ロシア政治経済ジャーナル

【RPE】★習近平、ダボス会議で、世界の支配者層に取り入る

【RPE】★習近平、ダボス会議で、世界の支配者層に取り入る

RPE Journal==============================================



        ロシア政治経済ジャーナル No.1489 


                                2017/1/19

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習近平は、世界の支配者たちが集結する「ダボス会議」で演説し
ました。


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★習近平、ダボス会議で、世界の支配者層に取り入る


全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


世界中から政界、ビジネス界の超エリートがスイスに集結する

「ダボス会議」。


ここで習近平が17日、演説しました。

なんと、「グローバリズム絶対支持」演説。



▼習近平、「グローバリズム絶対支持」を表明



<習主席、保護主義に警鐘 トランプ新政権にらみ、ダボス会議
で講演

AFPBB News 1/18(水) 9:37配信 

【1月18日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は17日、
スイス・ダボス(Davos)で開幕した世界経済フォーラム(WEF)
の年次総会(ダボス会議)で講演し、世界が抱える諸問題の責
任をグローバル化に転嫁したり、保護主義の殻に閉じこもった
りするべきではないと警鐘を鳴らした。>



なぜ、こんな演説をしたのでしょうか?

一つは、中国が「グローバリズムの恩恵を受けやすい国」だか
らでしょう。

どういうことでしょうか?


「グローバリズム」が進むと、「人、物、金の行き来」が自由
になっていきます。

中国経済は輸出でもっているので、物の行き来が自由なほうが
いい。

他国の関税が低い方がうれしい。


人の行き来はどうでしょうか?

中国は、GDP世界2位の大国ですが、一人当たりGDPは、まだま
だ低い。

(2015年、8140ドルで世界76位。

日本は、32478ドルで世界26位。

中国は、日本の約4分の1。)


それで、中国人は、職、高給を求めて、どんどん外国に出て
いってしまう。

しかし、中国政府は、「それでいい」と考えている。

たとえば、中国人が日本に1000万人引っ越した。

それだけで中国は、日本への影響力を確保できるのですから、
うれしい。

「外国人参政権」を認めさせれば、かなりの政治的影響力を
確保できるようになるでしょう。

いずれにしても、中国は「人の行き来が自由になること」で
恩恵を受ける立場にある。


「金の移動が自由になること」については、複雑ですね。

現在、中国からどんどん資金が流出しているので、制限を加
えています。


何はともあれ、中国は「グローバルリズムの恩恵を受ける立
場」にあるので、

習近平は、「グローバリズム支持」を語った。



▼トランプに対抗する



もう一つの理由は、「反中」のトランプに対抗すること。



<米新大統領への就任を数日後に控えたドナルド・トランプ
(Donald Trump)氏とは異なる世界経済像を打ち出した形だ。

 米国は数十年にわたり世界の経済秩序をけん引してきたが、
トランプ次期大統領はこれまでの慣習を破り捨てることも辞
さない構えを示している。

これに対し習氏は、初めて出席したダボス会議の場で、グロ
ーバル化の流れに逆行はできないと訴えた。>

(同上)



トランプは、就任前から台湾の蔡英文総統と電話会談している。

そして、「一つの中国」の原則を見直す可能性に言及している。


困った習近平は、「俺の方がトランプよりマシだぜ!」とアピ
ールした。



▼世界の支配者層とは?



ダボス会議に出席する「世界の支配者層」とは誰でしょうか?

簡単にいえば、「政界のトップと超金持」です。


「超金持」って、「どのくらい金持ち」なのでしょうか?

先日ご紹介した記事を読めば、「トンデモナイ金持ち」で
あることがわかります。



<世界人口の半分36億人分の総資産と同額の富、8人の富豪
に集中

AFP=時事 1/16(月) 13:01配信 

【AFP=時事】貧困撲滅に取り組む国際NGO「オックスファム
(Oxfam)」は16日、世界人口のうち所得の低い半分に相当す
る36億人の資産額と、世界で最も裕福な富豪8人の資産額が同
じだとする報告書を発表し、格差が「社会を分断する脅威」
となるレベルにまで拡大していると警鐘を鳴らした。>



そして、世界の支配者層は、「グローバリズム」を支持して
いる。

なぜ?

グローバリズムのおかげで、オフショアを使い、「合法的に」
税金を払わなくていい。

グローバリズムのおかげで、賃金の安い国に製造拠点をつくり
大儲けすることができる。

グローバリズムのおかげで、貧しい国から豊かな国に労働移民
がどんどん流入し、

労働者の賃金が低下していく。

安く雇って大儲けできる。


つまり、グローバリズムは、彼らがさらに豊かになるのに、
とてもいいことである。

ダボスに集まる人の「宗教」について、ウォール・ストリート
・ジャーナルのジェラルド・ベーカー編集局長は、いいます。



<ダボスは単に場所や人々の集団ではなく1つの理念だ。

しかも、冷戦終結後の25年間の世界を実際に支配し、大きな
成功を収めてきた理念なのだ。

その本質はこうだ。

世界は1つの巨大な市場であり、機会であり、政治形態である。

世界的な経済活動への障壁は取り除くべきで、国境や国民感情、
国家主権はグローバルな超国家機関に従属する必要がある。>

(WSJ 1月18日)



▼世界の支配者層に見捨てられた中国



実をいうと、中国は長年、世界の支配者層の「お気に入り」でした。

1991年末にソ連が崩壊するまで、中国は、ちゃっかり「ソ連に対抗
するための強い味方」というポジションを得ていた。


その後は、クリントン大統領夫妻を懐柔。

「世界でもっとも儲かる国」ということで、世界の支配者に好かれ
てきた。

2010年11月、ソロスはいったものです。



「アメリカから中国への、パワーと影響力の本当に驚くべき、急速
な遷移があり、それはちょうど第二次世界大戦後の英国の衰退とア
メリカへの覇権の移行に喩えられる」

「今日、中国は活発な経済のみならず、実際に、アメリカよりもよ
り機能的な政府を持っているという議論を呼ぶであろう」



ソロスは当時、「イギリスからアメリカに覇権が移ったように、こ
んどは、アメリカから中国に覇権が移りつつある」。

「それは悪いことではない」

と考えていた。

しかし、中国は、その後傲慢になり、世界の支配者層に嫌われまし
た。

習近平が国家主席になり、「中国の夢」とかいいはじめたとき、世
界の支配者たちは、「こりゃダメだ!」と幻滅した。

そして、中国から逃げはじめました。



<シティやバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス・グ
ループなどが2012年の初め以降、中国の銀行株を少なくとも1
40億ドル(約1兆7000億円)相当を売却したという。

投資先としての中国の落日ぶりを象徴するのが、ブラジル、ロシア、
インドを含む4カ国に投資する「BRICs(ブリックス)ファン
ド」をゴールドマンが閉鎖したことだ。

ゴールドマンはBRICsの「名付け親」として新興国投資ブーム
を作ったが、中国が人民元を突如切り下げた時期にあたる8月12
、13日の会合で閉鎖を決め、10月に別の新興国向けファンドと
統合した。

「予見できる将来に資産の急増が見込めない」と閉鎖理由を説明し
ている。>

(夕刊フジ 2015年11月25日)



そして、「中国万歳」ソロスの論調も、180度変化しました。

2016年1月の発言。


<ソロス氏:中国のハードランディングは不可避、株投資は
時期尚早(2)

Bloomberg 1月22日(金)9時54分配信

(ブルームバーグ):著名投資家ジョージ・ソロス氏は21日、
中国経済がハードランディングに直面しており、こうした状
況は世界的なデフレ圧力の一因になるだろうと述べた。

同氏はまた、中国情勢を考慮して、自分は米株の下落を見込
んだ取引をしていると説明した。

ソロス氏はスイス・ダボスでのブルームバーグテレビジョン
とのインタビューで、


「ハードランディングは事実上不可避だ」と指摘。

「私は予想しているのではなく、実際に目にしている」

と語った。>



「ハードランディングは事実上不可避」だそうです。



▼習近平、世界の支配者層に取り入る



さて、「絶対的存在」に思える、「世界の支配者層」。

しかし、あらゆる支配者同様、支配が永遠につづくことはない
でしょう。

実際、2016年に起こった「イギリスのEU離脱」「トランプ勝利」
は、支配者たちにとって、「都合の悪いできごと」でした。


彼らは現在、厳しい状況に追いこまれている。

WSJ1月18日付で、ジェラルド・ベーカー編集局長は、いいます。



<貴族階級の歴史はたいてい不幸な結末を迎えている。

2017年のダボス会議参加者がこうした疑問に答える努力を始め
なければ、ブルボン王朝やロマノフ王朝に起きたことの現代版
が、

せいぜいそれほど激しい暴力を伴わず多くの死者を出さない形
で、最終的には同じ重大な結果をもたらすのを待つしかないだ
ろう。>



彼は、「世界の支配者層が変わらなければ、革命が起こって、
失脚する」といっているのです。

習近平は、こうした世界の支配者層の危機感を察知し、


「支配者たちと和解しよう!」


と考え、演説した。

習近平はいいます。



<中国は今後も「門戸を開き」、新興国がグローバル化の恩恵を受
けられるよう後押ししていくと言明。

同時に、トランプ氏が脱退を示唆している地球温暖化対策の新たな
国際的枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」を支持する意向を
示した。

 また、「世界の諸問題を経済のグローバル化のせいにするのは無
意味だ」と指摘し、2008年に欧米を襲った金融危機の原因は自由貿
易ではなく、圧倒的な規制不足にあったという中国の見方を強調し
た。>

(AFPBB News 1月18日)



彼は、まさに「世界の支配者層が聞きたがっていること」と語りま
した。

反応は当然、良好でした。


<習氏はこの講演で、会場に集まった各国や各界の首脳、著名芸能
人らの多くから喝采を浴びた。>(同上)



▼日本は、習近平をあまく見るな!



日本では、中国や習近平をとても軽視する傾向があります。


「中国は、こんなにアホなことをやっている!」

「習近平は、こんなにバカなことをやっている!」

「やっぱり中国は民度が低い」

「中国崩壊は近い!」


こういう話が好まれます。


今回の演説について、


「習近平の演説に、会場はしらけムード」


と書けば、喜ばれることでしょう。

しかし、日本は、「そんなハチャメチャな中国に、負けた」
という事実を覚えておく必要があります。

反論がでるでしょう。

「日本は、中国ではなくアメリカに負けたのだ!

中国では、連戦連勝だった!」と。


しかし、「アメリカを日本との戦争にひきずりこんだ」のは、
中国とソ連です。

ある面、中国(とソ連)は、「アメリカを使って、スマート
に(あるいは、ずる賢く)日本に勝った」ともいえる。


次の反論は、「日本は負けたが、共産党ではなく国民党に負
けたのだ!」でしょう。

その通りです。

しかし、共産党は、「国民党と日本軍を戦わせることで、力
を温存し、

結局内戦に勝利した」ともいえます。



習近平の「ダボス演説」は、彼が世界の動きをしっかり把握
していることを示しています。

そして、「世界の支配者層を味方につけよう」とした。


何がいいたいかというと、「中国や習近平を甘く見るな!」
ということです。

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しかし、日本政界は、彼を放っておかなかった。


行列をなして彼のもとへ訪れる日本の政治家たち。


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<プーチン本はいろいろ出ているが、これが独特で面白い。>

(立花隆 「週刊文春」2012年7月12日号)


「100年に1度の大不況」はプーチンのせいで起こった?!

今明かされる驚愕の裏真実!(証拠つき)

2003年、フセイン政権を打倒したアメリカは、次にロシアの石油利
権獲得を目指す。

ユダヤ系新興財閥ホドルコフスキーから、ロシア石油最大手「ユコ
ス」買収の約束をとりつけることに成功したのも束の間。

プーチンはホドルコフスキー逮捕を命じ、ロシアの石油をアメリカ
に渡さない決意を示した。

しかし、ホドルコフスキーの後ろには、ロスチャイルド家、ネオコン
の首領チェイニー米副大統領が・・ 。(証拠つき)

こうしてプーチン率いるKGB軍団と世界の支配者の壮絶な戦い
が開始された。

08年のロシア-グルジア戦争でピークに達した米ロの争い。

なぜ両国は和解し、関係を「再起動」することに合意したのか?

プーチンとメドベージェフの対立。

そして、プーチンを裏切ったメドベージェフの背後にいた勢力とは?

大統領に返り咲いたプーチンは、どのようにアメリカに「とどめを
刺す」のか?

豊富な資料と証拠で、あなたの世界観を一変させる真実の書。

「洗脳マトリックス」の心地よいぬるま湯につかっていたい方は、
決して読まないでください。危険です。



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●Sさまからのメール


いつもメルマガでお世話になってます。

Tillerson発言は"Illegal actions"でしたが、尖閣の決着は合法
性かどうかでは争われない性質のものだし、一般的な意味でのい
かなる「法」も適用不能だと思います。

従って、彼のそのコメントは「無効」だと思います。

次に、「日米防衛を確約する協定」とありますが、彼のこの点に
関する発言の引用は、次のように曖昧さを残すものです。

“We’ve made a commitment to Japan in terms of a guarantee
 of their defense” 

“We have long-standing ally commitments with Japan and South
 Korea in the area and I think we would respond in accordance 
with those accords” 


当然ですが、「日本を防衛する」という意味のことは一言も言いま
せん。 

日米防衛を確約する協定とあり、たとえば日米安保条約5条に言及
するものと理解すれば、第5条は、「両国が共同して日本の防衛に
あたる」旨規定していますが、どのような配分で応戦能力を提供す
るかに関して規定はありません。

そして、その具体的配分に関して、防衛ガイドラインとして2015年
になって17年ぶりに改定され、「原則として日本は自力で守るべし」
ということが日米間で決定しています。 

正確にいうと、米国側の役割が、「日本側の作戦を支援し補完する
ための作戦を実施すること」と規定されました。 日本に基本的戦
闘責任があると読めます。

だからというか、この辺、北野さんもよく熟知している理解の範囲
内なのですが、私はとくにTillerson発言を特に重要視することは
できません。

ですが、これからの米国が、中国に対してオバマ時代より強硬な態
度をとるのは間違いないと思います。


それと余談ですが、昨年末から米国がロシア国境沿いの東欧地域に
かなり多くの地上兵を投入して来ているのには何か深い意味があり
うるのでしょうか。 

気にしていたら念頭にいきなりロシアの民主党ハッキング報道や、
大使館員の追放劇がありびっくりしました。

これも余談ですが、マスコミはトランプの様々な発言を「とんでも
発言」扱いしていますが、米国のシンクタンクが従来考えていたこ
との断片がポロポロ出てきたに過ぎないと思います。 

彼の通商政策なんて、思いつきだけではいえないことですし、実
施されればものすごいインパクトが生じることは間違いありません。 

共和党内でも、取立て反対意見はなさそうすし。

個人的には、政府貨幣の議論が、財政ファイナンスとの兼ね合いで
出てくると面白いなと思っています。 

政府貨幣はどちらかというと「とんでも論」で片付けられてしま
ったのすが、1930年代の恐慌時にシカゴ・プランとして大多数の経
済学者の支持を得たまっとうなアイデアですから。




↓●編集後記へ
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★編集後記


ネコのトミーは、朝食を食べたあと、午後4時までずっと
寝ています。

午後4時になると起きてきて、夕食を食べ、また寝ていま
す。

寒いからでしょうか。


RPEジャーナル
北野幸伯


●北野への応援・激励・新刊感想メールは
こちら→ tjkitanojp●yahoo.co.jp 


▲迷惑メール対策のために真ん中が●になっています。
これを@にかえてお送りください。



▼メールを書くまえに必ずご一読ください。

1、メール多数で、ほとんどお返事できませんが、すいません。
しかし感謝して読ませていただいております。

2、いただいたメールは掲載させていただくことがあります。匿名
希望の方はその旨必ずお書きください。

3、広告に関するクレームにはお返事できません。広告主さんに
直接連絡するようお願いします。

4 、RPEの広告は、北野が実際に購入した製品とは限りません。
必ず★HPを熟読され、★
自己責任で決定を下してください。



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