ロシア政治経済ジャーナル

【ロシア政治経済ジャーナル】北朝鮮の脅威を過小視しイランの脅威を過大視する

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         ロシア政治経済ジャーナル  おたより号

                         2006/10/19号

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●ぶった斬りの広告ではありませんので、
最後までお読みください。


★北朝鮮の脅威を過小視しイランの脅威を過大視する


全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!

国連安全保障理事会は10月14日、核実験実施を発表した北朝鮮に対し、
経済制裁を規定した国連憲章7章41条に基づく制裁決議案を全会一致
で採択しました。

その背景は次号で書いていきます。

今回は、北朝鮮は国際情勢で最重要の問題ではないという話。

アメリカは、北朝鮮の脅威を過小視するのにヤッキになっています。

例↓

●「<北朝鮮核実験>「ミサイル搭載数年かかる」 米専門家分析」
(毎日新聞) - 10月10日

●「米情報機関、北の核実験に疑い=「典型的爆発ではない」」
(時事通信) - 10月10日


●「北朝鮮の「核実験」失敗か=予告規模、大幅に下回る−CNN」
(時事通信) - 10月11日

●「米政府、北朝鮮の核開発能力を疑問視」
(ロイター) - 10月11日

●「北の核実験実施を確認=1キロトン未満、失敗濃厚に−米」
(時事通信) - 10月17日


アメリカは国際社会に、「北朝鮮はそんなに脅威ではないのですよ!」と熱
心にメッセージを送りつづけています。

その一方で、国際社会の目を「核兵器を開発する」とは一度もいっていない
イランにむけようと必死。

例↓

「国連の対北朝鮮制裁、イランの説得に役立つ=米国連大使
   
[ワシントン 15日 ロイター] ボルトン米国連大使は15日、CNNの番組
に出演し、国連の厳しい対北朝鮮制裁が、イランに対して実施が疑われて
いる核兵器開発を取りやめるよう説得する上で役立つ、との考えを示した。

同大使は「今回のことで、★核兵器開発を続ければ現在の北朝鮮と同様
の孤立と摩擦に直面するということを学んでくれればと期待している」と語っ
た。」
 (ロイター) - 10月16日14時12分更新


ボルトンさんの、「(イランが)核兵器開発を続ければ現在の北朝鮮と同様
〜」という発言。

これは、明白にアメリカと世界の人々を洗脳しているのです。

(ウソも100回いえばホントになる)(^▽^)

これは私がいっているのではなく、新聞にも書いてあること。

↓

「 <北朝鮮核実験>イランに「主張訴える」絶好の機会

 北朝鮮の核実験はイランにとって自国の主張を訴える絶好の機会となり
そうだ。NPTからの脱退を表明して核実験に踏み切った北朝鮮に対して、
イランは★NPTとIAEAの傘下での★平和的な核技術開発★を主張して
いる。イランへの制裁論議は近く本格化する見通しだが、北朝鮮問題を
反論の強力な材料に利用するとみられる。
(毎日新聞) - 10月10日」



ていうか、北朝鮮と比べて「イランの主張に反論の余地なし!」と思うの
は私だけでしょうか?

まあいいや。

この辺の事情、昔からの読者さんはみんなご存知ですね。

一から説明すると一冊本が書けちゃうくらい長くなります。

ですから、新規購読者の皆さんはできるだけ、「ぶった斬り国際情勢」
をお読みください。↓
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これを読むと、上に書いたような矛盾の背景が全部わかります。


さて、読者のG様は、今回の核実験について、北朝鮮がアメリカの弱味
をついたのではないかと考えています。

そして、日本の反応が極めて感情的であることを危惧しておられます。

皆さんはどう思われますか?

RPE北野
↓
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★G様からのおたより



こんにちは。Gです。

ついに北朝鮮が核実験に踏み切りましたね。

もっとも、爆発の規模からして本当に核実験かどうか怪しいという説もあるよ
うですが。

この件について、さぞかし多数の質問メールがRPEに殺到していることでしょう。


それらの質問にはおそらく「北朝鮮はなぜ暴発したのか?」あるいは「今後北
朝鮮が暴発する可能性はどのくらいあるのか?」というものがかなりの割合で
含まれているのでないでしょうか。


私はテレビのニュース番組などは、その内容の耐えがたい軽薄さゆえにほと
んど見ないのですが、例によって北朝鮮暴発説をしたり顔で流すところが多い
ようです。(これはテレビには限りませんが。)


また、「暴発」ではなく「瀬戸際外交」という言葉で北朝鮮の行動を説明しよう
とするマスコミも多くあります。


「暴発」に比べれば、「瀬戸際」であっても「外交」なのですから、こちらはいく
らかは理性的な説明と言えるでしょう。


ここで標題の件なのですが、北朝鮮(のようなある意味で厄介な相手)の行
動パターンを「暴発」や「瀬戸際」という言葉で考えようとする思考は、実はき
わめて危ういものなのではないかという気がします。


北朝鮮にとって、今回の核実験は次のような戦略的意義を持ちます。


すなわち、アメリカのイラン攻撃をやりにくくさせること。それによって自国を
守ること。


RPEが以前から指摘するように、アメリカの攻撃目標はまず第一にイランで
あり、その次は中国です。


北朝鮮については、中国をアメリカの属国にすればどうとでもなる国なの
で攻撃目標にはならない、仮になっても順位は中国の次です。


イランの核開発があくまでも民生用である以上、核爆弾を実際に爆発さ
せた(と主張する)北朝鮮よりも先に攻撃するのは大義名分が立ちませ
んね。


一方、仮にアメリカが北朝鮮を攻撃するとしたらイランや中国の後なので、
アメリカがイランを攻撃できないかぎり、北朝鮮も攻撃できません。


万一、アメリカが順序を変えてイランや中国よりも先に北朝鮮を攻撃した
ら、東アジアが大混乱に陥ってしまい、アメリカの世界戦略が狂ってしま
います。


現時点において、アメリカにとって東アジアはドル基軸体制を支えてくれ
る重要な経済的要衝なのですから、むやみに混乱を招くようなことはで
きません。


つまり、北朝鮮は今回の核実験によって「アメリカのイラン攻撃の正当
性を大きく傷つけた」「イランを攻撃できないアメリカは、戦略的優先順
位からして当然に北朝鮮も攻撃できない」という状況を作ったのです。


むろん、これは私の推測であり、本当に北朝鮮がこのような戦略的思
考を持っているとは限りません。


また、アメリカが本当に「イランよりも先に北朝鮮を攻撃するのは得策
ではない」という戦略的判断をしているとも限りません。


つまり、私は北朝鮮の戦略的思考力を不当に過大評価しているのか
もしれないということです。


ですが、結果的に不当な過大評価に終わったとしても、「暴発」や「瀬
戸際」といった戦略的思考からほど遠い発想で事態を把握しようとす
るよりもはるかにマシではないかと思うのです。


日本人はかつてABCD包囲網で締め上げられ、客観的に見れば勝て
るわけもない太平洋戦争に踏み切ってしまいました 。


これが日本人特有の(このような種類の、客観的根拠のないご都合
主義的な形容は使いたくないのですが)「暴発」「瀬戸際」思考であり、
今回もまた同じ思考で戦略的判断を誤ってしまうのではないかと危
惧しています。


ロシアの政治・外交エリートとも親交のあるRPEであれば、この件に
ついてのロシア流の解釈(価値判断)をご存知なのでは?


12,000名以上の読者にその一端でも披露していただければと思い、
このメールをお届けします。


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