前のカーブから対岸に緑のネットに覆われた暗闇が見えた。
さらに、少し先にもそれらしきものがある。車から降り、それぞれ穴であることを
確認したが、護岸工事のため対岸に渡るのが面倒なこと、ネットで覆われていることは
次来るときには考えておかないといけない。
 ネットの穴の持ち主が分かるかもしれない、と小泉集落にも向かう。
左手の川の河原がだんだん広くなってくると、橋を過ぎたすぐ先の対岸に
穴らしきものが見える。橋を渡って近くまで降りてみるが、これは谷筋にあった黒い岩と
その陰がそれらしく見えただけであった。そのまま橋に車をとめ、ごみ置き場にきていた
おばさんに話を聞いてみる。洞窟があるというのは聞いたことがないとのことだったが、
「湧水(おけすい)」というところが少し南、山側にあがったところにあるらしい。
おばさんは節分草の咲いている所を教えてくれた。最近そこの写真を取りにくる人が多いらしく、
私たちもそれ目当てかなと思ったそうだ。
 最後にもう一度、先ほどの集落の山に詳しい人が帰っていないかと戻ってみると、
一人は戻っておられた。早速尋ねてみるが、この辺りにはない、と断言されてしまった。
というのも、この辺りは石灰岩が少なく黒い岩が大半で、あってももろいため
大きい洞窟ができるとは考えにくい。
洞窟があるのは向こうの山側(はじめの集落を含んだ方角)だよ、とアドバイスされた。
さすがだな〜と納得しつつ、でも資料にあった竪穴の行方も気になりつつ。
このおじさんも「おけすい」は行ってみるといいという。気になるところだ。
 結局、今回の一番の収穫は伊吹山の竪穴ということで落ち着いた。雪解けが待ち遠しい!

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ずいぶんたくさん聞き込みしたのですね。
キャシーとMASAは、JETの好感度NO.1コンビだから、聞き込みはお手の物でしょう。
キャシーは銭湯など行くと、やたらオバちゃんに声をかけられるらしい。わかる。
荒川良々なみの究極の素朴さがオリジナリティだぁぁぁあぁ!
その魅力を使って、デカい洞窟情報を入手するのだ!
(チカノ)


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★僕の年末年始 遠ざかる霧穴          by #0604 小粥 康正(GF)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JET
春頃からJETのホームページを何度か見ていた。
そこに載っていたのは三重にある深さが200m近くある霧穴。
浜松周辺や富士山周辺で幾つかの穴に入ったが、それらとはスケールの違う穴。
漠然と「行ってみたい」と思っていた。

昨年の秋はここ数年になくアクティブに活動した。
理由は、ジム(http://homepage2.nifty.com/zekuh-tarino/)の店番や
自然体験活動の手伝いをしてくれたノブ(http://ameblo.jp/asobidayori/)が
10月下旬から1年ニュージーランドに行くことになり、感謝の意を込めて彼を沢、岩場、洞窟、
木登り、登山、パラグライダーなどへ連れて行ったからだ。

彼と間髪空けず行った活動は、若かったころ(30歳代前半までは開拓など
もっと活発だったのです)の熱さを思い出し、彼が去ったあと「霧穴へ行こう」と
決心させた。
11月26日の浜松ケービングクラブの探検教室のあとに竹内さん(浜ケイ代表)に
霧穴に行ってみたいと告げる。
竹内さんは「ゲストとして紹介しようか」と言ってくれたが、JETに参加することを漠然と考えていた私は
どう返事をしていいものかわからず、会話は曖昧なまま終わった。

27日 JETのホームページから「正月に霧穴に行きたい、そのためにJETに
参加したい」と吉田隊長と事務局チカノさんにメールする。

28日、隊長から一度会いに来て欲しいと連絡をいただく。

30日、用事で名古屋まで行くことになり、その夜ジェットハウスで隊長に会い、無事入隊となった。

12月16,17日 忘年会とSRT、救出訓練。
そして最後の訓練ということで29日 イタバラの穴に入ることになった。

27日に家の大掃除を終え、28日豊田の岩場で登り納めをする。
28日から寒波がやってきており岩場は雹が降り、寒かった。
午後3時ころには寒さに耐えかね自動車に乗り込み、そのまま山県のジェットハウスに向かう。
土岐のあたりから雪がちらつく。

関あたりから雪は本降りになる。
ノーマルタイヤの私は「明日 帰れるかな?」と思いながら進んだ。
途中、食事とビール、焼酎を購入する。
ハウスにつく頃、雪は3cmほど積もり あたりは真っ白になりはじめていた。
車の中でシュラフに包まり、ビールを飲みながら眠りについた。

私はいきなりの轟音に眠りを妨げられ、飛び起きた。
時計をみると午前3時。轟音の正体は除雪車だ。
あたりは30cmを超える雪で真っ白。「明日帰れないかも?」と思いながら、また寝袋にもぐった。
29日朝6時 アラームで起きる。
雪はまだ深々と降り続いていた。
雪の降らない静岡県人の感覚からすると、こんな日に行動はしないのが通常に思えてきた。
すると、なぜか「この雪ぢゃ今日は誰もこない」と勝手に決め、夕べの残りの焼酎を飲み始めていた。

すると7時少し過ぎ車の窓を叩く音が。
近野さんと柏木さんがパジェロミニ(でしたよね)でやって来てくれた。
僕は酔っているのを隠し、ハウスに入り込んだ。
雪の中、チカノさんが訓練の準備をしてくれ、僕はそこで数度上り降りを繰り返す。
手や足がかじかむ。
数回終えた後「大丈夫ですね」との声がかかり、訓練を終えた。(9時頃)

さていよいよイタバラの穴へ。
柏木さんは緊急用にハウスで待機することになった。
僕は雪の装備を持っていなかったので、スパッツの代わりにガムテープでカッパと靴の間を埋める。
予備の軍手を幾つか持ち、チカノさんの後について歩き出した。(9時10分出発)
雪はまだ深々と降る。ガムテープをケチったため雪が靴に入る。途中何度か滑る。
1時間ほど歩くとイタバラの穴の洞口に着いた。(10時15分)
雪はまだ深々と降り続いていた。

チカノさんがロープをセットし、下降する。
OKの合図をもらい、それに続く。
1ピッチ目は光と雪が洞口から降り注ぎ幻想的な風景を作る。
下へ降りるほど暖かくなる。
凍えていた手足は感覚を取り戻す。
途中、菊頭コウモリが何匹か冬眠し、ぶら下がっていた。
ここは広めの空間が続く竪穴で快適に下降する。
数ピッチ(6ピッチ?)で一番下まで降りる。最後はフリーで狭いところを通過し、
下降は終わった。(12時ころ)
「ここは地層が変わっていて面白いところで柏木さんが好きなところだ」とチカノさんに教えてもらう。
浜ケイの竹内さんもそうだが、専門家や長くケイビングをやってきた人は洞窟の形状から
多くのことを読み取る。
自分は言われるとなるほどと思うばかりで自分からそこまで思考が働かない。
そのたびに自分の力のなさと洞窟の奥深さを感じる。
しばらくすると今度は出るためにSRTで登り始めた。
チカノさんが先に登り、僕がロープを回収しながら続く。
洞口に近づくに寒気が増す。13時頃、無事出洞。
急いで装備をまとめ、下山する。

寒いので比較的早足で下る。
もうじき道路に出るところで足を滑らす。
とっさに左手を地面に着く。肘が伸びきった状態だった。
腕全体が痺れ、痛みで呼吸が止まる。数秒間、身体が固まる。
しばらくすると呼吸が戻る。腕はまだ痺れている。
骨が大丈夫か触る。上腕骨は大丈夫。尺骨も大丈夫。頭骨も大丈夫そう。
痛みはあるが、腫れはない。
あたり一面の雪が緊張をつくり、カテコールアミンが僕の身体を駆け巡る。
下山中はそれほど痛みを感じなかった。
13時40分頃 ハウス着。

柏木さんが暖かいお茶を入れてくれる。おいしかった。(ありがとうございました)
緊張が緩和されると共に徐々に腕が痛み出した。
雪を欠き、クルマを出す。マニュアルのレバーを引くのに痛みが走る(今時5MTなのです)。
チカノさんが「小粥さんは自分で治せるからいいよね(いちよう鍼灸マッサージ師です)」と言った。
僕は痛みの感じが「傷めた」ではなく「壊れた」だと思い、「そんなもんぢゃないですよ」と無粋に答えた。
(チカノさん、ごめんね あの時言い方がきつかったかも・・)

路面の雪が解けかけてきたので先にハウスを出、帰路についた。
腫れてこないので骨折はしてないと思ったが、痛みがありミッションを反対の右手で操作する。
バーに寄り、それから浜松へ。途中SAで仮眠をし、21時頃 浜松に着く。
自宅で風呂に入る。腫れはやはりないが、痛い。まったく左は使えない。服を脱ぐのも一苦労。
このあたりから、霧穴が遠ざかるのを感じる。
夜半から痛みが増し、30日は病院へ。

結局 骨折はしていなかったが、医者は研修医っぽい若いおねえちゃん(可愛かったけど)で
原因はよくわからない。
多分、「頭尺関節内の打撲」は僕の診断。
打撲なら1週間くらい痛くてもその後は順調に直るはず。
病院から吉田隊長に電話する。霧穴は手の届かないところへ行ってしまった。

それから年末年始は鳳来の古民家でダラダラと過ごしたのでした。(http://tarino.hamazo.tv/) 

霧穴隊のみなさん ご迷惑をおかけしました。
JETの皆さん 今年もよろしくお願いします。

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霧穴に行きたいと熱烈入隊した小粥さんなのに、直前に行けなくなって、
とっても気の毒&面白かった!(すみません)
小粥さんは最初、ヘンな人だな〜と思ったけど、ハートは熱くていい人でした。
(他のJETメンバーより、ずっと普通の人!)
小粥さんの技術なら、いつでも霧穴に行けますよ。
ご都合のいい日をご連絡くださいね。(チカノ)

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★06’12/9 熊石洞の感想        by #9702 阿部 勇治(骨担当)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JET
ある日の事、いつものように送信されてきたE.J.J.の記事を読んでいて、近野さんの
新洞探検の報告記事が目にとまった(e-JET Journal  #401)。
そこには、次のような一言が。
「もう洞窟を愛していないのかなぁ…」

それが、“事のはじまり”であった。

J.E.T.のメンバーの中で、私は“骨好き”で通っている。
登山家が山に登る理由を尋ねられて、「そこに山があるから」と答えるのと同じよう
に、私の場合は洞窟に入るのはもちろん「そこに骨があるから」だった。
「骨のない洞窟なんて、唐辛子の入っていないキムチ、撥水性の無くなったゴアテッ
クスと同じような物である」と信じて疑った事など無かった。
でも、ふと机に目をやると、採集してから半年以上もほったらかしの骨どもが泥まみ
れのままころがっている。
こんなことで、はたして 骨が好きだ! 骨を愛している!! と言えるのだろうか。
そして、近野さんの言葉を咀嚼しながら思わずつぶやいた。
「もう骨を愛していないのかなぁ・・・」
けだるく、切なく、そして鈍く痛い。
この感覚は、はるか昔にも感じた事があるような気がする・・。

私と骨との関係が危機を迎えつつあったちょうど同じ頃、J.E.T.内で熊石洞での活動
の話しが持ち上がっていた(e-JET Journal  #403:2006年12月8〜9日)。
熊石洞といえば、氷河時代の動物の骨化石が産出していることでもよく知られている穴だ。
“骨好き”にとってはまさにパラダイス。
U.S.J.やディズニーランドにも勝る聖地のはずである。
タイミングよく仕事を休む事ができたので、骨との関係に白黒つけるためにも急遽
参加させて頂くことにした。

今回のメンバーは、近野さん、稲垣さん、藤原さん、五藤さん、青柳さん、そして私
の総勢6人。
熊石洞は、1000mを超える長さがあり立体的にかなり複雑な穴なので、リギングは
とても大変だ。
稲垣さんと藤原さんは先発隊として前日のうちに現地入りし、徹夜のリギングをして
下さっていた(ほんとにお疲れ様でした)。
でも、骨化石の産出しているポイントは1ピッチ降りただけで、そこから横に延びる
枝洞にある。
延々と続くロープを横目に1ピッチだけ下降して、私は本隊と別れ1人シャベルを手に
骨との対話に向かった。

遠くでかすかに本隊メンバーのコールしている音が聞こえるが、枝洞の奥に体を滑り
こませるとそこにあるのは全く音のしない自分1人だけの世界。
狭いポケットの中で、自分が胎児になったような不思議な感覚に包まれながら、ただ
ひたすら掘りつづけた。

**以下、私の心象世界**
私「最近、ダメなんだ・・。」
「なんだかお前の事を見ても、昔みたいにときめかないんだ。」
骨「・・・」
私「もうオレたち、おしまいかもしれないなぁ。」
骨「・・・」
私「黙ってないで、何とか言ったらどうなんだ!」
骨「・・・」

・・・・・・!!!!!。
私「ありゃりゃ?あんた、もしかしてオオツノジカ?」

**ここから現実に戻る**

そこには、オレオビスケットほどの大きさの骨のかけらが転がっていた。
中足骨か中手骨の関節部分であることは間違いないが、それにしても大きい!
あたりをよく探すと、半ば埋もれかけの骨や歯の一部が点々と顔をのぞかせていた。
割れた小さな破片ばかりではあったが、「ぼくはここにいるよ!」とうったえかけて
いるようにも思えてくる。

**再び妄想の世界(今度は一人称)**
そうか。
みんな、オレの事をまっていてくれたんだ。
なのに、オレったら「ゴメンな。」「みんなゴメン。」
**再び現実へ**

こんな感じで、現実と妄想を行き来しながら掘りつづけ、気がつけばほぼ丼1杯分の
骨や歯が採集できた。
詳細は分析中であるが、今のところナウマンゾウ?(臼歯片)、オオツノジカorへラ
ジカ(中手か中足遠位端、乳臼歯数本)、アナグマ(上顎大臼歯)、タヌキ(臼歯)、
モモンガ?(頭蓋片)、ハタネズミ(頭蓋片、臼歯)、モグラ類(上腕骨)、
ヒキガエル類などが識別できている。
今後は、年代測定の実施なども視野に入れ、これらのサンプルから吉村作治先生も
ビックリな新事実を明らかにする予定?である。
なお、モモンガは比較標本が無いので、道端で落ちていたりしたらぜひご一報を!
ヘラジカやゾウも比較標本がないのでついでに・・と言いたいところですが、どっち
も道端に落ちていたりしないのでちょっと無理だろうなぁ。

持ちかえったサンプルを洗浄・整理しながら、あらためて思う。
「やっぱりオレは骨が好きなんだ。」
「1年365日、骨のことを考えない日は1日だってないじゃないか。」
骨を愛していようがなかろうが、もうそんな事はどうでもよくなっていた。
きっとこれからも、自分自身が骨となるその日まで、私は骨を求め、骨とたわむれ、
骨担当としての職責をまっとうすることだろう。

ちなみに、ゾウの呪いかシカの祟りか、私は出洞後ひどい腹痛と吐き気にさいなま
れ、完全にグロッキー状態。
メンバーとの夕食もパスして撃沈寸前になんとか自宅にたどり着いたような有様で
あった。
そういえば、昼食用にサークルKで買った弁当に割り箸が付いてなかったので思わず
ピンセットで食べたんだったっけ。
やっぱりあれが悪かったんだろうか・・。

==============
ははは!阿部さんの書くものはいつも面白いです!
私の洞窟との倦怠期はまだ続いていますが、洞窟とは離れられないようです。
阿部さんの骨と同じように、洞窟もいつも何も答えてくれませんが、
「お前、ここで私を待ってたんだね!」と思わせられるときがありますよ!
私が一人で悩んでいても、ずっと変わらず待っていてくれる、洞窟は本当にいいやつです。
(チカノ)

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★JETの活動予定                                     by JET事務局
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JET
冬 霧穴ディギング(予定)
3/24, 25, 31 近江カルスト自然史調査
2007/10 Philly Grotto 60th anniversary


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JET事務局 担当 チカノユリコ
<chikano@mbd.ocn.ne.jp>         
お問い合わせ
http://genkijin.jp/jet/        JET洞窟探検ホームページ
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