本当に面白い映画はどれだ! 映画瓦版・今週の目次

今週は『監視者たち』を紹介します!

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◇今週の映画瓦版(無料版) 2014/09/01

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▽9月6日(土)公開 シネマート六本木

監視者たち
2014/08/05 シネマート六本木

プロ対プロ。警察の監視班と強盗団の戦い!

 警察学校を主席で卒業したハ・ユンジュは、人並み外れた観察力と記憶力
を買われて、警察内で凶悪犯を監視追跡する特別チームに配属される。最初
に担当することになったのは、ソウル市内で白昼堂々行われた銀行強盗事件
の捜査だった。犯人は少数精鋭のプロフェッショナルたち。周到な準備のも
と、街中あらゆる場所に設置してある監視カメラの死角を突き、警察の検問
をすり抜け、一切の証拠を残すことなく貸金庫から高額の証券類を盗み出し
たのだ。監視班が容疑者の割り出しを急ぐ中で、犯行グループは第二の犯行
を行う。なかなか成果を出せない監視班に対して警察上層部からの圧力も増
すが、監視班はついに犯行グループの一員らしき男を割り出し、その行動範
囲を丁寧に張り込むことで住まいを割り出すことに成功。次の犯行を準備す
る犯行グループへの包囲網をじりじりと狭めていくが、グループのリーダー
らしき男は用心深く、なかなか尻尾をつかませなかった。

 容疑者を徹底して監視するだけ……という警察の特殊チームを主役にした
サスペンスドラマだ。実際の警察内にこうしたチームが存在するのかどうか
は知らない。だが手を変え品を変えありとあらゆるアイデアが出し尽くされ
た感のある刑事ドラマに、まだこんな新しい切り口があったのかと驚かされ
るのは確かだ。この映画の特徴は、主人公たちの職務が分断されているとこ
ろにある。彼らは犯罪捜査の中でも容疑者の監視だけを専門に行っていて、
他のことには一切手を出さない。仕事が完全に分業化されているわけだが、
これは現代社会の中で我々の生活を取り巻く現実の反映でもある。現代人は
ひとつの仕事の全行程を一人で行うことがない。与えられた領分の中で、プ
ロとしての仕事をこなしているのだ。この映画の中では、犯罪もまた分業化
されている。仕事の依頼をする者がいて、現場に仲介する者がいて、現場で
は作戦を立てるリーダーと、現場で動く実行部隊がいる。

 現代人はすべて、大きなシステムの中の歯車として行動することを強いら
れている。細分化された小さな世界の中で、誰にも負けないプロフェッショ
ナルになることを求められている。この映画はそんな現代人にとって、身近
なリアリティを感じさせる物語になっている。ヒロインのユンジュが与えら
れた任務を逸脱した行動を取って上司にとがめられるシーンは、状況こそ違
えど多くの社会人にとって身に覚えのあるシーンになっているのではないだ
ろうか。自分を縛るシステムに反逆することはできない。チョン・ウソンが
演じる犯行グループのリーダーが組織に反逆する場面が痛快なのは、そこに
展開するアクションの痛快であるばかりではなく、それが現代人にとっての
タブーへの挑戦であったりするからなのだ。

 警察内のプロ集団と犯罪プロ集団の追いかけっこは見応え十分で、続編も
期待したいところ。面白い映画なので権利を買って日本版リメイクを作れば
いいと思う。

(原題:Cold Eyes)

9月6日(土)公開予定 シネマート新宿、シネマート六本木
配給:クロックワークス 宣伝:ポイントセット
2013年|1時間58分|韓国|カラー|スコープサイズ|ドルビーデジタル
公式HP:http://kanshisya-movie.com
IMDb:http://www.imdb.com/title/tt2969656/

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◇編集後記

 映画評をWEBで公開するのに合わせて、メルマガの内容については今後少
しずつ見直していこうと思っています。9月か10月頃までは、有料限定で配
信していた映画評が使えるので無料メルマガは現在の形式で続けると思いま
すが、それ以降はちょっと考えます。

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○発行者について

服部弘一郎(はっとりこういちろう)

 1966年8月3日生まれ。東京都出身。血液型はB型。専門学校桑沢デザイ
ン研究所を卒業後、グラフィックデザイナーやコピーライターを経て、1997
年から映画批評家として活動。95年頃に映画評のホームページ「映画瓦版」
を開設。著書に「シネマの宗教美学」など。

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